2016年12月4日

【ポールのSPAC探検】 川根でのリーディング・カフェ

まず、自己紹介をしたいと思います。ポールと申します。25歳です。フランス国立東洋言語文化学院の大学で専門は日本語にして、日本の政治、歴史そして文化についても学び、三年間、演劇サークルのメンバーでした。現在大学院生として、10月の初めから年の末までSPACでインターンシップをさせて頂きます。
Hello, my name is Paul Baudoin. I’m a French student currently finishing my studies at INALCO (National Institute for Oriental Languages and Civilisations) in Paris, where I majored in Japanese language, politics and culture. I’m 25 and in order to graduate, I am now taking the opportunity to work for 3 months as in intern among the SPAC. I would also like to specify that this English version is not the perfect image of what I wrote in Japanese, as I do not think and express myself the same way in these two languages.
先日初めて、SPACが2008年から行っているリーディング・カフェと言う企画に参加させて頂きました。

山で、結構自然に囲まれている川根と言う場所に参りました。今度、SPACで上演する『高き彼物』は芝居自体が静岡県、川根を舞台としているのです。
秋の風が吹いてくる温泉の匂いが、六名の参加者が木のシンプルなテーブルで座って待っていらっしゃっるお店に立ち込めていました。
お店のオーナーさんは 16年前からこのお店をやっているそうです。
今日は奥野晃士さん(SPAC俳優)と林由佳さん(SPAC制作部)と共にお店にうかがいました。
Recently, I had the chance to participate into one of the SPAC’s activity: the Reading Café, which has been regularly held since 2008. The name might speak for itself, but it is basically an event where we reunite in a shop, a café or a public place to read parts of the play the SPAC is working on. The current play is named “Takaki Kanomono”, and takes place right in Shizuoka prefecture, a small town named Kawane, surrounded by mountains, which is actually where the Reading Café is happening. Kawane is also famous for its tea and the hot springs established around the place.
Kawane is located at around one hour and a half from Shizuoka, where the SPAC is holding its main stages, offices and …. For this session, I accompanied a staff office member, Miss Hayashi, and an actor who often works with the SPAC, Mister Okuno. We arrived in a small shop filled with hot spring smell, where a few people were waiting for us while having some warm tea or coffee.

リーディング・カフェは、私は初めての参加なので、様々な印象、不安、または期待を持っていました。
演劇は趣味としてやっていて、もともと私の大学での専門は国際関係です。演劇と国際関係の分野を比較してみたいと思います。野蛮な比較をするんですけれども、地政学では「創発」というものがあってそれは何かというと、サブ要素の共有が単なる総和以上のものを生産するという考えです。演劇も同じだと思います。演劇は舞台、演出家、俳優たち、音響と照明のスペシャリストを集めるだけでなく、想像外の素晴らしいことが起きることだと思います。
今日も、良ければそういう事を目撃できたら嬉しいと思っていました。
まず、SPACの方も自分も加えて、参加者は9人になります。人数が少ないもののぴったりな構成になりました。三台のテーブルで三人が座って視線が完璧に合わせるような構成になれました。
As I imagined how it would turn out, I must say that I had hopes as well as apprehensions concerning this activity. At first I thought about a small comparison. As my field of study is International Relations, I studied geopolitical analysis, where we have a concept called “emergence”. It is the idea that the accumulation of sub-elements produces more than just the sum of these elements, emergences are what spontaneously come out of this addition. The concept is being applied in many research fields, and I believe that it holds a resemblance with what we can sometimes witness during a play, when the unexpected performance suddenly surpasses all the hopes of the director, the staff and the actors themselves. It happens, for a second or longer, but it is always a pleasure to witness such thing, and I was wondering if maybe it would during the Reading Café.
I was also worried about my potential ability to read the text while working, as I would participate as part of the readers but also as a note and picture taker at the same time.

奥野さんは始め、司会者としてSPAC、『高き彼物』の芝居と演劇について紹介しました。奥野さんによると、、俳優の仕事を20年している中で『高き彼物』のように静岡県の話で静岡弁で描かれた芝居は初めてみたそうです。雄弁家の才能と武士の貫禄で、奥野さんは日本演劇の歴史、歌舞伎の生まれから現代、初代芸術総監督鈴木 忠志についてとSPAC設立までの要約を語って、皆さんが居心地よくなるように何かが生まれそうな雰囲気を作ろうとしていました。
そしてもちろん、自己紹介になって、参加者の方々からも色々話してもらいました。例えば一人の方は「リーディング・カフェの事はもっと前から知ってたんですけど、自分なんか無理だと思ってたんです」と言う考え方もあったり、静岡市からいらっしゃった参加者さんも居て、距離や不安を乗り越えて来てくださってとても感謝しております。
一般的に、参加していただいた方は「テレビで見るのが好きで実際どんな感じなのかな」や「新しいテクノロジで日本語を読めなくなったり書けなくなったりして残念だと思う」などと言う多様な気持ちでいらっしゃったそうです。
ただ、気づいたのは、演劇は若者の現代文化で、映画、ドラマの基本なのに参加者たちの中に二十代以下の方は居なかったことはちょっと残念だと思いました。
Including SPAC members, 9 people participated in this activity. That relatively small number allowed us to build a sit in a perfect configuration, as a triangle constituted of 3 tables where 3 persons sat, looking at each other.
Mister Okuno, who would be the chairman during the whole session, started with an introduction about Japanese theater, from the traditional Kabuki to nowadays modern plays and the SPAC, and the play we were about to read, “Takaki Kanomono” itself. In 20 years working as an artist, even he had never seen a work written in Shizuoka’s dialect. As a good orator, he did his best to install an atmosphere where people would feel comfortable enough to speak and express some kind of theater. We then moved on to everybody’s presentations, learning how people heard and decided to join in the Reading Café. For example one person had heard about this sessions for a long time before deciding to join in as he thought that he wouldn’t be able to perform properly. Another one came all the way from Shizuoka city to participate (which is approximately 1 hour and a half long). People had heard about it and were interested but often hesitated to participate. When my turn came I tried to reassure them, their reading couldn’t possibly be worse than mine. I also couldn’t help but notice that there was no one under 30 among the participants.

そのようなほとんどアマチュアばかりの会で、何かが(もしかして演劇は)生まれるのか、発生できるのか、感じられるのかと考えていたんです。その問いには答えが出てきました。
奥野さんは役を参加者に分け、ト書きを読みながら、皆を合わせてダイナミックさを付けようとしてリズムの管理も担当しました。
このようなシーンになりました。川根の、シンプルな喫茶店で家族がだんらんしているようでした。九人の人は、あたたかい飲み物を飲んだりロールケーキを食べたり笑ったりして『高き彼物』を読みながらいい感じの雰囲気になりました。 自分も読み、静岡弁の「だに」などの言い回しと漢字にチャレンジして、演劇をする感覚を思い出せました。
I was really wondering if something could come out of this small performance composed almost exclusively of amateurs. And I got an answer during the session.
Okuno distributed the roles among the participants, reading the annotations, putting everyone together to establish a group spirit and a rhythm. It became a peculiar scene. A small shop in Kawane, with people reading and laughing while enjoying some warm beverages and cake. That could have looked like a family reunion. Reading myself I felt like I haven’t for a long time, challenging this Shizuoka dialect and the ideograms filling the text.

『高き彼物』を読みつつ、どんどんエネルギーが出て波のようなリズムが生まれました。時には役の分け方を変えてすぐ続けたり、たまに休憩を取って雰囲気は呼吸していました。

言葉だけにもかかわらず、上演している芝居を観ているようでした。そのエネルギーは違う観点、言葉、肉体を持っているみんなが渡し合う熱い玉のように、生き続ければ良いなと思いました。
そしてそこに、小さい奇跡が起こりました。『高き彼物』の世界が立ち上がったかのように、ある女性が登場人物になりきって読んでいました。それは、ト書きを読む奥野さんの存在を忘れるほどでした。
As we were playing “Takaki Kanomono”, an atmosphere filled with energy emerged, as the rhythm, managed with skill by Okuno, juggled between quick role changes and moving to the next part or small breaks allowing group talks, as if it was breathing.
It was a pleasant sensation to feel that energy flowing in the air, like a warm ball going from hands to hands through different point of views, words and bodies. And then, out of sudden, a little miracle happened. As if the play was speaking for itself, one reader spoke her part with such accuracy and strength that she ignored and cut through the annotations, bringing everyone in a pleasured surprise.

最後に、参加者たちに『高き彼物」を見に来てくださいとお誘いして、リーディング・カフェはお終いになりました。
In the end we thanked everyone for coming and participating, and closed the sessions.

SPAC制作部 インターン生
ボドアン・ポール
2016年11月1日


2014年11月5日

この秋も、リーディング・カフェ

SPAC俳優・奥野晃士が独自に考案した、SPAC発祥の《リーディング・カフェ》。

2008年のスタート以来、各地の文化発信に熱心な方々とのコラボで実現してきました。

県下22宿の東海道宿場町をリーディング・カフェで巡る、
SPACアウトリーチ版「ふじのくに芸術回廊」の達成を皮切りに、県内を東へ西へ。
ときには東京や大阪など県外にも足を伸ばしつつ、
開催実績は350回を越えました。

お蔭様で、最近では各地からオファーを頂けるような人気のアウトリーチ企画となりました。
これも、演劇の台本(戯曲)を一緒に読んできた各地の皆さま一人一人とのご縁が積み重なってこそです。

参加した方々がまず口にされるのがこちら。
「あれ!?俳優さんが朗読するのを聞く会だと思って来ました。」
でも、最後には
「台本をまさか自分が読むとは思わなかった・・・初めてだったけど、意外と楽しかったです!」

SPACリーディング・カフェでは、読むのは参加されるみなさまご自身です。
初めての方でも大丈夫、SPAC俳優が優しくアドバイスさせていただきます。

束の間の役者気分に浸りながら、古典の名ゼリフをバシッと決めてみたり、
歯の浮くような愛の言葉を囁いたりしてみませんか?
この秋は、SPAC作品の上演に先駆けて原作を読めます。

いわば<演劇のカラオケ>とでも言えるような、
リラックスできてカラダにもココロにも良いひとときとなるよう、
SPAC劇団員が戯曲を持って各地に赴きます。

只今募集中の回は小山町、熱海、三島です。
東部にお住まいの方、この機会にどうぞご参加ください。
まずは今週末の小山町映画祭で、SPAC最新作『変身』を読みます!

これからのリーディング・カフェ開催情報

◆ 11月8日(土) ​①13​:​00-15​:​00​/②16​:​00-18​:​00
読む戯曲: 『変身』(フランツ・カフカ)
会場: 豊門公園・豊門会館(静岡県駿東郡小山町藤曲144-8)

◆11月29日(土) ①10:30~/ ②14:00~
読む戯曲:  『走れメロス』(太宰治)
会場: 起雲閣・孔雀 (静岡県熱海市昭和町4-2)

◆12​​​月​3​日(​水​​​) 18:30~
読む​童話​: ​​​『グスコーブドリの伝記』​(作:​宮沢賢治)
会場:​​ GALLERY エクリュの森​​ (静岡県三島市大宮町2-16-21 伸和ビル1階)

★10/18に御前崎市立図書館で開催した様子はこちら

御前崎

SPAC制作部 アウトリーチ班
佐伯 風土


2014年6月5日

Noism「カルメン」世界初演(6/6〜8)にむけて、リーディング・カフェin 新潟開催!

静岡では「ふじのくに野外芸術フェスタ」が大盛り上がりのご様子、新潟で様々な情報を楽しく受けとっております。
6月4日から始まった浜名湖での『天守物語』、野外での天守は、また格別でしょう。
是非お出かけ頂けたらと思います。

5月から奥野は静岡を離れ、新潟stay、街の様子にもだんだんと馴れて参りました。

そして、いよいよNoism10周年記念公演『カルメン』世界初演も迫ってきました。

舞台稽古も絶好調、世界中で『カルメン』と名のつくものは数多く舞台化され、オペラ、演劇、ミュージカル、舞踊等々、あらゆるジャンルで上演されつくしておりますが、
今回金森穣さん演出振り付けの劇的舞踊『カルメン』は、舞踊でも、ミュージカルでも、もちろん演劇でもなく、正に「劇的舞踊」という新しい領域の作品だと思います。

ダンサーの皆様も絶好調!

Noism渾身の舞台、ぜひ多くの皆様にお越しいただけたらと思います。

かく言う私も新潟に来て様々な挑戦をさせて頂いております。

以前、Noismメソッドの事を書きましたが、
最近はダンサーの皆様に混じって、あつかましくも「バーレッスン」にまで、参加させていただいております。

といっても全然ついていけておりませんが、

「トンベ、クッペ、ファイ、バランセ〜、1、2、3…左も同じ…、アチチュード…」云々かんぬん、私としてはチンプンカンプン。でも、さすがはダンサーさん、いきなり全員がやってのける。
とにかくバレエはすべての技?に名前があって、用語にすぐに体が対応して全員がその通りに動けてしまう………。しかも、その動き一つ一つも、いとも簡単に頭のテッペンより上に足があがってしまったり、華麗なる足さばき見せたりと洗練されており、この奇跡のような光景を日々目の当たりにし、やっぱり、身をもってバレエの奥深さとダンサーさんの磨き上げられた肉体の素晴らしさを体感できる幸運に感謝しております。


同時に自分の肉体のサビ具合も実感、油ささねば。

話はさかのぼって、5月11日、新潟で初開催、Blue Cafeさんで『リーディング・カフェin新潟』を開催させていただくことができました。
reading cafe in Niigata_MG_0998 (Medium)

今回の開催にあたり、Noismの上杉さん遠藤さんはじめ多くの方々のご尽力がありました。

会場のBlue Cafeは、以前Noismダンサーの真下恵さんも
作品を上演したこともあり、


ほかにも音楽イベントなども頻繁にやられている新潟市の知る人ぞ知る発信拠点の一つ。
本に囲まれた広い店内でゆったり時間をすごせる文化的な香りのするお店です。

オーナー青(あおし)さんは気さくにオヤジギャグを連発して下さり、すぐになじみ深い雰囲気になり、和気あいあいと準備にとりかかることが出来ました。

そこへ、私とはSPAC同期入団2000年組、鈴木忠志芸術総監督のもと、まさに苦楽を共にした仲間であり、”常在戦場”の厳しい環境下にもかかわらずゴールイン!リアル・スパカンファン(SPACの子供達)栄えある第一号周哉君をもうけるなど、プライベートにおいてはSPAC歴代トップランナーとなった、山本俊介、博美一家の突然の訪問には驚きました。

山形県に住んでいる彼らには第二子直歩くん2歳も伴って、一家で3時間かけてわざわざ会いに来てくれたのだ。ありがたいことだ。とても幸せそうな様子で安心した。『カルメン』新潟公演も観に来てくれるとのこと。世界初演!いい舞台をみせれるようがんばります!

『リーディング・カフェin新潟』は地元劇団の方々やりゅーとぴあ関係者、Noismサポーターの方々等合せて12名、新聞社の取材が二社、リハを終えて駆けつけてくれたNoism2の菅江一路さんも飛び入り参加してくれて、静岡を凌ぐのではと思える盛り上がりをみせたのでした。

今回リーディング・カフェで読んだ作品は宮城演出『黄金の馬車』の原作で、『カルメン』の作家P・メリメの『サン・サクルマンの四輪馬車』。若くわがままな女優と、それに翻弄されるペルー総督のコミカルなやりとり、長い台詞も結構あったのですが、最初は緊張気味だった参加者の皆様も徐々に乗って来て、それぞれの読みっぷりがとても素晴らしかった。

reading cafe in Niigata_MG_1013 (Medium)

最初は緊張した感じだったNoismサポーターズunofficialの事務局長のKさんや、Fさんも最終的にはノリノリで参加してくださいました。
Noismサポーターズの会報にもレポートしてくださいました!

新潟の劇団カタコンベ牧田夏姫さん、KURITAカンパニーの荒井和真さんもご参加くださり、その卓越した台詞を惜しげも無く披露してくださいました。

新潟は海産物は美味しいし、米どころなのでご飯も美味しく、お酒が好きな人は日本酒の試飲が出来るぽんしゅ館も駅中にあります。

いよいよ6日新潟でカルメン世界初演!
そのあと神奈川、兵庫とまわります。

是非お出かけ頂けたらと思います。


2011年10月26日

<役者おくぬ~日記>27日より大阪〜京都へ

いよいよ明日27日は大阪は八尾のプリズムホールと
心斎橋ウイングフィールド
お陰さまでプリズムさんは定員に達しました。

春頃SPACに出向してくれてたプリズムホールの井上さん、
有り難うございました。

ウィングフィールド家が舞台の「ガラスの動物園」を読むのなら、
心斎橋にある小劇場、ウイングフィールドを外すわけにはいきません。

奥野も若かりし頃、大阪で演劇活動をやってまして、94年にはじめて劇場を借りて、プロデュース公演をさせていただいたのも、このウイングフィールドでした。

この前行ったら全然変わっておりませんでした。
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あの頃、オーナーの福本さんに頂いた大入り袋とお手紙は、20年近くたった今でも大事にとってあります。
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28日は京都のアトリエ劇研さんで14時と19時のダブルヘッダー

14時からガラスの動物園、19時からはオイディプス王です、

大阪、京都の皆様、是非おこしくださいませ。

<リーディング・カフェ@関西>
・10月27日(木)14:00 八尾市文化会館プリズムホール [ガラスの動物園] 八尾市光町2-40 TEL.072-924-5112

10月27日(木)19:00 心斎橋ウイングフィールド [ガラスの動物園] 大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6階 TEL.06-6211-8427

・10月28日(金)14:00 [ガラスの動物園]/19:00 [オィディプス王] アトリエ劇研アネックス 京都市左京区高木町23亀石ビル3階
TEL.075-791-1966 E-mail: info@gekken.net 参加費 (ドリンク代込み):一般1500円、学生1000円 (昼・夜通しで参加の場合2000円)


2010年2月26日

<萌目線vol.34>リーディングカフェ@浜松

わたくし石井萠水の生まれ故郷、
浜松市にリーディング・カフェに行ってきました!!

今回の会場は、『たけし文化センター』さん。
元々は本屋さんだった広いスペースに、
家具がいっぱい置いてあったり絵が飾ってあったりする素敵空間でした。

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今回も定員より多くのご応募をいただき、
参加者の方がいっぱいで嬉しいかぎりです。

地元の方はもちろん、
名古屋や牧之原市から来てくださった方も!!
参加者の皆様、本当にありがとうございました!!

読んだ戯曲は、
SPACで間も無く本番を迎える『ペール・ギュント』!!
破天荒な色男の暴走っぷりを、
お仕事帰りのサラリーマンの方や、学生さん、主婦の方に読んでいただきましたよ。

今回お配りしたのは戯曲の本当に始まりの部分だけだったのですが、
それだけでも皆さんペールの破天荒っぷりや、物語のファンタジー性を楽しんでいただけたようでした。

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でもペールが本当に大変になるのはこれから。
続きはぜひ劇場で!!

地元ということで、私が子どもの頃から一緒に芝居をやっていた浜松の劇団の方々も遊びに来てくれました。
昔のバイト仲間や、バイト先のお客さんまで!!

それから今回は、
K-mixのパーソナリティーとして活躍されている
小林千穂さんと神谷幸恵さんが
スタッフの方々と遊びに来てくれました。

小林さんはSPAC芸術総監督の宮城聰と
毎週ラジオで話されています。
神谷さんもラジオやテレビでおなじみですよね。

お二人ともとっても素敵な方でしたよ!
http://blog.k-mix.co.jp/personality/kobayashi/
↑小林さんがブログでリーディング・カフェを紹介てくれました!

初めてお会いする方でも、
「ブログ見てます」とお声をかけて下さるお客様もいて、
本当に嬉しかったです。

応援してくださる方がいるから頑張れるってことを
改めて感じることができました。

今日みんなで読んだ『ペール・ギュント』を劇場に持ち帰って、
本番にむけてますます頑張りたいと思います!!


2009年11月25日

三島のギャラリーでリーディング!

11月17日、ご好評いただいている出張企画リーディング・カフェを三島にあるGalleryエクリュの森で開催しました。

11月11日には三島文化会館で親子を対象にしたご招待公演『走れメロス』を上演したばかり。SPACが三島に進出中です。

リーディング・カフェははじめての三島市での開催でした。三嶋大社近くにあるGalleryエクリュの森は普段は自主企画展を開催する画廊。「エクリュ」とは生成り色のことで、気軽に立ち寄れる場所にしたいという思いでこの名前をつけたのだとか。リーディング・カフェとも相性ぴったりです。

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この日は、太田宗平さんという画家の個展がひらかれていました。紙を溶かして絵の具にするという独特の画法で、静かで優しくそれでいてどこか怖いような絵を描かれる太田さん。太田さんの作品に囲まれた不思議と心地よい空間でのリーディング・カフェは参加者の皆さんにもご満足いただけたと思います。

舞台芸術公園BOXシアターでの『走れメロス』公演に先立ち、太宰治の『走れメロス』を読みました。

はじめは「声に出して読むのはちょっと⋯⋯」とおしゃっていた方も、読み進めるつれ、すっかり夢中に。今回も老若男女、幅広い層の方々にお集まりいただきましたが、どの方も顔が明るくなるから不思議です。

しかも、驚くなかれ、なんと4組の母娘が参加されていたんです!大人になって親子一緒に同じ物語を読むなんて、なかなかありませんよね。きっと特別な時間になったのではないかと思います。

舞台芸術公園BOXシアターでの『走れメロス』公演は11月28日(土)から。もう間もなくです。ご予約はお急ぎください!

静岡市を中心に開催してきたリーディング・カフェ、この三島開催を機に静岡市外でも開催していきたいと思っています。

次回は12月22日(火)清水文化センターでの開催が決まっています。読むのは『クリスマス・キャロル』。清水文化センターさんにお招きいただき、クリスマスを目前にひかえた特別版です。ぜひこちらもご注目ください!

新年明けて1回目は1月9日(土)静岡芸術劇場内カフェ・シンデレラで開催です。ホームグラウンドに戻っての新年一発目、こちらもぜひ。


2009年10月23日

遊木の森でたき火リーディング!

10月17日、SPACの拠点のひとつで日本平にある舞台芸術公園のお隣さま「しずおか里山体験学習施設 遊木の森」でリーディング・カフェを開催しました。

この日のリーディング・カフェは「たき火を囲んでのリーディング!」と事前にうたっていただけに、当日の雨には「そんなあ!」とスタッフ一同嘆きましたが、奇跡的に?雨があがり、ちゃんと火をおこすことができました!

参加者は遊木の森の広大な自然に足を踏み入れて枯れ木を拾い、遊木の森スタッフの皆さんに助けられながら火を起こし、一人一人に用意された灯篭のロウソクに明かりをともして戯曲を読みました。なんという風情!
こんなリーディングの会、日本中どこを探してもないでしょう。それもこれも遊木の森の皆さんの熱意のこもったご協力のおかげです。一人ずつの専用灯篭は遊木の森さんのお手製なんです!
頭が下がります。
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今回読んだのは泉鏡花の『夜叉ヶ池』。越前の山奥にある夜叉ヶ池を舞台にしたこの戯曲、自然に囲まれて読むにはうってつけでした。物語の舞台が目の前にひろがっているような錯覚に陥ります。ろうろうと燃える火にてらてらと紙面が照らされて、そこに書かれたせりふの数々を目で追って声に出す…
電気の照明に慣れている私たちにはこんなにも火の灯りがやさしく魅力的だとは驚きです。ひとときも動きをとめないんですね、火は、当たり前ですけど、だから光もずっと動いているし、そのぶん影も絶えず形を変える…
戯曲をみんなで読みながら、一方で火そのものに癒されるような、なんとも趣深いリーディング・カフェになりました。

休憩時間には遊木の森さんから栗茶と栗の渋皮煮がふるまわれました! 参加者もSPACメンバーも遊木の森さんのおもてなしに大喜び!
はじめて会った人とも話が弾みます。リーディング・カフェが人気なのは、戯曲を読むおもしろさはもちろんですが、全員が役を演じるためのせりふを声に出しますから、思わず心をひらいて人と話ができるところに、そのヒミツがある気がします。人と出会える感じがするんですね、きっと。

これからも遊木の森さんとタッグを組んで、自然と出会える、人と出会える場をつくろうと思いますので、みなさま、ご注目ください。


2009年8月31日

東壽院修養会でリーディング!

8月18日に清水区にある禅寺、東壽院さんでリーディング・カフェを開催しました。カフェといっても今回は、小学3年生から6年生の子どもたちが集まった修養会に少しだけ参加させていただいて、みんなで戯曲を読みました。

東壽院さんは夏のこの時期に子どもたちを集めて修養会を開いています。もう30年も続いているそうです。20数名の子どもたちがお寺に滞在し、寝起きをともにしながら、勉強したり、川で遊んだり、夏休みのひとときを過ごします。県内だけでなく県外から参加している子どもがいたり、子どもたちにとってはとても特別な体験になるだろと思います。

御住職の御厚意でそこで戯曲を読む機会をいただいたわけですが、読んだのはメーテルリンクの『青い鳥』。ご存知の方も多いと思います。チルチルとミチルが青い鳥を探しに旅に出るお話です。

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一人一人せりふを読んでいくと、みんな、人が読んでいるときはじっと耳を澄まして聴いていることに気づきます。せりふを読むことは、登場人物の声を代弁することにもなるので、戯曲を声に出して読みはじめると、本のなかの人たちがこの世にあらわれ出たような錯覚がうまれて、子どもたちも、そんな不思議な空気に、思わず、耳を澄ましてしまったようです。普段おしゃべりをするときとは明らかに違う言葉が、ふっと、その空間を漂って、子どもならではの鋭い感覚で、その変化をとらえているようでした。だから隣の友だちとごそごそ話していても、せりふが聞えだすと、黙って聴いてしまう。演劇が生み出す異空間が人を惹きつける、そのシンプルな形に出会ったようで、子どもたちを見ながら、こちらの方がなるほどとうなずいてしまう、そんなリーディングになりました。

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 後半は25人の子どもたちに5人ずつ5グループにわかれてもらい、グループごとにリーディング、それから発表もしました。人前に立って読むとなると淡い緊張感があって、けれどみんな堂々と読んでいました。

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戯曲を読むというただそれだけなのですが、子どもたちはさまざまな心の動きを体験することになったのではないかと思います。思わず耳を澄ましてしまう、あるいは、人の前に立つ緊張感というのも普段は体験しないことでしょう。演劇の教育的意義を示したいSPACとしても、その信念を確認するよい機会になりました。

演劇が教育のためにできることがまだまだあるようです。


2009年8月3日

<萌目線。vol.4>リーディング・カフェ@グリーンハウス

今日は静岡晴れましたね!

久しぶりの青空の下、
『走れメロス』のリーディング・カフェがグリーンハウスで開催されました!

私は永井先輩(『青い鳥』でカリスマ指導中)と
池田先輩(『ドン・ファン』で可愛さ爆発)と一緒に
参加者の皆さんに混じらせていただきました!

グリーンハウスは、舞台芸術公園に上がるパークウェイ沿いにあるレストランです。
お庭の緑が見える店内は、広くてバルコニーにいるみたいな気分になれます。

晴れて本当によかった!
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毎回、初対面の方々で集まって、お茶しながら一つの戯曲を読むという、
このリーディング・カフェ。

色んな人が集まれば、色んな声が聞けて、色んな読み方に気づけて、
毎回とても新鮮な感覚を味わえて面白いのです。

特に今回は、多くの人が中学生のときに教科書で読んだことがある
ポピュラーな作品。
どうなるかなーと楽しみにしていました!

始まってみると、
やっぱり皆さん読んだことがあるからなのでしょうか。
激怒したり、困難に立ち向かったり、死力を尽くして走るメロスの様子が
声にのせられて鮮明に店内に響いていました!
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現代社会で普通に生活していて、
死を覚悟で困難に立ち向かうことや
命がけで友情を貫くことなんて
なかなかないですよね。

日常に無い熱い思いが込められるからこそ、この作品は現代でも支持されているのだろうなと
皆さんの声を聞いていて思いました。

読んだあとは、『メロス』について皆で話し合いました。

山賊は本当に王の差し金だったのか?
フィロストラトスは何のために登場したのか?
文中でメロスが言っている「恐ろしく大きいもの」とはなんだったのか?

真の友情って?
正義って・・・?

色んな人が集まれば色んな意見が出るもので、
メロスの行動に対しても賛否両論!

色んな視点で作品を見ることができるって
本当に面白いですよ!
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ちなみに私は、
中学校の授業では
「メロスは友情物語ではない。太宰治が描いたのは友情や正義の滑稽さだ。」
というような解釈を先生から聞いていて、それがとても印象深かったのです。

「そもそも、なぜ王様が処刑を繰り返すほど人間不信だったのか?
文明を築くにあたって、国や王族は傷や陰というものを絶対に抱えているからだ。
それに対して、悪いことはいかん!という単純明快な考えで立ち向かうことの
無神経なことと言ったら無い。」

という先生の解説を聞いてから、
『メロス』の話はそういうもんだと思っていました。

でも、今日参加者の皆さんの声を聞いたら、

暴君のわりに律儀に日没を待って
最後には改心した王様というのは、
それでも人を信じたい、正義は勝つという希望を僅かでも持っていた
太宰治自身のような気がしてきました。

天気が良かったからですかね。

参加者の皆さん!
会場を提供してくださったグリーンハウスさん!
今日は本当にありがとうございました!

芸術劇場では今週末から『走れメロス』が上演されます!

是非!観に来てください!


2009年7月5日

谷田公民館でリーディング・カフェ!

6月22日、谷田公民館にてリーディング・カフェを開催しました。

谷田自治会のボランティアスタッフが谷田地区の高齢者の方々を対象にデイケア・サービスをしています。公民館に集まって体操をしたり、お茶を飲んで歓談したり… 皆さんひとつの場所に集まって時間を過ごされるのを楽しみにしているようで、どことなくそんなゆったりとした空気が漂っていました。

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そこでひとつ一緒に戯曲を読んでみよう!ということで、谷田自治会の方からお話をいただきリーディング・カフェを開催することになりました。今回は40名近くの方に参加していただきました。平均年齢75歳! リーディング・カフェ史上もっとも年齢層の高いものになりました!

人生の大先輩に囲まれてのリーディング・カフェで読んだ戯曲は唐十郎の『ふたりの女』。春の芸術祭でのSPACの新作を、20日の初日をあけて、早々に読むことになりました!

声を張り上げる方がいれば、慎ましやかな声があり、笑いの混じる声があれば、難しそうに顔をしかめて読む声があり… 年を重ねることで、様々な経験が体に蓄積されて、それが戯曲を読むことであらわになる、というような、同じ時間だけ生活してきたはずなのに、それぞれの時間を生きてきたんだと、その声、体、語り口から染み出るようなリーディングでした。

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戯曲は、そのせりふを語る身体によって色彩を変えます。例えば、「ありがとう」と小学生の男子が言うのと、皺の深い老人が言うのでは、印象はもちろん、その言葉から感じ取れる奥行きが違いますよね。『ふたりの女』が初日を迎えるまでには、何度も何度も稽古が繰り返されたわけですが、初日をあけて、こうした機会に皆さんと戯曲を読むと、新しく見えてくるものがあります。それは、せりふを読む身体が(俳優のそれとは)違うからで、しかも自分らの親以上に離れた年齢の方々の、紆余曲折を経て、それぞれの時間に洗われ、耕された身体、その蓄積が、せりふを通して表へ出てきたからです。

演劇が多様な人間を許容するのは、演劇にとって、単に、それらが必要だからにすぎません。その意味で演劇だって必要性に迫られています。裸足が痛いから靴を履くように、喜びだけでなく怒りが必要です、演劇には。だから、演劇がおもしろいのは、演劇が人を求めることよりもむしろ、人の方が演劇を求めるときです。せりふという、ある意味では窮屈な形式を通して、過去の経験が(それは別に生きていた過去じゃなくてもいいんです)、そして未来の経験が(これもまた生きたことのないものです)溢れてくる、しかも肌のうえを走るさざなみのような言葉として。そのとき、必要性は可能性に変質する… そんなことをぼんやりと思わされました。

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リーディング・カフェにとっても今回は新境地となりました。より幅広い年齢層の方々と、できれば様々な境遇の皆さんと、またリーディング・カフェを開きたいと思っておりますので、よろしくお願いします!


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