2017年9月21日

<病ブログ2017 #4>主演俳優 阿部一徳インタビュー

病ブログ第4回は、主演俳優 阿部一徳のインタビューです!

[写真1]0W1A7872
撮影:中尾栄治(SPAC制作部)

重厚な語りからコミカルな役まで、幅広いキャラクターを変幻自在に演じるSPAC俳優・阿部一徳。
前作『アンティゴネ』で見せたギリシア悲劇のシリアスな役柄から一転、今回はモリエールの喜劇でコミカルな主役を演じます。30年近いキャリアで培った俳優としての哲学と、5年ぶりの再演となる本作への意気込みを聞きました。
(本インタビューのショートver.は、2017/9/15発行の「グランシップマガジンvol.11」に掲載されています)

[写真2]2012.10.23-103

▲初演の舞台写真

 

本番が終わったら「今日のことは全部忘れる」

-俳優として、演じるに際し心がけていることを教えてください。

大事にしているのは、「より正確に、より自由に」ということです。「ゆっくりいそげ」みたいで矛盾しているようですけれども。
僕ら俳優の仕事には、「再現する」という要素があります。そもそも芝居というもの自体が、脚本を現実世界に再現するものですし、稽古も、本番で再現すべきことを身体に入れていく作業です。ですから、稽古でも本番でも、常に「演じている自分を見ている自分」という感覚が必要です。これ無しには再現することはできませんし、この感覚によって、演技の「正確さ」が担保されます。
ですが、単なる再現、つまり「なぞってしまう」ようなやり方ではダメなんです。それではどんどん新鮮さが失われていく。正確さを意識しながらも、まるでその時が初めてであるかのごとく、いかに自由にやれるかが重要です。

-いつごろからそのような考え方を持つようになったのでしょうか。

俳優を始めた当初からだと思います。宮城(SPAC芸術総監督の宮城聰)と仕事をするようになって随分と経つのですが、彼が東京で劇団(「ク・ナウカ」1990年旗揚げ)を立ち上げたときに、「俳優の奥義10ヶ条」みたいなものを配った。その中に「自分の身体を他人のもののように扱う」とか、「常に外側と内側から見る」といったものがあって。ことさらそういうことを気にしはじめたのは、その頃だったと思います。

-今回の『病は気から』ではどうでしょうか。

今回のような喜劇では客席から笑いが起きます。この「笑い」って、俳優にとってかなり気持ちのよいものなんですよ。反応としてダイレクトですし。ただ反応が良ければ良いほど、前の日のうまくいった演技を「なぞって」しまいがちになる。これが一番やってはいけないこと。本番が終わったら「今日のことは全部忘れる」くらいがちょうどいい。良かったときほど忘れる。これはどんな舞台でも同じかもしれません。
でも、「笑い」はついやっちゃうんですよ。余計な色気が出て(笑)。ウケた時の感じをなぞったり、さらにそこへ付け加えたり。そうやって変な色気を出すと、たいてい失敗する。「演じる」ということから程遠いところへいってしまう。そこが喜劇の難しいところです。

-喜劇の難しさですか。

ええ、喜劇は難しいです。役づくりのためにするべき作業も多い。そして徹底した真剣さ、必死さが必要です。喜劇の笑いは、「こうやれば笑うよね」というネタ的なものではないんです。「これは笑い事じゃないんだぞ」と、とことん真剣にやって、はじめてお客様は笑ってくれる。登場人物が必死であればあるほど笑えるわけです。

[写真3]2012.10.23-179

-阿部さんが演じる主人公・アルガンも、自分を病気だと思い込んでいて、必死で医者に頼っています。

そうですね。だから役づくりでも、彼の「必死さ」を表現するために、いろいろな病気や体調の悪さをかなり具体的に想像して… たとえば「体のどこかがかゆい」とか、「内臓のどこが引きつるようだ」とか。さらにそれを同時多発的にやっていくわけです。そういった感じで、日々「これとこれを組み合わせたらどうなるかな」とか、「こういうときはどういう動きになるかな」とか、ずっと考える。そういう状態の人を2時間、休憩無く演じるわけですから、体力的にもかなり必死です(笑)。

-阿部さんからみて、「アルガン」というキャラクターはどのような印象ですか?

自分がいったん「こうだ!」って思い込むと、なかなかそこから抜け出せなくなっちゃう。そういうところが、いかにも人間らしくて愛おしい。かわいいというか。ものすごく一生懸命生きている人ですから。この芝居ではアルガンの家族を含めて、登場人物はみんな真剣で、必死に生きている。愛おしい男と、愛おしい人々。
あと、アルガンは自分を病気と思い込んで薬漬けの日々を送っているんだけど、現代の、「カラダにイイ」ものは買わずにいられない感じに似ている気もしますね。

[写真4-2]2012.10.23-268

 

変幻自在の俳優の素顔は、年間80冊以上の小説を読破する本の虫

-すこし話は変わりますが、普段の阿部さんの生活はどのような感じなのですか。

僕の生活はすごく規則正しくて。朝起きてから、だいたいいつも同じように過ごします。それはもちろん身体の状態を維持するということもあるのですけど。
でも、基本的なパターンに付随する部分というか、ひとつひとつの時間の過ごし方については、その時にやっている芝居によって結構違います。役作りのメソッドを家の中で毎日やるような作品もあれば、そうじゃない作品もある。また、作品に関係する本を毎日大量に読むような作品もあれば、違うやり方で演技の引き出しを増やす作品もあります。
具体的に言えば、『アンティゴネ』のような作品をやっているときは、身体の感覚が変わらないように注意しながら生活しています。イレギュラーなことをして身体の感じが変わってしまわないように。一方で、今回の『病は気から』は、変化することも大歓迎という感じです。先ほどお話しした「今日のことは全部忘れる」という作業も、すごく大事になってくる。

▲『アンティゴネ~時を超える送り火~』
(2017年7月 仏・アヴィニョン演劇祭にて)

▲『アンティゴネ~時を超える送り火~』
(2017年7月 仏・アヴィニョン演劇祭にて)

-阿部さんの仰る「忘れる」というのは、ある種の「切り替え」なのですね。そのためにされていることなどはありますか?

僕はよく本を読むのですが、特に小説は違う世界に入れるので重宝します。全く違う世界に没頭するのがいいのでしょうね。稽古期間中は引き出しを増やすために小説を読んで、本番期間中は忘れるために読む。そんな感じで年間80冊くらいは読みます。特に海外小説を読むことが多いのですが、演技の参考にもなります。実際に役作りの参考にするのは、映像よりも小説が多いですね。

-役作りの上で、どのように参考にされるのでしょうか。

役作りというのは、その役の背景や歴史をどれだけ多く、細かく設定できるかという具体的な作業なので、小説の細かい心理描写とか、仕草の描写というのはとても参考になります。たとえば、映像だと数秒で過ぎ去ってしまうことも、小説だと何ページもかけて描写することがあるでしょ。そういう部分。
あと、小説は物理的な制限がなく自由度が無限です。そういった新しい発想力を自分の中に取り込んで、たくさんストックしておくのが大切だと思っています。

-最後に、今回の公演への意気込みをお願いします。

僕自身、すごく楽しみですね。演出のノゾエ征爾さんも台本をけっこう変えてくるかもしれないですし。こちらも初演にこだわらず、気持ちも新たに作り込んで、パワーアップした笑いを届けたいですね。とにかく、「ひとつでも多くの笑いを」がテーマなので(笑)。
それと、「アルガンという役を演じているモリエールという役を阿部が演じる」という、このSPAC版でしか見られない多重構造も、ぜひ楽しんでください。

[写真6-2]2012.10.23-217
 

(2017年8月 静岡芸術劇場にて)
聞き手:佐藤亮太(SPAC制作部)
構 成:布施知範(SPAC制作部)

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯1
『病は気から』
2017年10月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:SPAC
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2017年9月19日

<病ブログ2017 #3>インターン大学生・真嶋陽さんよる稽古場レポート

病ブログ第3回は、SPACにインターンでいらした大学生・真嶋陽さんによる、稽古場レポートです!

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はじめまして、こんにちは!
9月2日から13日間SPACでインターンをさせていただきました、静岡文化芸術大学芸術文化学科3年真嶋陽です。
インターンでは制作の仕事を中心に実務体験や稽古風景の見学をしつつ、広報・渉外・アウトリーチ・営業などそれぞれの仕事を担当している方から直接お話を伺わせてもらっていました。普段見られない・聞けない部分が垣間見え、新鮮な毎日を送ることが出来、貴重な経験をすることができました。

現在、静岡芸術劇場では10月から11月に上演される『病は気から』の稽古が行われています。インターン期間中に、稽古の様子を一部見学させていただいたのでその稽古風景を紹介します。

私が今回見学させていただいたのは稽古開始から3日目と4日目です。その前の1日目は読み稽古、2日目から実際の舞台に近いセットが用意され、早速立ち稽古が始まったそうです。稽古場には、少し緊張して入ったのですが、見学をしていると一気に作品に引き込まれ、笑いながら見てしまいました。『病は気から』は喜劇ということでコミカルなシーンに溢れ、役者、演出家、スタッフとみんなの笑いが次々と起こる稽古場でした。

▲笑いの起こった時の稽古場風景

▲笑いの起こった時の稽古場風景

稽古を見学して、特に印象的だったのは役者さん同士の掛け合いでした。稽古では何度か同じシーンを繰り返すのですが、繰り返される中で毎回少しずつ演技が変化し、その変化に対して周りの役者さんの演技も対応して変わっていくので、いつも新鮮な気持ちで見させていただきました。また演出家のノゾエさんから難しい掛け合いを求める指示が出ても、瞬時に対応される様子は観ていて圧巻でした。

▲役者同士の掛け合いの場面

▲役者同士の掛け合いの場面

▲演出家ノゾエ征爾さん(中央)の演出風景

▲演出家ノゾエ征爾さん(中央)の演出風景

舞台の稽古は始まったばかり、これからまだまだ面白くなっていくはずです。
私も本番の舞台が今から楽しみです!!

さて、私のSPACでのインターンシップは終了しましたが、静岡文化芸術大学では、私の所属するゼミの梅若猶彦教授による作・演出で現代劇『喫茶店』が10月9日(月・祝)に上演されます。実は私もその舞台にSPACで活躍されている俳優の方々と出演いたします。さっそく今回のインターンの経験を活かして頑張りますのでぜひこちらもご覧ください!

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯1
『病は気から』
2017年10月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:SPAC
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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第4回静岡文化芸術大学×SPAC連携事業
10月9日(月・祝)
現代劇『喫茶店』 14:00開演(13:30開場)
出演〈SPAC〉三島景太 片岡佐知子 関根淳子
〈静岡文化芸術大学〉真嶋陽(芸術文化学科)
静岡文化芸術大学 講堂 入場無料(予約不要)
*詳細はコチラ
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2017年9月16日

<病ブログ2017 #2>潤色・演出 ノゾエ征爾さんインタビュー

病ブログ第2回は、潤色・演出のノゾエ征爾さんのインタビューです!

[写真1]NozoeFace15pf-1

自身が主宰する劇団「はえぎわ」での作・演出のほか、映画やTVドラマなどへの俳優としての出演、さらには昨年12月にはさいたまスーパーアリーナで、故・蜷川幸雄さんの意を継ぎ、「1万人のゴールド・シアター2016」の脚本・演出を手がけるなど、様々なシーンで活躍中のノゾエ征爾さん。
5年ぶりとなる『病は気から』の再演を前に、本作への思いについてお話を聞きしました。
 
 
(本インタビューのショートver.は、2017/7/21発行の「すぱっく新聞第1号」に掲載されています)

[写真2]2012.10.23-039
(初演の舞台写真 撮影:三浦興一)

「SPAC史上一番笑いに執着した作品にしたい」

-初演時、SPAC俳優との芝居づくりはどうでしたか?

当時は2期に分けて稽古したんですけど、第1期の稽古はもう、ずっと模索していて。SPACさんとご一緒すること自体が初めてでしたし、色々やってみて、「これ面白いかもね」「あぁ、これはよくない」という共通感覚を、お互いにちょっとずつ掴んでいく時間でした。
そもそも「こういう作品にしよう」っていう演出プランを、僕の方ではあえて明確にしなかった。どういうチームなんだろう、何を面白いと思うのか、といったことを感じること、そして探すことから始めたいところがありました。だから演者さんたちは、「おやおや、この演出家は具体的なことはあまり言わないぞ」って、戸惑っていた時期があったかと。あるとき僕が一言、「SPAC史上一番笑いに執着した作品にしたい」とボソッと言ったら、演者さんが、「今日初めて演出的なことを言ってくれた気がする」と。(笑)

-明確な演出プランを示してそれに沿ってやっていくというよりは、やっていく中で起きたことや気づいたことを大切にしたい、というスタンスなのですね。

ええ。プランを示すタイミングはいつも意識していますし、プランを示すべきじゃないと思ったら示さない、という姿勢です。最初のプランって一人で机の前とかで考えているものなので、それがハマるときもあるんですけど、稽古場に行くと結局跳ね返されることも多い。
稽古場で人が集まって生まれるエネルギーってすごく絶対的なものがあって、そこで起きるものを大切にしたいと思っています。プランがあったとしても、いい意味でそれが跳ね返されることを、常に期待しています。

-舞台での笑いを作るときに大切にしていることはありますか?

いわゆるお笑い芸人さんがやられるような笑いには、踏み込むべきではないし、踏み込んだところでかなうものではないと思っています。まずはドラマや役柄の置かれている状況が優先で、その結果として起こる笑いを目指しています。
あと、かなり大事にしているのが登場人物たちが切実であるということ。なので、笑いというより「滑稽」かも。漏れ出る滑稽さ。それが「いとしさ」になっていく。「滑稽」って、イコールどこか抜けているというか、つまり不完全さですけど… 不完全な人にこそ、僕らは人間味を感じて共感する。そういった「人間たちのいとしさ」というものを抽出したい。そこに自然と笑いがある。そんな感覚があります。

[写真3]2012.10.23-003
(初演の稽古風景より 撮影:三浦興一)

-モリエールは、戯曲を書いて演出し、自ら出演もするという人物だったといわれていますが、ノゾエさんも同様の活動をされているという印象があります。ノゾエさんから見て、モリエールという人物のイメージや魅力はどのようなものでしょうか。

当時の文献を読んでいて思ったのは、350年以上前の人間が、演劇という場をこんなに謳歌しているという驚きです。それに関してモリエールって、むしろ新しさを感じるというか、同じ演劇人として、その自由さにショックを受けた覚えがあります。演劇というものの自由を体現している。
シェイクスピアも同じ時代の人間ですが、シェイクスピアってどこかで遠い人といいますか、僕たちとの間に時間の溝みたいなものがある感じがします。偉大になりすぎたと言いますか。一方でモリエールは不思議なもので、それほど時間の隔たりを感じない。
その最期にしても、舞台上で倒れてそのまま亡くなったという説があって、一見するとフィクションのような事件ですが、僕は逆にそういったところに人間味を覚えます。遠い昔の人間ですけど、感覚的に僕たちと同じラインにいる人なんだな、という感覚がありますね。

-今度は再演になりますが、どのようなスタンスで臨まれますか?

何かを大きく変えるつもりはないんですが、初演から時間が経っているっていうのもありますし、前回が面白かったからと言って、僕らが新鮮さを感じなくなっている部分があったら、そこはもうやるべきじゃないと思っています。ですから、鮮度がなくなっているところは一回取り外す必要があるのかな、と思っていますね。
初演ってカドがたくさんあるものが生まれていると思うんです。勢いといいますか、トゲトゲしていて。もしかするとそれは「荒い」っていうことかもしれないんですけど、再演を重ねてカドが取れれば収まりも良くなるんでしょうけど、完成度イコール面白みかというと、僕はなにか違う気がしていて。
ですから、今回の再演では、僕自身も稽古場で、あらたにトゲトゲしたものを見つけていきたいし、作っていけたらいいなと思っています。年数が経ってより熟して深みが出た部分と、新たなトゲトゲとの融合を、楽しみにしててください。

[写真4]2012.10.23-308
(初演の舞台写真 撮影:三浦興一)

(2017年6月)
聞き手:佐藤亮太(SPAC制作部)
構 成:布施知範(SPAC制作部)

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯1
『病は気から』
2017年10月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:SPAC
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2017年9月14日

<病ブログ2017 #1>『病は気から』いよいよ稽古開始!

「SPAC秋→春のシーズン2017-2018」の開幕を飾る『病は気から』の稽古が始まりました。

『病は気から』ブログでは、これからこの舞台が出来上がるまでの稽古の様子や裏話、作品の魅力や見どころなどなど、ご紹介していきます。どうぞ、お楽しみに!

9月9日(土) 稽古初日!

2012年に静岡芸術劇場を笑いに包んだ作品の5年ぶりの再演ということで、顔合わせでは出演者、スタッフがそれぞれ一言コメントし、近況や思い出話にも花が咲きます。

そして、潤色・演出のノゾエ征爾さんからは、「再演だからと言って、初演と変えなきゃとあまり強く意識はせずに、初演のいいところは残して、今やってみると、今の感覚とズレているようなところは、どんどんブラッシュアップしていきましょう」と。いよいよ第1回の稽古の始まりです。

本日の稽古は読み合わせ。

読み合わせが始まり、俳優が発する台詞を聞くと、5年前の作品の景色が頭の中に鮮やかに浮かびながらも、5年という長い時間による変化や、今回SPAC初参加の山口航太さんが加わったことで、作品の新たな一面が開かれていくような感覚を覚えました。

顔合わせ

読み合わせでは、ノゾエさんが5年前に書かれた台本を俳優たちの今の声で聞き、台本の一部を今の言葉に変えるような一面も。

読み合わせの後は感想を共有。
台本を読み、聞いて、それぞれ良かったところや違和感があったところや、そこから改めてこの物語をどのような芝居にしていくかを話し合います。

ノゾエさんは、すぱっく新聞に掲載のインタビューでもおっしゃっていましたが、あざとい笑いではなく、一生懸命な人の必死さやその滑稽さからくる笑いを皆様に感じてもらうために、まだまだ考えていることがあるようです。
 

9月10日(日) 稽古2日目

次の日からは動きながらの稽古です。

この日は、既にセットが組まれた劇場で舞台美術などを確認するところから始まりました。
演出部の降矢と秡川が説明していくと、前回の初演から引き続き参加されている俳優は、そのひとつひとつに「あぁ〜」とうなずき、記憶がよみがえっているようでした。

舞台裏
(舞台裏も確認します!)

その後は、リハーサル室(ここも本番で使うセットのように椅子が並んでいます)で、頭からおさらいする思い出し稽古です。

セット説明

作品の冒頭部分では、制作担当の私・佐藤も一部をお手伝いしました。(冒頭にどんな演出がされているかは、観てのお楽しみ!)
映像も台本も何度も読んでいましたが、稽古とは言え「いざ」となるとスムーズにいかず、俳優の皆さんからたくさんフォローしてもらう事態に。
俳優の凄さが身にしみます。

この日も稽古の中でも、早くも一部、台詞が追加されたりしましたが、それによってこれまで台詞が別のおかしさを持って聞こえ、演じている俳優も思わず吹き出してしまう場面も見られました。

立ち稽古

作品は着実にパワーアップ中。
初演を見た方にも新鮮な驚きがたくさんある作品になる、そんな予感がする稽古が進んでいます。

(『病は気から』制作 佐藤)

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯1
『病は気から』
2017年10月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:SPAC
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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