2009年8月26日

【青い鳥通信】発表会報告

8月16日、静岡芸術劇場にてSPACシアタースクール『青い鳥』の発表会を開催いたしました。
13:30、17:00の2回の公演に、参加者の家族の方々、またはお友達だけでなく、たくさんの一般のお客様にも来場いただきました。

いずれの回も、子どもたちの開演直前まで緊張した面持ちが印象的で、幕が開いた後は、セリフを間違ったり、ダンスの振りや演奏のミスなどもありました。しかし、何よりも1ヶ月の稽古の成果をこの一瞬にかけようとする子どもたちの真剣な姿勢にお客様みんなが感動し、大きな拍手が送られたことは、参加者にとって何よりも喜びになったのではないでしょうか。

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各回、終演後は、劇場のロビーで出演者全員でお客様をお見送りしました。
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1ヶ月という期間はやはり短いもので、加えて今年は新作の『青い鳥』に挑んだことで、参加者にとってはあっという間の1ヶ月だったことでしょう。

部活や塾に通いながら、または遠方からの参加者も多く、毎日劇場に通い稽古をするということは想像以上に大変なことだったと思います。しかし毎日笑顔で劇場に通う姿や、稽古の休憩中SPACの俳優やスタッフたちと楽しげに話している姿を見ると、きっと楽しく、そして充実した稽古の日々を送ってくれたのではないでしょうか。
また、演劇を通して多くのことを知り、学び、経験してくれたと思います。ご家族の皆様からも今回のシアタースクールについて、「有意義であった」、「参加させて良かった」、「毎日稽古を楽しんでいた」、などのご感想を、また次回も参加したいというお言葉とともにいただきました。

発表会の後、シアタースクール『青い鳥』で出会った仲間と、そして、ともに作品をつくりあげたスタッフと、最後まで別れをしのびました。
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最後に、子どもたちからSPACスタッフへ寄せ書きを贈ってくれました。
手作りの素敵なサプライズプレゼントにスタッフ一同感激しました。
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発表会パンフレットによせてのSPAC芸術総監督宮城聰のコメント

「人」という漢字は、ふたりの人間が背中を合わせてもたれあっているかたちから作られた象形文字です。

 つまり人間というものは一人では生きられない動物なのだということですが、人が集団を作ればかならずそこには人と人の「関係」が生まれ、おのおのの「役割」が生まれます。

 「関係」と「役割」――これ、演劇の基本とまったく同じですよね。

 つまり、人が生きていくということは自分という「役」を演じるということで、つまり人生は舞台と同じだということになります。

 「演じて生きる」というと、なんだか、「自然体で生きる」ことの正反対で、よくないことのように感じる人もいるかもしれません。たとえば「親の期待が大きかったので“優等生”を演じて生きて」きて、そのためにその子にストレスがたまってしまった、とかいう話、よく耳にしますね。

 でもこういったケースはたいてい「無自覚に演じていた」という話で、実は「自分は、いま、演じているんだ」という自覚を持っていれば、それがストレスをしのぐのに役立っただろうと考えられます。

 集団を作って生きれば、当然、人には大きなストレスがかかります。これは当たり前のことです。ものすごくたくさんのルールにしばられているのですから。だから、人間にはストレスがあるということを前提として、でもそのストレスとどうつきあっていくかが生きる上での知恵ということになるのだと思います。「演じている」と自覚することも、その知恵です。

 演じていると自覚したら、次にはだれでも「うまく演じたい」と思うようになりますよね。でもこの「うまく演じる」ことをかんちがいすることもまた多いです。たとえば「いま、自分はうまく演じているだろうか?」と考えてばかりいると、実際にはヘタな演技になってしまいます。これは、舞台の上の俳優を見ていればよくわかりますよね。うまい俳優さんは、「いま自分はうまく演じているぞ」とか考えてはいないのです。

 では、かんじんなことは何でしょう?

 それは「関係」です。

 うまく演じるためには、相手をよく見ないといけません。相手との関係に敏感でなければいけません。相手から出てくる情報をひとつも逃がさないで受け止めるために、自分の体のたくさんのとびらを開いていなければなりません。もしそれができれば、そのとき人の行動は素晴らしい演技になります。

 舞台の上では、自分のことを考えてしまうと体のとびらが閉じてしまいますが、相手に敏感であれば、結局、自分のことも見えてくるのです。ひとことで言えば、自分と他人がいかにちがうかを体全体で感じることで、その場に自分がいるということの実感がわいてきます。そして、それを「楽しい」と感じることができたとき、舞台の上と、舞台の外の世界が、そのひとの中でつながるのです。

 わたしたちがSPACで作ろうとしているのは、そういう舞台です。

 きょうもきっと、出演するみんなが、おたがいのちがいを楽しんでくれることでしょう。そしてそれを目にするとき、客席と舞台もまたつながることでしょう。

 ―― 宮城 聰(みやぎさとし/SPAC芸術総監督)


2009年8月11日

【青い鳥通信】第2号

夏本番!!熱をおびる稽古!!

お待たせしました、「青い鳥通信」第2号です!長かった梅雨もようやくあけ、日差しが厳しい夏本番が到来しました。シアタースクール生たちの稽古にもますます熱が入っています。8月になり、発表会までのこりわずか、間もなく劇場での稽古がスタートします。今回の「青い鳥通信」では、とある一日の稽古の様子をレポートいたします。12:30 受付開始    連絡帳を提出、翌日の出欠確認
   
13:00   リハーサル室   着替え、台本変更、稽古メニュー確認
         トレーニング     準備体操 指広げ スズキ・メソッド
                         発声練習 リズムトレーニング

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13:50 休憩

14:00 場面稽古    一場「木こり小屋」(演奏とあわせて稽古)
                       二場「思い出の国」(ムーバー、スピーカーを中心に)

14:50 休憩

15:00 場面稽古    三場「夜の御殿」(セリフ稽古を中心に)
                       四場「森」(セリフ稽古+演奏確認)

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15:50 休憩

 

16:00 ダンス       冒頭のダンス(復習)
                      フィナーレのダンス(振付)

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16:50 帰りの会      連絡帳返却
                      諸連絡(発表会当日について、報道関係取材について)
17:00 自主稽古    


2009年7月29日

【青い鳥通信】第1号

シアタースクール2009夏の期間中「青い鳥通信」と題して、稽古の様子などをご紹介します。どうぞご覧ください。

7月21日から23日までの3日間、シアタースクール参加者の岩辺さん(中学校2年生)が、SPACで職場体験を行いました。今回職場体験の一環として、そしてシアタースクール参加者代表として、「青い鳥通信」特別記者となってもらい、シアタースクールで演出・指導を担当している中野先生とアシスタントの先生たち(赤松先生、寺内先生、永井先生)への突撃インタビューに挑戦しました!

Q.稽古を毎日見ていて、全体的にいいところはどこですか?

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中野「今まで経験している人が多く、みんな集中していて引き締まっ た稽古になっているところです かね(笑)」
永井「素直に言われたことを吸収するところです」
寺内「みんな集中力があり、よく人 の話を聞いているところだと思います。」
赤松「とてもエネルギッシュなところですね」

Q.逆に毎日稽古を見ていて、みんなに気をつけてほしいところはありますか?

中野「やはり時間をこまめに気にするようにしてほしいですね。」
赤松「もっと積極的に『やりたい!』という意志を自分から出しま しょう」
寺内「次に何をするのか、サキヨミ をして動けるようにしてほ
しいですね」
永井「周りの人の人数が増えると近くの人とお喋りをしてしまい、誰かが全体に呼びか
けている事を聞いていなかったりするところを直すといいと思います」

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Q.これからの課題・注意点はどこですか?

中野「時間を守って、効率のいい稽古をしてほしいです」
赤松「自分の声や体がどうなっているのか、自分でよく観察できるようになってほしいですね」
寺内「自分のことでいっぱいにならず、チームワークを大切に、全体をよく見て、周りに困っている人がいたら助けてあげるようにしましょう」
永井「各自の役割がこれからどんどん決まっていくので、自分のことばかりにならず、自分以外の人へのダメ出しでも自分のものにして、どんどん吸収していってほしいです」

Q.これから、どのような「青い鳥」の舞台にしていきたいですか?意気込みを教えてください!

中野「一人一人の個性が、『青い鳥』を見ている人に伝わるような舞台にしていきたいですね」
永井「三十三人目の参加者として頑張りたいですね(笑)。参加者の人たちに、自分たちは周りの人に支えられているんだ!ということを伝えていきたいです」
寺内「みんなが楽しく、一人一人が輝いて”持っている力”以上のものを出せるようにサポートしていきたいです!」
赤松「大きな役の人も小さな役の人も関係なく、みんなでこの作品を作っている、という意識を持って、毎日昨日より良くなる稽古をしていけば、お客さんが圧倒される舞台になります!」

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岩辺さんの感想インタビューをしてみて・・・

 インタビューをしてみて、中野さんやアシスタントの人などたくさんの人が、「いい舞台にしよう」と力になってくださってい ることが分かりました。このインタビューで聞いたことを頭において、”エネルギッシュなところ”など持続していき、「周りの人と話をしてしまい、全体の指示を聞いていない」など注意されたところは、毎日の稽古の中で直していこうとと思いました。
私とシアタースクール・・・
夏のシアタースクールに参加するのは、3回目なのですが今年の稽古は、前回・前々回とはまた、一味違った稽古だな、と今までの稽古を通して思いました。新しい仲間とも出会い、毎日充実した稽古になっています!!一年ぶりの鈴木メソットは、難しく忘れてしまっている所もあって大変です。でも、毎日スズキ・メソッドをやることによって、日々の自分の変化を感じることができるので面白いです。ダンスは、去年よりもテンポが早く、振りが難しいので毎日、稽古の後の居残り稽古で忘れないように練習します。まだダンスは、曲の中の少しの部分しか習っていないので、これからどんな振り付けが入るのか楽しみです。
これから、本格的に台本もやると思うので、その時、その時を大切に稽古に励んでいきたいと思います。

   


2009年7月18日

SPACシアタースクール2009夏 開校!!

いよいよスタートしました!SPACシアタースクール2009夏!!

今回のシアタースクールには、静岡県内の小学6年生~高校2年生までの32人が参加し、本日7月18日から8月15日までほぼ毎日稽古を行い、8月16日の静岡芸術劇場での発表会に臨みます!

今回、夏のシアタースクール生たちが挑む作品は『青い鳥』。このメーテルリンクの名作を中野真希(SPAC)が演出・脚色をおこない、SPACの俳優・スタッフとともに、ひとつの作品を創り上げます。

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初めて参加するこどもたちは、当然経験することすべてが初体験で、とまどいがみられますが、みんなチャレンジ精神旺盛で今後の成長が楽しみです。

一方、過去のシアタースクール経験者たちにとっても、今回挑む『青い鳥』は初めての作品です。スタートラインはみんな同じ、明日からの稽古も臆することなく取り組んでいってほしいです。

今日の稽古メニューは呼吸法に始まり、スズキ・メソッド(前芸術総監督・鈴木忠志が考案した俳優訓練法)にチャレンジし、台本読み、そしてダンスの練習と、初日から盛りだくさんの内容でした。

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また、今日は参加者のお母さんたちにも、見学だけでなく実際に呼吸法とスズキ・メソッド(トレーニング)に参加していただきました。子どもたちがやっていることを一緒に体験してもらうことで、子どもたちが具体的にどのような稽古をするのか、そして、演劇を創作することの楽しさや「舞台に立つためのからだづくり」の難しさを子どもたちと一緒に知っていただくきっかけになったのではないでしょうか。

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これから約1ヶ月の間、シアタースクール生たちは稽古を行います。夏休み返上で挑む32人の青い鳥たちの発表会はきっと素晴らしい舞台となるでしょう!皆様どうぞご期待ください!