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2011年1月22日

【ドン・ファン⑥】終演後は仮面制作体験(裏と逢いましょう!?)

本日より一般公演開幕した『ドン・ファン』、終演後は毎公演恒例となった出演俳優との交流の場「カフェ・シンデレラで会いましょう」を開催しております。
さらに、今回は初の試みとして、出演俳優だけでなく、SPAC創作・技術部スタッフによる「仮面制作体験講座」を行っております!

その名もカフェ・シンデレラならぬ、「テク・シンデレラ」で「裏と逢いましょう」!

「カフェ・シンデレラで逢いましょう」をもじった感全開のこの企画ですが、初の試みとはいえ、観劇後のたくさんのお客様におたちよりいただきました。
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『ドン・ファン』一般公演終演後に、毎回開催する予定です!
どうぞみなさまお楽しみに!!

2011年1月19日

【ドン・ファン⑤】間もなく一般公演!『ドン・ファン』舞台写真

生まれ変わったSPACの仮面劇『ドン・ファン』!

連日、中学生鑑賞事業で劇場は盛り上がっています。
終演後は、1階ロビーで終演直後の出演者達が皆をお見送り!

そして、いよいよ今週末にせまった『ドン・ファン』の一般公演!

ホームページをご覧の皆様に、少しだけ舞台をご覧いただきましょう。

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2011年1月14日

【ドン・ファン④】中学生にも大人気!新『ドン・ファン』

いよいよ開幕しました!SPACレパートリー作品『ドン・ファン』。

中学生鑑賞事業公演からはじまった『ドン・ファン』、昨年末から演出のオマール・ポラスと演出補助のファビアナが静岡に滞在し、再演に向けてSPAC俳優と共に稽古に取り組んでいました。

新しく生まれ変わった『ドン・ファン』はスピーディーでリズミカル、そしてお客様を巻き込んで、ドン・ファンの旅が展開されていきます!
SPAC俳優たちは、オマール・メソッドとも言える、身体ムーブメントを駆使して舞台に立ちます。

Twitterでは、オマール・ポラスが稽古や終演後のノーツで出演者たちに向けて日々語る演出の言葉もツイートしていますので、そちらもご覧ください!http://twitter.com/#!/_SPAC_

今日の鑑賞事業公演には、浜松の南陽中学校2年生、下田市の稲生沢中学校1年生、藤枝の大洲中学校2年生、島田市の北中学校1年生の計4校、約360名がいらっしゃいました!

大洲中学校の皆さんと記念撮影。

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中学生の帰りのバスを皆でお見送り。
さ、さむい!!

『ドン・ファン』
http://spac.or.jp/11_spring/donjuan

2010年12月29日

【ドン・ファン③】仮面製作クローズアップ

目下、年明けの再演に向けて稽古真っ只中の仮面劇『ドン・ファン』。

本作のオリジナル(フランス語版)は、演出家オマール・ポラス率いるテアトロ・マランドロによって2005年にパリ市立劇場にて製作されたもので、そのテアトロ・マランドロ版をもとにオマール・ポラスとテアトロ・マランドロがSPACとともに、SPAC版『ドン・ファン』として共同制作されたものです。

本作の大きな特徴は何といっても劇中に出演者がかぶる仮面です。昨年(SPAC秋のシーズン2009)の初演の際に、SPACの創作・技術部スタッフがテアトロ・マランドロのスタッフと共同して製作したものです。
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本作で仮面メンテナンスを担当しているスタッフは、仮面という新しい美術を製作したことで、舞台作品で使用する装置や美術を考えるとき、改めて、それら単独ではなく、舞台における効果や役割、そして役者との関係を考えながら自身の創作活動に取り組むようになるきっかけになったと言います。

『ドン・ファン』で使用している仮面の素材は特殊なものが多く、素材の特性を理解するところから始まったそうです。実は、それぞれの仮面には様々な国の要素が含まれていて、仮面装飾の一つとして畳(いぐさ)も使用されているんです。こういった小さなコラボレーションも国際共同制作の面白さにつながっていきます。他にも、仮面につけられた髪はすべて本物の鳥の羽でつくられいて、そのデリケートな仮面をていねいに修復したり、一年経った出演者の顔にフィットするよう調整するメンテナンス作業が日々行われています。
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仮面をかぶることで顔の大半が覆われ、俳優達は自分の顔の表情で感情を表現することは限られることになります。しかし、仮面担当スタッフによれば、一方で、仮面で顔を覆うことは俳優を外見だけでなく内面からもその物語の登場人物に変身させ、自分の新しい可能性に気づかせてくれるかもしれない、だから舞台に登場するものをデザインし、創作するときは、それが舞台作品を創造する過程、そして舞台全体の中で他の要素とどのような関係を成立させ、どのように存在するのか、を改めて考えるようになったと言います。

ドン・ファンに登場する様々な仮面、皆さんにとってはどのような存在になるでしょうか。是非ご注目ください。
http://spac.or.jp/11_spring/donjuan

2010年12月25日

【ドン・ファン②】深化していく仮面劇&大学生稽古見学

本格的な仮面劇『ドン・ファン』、1月から開幕するアンコール公演に向けて、寒さ厳しくも目下熱い稽古が劇場では繰り広げられています。

昨年、テアトロ・マランドロと共に共同制作された本作ですが、再演といえど、今回はさらにリクリエイトが施されています。

昨日からダンスのシーンを徹底的に、つくり直しています。

オマール・ポラス氏の演出は、作品にかかるものだけでなく、俳優たちの身体に潜在する新しいムーブメントを引き出していくかのようです。
それは、日本の俳優の優れたところを伸ばしながらも、新しい日本の俳優として改造していくかのようです。

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さて、そんな緊張感が渦巻く稽古中の静岡芸術劇場に、静岡文化芸術大学の学生の皆様が、集中講義の授業で稽古見学にいらっしゃいました。
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まさに、いま作品をクリエーションしているその瞬間を目撃することになった、学生の皆さんはどんなことを思っていたのでしょう。
きっと創造の現場を垣間見て、新しい発見があったことでしょう。
『ドン・ファン』は、新年1月22日(土)から!生まれ変わったSPACの仮面劇をお見逃しなく!
http://spac.or.jp/11_spring/donjuan

2010年12月22日

【ドン・ファン①】劇団SPAC×演出家オマール・ポラス『ドン・ファン』再スタート!

劇団SPACとコロンビア出身「テアトロ・マランドロ」を率いる演出家オマール・ポラス氏のコラボレーション舞台『ドン・ファン』の稽古が始まりました!

2009年にクリエーションした『ドン・ファン』の再演のために、オマール・ポラス氏と演出助手のファビアナ・メディナさんが昨日から静岡入りしました。

劇団SPACのメンバーらと感動の再会を果たし、『ドン・ファン』をさらに進化させるべく、さっそく熱い稽古が始まりました。

自身の劇団「テアトロ・マランドロ」では伝統的な仮面劇コメディア・デラルテの要素を取り組んだ喜劇を得意とするポラス氏は、ラテンの情熱と作品創作への真摯な姿勢が印象的です。

稽古は、劇団SPACの俳優たちの身体訓練から始まります。
SPAC俳優が日々取り組んでいる身体トレーニングにポラス氏自ら参加し、そのメソッドを活かしながら、オマール・ポラス演出『ドン・ファン』のための独自のワークショップをさらに行います。

身体トレーニングからみっちりオマール・ポラス演出仕様へと変容する俳優の演技と、日本初の本格的仮面劇(コメディア・デラルテ)にぜひご期待ください!

『ドン・ファン』は、1月22日(土)から開幕。各地無料ツアーバスも運行!
詳しくはこちらをご覧ください。http://spac.or.jp/11_spring/donjuan

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2010年11月18日

<萌目線。vol.56>我らがわが町。

先日、『わが町』全公演が無事終了しました。
ご来場くださいました沢山の皆様、
応援してくださいました皆様、本当にありがとうございました!!

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twitterでも感想のコメントをたくさんいただけて、嬉しいかぎりです。

まだ暑かった8月から稽古が始まり、
11月なんてすごく遠くに感じていたのに、

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気づいたらすっかり寒くなっていましたね。

オーディションを経て集まったメンバーと、演出の今井さんとで、
本当に「町」というか、「世界」を作っていくような稽古の日々でした。

全編通して、小道具や特別な装置が存在しない中での演技。
死者が生きていた頃をいとおしんで役を演じ、
日常という劇を見守っているという構成。

それは本当に、芸術劇場の舞台の上にしか存在しない、
私たちの「町」でした。

「今井マジック」という言葉が稽古場でよく飛び交ったのですが、
本当にマジックのように華麗で見事な演出を受けさせていただいたと思っています。

稽古場での今井さんは、本当に穏やかで丁寧に接してくださり、
その雰囲気の中で私たちは楽に呼吸をして、
共演者や自分の内に生まれてくるものを見つめているうちに、
作品が出来上がったと言っても過言ではありません。

例えるなら「痛くない整体」といったところでしょうか。(笑)

日常生活と、その中にある本当に劇的なものを舞台の上で表現するために、
身体も作品に対する精神も、自然で正しい方へ導いていただいたような感じです。

私たちにとって本当に貴重な体験だったと思います。

ところで、いただいた感想の多くにあるように、
『わが町』の戯曲の中には、毎日の一瞬一瞬を大切に、
というような死者から生者へ向けてのメッセージのようなものが含まれています。
しかし私は出演していても、
100%実感をもってそれを表現できていたわけではありません。

どっちかというと、
毎日どうして頑張って生きなきゃいけないんだろうとか、考えてしまうんです。

幕の降りた今も答えが見つけられないままですが、
少なくとも舞台に立つことを許され、
素晴らしい仲間やお客様に出会えて、私は幸せ者だと思っています。

皆さんいつも本当にありがとうございます。

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『わが町』の去った劇場には、
次の『しんしゃく源氏物語』のセットが仕込まれてまいりました。
稽古も白熱してきたところであります!!

「今」を大切に、この先の未来に向かって、
残りの秋のシーズン、駆け抜けたいと思います!!

 

<萌目線。>とは・・・
SPAC新人俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。

2010年11月13日

<『わが町』のちょっといい話24>美術担当の深沢襟さんにちょっと聞いてみました

カテゴリー: 『わが町』2010

11月9日(火)スノドカフェにて、「今井朋彦さんと古典戯曲を読む“カモしれない”会(通称:読むカモ会)」が開催されました。今井さんの他にも、『わが町』出演中のSPAC俳優も急遽飛び入り参加したりと「読むカモ会」は大いに盛り上がりました!今井さんはロミオを情熱的に、そしてジュリエットを可憐に演じて?くれました。最後には今井さん自ら、小泉八雲の「むじな」を朗読してくれるというサプライズもあり、参加者全員が大満足のひと時を過ごしました!

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また11月13日(土)『わが町』公演終演後には、今井朋彦さん(朗読)と松本泰幸さん(サックス)と松本侑大さん(ピアノ)による朗読演奏会が行われます。『わが町』の半券チケットをお持ちの方は無料でご覧になれますので、こちらもどうぞお見逃しなく!http://spac.or.jp/news/?p=2520

 『わが町』公演も残すところ13日(土)、14日(日)の2ステージとなりました。まだご覧になっていない方は是非劇場にお越し下さい!!

 

 今回のインタビューは、美術を担当しているSPAC技術部の深沢襟さんです!

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 Q)『わが町』の美術のコンセプトについて教えてください。

A)    この戯曲は美術として出来ることが非常に少ないんですが、その僅かな要素から、観客に場面を想像させるしくみが戯曲に盛り込まれているので、まずはそれを再現していくということを考えました。戯曲の中に「ここは美しい場所です。」というセリフがあって、何を美しさの基準とするかという事を考えてみた時に、日常の中にあるふとしたものが、ある瞬間に見せる別の表情を捉えて見ようと思いました。

 Q)もし死んでから、生きている頃の世界に戻れるとしたら、いつを選びますか?

A)生きてきて両親を喜ばせることができたことって少なくて・・・。私が一番親を喜ばせることが出来たっていうのは、私が生まれた時なんじゃないかなと。だから私が生まれた日、生まれた瞬間に戻って、親がどれくらい喜んだのかを見てみたいですね。

 Q)『わが町』について一言。 

A)当たり前なんですけど、その日というのは一日しかないっていうことを、『わが町』をやってみてすごく感じました。だけど、そうとわかっていても一日一日を新しい気持ちで過ごすというのは非常に難しいですよね。時間ってどんどん流れていってしまうものなので、そのことを無駄にしないで生きるという事と、一生のうちに出来ることの少なさ、ということについて考えさせられました。

「 主人とネコ2匹がいるんですけど、自分と全く違う感覚のものが日常に存在しているってすごく貴重なことだと思うんです。それぞれの一日というのが家の中にあって、4倍楽しめるというか・・・。だからどんなに疲れていてもそのことを面倒くさがらずに、主人にもネコにも向かい合うように努力しているし、日常ってそういうことの蓄積と小さな出会いの繰り返しだと思うんです。」という深沢さん。シンプルで美しい舞台をご堪能下さい!

2010年11月7日

<『わが町』のちょっといい話23>衣裳担当の竹田徹さんにちょっと聞いてみました

カテゴリー: 『わが町』2010

10月25日に中高生鑑賞事業、10月30日に一般公演の初日を無事に迎えました。

すでに観劇されたお客様、ありがとうございました!

まだご覧になっていないお客様、劇場でお待ちしております!

 

 そして・・・ 『わが町』スペシャル企画の開催が決定しました。

◇11月9日20:00~ スノドカフェにて古典戯曲を読む会スピンオフ企画

「今井朋彦さんと古典戯曲を読む“カモしれない”会(通称:読むカモ会)」開催決定!

http://spac.or.jp/news/?p=2536

◇ 11月13日 『わが町』公演終了後、劇場1階ロビーにて

今井朋彦さん(朗読)と松本泰幸さん(サックス)と松本侑大さん(ピアノ)による朗読演奏会が行われます。『わが町』の半券チケットをお持ちの方は、無料でご覧になれます。

http://spac.or.jp/news/?p=2520

 

 今回のインタビューは、『わが町』の衣裳を担当しているSPAC技術部の竹田徹さんです!

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 Q) 『わが町』の衣裳について教えてください。

A) 『わが町』という戯曲が元々持っている想像させるというしくみ、観る側の想像で埋めていく、というのがあったので衣裳もそれに乗っかってみようと思い、お客さんの想像をどこまでも止まらせない方法は何かを考えました。人間は元々の差はなく多少の違いがあるだけだと思います。そこと衣裳を重ね合わせ、ほとんど同じような全員共通の衣裳を着てもらうことにより、ほんの少しの差を誇張させたり、逆に似せたりしながら、『わが町』の登場人物になってもらいました。

Q)もし死んでから、生きている頃の世界に戻れるとしたら、いつを選びますか?

A) もう会えなくなってしまった人とか、壊れてしまった関係・・・今は失ってしまったものが、僕とまだ関係が持てていた時期に戻ってみたいです。ちなみに戻るのではなく、生まれ変わるのならイルカです!(笑)

 Q)『わが町』の見所について。

A) 日々衣裳が変化しており、役者の演技も日々進化しています。一度観た方も「もう一度来るとまた違うよ!」と言いたいですね。千秋楽まで、メンバー全員が完成がないと思って毎日頑張っています!

「僕、寅さんの映画が好きで、つい最近ビデオを見返してみたんです。マドンナのリリーが、すし屋と結婚して幸せになるけど結局は別れてしまう。その結末を知っている僕には、その一時だけ幸せなリリーを見ているのはすごくいたたまれなかった。ここで初めて、『わが町』の視点を持てたんです。」と話してくれた竹田さん。幕を開けた今もなお、日々変化し続けている衣裳にも是非注目して下さい!

2010年11月1日

<世界は踊る稽古日記⑫・11/1>La vie vient de passer

カテゴリー: 『世界は踊る』2010

『世界は踊る ~ちいさな経済のものがたり~』(10/23、24)は盛況のうちに終了しました。

ご来場、誠にありがとうございました。特に2日目は雨の中での上演・観劇にも関わらず多くのお客様に足を運んで頂き、舞台と客席が一体化する集中力の中、奇跡的な公演となりました。重ねて御礼申し上げます。

11回に渡って県民参加者による稽古場日記を連載してきましたが、いよいよ最終回。

今日は、唯一のプロの俳優としての出演となった、SPAC俳優の永井健二です。

プロの俳優として、一人の県民参加者として、彼が何を考えてこの舞台に立っていたのか。

どうぞ御覧ください。(SPAC制作部・佐伯風土)

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大粒の雨が降りしきる中、『世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~』静岡公演は、その幕を閉じた。

演じる我々はともかく、寒さと雨の中で観劇いただいた観客の皆様に、まずは感謝の意を表したい。

もちろん、その前日、静岡公演の初日を見届けてくださった観客の皆様にも。

僕は今回、プロの俳優として、SPACからただ一人、この作品に出演し、30名の県民出演者と共に、パスカル氏・大岡氏による稽古の日々を過ごした。

“コーラス”ということで初めての経験も多く、気持ちとしては「一人の県民」。30名の参加者同様、ココロ躍らせながら『世界は踊る』の稽古に参加していた。

2ヶ月の稽古の中で、どんなことをしたのか、我々がどんなことを感じたのか、ということについては、既に参加者たちが「SPACブログ」で綴っているので、そちらを読んでいただきたい。

いま思い返すと、「孤独ではなかった」という実感が残っている。

「俳優というのは孤独な作業だ」と、表現されることがある。役のこと、台詞のこと、身体のこと、一人の頭で考えることは多い。

たとえ、共演者同士で、話し合ったり、打ち合わせたり、稽古時間を共有したりしても、最終的には個人に還元されていく。

共演者の動きや台詞を、見たり、聞いたり、感じたり、受け止めたり、してはいるが、あくまでそれらは、前もって段取りを決めて打ち合わせされたことであり、いくら「新鮮な感覚で」と思っていても、結局は、その「新鮮さ」を保つことすら「演技のひとつ」になってしまう。

これを、「感覚の再現」と言う事もできるだろうが、この再現の作業をおこなうのは、一人で、だ。

逆を言えば、

台詞を忘れたり、きっかけを間違えたりして、稽古とは違う空気が舞台上に流れた瞬間、それはまさに「舞台上に初めて流れる時間」であり、これまでの稽古をもとに「再現した時間」ではないので、その瞬間は舞台上の様々なことへの注意が強まり、孤独感は影を潜めることになる。

したがって、即興劇で無い限り、俳優が孤独感と無縁になることはないのだろう、そう思っていた。

しかし、今回、『世界は踊る』で僕は、「孤独感」と無縁の体験をした。

公演が終了したので種明かしをするが、この舞台では、いわゆる“段取り”や“きっかけ”の多くが、きっちりとは決められていなかった。意図的に。

たとえば、日常的な動きをパントマイム風に演じる場面では、動きの内容も立ち位置も決まっていない。自分で「このあたりで、こういう風に動く」と決めてしまうことも可能だが、皆がそうではないので、結局、その時その時で、周囲を見ながら臨機応変に対応することになる。

「なるべく空間をいっぱいに使って、人が散在するように」とは、パスカル氏から言われた注意点だ。

また、計算機の場面では、フランス人女優が提示する計算式は毎回異なり、それに合わせて動く動作は、その都度、選び取らなくてはならない。

参加者が自作の詩を朗読する場面での詩は、その場で各自が考えて生み出したものだし、オブジェを掲げていく場面は、誰が誰のあとにおこなうかなどの順番は、全く決まっていない。

その他の動きに関しても、何度も稽古を重ねてはいるが、同じ動きをブラッシュアップさせていったわけではなく、感覚とか見せ方の意識を磨いていったに過ぎない。

だから、僕は、常に、「共演者がいまどこにいて、何をしているか」を感じるために、(僕らの言語で言うと)「開いた」状態で出演しなくてはならなかった。

これまでも、演じている時に「開いた」状態を努めてはいたが、今回のその「開き具合」は半端なかった。

あんなにも、自分への意識が影を潜め、他者を感じながら舞台に立つのは、とても久しぶりのような気がした。

おかげで、「孤独感」を感じることなく、常に共演者の「気配」やら「空気」やら「温度」を感じ取ることができた。

「決まっていない」ことへの不安はあるのだが、全てをアドリブでやっているわけではないし、何より、出演者同士で「空間や時間を共有している」感覚が、僕を安心させてくれた。

タイトルにある「 La vie vient de passer 」というのは、フランス人出演者が劇中で口にしたフレーズで、「生がいま 行き過ぎた」という意味。

まさしく、一瞬一瞬を、舞台上で、受け取っては感じ、感じては受け渡す、そんな作品だった。

ちょうど、「贈与論」の場面で、出演者たちが贈り物を受け渡していたように―。

SPAC 永井健二

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