2012年10月6日

【映像】『夜叉ヶ池』アーティスト・トーク ゲスト:加納幸和氏 2012年10月6日

10月6日(土)の『夜叉ヶ池』終演後に、
劇団「花組芝居」座長の加納幸和さんをお迎えして、
宮城聰とのアーティスト・トークを開催しました。
(司会:柾木博行氏(演劇評論家・シアターアーツ編集長))

青山円形劇場で上演された劇団「花組芝居」の『夜叉ヶ池』の話からはじまり、
「鐘をどこに置くか?」「人間と妖怪の関係性をどう表現するか?」などなど、
演出家であり泉鏡花をよく知る二人だからこその濃いトークが展開されました。


2012年10月3日

〔夜叉ヶ池2012〕いよいよ開幕!

SPAC秋のシーズン、第一弾『夜叉ヶ池』が開幕しました!

夜叉ブログ用 花

現在は県内の中高生に向けた鑑賞事業の真っ最中。

中高生のみなさんが舞台を観てどんな感想を持ってくれるのか、ドキドキの毎日です。

9月29日、30日の一般公演、多数ご来場ありがとうございました。

2日目は台風で交通手段にも不安があるにもかかわらず、大勢のお客様に観ていただくことができ、SPAC一同心より感謝申し上げます。

10月6日にも一般公演がございますので、ぜひご来場ください!

『夜叉ヶ池』の舞台そのものはもちろんのこと、関連企画も盛り上がっております!

29日は、ゲストに甲賀雅章氏(大道芸ワールドカップin静岡プロデューサー)をお迎えしての「アーティストトーク」(映像はこちら)、

浜松北高校のみなさんのバックステージツアー、

衣裳をつけた出演者を囲んで「カフェシンデレラで逢いましょう」が開催されました。

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30日は、開演前に日本文学研究者によ研究会「読解・泉鏡花『夜叉ヶ池』」、

一般のお客様へのバックステージツアー、

「キモノでジャックin静岡」実行委員会とのコラボにより、番外編としてキモノ鑑賞デーが設けられました。

夜叉ブログ用 読解

夜叉ブログ用 一般BST

夜叉ブログ用 キモノ

10月6日には、『天守物語』上映会(9月30日の予定でしたが、台風により順延)、ゲスト 加納幸和氏(劇団「花組芝居」座長)を迎えてのアーティストトーク、「カフェシンデレラで逢いましょう」を予定しております。

観劇にプラスして、楽しんでいただけたらうれしいです!


2012年10月1日

【映像】『夜叉ヶ池』アーティスト・トーク ゲスト:甲賀雅章氏 2012年9月29日

9月29日(土)の『夜叉ヶ池』終演後に、
大道芸ワールドカップin静岡プロデューサーの甲賀雅章さんをお迎えして、
宮城聰とのアーティスト・トークを開催しました。
(司会:横山義志(SPAC文芸部))

アートの力や「大道芸ワールドカップin静岡」のコンセプト、
『夜叉ヶ池』演出プランや泉鏡花論、
それからそれから、
11月1日~4日の「大道芸ワールドカップin静岡2012」において、
駿府城公園内のメイン広場にて上演される、宮城聰演出の新作についての構想も語られています。
※上演スケジュールはこちら


2012年9月29日

『夜叉ヶ池』舞台音楽 棚川寛子さんインタビュー


中高生鑑賞事業パンフレット連動企画◆

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舞台音楽 棚川寛子(たなかわ ひろこ)
宮城聰演出作品の音楽を数多く手がける。
近作に『グリム童話』『真夏の夜の夢』

Q.舞台音楽というのは、どのようなお仕事ですか。
棚川:舞台に音楽として関わる場合、普通は舞台とは別のところでも音楽家として活躍されている方が、舞台作品のために作曲や演奏をするということがあります。私の場合は、もともと演劇やダンスといった舞台が好きでこの世界に入ってきたのですが、いつのまにか気がついたら舞台の音楽をやっていました。

Q.音楽や舞台音楽に関わることになったきっかけを教えてください。
棚川:学生時代には演劇やダンス、パフォーマンスをやっていたんです。それで大学を卒業した後に、アルバイトをすることになるんですが、どうせやるなら舞台に関われるものがいいなと思って、PARCO(パルコ)劇場の稽古場のアルバイトを始めました。先輩にすすめられたんです。そこでは当時、月曜から金曜まで演劇やバレエなどのレッスンが開講されていました。ある時先輩に、矢野誠さんの音楽のクラスが今度1年間あるから、お前も受けてみろと言われて、そのクラスをなりゆきで受講したのが音楽との出会いでした。それまで楽器をやったことは全くなかったんです。だから、まさかその後、自分がこうして舞台の音楽の仕事をすることになるなんて、思ってもみませんでした。矢野さんのところでは、楽器をやったことがなくても、耳で覚えてリズムをやれと言われ、朝から晩までとにかく太鼓を演奏していました。でも、そのクラスが終わってからは、しばらく音楽からはまた遠ざかっていたんです。
その後、宮城(現SPAC芸術総監督)さんと同じ舞台に関わらせてもらうことがあって、その時に芝居の中にいくつか音を入れたのが、音楽で舞台に関わるようになったきっかけです。宮城さんとは、それからずいぶん長い間一緒に仕事をさせていただいて、『天守物語』(1996年初演)のあたりからは、使用楽器も多くなって、かなりボリュームのある音楽を作品の中に入れるようになってきました。

Q.棚川さんの音楽を聞いていると、俳優の台詞(せりふ)や動き、演出と音楽がすごく密接に結びついていると感じますが、実際あの音楽はどうやって作られているのでしょうか。
棚川:音楽は作品が出来上がってから付けるのではなくて、音楽も創作の最初から舞台制作の現場に入って作っています。私が関わる作品は、基本的に出演する俳優が楽器を生演奏するんですが、曲は稽古(けいこ)の中で、俳優との共同作業で作ります。

Q.事前に台本を読んで曲をイメージしたり、作曲したりもするんですか。
棚川:台本を読んで、自分の頭の中に浮かぶイメージというのは、あるにはあるんですが、稽古場では、台本を1人で読んでいる時以上に、新たな情報が加わって、曲のイメージが湧いてくるんです。だから、事前に曲を完成させて、それを稽古場に持っていくようなことはほとんどありませんし、時には、俳優からのアイデアや要望を取り入れていくこともあります。そして、稽古場で俳優のしゃべる声や身体、あるいはその物語が持つ質感や、各シーンが持つ情景や感触、感覚のようなものを音にしていきます。曲作りは、視覚的な情報だけに頼らずに、他の様々な感覚も使ってとらえたものを、白いキャンパスに配置していくような感じです。音楽に限らず、舞台を作る時には、その場で自分の身体を通じてしか感じることのできない感覚的なものを手がかりに手探りしていくことが、すごく大事だと思います。
だから、そこで私の作る音楽は、舞台の要素の1つであって、音楽だけで完成するものではないんです。俳優がいて、身体があって、台詞や動き、空間や演出といった様々なものが全て合わさって、ようやく完成します。

Q.稽古場で、具体的にはどのように音楽が作られていくのでしょうか。
棚川:演奏に使用する楽器は主にパーカッション(打楽器)です。曲作りは、稽古場で短いリズムのフレーズを、1人の俳優に繰り返し演奏してもらうところから始まります。繰り返されるフレーズにまた様々なフレーズを重ねて、1人1人の俳優の演奏が層のように合わさっていき、1つのシーンの音楽を作り上げていきます。30分で完成することもあれば、3時間かかることもあります。それだけの時間をかけてみんなで作っても、それがそのシーンの演出で求められるものと違うと分かれば、全くゼロから作り直すこともあります。

Q.『夜叉ヶ池』の音楽の聞きどころはどこですか。
棚川:『夜叉ヶ池』の後半、男性陣が団扇(うちわ)太鼓を演奏しているシーンは、見応えがあると思います。舞台上で、台詞をしゃべり、動きもある中で、同時に演奏しています。それに加えて、みんなが同じリズムを叩いているのではなくて、いくつかのグループごとに別々のリズムを叩いているので、俳優にはかなり高度なことが要求されているのではないかと思います。

2009年再演 写真撮影:原田さやか

(2009年再演 写真撮影:原田さやか)

それから、この作品では、実は出演している俳優の全員が、かなりの量の演奏を舞台裏でこなしているんです。舞台裏で演奏する俳優は、自分のパートを演奏しアンサンブルの音を聞き、同時に舞台上で起きている事にも耳を開き、演じている俳優の台詞を聞き、体の動きを見ています。それらをきっかけに音を出したり、音量を調整したりと、常に自分の意識をあらゆる方向に張りめぐらせながら演奏しているんです。そうやって、芝居と音楽、さらには舞台空間にあるもの全てが一体となって、1つの作品世界ができあがっているんです。そんなところにも意識を向けながら、『夜叉ヶ池』を楽しんでもらえたらうれしいです。

棚川さんが手がけたSPAC作品の舞台音楽はYouTubeでも一部を聴くことができます。
『夜叉ヶ池』
『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』1
『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』2
『グリム童話~本物のフィアンセ~』の稽古風景(静岡新聞 しずおか音楽の現場) 

※中高生鑑賞事業公演では、中高生向けの公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。今回パンフレットとSPACブログの連動企画として、パンフレットにある棚川寛子さんへのインタビューのロングバージョンをこちらに掲載します。
鑑賞事業パンフレットは、一般公演でも物販コーナーにて販売しています。

鑑賞事業パンフレット『夜叉ヶ池』

鑑賞事業パンフレット『夜叉ヶ池』


2012年9月28日

芸術総監督宮城聰による 『夜叉ヶ池』の紹介

9月16日(日)に行われましたファン大感謝祭にて、“芸術総監督宮城聰による「秋のシーズン2012」ラインナップ紹介”が行われ、『夜叉ヶ池』、『病は気から』、『ロミオとジュリエット』のそれぞれの魅力が紹介されました。その中で『夜叉ヶ池』について語られた内容を今回、ご紹介いたします。

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宮城:
泉鏡花の『夜叉ヶ池』は、大正2年に発表されているんですけれども、実に現代的なテーマを扱っています。それは、ほんとうに単純に言ってしまえば、環境を破壊する勢力と、昔からの自然と一体化した生活を守ろうとする勢力の戦いです。ただ現実の大正2年がどうだったかというと、日本は近代国家となったんだから、迷信なんかは捨てて、更に開発を進めていこうという、そういう風潮の時代でした。日本が日露戦争で勝って、国民のほとんどが、ついに俺たちは世界の一流国になったんだ、と思い上がっている時代です。泉鏡花がすごいと思うのは、そういう時代に、逆に昔ながらのものに美や慎み深さを見出し、そこに尊いものがあるんじゃないかと言っているところです。
泉鏡花は、今でこそ、当時の作家の中では人気のある作家ですが、当時は非常に反時代的、アンチ・メインストリームの人だったと思うんです。ですから今になってみると、同時代の作家の中では、泉鏡花にいちばん今日性があり、先見性があると思います。
僕は『夜叉ヶ池』の4年後に発表された『天守物語』も演出したことがありますが、こちらは第一次世界大戦の最中に書かれています。当時戦争をしている軍人は、戯曲の中では、比喩で侍たちに置き換えられています。そして、彼は、戦争をしている侍たちの中にではなく、その人たちが切り捨てている「弱者」のようなものの中にこそ美があることを、明瞭に語っています。しかし、第一次世界大戦の完全に「行け行け!」ムードの日本で、こういうことを書くのは勇気のいることです。
だから、泉鏡花という人は、現実には心の中でとても引き裂かれていた人だと思っています。というのは、彼自身、当時の文壇の中で生き残るための処世術は、それとしてやっているんです。でも心の奥底では、そういう方向は間違っていると思っていたと思うんです。『夜叉ヶ池』では山沢学円と萩原晃という2人の男性が登場します。山沢学円は、京都大学の教授となり出世をしている人です。萩原晃は、山奥で鐘つきになって、立身出世から、もっとも遠いところにいった人です。この2人の男性主人公に、この泉鏡花の引き裂かれた2つの部分が投影されているのかなと思っています。

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まもなく『夜叉ヶ池』は初日を迎えます。今週の土曜日9月29日から来週の土曜日10月6日まで毎日公演します。
平日は中高生鑑賞事業公演(※一般のお客様もご観劇いただけます)を行います。
詳しくはこちら

また『夜叉ヶ池』関連企画として、『天守物語』上映会(演出:宮城聰 作:泉鏡花)を開催します。
9月30日『夜叉ヶ池』公演、『天守物語』上映会は続けてご覧いただけます。
詳しくはこちら

『夜叉ヶ池』、『天守物語』上映会は電話・窓口・WEBにてチケット好評受付中です。是非あわせてご観劇ください。
皆様のお越しをお待ちしております!


2012年9月6日

〔夜叉ヶ池2012〕稽古、始まってます!

今週から『夜叉ヶ池』の稽古が始まりました。さっそく稽古の様子をブログで紹介していきます。
稽古場にお邪魔したところ、晃さんが指揮をして、村人たちが楽器を演奏し、妖怪たちが台詞をいい、百合さんが動きの練習をしていました。
『ペール・ギュント』や『マハーバーラタ』と同じく、演奏と台詞と動きがシンクロしている『夜叉ヶ池』。稽古場では「ツーカウントで」とか「OOOの台詞のあとは」といった会話が飛び交っています。こまかいです。そのこまかい色々を台本にまとめて書きとめているのが中野真希(写真左)。シアタースクール発表会を終えたばかりの中野です。あ、どの背中が誰かわかりますか。
(↑)ヒント、になってないかもですね。正面からの写真は次回ご紹介します。
稽古場には楽器がいっぱいです。みなさん、演奏したことのある楽器はありますか?
ジャンベにスチールパンなど『夜叉ヶ池』では打楽器がおもに使われています。
いろいろな楽器があって、楽器をのぞいているだけで楽しいです。
本番に向かっていく『夜叉ヶ池』をこれからもレポートしていきますので、
お付き合いのほどどうぞよろしくお願いします。

夜叉ヶ池』の稽古がはじまっています。稽古の様子やスタッフ、制作スタッフの様子をブログで紹介していきたいと思います。

まずは稽古の様子をパシャリ。

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萩原晃役の永井健二が指揮をして(画面右)、
山沢学円役の奥野晃士や村人役の俳優たちが楽器を演奏し、
画面奥では萩原百合役の布施安寿香が浴衣姿で演奏に合わせて、動きの練習をしています。

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こちらの写真では、演奏エリアの奥で、妖怪役の俳優たちが
演奏に合わせて台詞の練習をしているのが分かります。

今年、公演をしました『グリム童話』『ペール・ギュント』『マハーバーラタ』と同様、
宮城演出の『夜叉ヶ池』も演奏と台詞と動きとすべてがシンクロしている作品です。
出演陣は自分の出番ではないシーンではつねに演奏をしています。
なので、お芝居でよくある「自分の出番ではないところでは袖幕でひと休み」がありません。
また村人役は、団扇太鼓という楽器を手に演奏しながら、舞台上に登場します。
舞台上での演奏に演技、いつも以上に四方八方へ意識をもたないといけない、と
大変そうな声も聞こえます。

実は、裏にはそんな苦労があるのです。
さて本日はここまで。また次回、お付き合いのほどどうぞよろしくお願いいたします。