2013年12月27日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその15(制作・佐伯風土編)

『ロミオとジュリエット』制作担当の佐伯です。
2012年に静岡で製作・初演された本作。
2013年、ヨーロッパ・ツアーもついに終盤!
ということで、今回は現地に合流してのレポートです。

静岡からパリ経由でジュネーブ着。
出発から実に25時間・・・。
シーンと静まり返った22時の住宅街を、本当に劇場があるの??と疑念にかられながらも
教えられた地区に向かってスーツケースをごろごろ引っ張り、彷徨う。
息が白い。

心細くなった頃。
テアトロ・マランドロの本拠地の劇場、「シテ・ブルー」は大学の中にある、と聞いていたとおり、目の前に大学が!
そして誰かいる!
話しかけると、なんとマランドロ作品の『春のめざめ』(「ふじのくに⇄せかい演劇祭2012」上演)で来日していた、衣裳のマルチャさん!
久々の再会、そして中に案内されると、3ヶ月前に成田空港で見送った懐かしい顔のみなさんとついに会えました。

ちょうど夜公演の終演直後だったようで、出演者・スタッフとお客さんがワイワイやっているタイミングでした。
マランドロの人もSPACの人も会う人会う人懐かしすぎて、ハグの嵐。
もちろん、ここの主、オマール・ポラスも。
ギュギュ~~っと。

ロビーに飾られていたのが、これ。
あれ、美加理さん・・・?

ロビーにはカウンターがあって、日本食を出していました。
気が利いてるなぁ、と思いきや、見知った顔のシェフ、いや、音響スタッフが。
「ごはんですよ」をアレンジした岩のり、その名も「エマニュエルですよ」を作ってしまうほどの和食の腕前を持つ、マランドロのマニュ。

恐るべし、そのクオリティーの高さ。
メニューがこれ。柿なますって・・・。

さて、公演日の様子を紹介します。
SPAC俳優といえば、日々スズキ・トレーニング・メソッドで鍛錬を積んでいます。

こちらは、静岡公演から出演しているピエール=イブ。すっかり身体に溶けこんでいます。

俳優だけでなく、マランドロのスタッフさんたちも毎日参加しています!

低い重心の感覚をつかむのは日本人でもなかなか難しいですが、3ヶ月繰り返してきた積み重ねの成果がしっかり出ていました。
SPAC俳優から通訳さんを介しながら、型だけでなく、その意味するところを熱心に伝えてきたそうで、真剣な眼差しはSPAC俳優のそれと遜色ないほど。舞台上からの研ぎ澄まされた感覚の集合体に圧倒されそうでした。

トレーニングも「体験」で終わらずに追求し続ける。
ともに仕事をする人たちの異文化を我が身をもって吸収しようとするマランドロのスタッフさんたちの熱意。
尊敬の念を様々な場面で感じました。

ジュネーブでの公演は一般公演の他に、昼間に中高生の鑑賞公演も行われていました。
『ロミオとジュリエット』の話は知っていても、和風テイストを取り込んだオマール・ポラスの『ロミオとジュリエット』は衝撃的だったようです。

こちらは劇場ロビー。

夜の一般公演。
ジュネーブで、日本の小物雑貨のお店を開いているマダム。
ロビーで出店していると、「あらかわいい」とすぐに人だかり。
芝居を通じて、ジュネーブの人々に日本文化に興味を持っていただける機会にもなっているようです。

受付。
この巻物が実はチケット!
値段別になっていて、ここからもぎって渡します。

そして今回のツアーで一番の話題をさらったのがこれ!
ジュネーブ公演のポスターは、ロミオでもジュリエットでもなく
なんと乳母がメインビジュアル!
演じている武石本人もビックリでしたが、マランドロの狙いとしては、新しい『ロミオとジュリエット』像を打ち出せる、とのこと。。。

偶然ですが、ガラスに反射した夜の街灯を見つめる乳母。飲まれそう。

この日は終演後、「マランドロ・友の会」の会員さんを対象としたパーティーがありました。
観劇をした後に、会長自ら料理の腕を振るって会員をもてなす、という企画。
ちょうど次のシーズンの入会キャンペーン中だったようです。
会員同士の横のつながりもでき、劇場に来るのがより楽しくなりますね♪

会員が劇場を支えている。これはどこも同じなんですね。
あ、SPACの会も来年度の会員募集中です!詳しくはこちら

ロビーには懐かしい顔が、もう一人。

SPACとテアトロ・マランドロが初めて一緒に共同製作をしたのが
2009年の『ドン・ファン』という作品でした。
ジュネーブからやってきた俳優・スタッフが一夏を日本平の舞台芸術公園で
SPACの俳優・スタッフとともに過ごしながら、稽古をして舞台装置を一緒に作っていきました。
その経験が、『ロミオとジュリエット』にも間違いなくつながっています。

当時、静岡に来ていた舞台美術家のジャン・マルク。
御年70歳。
彼の顔を見た途端、タイムスリップしたような錯覚が起こり、最初は本当に幻かと思い、泣きそうになりました。
自分の中で、『ドン・ファン』の経験がよっぽどSPACでの原体験になっていたのだと再認識。
あれ以来、彼は静岡には来ていませんが、SPACでいまなお愛され続けているアーティストの一人です。

ヨーロッパツアーを経て、作品はまた一段と大きなものとなったように感じました。
3ヶ月間、約50ステージをスイス・フランスの各都市で巡演してきた俳優・スタッフの皆さん。
SPACとマランドロの間に、またひとつ、大きな絆が生まれました。

誰か一人ではできない、一日でもできない。
色んな人が、何年にもかけて紡いできた「糸」。

おまけ。
帰りのトラムを待つ間、リコーダーを教えあう、俳優の渡辺敬彦さんと、衣裳のマルチャさん。
ツアーと言っても、人と人がつながって、お互いの持ってるものを出し合って、作品が出来ていく。
芝居の基本はいつでもどこでも同じ。

そんな一枚。

佐伯 風土(2013.12.14 ジュネーブ)


2013年12月8日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその14(貴島豪編Ⅱ)

さて。
ジュネーブからレマン湖沿いを電車で約1時間。本日乗り打ち1day公演の地、Vevey(ヴヴェイ)に到着。

湖畔の美しい小さな街。しかし日本でおなじみ「ネスレ」の本社もあり、観光地でもあります。
集合時間まで少し間があったので、劇場に荷物を置いて…この地に来てどうしても会いたい方がいたんで早速そちらへ。

…湖岸を歩くこと約5分。
おお、いらっしゃいました。

そう、チャーリー・チャップリン。彼が晩年ここで過ごしたことでも知られている地なんです。(オードリー・ヘップバーンなど数々の世界的著名人の名も!)

…レマン湖に刺さるフォークは前衛芸術家の作品らしいのだけど、僕の推測では「黄金狂時代」へのオマージュと思うのだが、これいかに?

そう、王貞治、007、チャップリン。…ウルトラマンよりも仮面ライダーよりも僕の中のヒーローだった3人。なかでもチャップリンに出会わなけりゃ、今この業にいてここに居なかったと…。

感無量。よかった、会うことができて。

さあ、改めて劇場へ。

改装して間もないそうでキレイです。中は…間ロが狭く、奥行がやたらと深い。少し変わった造りです。
にもかかわらず、前乗りしてキッチリ劇場にフィットさせて何事も無かった様に装置を建て込んでしまっているスタッフには毎度の事ながら頭が下がります。

小道具の位置決めをして、通し。このツアーで慣れ親しんだ流れ。
…でもこれが本当に大事な時間なんです。
勿論見た目はさほど変わらないのだけど本番では、やった事を振り返った瞬間にそこの空気は死んでしまいます。一言発した音の大きさや高程がほんの少し違うだけでも空間の満たされ方が全く違います。ましてや全く違う空間、一期一会の観客。できる限りの情報収集をして身体に書き換えていきます。
そこで改めてステキな刹那を生きてゆくための時間なのです。

…そして通し終了。
ダメ出しと技術的な修正などの話のあとに、ファビアナのロからみんなに、悲しいお知らせが告げられました。

ツアーの当初からずっとこの舞台セットをトレーラーで各地へ運んでくれていた運転手のセドリックさんが急に、亡くなった、と。

にわかに信じ難い話でした。…つい3日前のバラシの時も、「Ça va?」(元気?)って言うと「Bien,bien!!」(元気、元気!)と巨漢レスラーみたいな身体揺らしながらニッコリ握手交わしたのに…。

沈痛な空気に包まれたのだけれど、時間は待ってくれません。皆準備に散って行きます。
…その後はメイクしたり、メシ食ったり、冗談言い合ったり…いつの間にか普段の様な楽屋に戻っていました。…が、このチームの誰もが、一様に、期するものを持っているのを感じてました。

セドリックと共に。

そして本番。

約800の客席は今日も満員。

お客さんの反応もよく、いい舞台だったと思います。

そしてカーテンコール。
毎回、俳優のお辞儀の後に、皆の手でブースに向かって照明ヴァロンタン、音響マキシム、字幕ファビアナと指して紹介してゆくのですが、加えて今日は、オマールの
「セドリック!」
の号令と共に、皆で天を指して感謝を棒げました。
そしてダブルコールで舞台のスタッフと共にもう一度、天に。

…きっと届いてくれた、な。
喜んでくれてるかな…?

…時は過ぎ深夜2時。バラシも終え、積み込みも全て終了しました。

セドリックさんのトレードマークだったこの「HONDA」のトレーラーは、主人を変えてジュネーブへ帰っていきます。

そして帰り、ピエール=イヴの運転する車の中でラジオから聴こえてきたのはネルソン=マンデラ氏の訃報。

何だかいろんなレベルの事が、想いが、目まぐるしく交錯する1日でした。

あと2週間余り。

この旅で出会ってきた全ての事に,感謝。

そしてセドリックさんに、大いなる感謝を込めて。

残り、たおやかに。

2013.12.05 貴島 豪


2013年12月5日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその13(舘野百代編Ⅲ)

『ロミジュリ』ヨーロッパツアーのBlogを読んで下さっている方々、
ありがとうございます。
寒さで体調など崩しておりませんか?

こちらジュネーブの寒さは、体感気温マイナス10度なんて日もあり、
外出する時には、ヒートテック2枚重ねで寒さ対策をしています。

ツアー中に続いているBlogも担当メンバーが一周して、
今回は舘野がつとめさせていただきます。

ジュネーブに戻り3日間の公演の後、次の土地べべに行く間の3日間の内、
12月3日、4日と担当メンバーを決めて中学校へ行ってW.Sを行いました。


ここの中学校の劇場の壁にはたくさん素敵なポスターが貼ってあります。

おっ、ベジャールのポスター。

私は今回のツアーで、3回ほどW.Sをやらせていただきましたが、
毎回驚かされる発見があり、自分自身楽しんでいました。
言葉では、本当に限られた単語でしか伝えられない分、
カラダでしか会話出来ない。。。
でもそれが生徒と向かい合っているとビンビン伝わってきて。

瞬間の素敵な空間が生まれて広がった時には、
イエス!ってココロのガッツポーズをしていました。

W.Sもひと段落し、いよいよ残り3箇所となりました。

富士山で云うと8合目付近ですかね。

これからの本番も劇場で多くのモノが生まれますよう、
瞬間を楽しみ精進していきます。

2013.12.04 舘野百代。


『ロミオとジュリエット』スイス・フランスツアー情報はこちら
ツアーブログは、第1回からまとめてこちらでご覧いただけます。


2013年12月4日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその12(渡辺敬彦編)

11月27日 晴れ
ジュネーブでの3日間のオフが終わり、
今日は、スイスのMorgesという街へ。
Theatre de Beausobre という劇場です。

今回は、このツアー初めての 乗り打ち、日帰り公演。
その日に劇場入りして、
通し稽古して、
本番して、
セット、衣装、小道具 等々、諸々全てを片付け
帰ってきます。

だから、とても忙しい一日。

12:03 ジュネーブからMorges駅へ。
30分程で到着。

何も無い駅前。
劇場まで徒歩15分くらい。
15分間、ひたすら何も無い。


何も無い。

竹林があり、珍しいけど

ヨーロッパ感は何もない。

それとも、もう感動する力が無くなったか?
やはり、長いツアーの疲労が溜まってきているのでしょうか?

劇場到着。

裏口での日本人達+制作のルーシー。

やはり、疲れているかも。

これは、10月中旬フランス,Malakoff-Teatre71公演の頃の写真。
静岡の初演の時に共演した
パリ在住の ルイとソフィーに再会した日本人達。
フランスのモンマルトルで。

まだイキイキしてる。
気のせいか?

正面からの劇場。

松の木も植えてあり、素敵です。まるで日本の様。

劇場に入ると、
セットの仕込み、小道具、衣装のセッティングまで
マランドロ スタッフが、
キャストが劇場入りする前に完了させてくれています。
毎度の事ながら、頭が下がります。


とても優秀で、本物のプロフェッショナルな人達。
自分の仕事に誇りを持ち、
とても楽しそうに仕事をしています。

食事休憩時間や本番前には、
ワインやウィスキーやビールやあれやこれやまさかのそれも飲み、
撤去作業も、くわえ煙草で。

人生を楽しみ素晴らしい仕事をする彼らを毎回みて、
日本人の真面目さについて考えています。
真面目に考えてます。
嗚呼、なんて真面目な日本人。
嗚呼、なんて自由な国の自由なプロフェッショナル達。
   ◆詳しいスタッフ紹介はMiyukiブログ(山本実幸編)参照

食事と言えば、各劇場がケータリングを用意してくれているのですが
この劇場のそれは、とても豪華でした。

果物やチョコレート、コーヒー、ジュースは
どの劇場も用意されてますが、
此処は、さらにチキンや何種類ものチーズ、シチューまで。
他にもまだいろいろあった様。
此処での公演が1日だけは、とても残念。

14:00 舞台集合
フランス人、いつもどおり遅刻。自由。
立ち位置等、この劇場用の段取りを確認。

15:00 通し稽古開始
17:00 終了。

開演まで各自、準備。

準備中、パリス役のアドリアンが

「ナベタカ サン!(彼は私をそう呼ぶ)ワタシノ マスク ワ ドコデスカ? 」
と日本語で小道具のお面の置き場所を聞いてくる。
教えると
「アリガトーゴザイ マスク。」と言い私の目をじっと見つめる。
沈黙。クロード・レジ。
仕方無く「ドリアン(どういたしまして の意)アドリアン」と彼(アドリアン)自身
が作った駄洒落を言ってあげる。
彼は、とても愉快でたまらなそうに笑いながら、歌いながら(とてもお上手)
次のターゲットを探す。
アドリアンは、いつもこんな感じ。

彼も楽しみながら芝居しています。とても才能豊か。
最近、覚えた日本語は
「ナマナマシイ。」

20:00開演
本番、無事終了。

客席数の800人の劇場に約750人ほぼ満席。

お客さまにも、とても喜んでいただけました。
素晴らしい。

夜12時43分 (4分遅れた)の train に乗りジュネーブへ。

はい、お疲れさまでした。

以上、
今回は、土地柄感の報告全く無しのレポートでした。

渡辺 敬彦(2013.12.2)


『ロミオとジュリエット』スイス・フランスツアー情報はこちら


2013年11月29日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその11(大内米治編)

今回は、ジュネーブからバスで一時間半、フランスのアヌシーで3ステージのツアーです!(*^^*)

ジュネーブから近いので(バスで、1時間40分位)、朝10時集合、現地に着いたら芝居を最初から最後まで通して本番を迎える!
移動こみの2ステージをやるようなもの!ちょっと、しんどい。

しかも、追い討ちをかけるように、天気は雪!!初雪です!!

さむい!

でも、ジュネーブで迎える初雪。心がはずんでしまいました!(*^^*)

初雪の寒さに凍えながら、いざ出陣!
雪化粧した綺麗な山々を通り抜け、ついた場所は横浜の赤レンガ倉庫の様なところ。
「ナポレオン3世が建てた馬の厩舎」
その敷地内に劇場がありました。

演出家のオマールさんと昔から付き合いのあるディレクターさんが、苦労して建てた劇場だそうです。
雪の降る中、皆凍えながら楽屋口から劇場入り。

入ってみると、ちょっとサーカス小屋かと思うようなバックヤード!簡易な作りに皆ビックリ!(*^^*)
仮設なのかなと思うほどシンプルな造りでした!


劇場に入ると、いつものように舞台スタッフさんが元気に迎えてくれた。
彼らの笑顔を見ると心が温まる!
本当に皆の仕事と優しさに感謝、感謝です。

アヌシーでの公演はというと、シャトーバロンで見つけた勢いが残っていて、皆で駆け抜けることが出来ました。
お客さんも喜んでくれて、現地のスタッフさんも芝居が上手くいったことを祝福してくれました。

個人的には、共演している最年長フランス人のピエール=イブが、芝居が上手くいったときに、いつも「yes!!」(フランス人なのに(笑))と言い、「今日の公演は良かったね!そうだろ?」と聞いてくるのですが、子供のように喜ぶ彼がたまらなく好きで、今回もそんな彼の姿が見れて嬉しかったです。

ツアーの時は、なるべく町を歩くようにしています。
そこで感じ取れたものが、その町に住んでるお客さんとの橋渡しの仕事をしてくれるんじゃないかなと思って。

3
4

アヌシーは、雄大な山々とみずうみに守られた清らかな川の通る可愛らしい旧市街のある町でした。(観光地らしいです) 

by よねじ(大内米治) 

2013.11.26


2013年11月22日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその10(美加理編)

11/14

ツアー6 ヶ所目の 南仏シャトーバロンへ。
いつものように俳優陣は、ジュネーヴのコルナバン駅税関前で待ち合わせ。
ツアーの始め頃は、皆であたふたしたものですが、列車での移動も、慣れたもの。

今回は、ジュネーヴから、片道4時間半の南仏の都市ツーロン駅を目指します。
これまでのフランス行きとは違い、アビニヨンやマルセイユを通るルート。
車窓の景色もまた新鮮。

さて、列車の旅、皆どうやって過ごしているかというと、、
音楽を聞く、動画を観る、食べる、飲む、語らう、本を読む、編み物をする、ひたすら景色を見る、パズルをする、寝る。
といった感じです。普通です。
芝居の稽古をする人や、スパーリングを始める人は居ません。

で、今回は、珍しく皆の席が2つのbox席で揃ったので、
お喋りをしながら、折り紙をして過ごしました!
コワオモテの折り紙サークルですね。

実は先日、休暇明けに、この『ロミオとジュリエット』のツアーを共にしていた、舞台スタッフさんが病気を患われ、入院されているということを知りました。
危険な状態は脱し、現在は快方に向かっているということで、安心しました。
そこで、お見舞いに皆で鶴を折ることにしたのです。

このあと、シャトーバロンに到着してからも、フランス俳優陣やスタッフさんも含め、折り紙大会となり、鶴さんは、どんどん増殖するのでした。



夕方、ツーロン駅に到着。

演出助手のファビアナや、神父役のピエール=イブ、パリス役のギガちゃん、ヘアメイクのベロニク、通訳の山上さんらと合流。
迎えに来てくださった現地のスタッフさんの車に 乗り込み、劇場と宿舎のある場所へ。

遥か山の上方に、建造物群が見える。誰かさんが「あんな処にまで人が住んでいるんだねえ」なんて、感心していたら車はずんずんそちらの方へ。

ああ、これは日本平だ、利賀村だ。

シャトーバロン。
訳すならば、「男爵城」です。
辺りは暗くて
全貌はわかりませんが、空気が澄んでいます。朝がくるのが楽しみです。

宿舎は、小さな元お城です。
地下のお部屋は洞窟のようで、男優陣の素敵にうなだれた姿が似合います。
リビングルームでは妖しい笑みを浮かべた ぬいぐるみ男爵が、私たちをみつめています。

それぞれ3日分の食料を買い込んで、キッチンの冷蔵庫は一杯になりました。

宿舎の隣りには、野外劇場があるようです。
私たちが公演をするのは、屋内劇場。
ほかに、敷地内には、スタジオなどもあるそうで、1980年代から、フェスティバルが開催されている歴史ある場所。

やはりここも、芸術の聖地なのでしょう。
身がひきしまります。

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11/15 公演初日

敷地内を散策。
太陽と風 、空と大地のハーモニーを味わう。
自然の中にいると、身体に力がみなぎってくる。
感謝。
野外劇場から、地中海が見える。


前乗りして、前日から仕込み作業をしてくださっている舞台、照明、音響、衣装スタッフのみなさんは、既に劇場入りをしている。

私たち俳優は、それぞれのやり方で調整をして、午後からのゲネプロに臨みます。
わたしのこの日は、折角なので、木立ちの中、岩に腰掛けて、歌をうたったり、台詞の練習。劇場に入って、自分の小道具や早替え場のセッティング、そしてストレッチなど。



午後
舞台上に集合。
劇場によって、舞台の大きさも客席との関係も違いますので、まずそれを確認します。
シーンごとに必要な舞台セットの置き位置のバミリ(目印となる小さなテープ)を貼ります。

準備が出来たら、衣装とメイクは無しで、ゲネプロが始まります。
照明や音響、またセットの出し入れなどを担当してくださる、それぞれの公演地のスタッフさんの練習として、必ず各公演地の初日は、昼間に一度、本番と同じように全編を通します。
俳優にとっても、お客様こそいないけれど、その劇場がどういう空間で、どういう特徴を持っているかということを、感じる大事な時間でもあります。

しかし、今回のように、前日からその土地に着いて休めるときはいいのですが、
公演当日に、その土地に来て、ゲネプロをして、公演もして、というスケジュールの時は、流石にぐったりしてしまいます。

13歳のジュリエットを演じているので、はつらつとしていなくてはなりませんね!
けれど終演後の姿はとてもおみせできません。

さて、この日、忙しいお仕事の合間をぬって、演出のオマールさんがいらっしゃいました。
もっと、作品を良くしたいとの思いから、ゲネプロ中にも関わらず、どんどん止めて、新たな演技プランを俳優に試させます。
あらあら、こんな日もありますね。

そうこうするうちに、本番です。

この劇場は、音の響きが、少なく、台詞が、すこし聞き取りにくいようです。

お客様に楽しんでいただけるといいのですが。

終演後、聞いたところによると客席がとても寒かったそうで、お客様の集中力も今ひとつの感。
私たちも、いくらか、慣れてきてオートマチックな演技に傾いていた部分もあったのか、残念ながら、ベストと言える公演ではありませんでした。

明日こそは!

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11/16 

シャトーバロン千秋楽

今日はのんびり、夕方のトレーニングまでは、自由です。
昨夜飲み過ぎたわたし、反省の朝。

昼過ぎ、何人かで、折鶴の糸通しの作業、一つ一つ手にとると、折った人の個性が見えて面白い。首も尾っぽ?も太いやつ、メタボな感じのやつ、バレリーナみたいなやつ、半透明で小さいこ、なかには、舞台図面の紙で折ったのもいて、素敵です。

枝を拾って、モビールみたいに仕上げようということになり、バランスなど、皆で頭をひねりひねり
完成は、次の土地、アヌシーに持ち越します。

また、ヘアメイク楽屋では、「サロン・ド・ベロ」が、大繁盛!
ツアー中に伸びた髪の毛を、ヘアメイクのベロニクさんに整髪してもらっています。
何日かに分けて、ほとんど全員、お世話になりました。

夕方、劇場に集まり、SPACトレーニング。
最近では、照明のバロンタン王子も参加しています。ヨロヨロしながら、必死にメソッドに取り組む姿は、かなりキュート。
トレーニング終わりは、今回演出助手の名女優、ファビアナさんの、ノーツタイム(前日の公演の反省や、改善点などの相談をする時間です)。
この日、ファビアナさんは、
「みなさん、もう一度、各シーン、それぞれ自分の役の目的や、全体のなかでどういう位置にある瞬間なのか?丁寧に確認して、本番にのぞみましょう」
というような事をいってくれました。

公演回数が多くなるうちに、どんどん進歩していくことも勿論たくさんあるけれど、
知らず知らず、横に置いてきぼりにしてしてしまうこともでできて、それがとても大切なことだと、我に返してくれることを、このファビアナさんは、時折教えてくれるのです。
彼女は本当にとても素敵な女優さんで、いつも、初めてそのお芝居をみるお客様の 心の動きを忘れない人だと思います。

さて、
この日の公演は、とてもいい舞台でした!
会場の温度も調節され、スタッフ、キャスト、皆、一丸となり丁寧でいい仕事が出来ました!
お客様も昨日とはうってかわり、とても喜んでくださっている。
カーテンコールの後、いつも舞台裏では、皆で、握手をしたり、ハグをしたりしますが、今日の笑顔は、本当にみんな素敵でした。

終演後、突然20人位の団体で見にいらしていた高校生とその先生からのリクエストで、俳優と高校生で質疑応答の時間が設けられました。みな、様々なことを感じてくださったようです。

この後は、また大急ぎでバラシ作業です。
この日は、最後まで皆で作業しました。
終了は、午前2時。

たいそうロングなトラックに、全て積み込んで。

スタッフさん揃って、記念写真をとりました。

お疲れ様でしたー!

美加理(2013.11.19)


2013年11月14日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその9(山本実幸編Ⅱ)

2週間のOFFも終わり、フランスのコルベイユエソンヌに来ました。
昨年リニューアルした劇場はとても素敵です。
ロビーには、こんな可愛らしい作品がたくさん置いてあります。

この地での公演は2回しかありませんでしたが、新たな発見がたくさんあった公演だったと思います!

さて!
予告通りスタッフの方々を紹介いたします!

まずは、ナイスコンビのミッチュさん(右)とシモンさん(左)!
ジュリエット部屋を出してくれたり、いろいろとサポートしてくれています。

お次は照明のヴァロンタンさん!

音響のマキシムさん!

衣装のマルーチャさん!
旦那さんが観に来てくれました!
ロックマンだそうです。かっこいい…

以上の方々が全公演付いてくれています。
ヘアメイクさんは、各地で変わりますが、プロデュースして下さったのは、ベロニクさん!

他にも、各劇場で働いているスタッフの方々に支えてもらい公演をしています。

こうして日本から海を越えて繋がっていくんですね。
改めて感謝です。

さあ!
残り半分も全力で挑んでいきたいと思います!

本格的に寒くなってきましたが、風邪などひかぬようご注意下さい!

山本実幸 (2013.11.10)


2013年11月6日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその8(山本実幸編)

肌寒い季節になって来ましたね。
今年は日本の秋の味覚が食べられないことが少し残念であります。
が!
スイス、フランスでもおいしいものがたくさんあり、日々新たなおいしいものを求めて奮闘しています!
奮闘…というのは、言葉が通じないので必ずしも理想通りの注文が出来ないからなんです。

さて、今回は『ロミオとジュリエット』の新メンバーを紹介したいと思います!

昨年、静岡で公演をしたときに登場した「パリス」という人物。
覚えていらっしゃるでしょうか?
ジュリエットのパパに結婚相手として紹介されていた陽気な外国人!
今回のツアーでは、アドリアン・ギガックスさんが演じております!

ギカちゃん

あだ名はギカちゃん。
背の高い、愉快なお兄さんです。
昨年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭2012」で上演されたテアトロ・マランドロ『春のめざめ』では、子ども達の一人とお父さんの役で出演していました。
日本にとても興味があるようで、一人でヒッチハイクで仙台まで行ったりしたそうです!!
日本語をしゃべるのも書くのもとても上手で、日本の皆様にメッセージをくれました!
↓↓

メッセージ
romeo1-388x550 ←  ※『ロミオとジュリエット』乳母役・武石守正

ユーモアに溢れていますよね(笑)

さて、次回はスタッフの方たちを紹介いたします!
乞うご期待!

山本実幸 (2013.11.5)


『ロミオとジュリエット』スイス・フランスツアー情報はこちら


2013年10月27日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその7(吉見亮編Ⅲ)

フランス・マラコフでの全11ステージも無事に終了しました!

パリのお客さんの目にどのように映ったのかわかりませんが、概ね楽しんで貰えたのではないかと思います。

奇しくも、ちょうど同じ時期に他の劇場で文楽をやっていて、しかも曽根崎心中。面白い偶然でした。

という訳で、バラしを開始!

赤い花びらを拾うファビアナ。今回は字幕を操作しつつ、演出助手として日々ノーツ(ダメ出し)もしてくれます。ご苦労様です。

ジュリエットの家を解体。

梱包。
こちらでのバラし作業は2回目になるので、少し要領がわかってきました。
3時間程で積み込みまで完了!
いよいよパリともお別れです。

10月19日

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パリを離れ、ジュネーヴに戻ります。

貴島さんが巨大な源氏パイ?を買ってました。美味しかったです。

パリ~ジュネーヴ間は牧歌的でとても気持ちが落ち着く景色です。

牛を眺め、小さな町をいくつか通り過ぎ、3時間程でジュネーヴに到着。
ホームに戻ってきたような安心感を感じて、ホッと一息。

2日間休んだら、スイスのモンテーという町での公演です!

その前に、オマールの別の作品がジュネーヴで本番中なので、見に行きました。

カルージュ劇場というところで、イプセンの『海の婦人』。新作です。
言葉がわからなくても、良い舞台を見ると、良い刺激になります。

いよいよ4つ目の都市、モンテーに出発です!

10月22日

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ジュネーヴからモンテーへ。

移動、通し、本番というハードなスケジュールですが、オフがあったので、皆元気です。

レマン湖沿いを電車で進みます。
途中で乗り換えですが、おお?!こ、これは・・・

小さくて、古い、ローカル線!
なんだかワクワクしながらモンテーへ向かいました。

そして、到着。

いつものようにスタッフが前乗りして仕込みは完璧。いつもいつもありがとうございます!

そして本番。
客席の反応は少し控え目で、日本での公演を思い出しました。
しかし、カーテンコールでは盛り上がり、喜んでもらえていたようでした。
という訳で、バラしです!

無事に終了して、現地スタッフも一緒にお疲れ様のビール&ピザ!

この日は一泊してから帰るのですが、男性陣のアパートは、なんとお城!

なんとも贅沢なひと時を過ごして、翌日帰りました。
そして、2週間のオフに突入!
スイス・フランスツアー、遂に折り返しです!

10月24日
吉見亮


2013年10月17日

『ロミオとジュリエット』ヨーロッパ・ツアーその6(吉見亮編Ⅱ)

前回紹介した新聞のようなものの記事を、通訳の浅井さんが訳してくれました!

細かくて読みにくいと思いますが、ご容赦下さい。
残念なことに、オマールがチリ出身になっています。・・・コロンビアですよ、La Terrase誌さん。

2日目の公演で、ちょっと素敵なハプニングがありました。
ラストシーン、ロミオの亡骸を前にジュリエットが自ら命を絶つところで、何故か客席から笑いがおきたのです。今までそんな事は一度もありませんでした。裏にいた我々は、一体何が?と不思議に思ったのですが、こういうことでした。
最前列でローティーンくらいの可愛らしい女の子が見ていました。ラストシーンで、二人寄り添って死んでいるロミオとジュリエットの上に、赤い花びらが落ちてきます。
それを見て女の子が思わず、
“C’est trop beau!! ” (美しすぎる!)
と叫んだそうです。それで、周りのお客さんが笑ってしまったということでした。

マラコフでの公演はまだまだ続きますが、頑張れそうな気がしました!

吉見 亮(10月11日)

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マラコフでの公演も6ステージ目となりました。
この日はいつもより早い時間の公演で、午前中に劇場に来てみると・・・

劇場前でマルシェが・・・

画面左側が劇場通用口。入りづらくなっています。
ともあれ、少し楽しげなスタートになりました。

この日はロレンス神父役のピエール=イヴファミリーが見に来て下さいました!

なんだかみんなそっくり。
そして何より、こうして親戚一同でお芝居を見に来る、絆の深さを感じました。

翌日は束の間の休日です。体を休めてマラコフでの残り5ステージ、頑張っていこうと思います!

吉見 亮 (10月13日)


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