2011年12月29日

<グリムの・ひみつ⑨>―衣裳デザイン―

クリスマスを目前に、『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』の衣裳をデザインしてくださった、衣裳デザイナーの堂本教子さんがSPACにいらっしゃいました。目的は「少女と悪魔と風車小屋」と「本物のフィアンセ」の稽古見学、そして演出家・宮城聰とのミーティングです。今回は堂本教子さんに衣裳デザインの仕事についてお話を伺ってみました。

IMG_1040_補正

Q.衣裳デザインという仕事をする上で心がけていることはありますか?

衣裳のデザインと言っても舞台美術ありきで、空間をどういう風にデザインするかを考えています。作品自体、演出、そして役者を含め、どういう世界観なのか。そういったこと全てを踏まえ、衣裳のデザインをその世界観に近づけていく・・・という作業を行っています。

Q.衣裳デザインをする上で苦労する点はありますか?

苦労することばかり。締め切りはあるし、全部がプレッシャーですよ。
それと、だんだんと仕事をしているうちに自分のデザインセオリーみたいなものが出来てきて、また同じようなデザインになっちゃった、ということが起こる。自分がより楽しむためにそこをどう飛び越えるかが難しいところです。上手いこと少しズラして、ズレたデザインで遊ぶことを考えています。例えばピッタリで動きやすいというデザインだけじゃなく、着る人に少しプレッシャーをかけるデザインもいいかなと思っています。

Q.「少女と悪魔と風車小屋」の白い紙のようなデザインはどのように決められたのですか?

衣裳のデザインは、台本を読み、稽古を見ることから始めました。そして舞台美術の方から「白い紙」という美術のイメージが提示されたんです。美術がそうならば衣裳も紙的なもので作ろうと考えました。でも衣裳を全て紙で作るのはなかなか難しく、試行錯誤の結果、あくまで紙という印象を失わないように、生地と紙を混ぜて作ることにしました。

IMG_1003_少女ドレス

Q.『グリム童話』の衣裳デザインをしていておもしろいところはどんなところですか?

影絵的な舞台美術なので、衣裳のシルエットを強調していく辺りがおもしろいです。
あと「少女と悪魔と風車小屋」の仕事をした時点で、この作品がシリーズものだと知らなかったんです。シリーズでデザインするのは初めての経験で、すごくおもしろいです。

Q.新作「本物のフィアンセ」の衣裳のイメージはどのようなものでしょうか?

「少女と悪魔と風車小屋」と同じ世界観でデザインします。重なっているキャラクターが多いので、演出家の宮城さんからの提案もあり、それらは共通のデザインでいきます。けれどストーリーが違うし、演じる人が違う。体型が変わるのに、衣裳のデザインが変わらない所がおもしろいんじゃないかな。2作品とも観て、比べて、楽しんでもらいたいですね。

Q.堂本さんにとって衣裳デザインとはなんでしょうか?

旅をすることです。作品世界への旅、同時に仕事をするみなさんと一緒に出る旅、ですね。「本物のフィアンセ」では「肉屋」に「きこり」に「馬丁」なんかが登場して、これらは私にとってこれまであまり考えたことがなかったような人々です。だからそんな新しい世界に旅ができることが、私にとっての衣裳デザインの仕事です。

★★★

とても元気で気さくな堂本さんの、とびきりのことは神社とお寺を訪れること。また民俗博物館が好きで、アトリエのスタッフと民俗研究会をつくり勉強会も計画中だそう。衣裳デザインを始めたのも堂本さんの田舎である若狭のお祭りとその衣裳がおもしろくて大好きだったからだとか。お祭りの持つ「ハレ」という感じが舞台に通じているのかな、とお話してくれました。

ひと月後、堂本さんが再び静岡に来る時は「本物のフィアンセ」の衣裳合わせです。これから堂本さんのデザインする衣裳をSPACの衣裳部でどんどん製作していきます!

今日はここまで・・・!


2011年12月26日

年賀状を作りました!~『グリム童話』公演記念~

Filed under: 未分類

クリスマスカードに引き続き第2弾!

SPACでは『グリム童話』公演を記念して、
年賀状を作りました。

来年の年賀状のデザインに悩んでいる方、

ぜひSPAC『グリム童話』年賀状をお使いください。

新年のあいさつなど、あなたの一言を書き添えて、
いつもお世話になっている大切な人に、
送ってみてはいかがでしょうか?

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

★さらにお得な特典つき!★

下記の画像を印刷したハガキ、もしくは画像を表示した携帯画面を、
グリム童話「少女と悪魔と風車小屋」のご観劇日(1月21日もしくは28日)の当日に、
カフェシンデレラにてご提示いただければ、
ドリンクを1杯プレゼントいたします。

※「少女と悪魔と風車小屋」1月21日(土)、28日(土)の公演日のみのサービスとなります。
※ドリンクはコーヒー・紅茶・ハーブティーの中からお選びいただけます。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

デザインはAとBの2種類、
用途は3種類からお選びいただけます。

1.メール添付用(小・携帯用:jpgデータ)
2.メール添付用(大・スマートフォン用:jpgデータ)
3.カード印刷用(はがきサイズ:pdfデータ)

↓↓以下の画像を右クリック、もしくはタイトルをクリックして保存してください↓↓

◆デザイン A ◆

A年賀状メール添付用(小)
A年賀状メール添付用(小)

A年賀状メール添付用(大)

↑ A年賀状メール添付用(大) ↑

A年賀状印刷用(ハガキサイズ:pdfデータ)

◆デザインB◆

B年賀状メール添付用(小)

B年賀状メール添付用(小)

B年賀状メール添付用(大)

B年賀状メール添付用(大)

B年賀状印刷用(ハガキサイズ:pdfデータ)

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


2011年12月23日

<萌目線。vol.91>グ・リ・ム

Filed under: 萌目線。

寒い日が続きますね。
もう年末だなんて、1年が本当にあっという間に思えます。

舞台芸術公園では、毎日『グリム童話』の稽古が行われています!!
BOXシアターで『少女と悪魔と風車小屋』、稽古場1で『本物のフィアンセ』と、隣どうしで人や楽器が行ったり来たりしながら製作中です。

「イケメン揃いなのでは?!」と評判だったキャスティングの『少女と悪魔と風車小屋』チームは、
初演時に演奏者として出演していた池田さんが
今回は表に出てきて少女役に。

さらに新しいメンバーを迎え、戯曲や演出も新たになったところもあり、初演をご覧になった方にも是非また観ていただきたい内容になっています。

『本物のフィアンセ』チームのほうは、少女役に美加理さん、
そしてベテラン個性派男優陣で、新たな旅に出発です。

私は演奏者として出演させていただけることになりました!!

現在、音楽監督の棚川さんが新曲をどんどん作曲中です。

すでに2つの作品がリンクする演出がところどころにちりばめられているので、
2作品同時上演の日をご覧になる方には相当お楽しみいただけるのではないでしょうか。

もちろん、別の日にご覧になっても物語の奥深さを感じていただけると思います。

舞台裏の様子は、『グリム童話』の制作担当である谷口が更新している「グリムのひ・み・つ」もごらんください。

今年の劇場入り口のクリスマスツリーは『グリム』の舞台装置です!!

111203_1525~01

折り紙の木に可愛いオーナメントでシンプルイズベスト。


みなさまに素敵なクリスマスが訪れますように。


私たちはクリスマスも張り切って稽古して!!
年明けの公演にむけて突っ走っていきたいと思います!!


2011年12月17日

<グリムの・ひみつ⑧> ―衣裳製作―

2012年1~3月、SPACでは宮城聰演出の『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』を再演、そして同じく『グリム童話』シリーズから新作「本物のフィアンセ」を上演します。俳優の稽古が進む一方で、様々な作業が同時に進行しています。これからの<グリムの・ひみつ>では舞台を支える技術スタッフたちの作業の様子を紹介していきます。

今回はSPAC衣裳部の竹田徹さんと駒井友美子さんに『グリム童話』の衣裳製作の様子を聞いてみました。

IMG_1000

Q.衣裳部ではどんな仕事をしているんですか?

竹田:『グリム童話』では衣裳デザインをデザイナーの堂本教子さんにしていただいています。堂本さんと演出家の宮城さん、そして稽古場の俳優たちのパイプになり、それを作業場に下ろして衣裳の製作をするのが仕事です。
上演する『グリム童話』2作品のうち1作は再演なので、今は演者が変更となった役の衣裳を新たに作ったり、寸法調整をしています。

Q.衣裳という仕事の好きなところはどんなところですか

駒井:実社会の洋服にあるようなルールが舞台衣裳にはないところです。デザインの選択肢が多いところがいいですね。

竹田:でも逆に毎公演、ルールを探しているとも言えます。何を着せたら一番客席に届くのか・・・着るもののルールを探しているんです。

IMG_1012

Q.衣裳部で苦労する点はどんなところですか?

駒井:自由にデザインできる分、作り方のマニュアルがないのでそこはよく考えなければならないです。そして舞台だと大きく動いたり、飛び跳ねたり、激しい動きが多いので、それに耐えうる衣裳でなければならない。『グリム童話』では衣裳の素材として紙を使っているので、その分消耗が激しいんです。

竹田:それに紙は、普段扱う布とは硬さも重さも違う点が苦労しました。

IMG_1008

QSPACの衣裳部で働く魅力はどんなところですか

竹田:一年中芝居を作っていられることです。作業環境も恵まれています。そして多彩なゲスト・演出家との出会いがあり、一緒に仕事ができることが本当に楽しいですね。『グリム童話』では堂本教子さんと一緒に仕事をさせていただき、とても勉強になっています。

駒井:私もそう思います。それが地元静岡で実現できていることが嬉しいです。

Q.お二人の夢はなんですか?

竹田:突き抜けた作品を作りたいです。SPACが、常にあるレベルを超える作品を上演できるようになることです。

駒井:今年初めて衣裳のプランニングを経験しました。自分の足りない部分をどう埋めて良い作品を作っていけるか、そんなことを考えています。

★★★

冗談を言い合ったり、とても仲の良いお二人ですが、いざ仕事となると互いに刺激しあえる良い仲間だとおっしゃっていたことが印象的です。

そして衣裳部チーフの竹田さんが衣裳部のみんなに勧めている本はこれ。

IMG_1006

ここに書かれている整理術は舞台の衣裳デザインにも大いに通ずるそう。

「本物のフィアンセ」の衣裳デザイン、そして製作はまだまだこれから。どんな衣裳が飛び出すのでしょうか・・・

今日はここまで・・・!


2011年12月15日

“「わからない」ことに耐える力” 中高生へのメッセージ

Filed under: スタッフ便り

2011年の秋のシーズンでも、鑑賞事業公演では、県内のたくさんの中高生がSPACの舞台を鑑賞にお越しくださいました。
SPACでは、鑑賞事業公演の際、中高生に観賞パンフレットを配布させていただいていますが、
そのパンフレットの一面にいつも掲載させていただいている、 SPAC芸術総監督 宮城聰のメッセージを、このサイトをご覧頂いている皆さまにもご紹介いたします。(※このメッセージが日本経済新聞2011年12月15日発行(朝刊)にも取り上げられました)
_______________________
中高生の皆さんへ

みなさんは、いま自分がどういう時代に生きていると感じていますか?


そう、地域社会が崩壊し、価値観が流動化し、自殺者は増え続け、そして若者は「ひとり遊び」ばかりしていて孤独のなかに閉じこめられている、そういう「精神的危機」の時代に生きている・・・と感じる人が多いかもしれません。

でも演劇をやっている僕から見ると、すこし違って感じます。なぜなら、演劇は何百年間も、孤独にさいなまれる精神や、なにが正しいのかの基準をなくして迷子になっている精神をえがいてきたからです。

つまりどうやら、世界が人間にとって生き易かったことなど一度もなかったらしいのです。

でもそのなかでがむしゃらにあがく人間が、演劇には登場します。がむしゃらにあがく彼らは、しばしば悲しい結末を迎えるし、人間とかこの世というものについてのはっきりとした解答を出してもくれません。ですが、それでも演劇を見るとなんだか励まされる気がします。

どうしてでしょう?

きっとそれは彼らが “「わからない」ことに耐える力” を、すこし観客に手渡してくれるからだと、僕は思っています。

“「わからない」ことに耐える力”。それは“孤独と向き合う力”でもあります。

人間はいまも昔も孤独です。だから少しでも人とつながれるように、一生懸命ことばとからだを研ぎすましてきました。

それが演劇です。

宮城聰
SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督 宮城聰

こちらもご覧ください。
私と演劇— 「他者」と出会うこと 宮城 聰

私と演劇——— 「他者」と出会うこと 宮城 聰私と演劇——— 「他者」と出会うこと 宮城 聰

2011年12月10日

<語る会>『ガラスの動物園』『オイディプス』について好き勝手に語りました!

Filed under: 未分類

SPACの舞台作品を観て感じたこと考えたことをざっくばらんに自由に語り合おう!ということで、この秋に上演された『ガラスの動物園』と『オイディプス』について「語る会」を開催いたしました。場所はおなじみスノドカフェ

実はこの「語る会」、今回初めての試みでした。同じ舞台を観たお客さん同士が感想を言い合える場がつくれないものかと思い、スノドカフェのオーナー柚木さんに相談して実現しました。舞台は観終わったらおしまい、ではなくて、そのあとに語り合うことで観劇体験がより豊かになっていく可能性も秘められてると思います。

実際、誰かが意見を言えばそれに触発されてまた誰かが意見を言う・・・この果てしない連鎖に、会は両日とも3時間をゆうに越えるアツい語り合いでした!ここではその一端をご紹介いたします。

オイディプスについて語る会(2011.12.04)

オイディプスについて語る会の様子(2011.12.04)

***
『ガラスの動物園』について語る会
日時:2011年11月6日(日)18:00~21:30 場所:スノド・カフェ 参加者:20名

■語られた主なこと

【ラストの蝋燭の火】
・蝋燭の火が消えたのは、「ローラの死」を意味するのではく、「ローラの(この家からの)旅立ち」の象徴である。この舞台は「救いがない」のではく、明るい未来を暗示していると読むこともできる。

【ユニコーン】
・ユニコーン=ジム:ユニコーンの角が折れることによって、「普通の馬」になった。それはつまり、ローラの中でジムが「憧れ」の対象から「普通の人間」になったことを意味するのではないか。
・ユニコーン=ロボトミー手術:ユニコーンの角は、ロボトミー手術を表現したものではないか(手術される姿がユニコーンを髣髴とさせる)。
・ユニコーンの角が折れ(一番大事なものが壊され)、「普通の馬」になったことは、ローラが平凡の素晴らしさに気づいたからではないか。しかし、そのことはジムがローラに言った「君にしかない魅力がある」ということとは相反する。

【風】
風でチュールが揺れることの意味は?→アマンダの怒り/ローラを囲ってる「繭」の崩壊/ウィングフィールド家への新しい風

【トム】
トムは、ローラがむかしジムに憧れていたことを知ってて(知らないふりをして)、家に連れてきたのか?
・きっと知ってて、家を崩壊させるために(ローラを家から出すために)、連れてきたのではないか。
・トムとジムは実はデキてたのではないか。(ベティ=トム説)

【ローラ】
ローラはアマンダにもトムにも、好きとも嫌いとも言わない。つまり、誰に対しても感情がない。ジムと再会するまでは。

【アマンダ】
アマンダが手にしていた黄水仙の花言葉は「私のもとへ帰って」。

【ベティ】
ベティは本当は実在していなかったのではないか?
もしかしたら、ジムはゲイで、ベティとはトムのことだったのかもしれない。

【舞台美術】
・テーブルが石上純也(建築家/妹島和世建築事務所出身)を髣髴とさせたと同時に、舞台美術全体はSANAA(妹島和世・西沢立衛)を連想させるものがあった。
・二重の紗幕があることで、観客は俳優をよく見るようになる。
・目を細めて見るという行為は、記憶を遡る(思い出す)ということにつながる。ダニエル氏が言う「記憶の遠近法」に観客も巻き込まれた。
・鏡がすこし下に向けられているのはなぜか。アマンダが、鏡のなかに映った自分の滑稽な姿(過去の栄光にすがっている自分)に気付かないようにするため。

【演出】
・ダニエル・ジャンヌトーの演出は「間と影」である。観客はそこを埋めるようにして想像力をはたらかせて観る。だからいろいろな見方ができるのではないか。
・いろいろな憶測がどれもありえるように演出されている。

***
『オイディプス』について語る会
日時:2011年12月4日(日)18:00~22:00 場所:スノドカフェ 参加者:12名

■語られた主なこと

【小野寺演出について】
・これは演劇?ダンス?ショウ?
・今までにない演出で「こういう表現もあるんだなぁ」と感じると同時に、俳優の動きはどこかで見たことがあるような感じもした。(ローザスに似てる?)
・身体と言葉が目まぐるしく変わっていく感じ。
・「オイディプス」のストーリー自体は、とても直視できないものであるが、小野寺さんの手にかかると楽しく観ることができる。
・よくわからない部分もあったが、人間に共通する何かを突きつけられた感じがした。
・密度が濃い舞台だった。
・「中心」がない舞台だと思った。(「転校生」や「忠臣蔵」を連想させる。)
・舞台を観ていると、「混乱」していく自分、「分裂」していく自分がいた。
・2500年の歴史の中で上演されてきたさまざまな「オイディプス」を表現しようとしたのではないか。
・階段とかが危ないなと思った。
・そもそも「オイディプス」は感情移入できる芝居ではないが、役が分解されることで(三人のオイディプス・イオカステ)、その中に自分に近い(共感できる)人物を探すことができる。

【ストーリーがわかりにくい?】
・話がわかりにくかった。演劇を見慣れていない人、オイディプスの話を知らない人は突然の展開についていけないだろう。
・静岡県の中高生ははじめて演劇を観る人が多いだろうから、これを中高生鑑賞事業でやられては困る。
・ストーリーはすごく丁寧に描かれていたと思う。大事なことは何度も繰り返されていた。
・ストーリーがわかるということが演劇の良さでは必ずしもない。わからないことを楽しめる舞台であるということも重要である。SPACが「わかりやすい」舞台ばかりを創るようになったら残念だ。
・セリフが聞き取れない部分があったが、それはそんなに不快ではなかった。わざと聞き取りにくくしているのだろうと思った。

【場面の繰り返しについて】
・ループ(繰り返し)によって、混乱を楽しむというのは非常に現代的。ヒップホップなどの音楽と通じるところがあるのでは。
・「オイディプス」の肝は、「とりかえしのつかないことをやってしまった!感」だと思うが、ループの手法は「やっちまった感」とは正反対のものである。つまり、ループは「やり直し可能である」ということを表現しているとも言える。

【三人のオイディプス】
・「父と出会って殺してしまうオイディプス」「父と出会うが殺さないオイディプス」「父と出会いもせず殺しもしないオイディプス」を表現している。
・「いまのオイディプス」「未来のオイディプス」「過去のオイディプス」を表現している。
・三島景太演じるオイディプスが本当のオイディプスで、大高浩一と森川弘和は三島オイディプスの妄想である。

【オイディプスについて】
・アテナイは民主制だったので、僭主がいかによくないかを再確認する場として、「オイディプス」という作品があった。
・だから一見悲惨なように思えるラストも当時のアテナイ市民から見ればハッピーエンドだった。
・ラストでオイディプスは両目をつぶすが、死んではいない。かろうじて生きている。最後にゼロ地点に戻ったということだろうか。

【語る会について】
・SPACの作品は当たりはずれがあるので、知り合いを誘って観にいくことができない。(「転校生」「わが町」「アンティゴネ」(イスラエル)はすごくよかった)毎回、ひとりで観にいくようにしているが、ひとりだと他の人がどう思っているかがわからないので、「語る会」開催はありがたい。

***
「語る会」には作品製作に関わった演出家や出演者・スタッフは(あえて)出席しなかったので、答えの見えない議論をグルグルとやっている感じもありましたが、この思考の時間はひとりではなし得ないものであるし、意味のあるものだったと思います。「語る会」にご参加いただいた皆様、ありがとうございました!会場準備と司会を引き受けてくださったスノドカフェオーナーの柚木さんにもこの場を借りて御礼申し上げます。
また次回作でも「語る会」がやれればと思います。では。(丹)


2011年12月4日

<オイディプス>森川弘和インタビュー

Filed under: 未分類

SPAC初出演の森川弘和さんにインタビューさせていただきました!

IMG_0538

2009.11.21-593            撮影(写真下):三浦興一

Q)普段はダンサーとして活動されていますが、現在に至るまでの経緯について教えて下さい。
A)大学3年の頃に「自分にしかできないことをやりたい」という思いが強くありました。それまでは化学の勉強をしていました。悩んだ末に中退し、その後、「ちょっと旅行に・・・」とフランスへ行ったのです。そうしたらなんだか不思議にフランス生活が気に入って、もっと長く住みたいと思ったのですね。ビザを取るために学校を探すことになったのですが、フランス語は話せないし、お金もないし、それとちょっと変わったことをやりたくて・・・。たどり着いたのがマイムの学校だったのです。体ひとつあればよかったし、マイムはしゃべりませんから。「どこに向かうか分からないけど、とにかく何かが始まった」そんな気持ちで一生懸命練習しました。それまで身体や舞台のことに興味を持ったことがなかったので、本当にゼロからのスタートでしたね。結局3年半ほどフランスにいました。日本に帰って来たものの行く先は見えず・・・。そんな時にたまたま受けたワークショップで、モノクロームサーカスというカンパニーに出会いました。彼らの「からだへの向き合い方、探究心」をすごく面白いと思って、事務のお手伝いをしつつ練習に参加させてもらうようになったのです。ダンスを始めたのはこれがきっかけです。また未知なものに向かってスタートしたわけです。5年間活動した後、フリーランスになりました。今もってなんら確信はないのですが、ぼくの信じたいものがからだと舞台にあるようだ、ということだけは感じています。何もはっきりしないのですが、はっきりさせられないところにやりがいと生きがいがあるのかもしれません。そんな思いで、ひとつひとつをただ丁寧に一生懸命やっています。

Q)ここまで踊り続けてきた中で、一番影響を受けていると思うものは何ですか?
A)演出家や振付家、共演するキャスト、その人たちとの出会いです。それと自分自身ですね。負けず嫌いなところと恥ずかしがりなところ。こだわりが強いところと逆に執着しないところ。

Q)今まで出演した作品で印象に残っているものは?
A)モノクロームサーカスの出前プロジェクト。「交通費とお食事をいただければ、どこにでも出かけてパフォーマンスをします」というプロジェクト。タイに出かけた時、ちょうど駆け出しの頃でぼくは記録映像のカメラマンとして同行していたのですが、ひょんなことから押し出されるように出演。これが初舞台です。

Q)今まで観た作品で印象に残っているものは?
A)Alain Platelの『Wolf』です。ダンスを始めて間もない頃にドイツで観ました。これを観ていなかったら、もしかしたらダンスを続けていなかったかもしれないです。

Q)静岡に約2ヶ月滞在してみてどうですか?
A)とてもうれしい経験です。SPACのすばらしい環境で練習できて、それとキャストもスタッフも制作チームもとてもすてきな人たちばかりで。それにみんな個性的な人たちで、稽古場に笑いが絶えないですね。大好きな人と出会えて、環境も最高でとにかくうれしいです。山の中にある宿泊施設もとても快適です。満天の星空を見ながらおいしいビールを飲んでいます。料理がちょっとだけ上手になったかもしれません。

Q)自分の出演シーンで観てもらいたい所、好きなシーンは?
A)スフィンクスを倒してイオカステにいざなわれるところ。「昔の彼女に逢ったように喜ぶんじゃない!」というダメだしを受けたシーン。たきいさんの微笑みについうれしくなってしまいます。それと、三叉路でライオスに出会うシーン。なかなかうまくできないのですが、なんとか・・・。一番シンプルな動作で最大のイメージを伝える。そんなことに挑戦しています。それとそれと・・・動きです、やはり。

Q)今回のオイディプスの見所は?
A)戯曲を抜粋したり、お話から現れるイメージをシーンにしたり、現代的な要素を加えたり、今までのオイディプスとはひと味もふた味も違うと思います。それらの要素が相まって、観客の皆さんがそれぞれにオイディプスを感じていただければと思います。

普段は穏やかな雰囲気の森川さんですが、一旦舞台に立つと、クールで独特の存在感を放ちます。そんな森川さん出演の『オイディプス』、千秋楽(一般公演12/4、中高生鑑賞事業公演12/9)まであと僅かです。皆様、是非劇場に足をお運びください!


2011年12月2日

【画像あり】<オイディプス>12/4(日)まで上演中!

先週末に一般公演の初日が開きました! 今週末の12月3日(土)、4日(日)は、早くも一般公演の最終週となります。 残席が少なくなっておりますので、まだチケットをご購入されていない方はどうぞお早めにお買い求め下さい。 また、一般公演終了後も12月9日まで中高生鑑賞事業公演を行っていますので、日中にご都合のつく方はどうぞお越し下さい。こちらの公演にご来場のお客様には、中高生用に配布している『オイディプス』鑑賞パンフレットを差し上げています。さらに終演後には、俳優から中高生に向けてのメッセージがありますので、こちらも合わせてお聞きいただけます。(12/9の最終日は、演出の小野寺修二氏から中高生に向けたメッセージがあります。) 日々進化する『オイディプス』の舞台、皆様のご来場をお待ちしております!

2009.11.21-8522009.11.21-296
2009.11.21-302

2009.11.21-756

2009.11.21-3282009.11.21-3972009.11.21-4332009.11.21-8452009.11.21-904

撮影:三浦興一 【SPAC秋のシーズン2011『オイディプス』公演詳細はこちらへ】 http://spac.or.jp/11_autumn/oedipus.html


2011年12月1日

【インタビュー】ラジオ目線。第4回/ゲスト:小野寺修二さん(演出家・振付家)

「ラジオ目線。」第四回は、新作『オイディプス』の演出、小野寺修二さんにお話をうかがいました!

絶賛公演中、初日あけてからもさらにブラッシュアップさせるべく毎日稽古に取り組んでおられます。
そんな中、SPAC俳優の石井萠水が今回も突撃インタビュー!
これまでにない、たくさんの中高生に観劇してもらう中高生鑑賞事業の感想、SPACとのコラボレーション、新作『オイディプス』制作秘話、さらには小野寺さんが思う演劇の­今後などなど。。。
ラジオ目線。恒例の、ゲストオススメの○○○も!!

お忙しいところ、真摯にお話してくださいました。
小野寺さんの作品を観たことがない方も、これから観られる、という方も、皆さん是非お聞きください。