2012年4月28日

もうすぐシズオカXカンヌウィーク!

もうすぐシズオカXカンヌウィーク!
SPAC文芸部 横山義志
もうすぐカンヌ映画祭。このカンヌ映画祭を日本で一番楽しめるのが静岡だということをご存じでしたでしょうか?静岡市とカンヌ市は姉妹都市で、ここ数年、カンヌ映画祭の時期に合わせて、カンヌを紹介するイベントが開催されていました。今年からは市の全面的なバックアップを得て規模を拡大。5月25日(金)から27日(日)にかけて、市内のあちこちで関連イベントが繰り広げられます。SPACも5月26日(土)と27日(日)にスペシャル・パフォーマンスで参加します。昨日はその「シズオカXカンヌウィーク」の記者会見に行ってきました。
「シズオカXカンヌウィーク」のサイト
http://www.cannes-shizuoka.jp/
東京・広尾のフランス大使館で行われた記者会見では、田辺信宏市長のほか、島田市出身の俳優・別所哲也さん、元ミス・ユニバースの森理世さんが、報道陣の前で熱く静岡の魅力を語ってくれました。別所さんによれば、静岡は「お茶というハーブが薫る日本のプロヴァンス」だそうです。森さんはミス・ユニバースとしてカンヌ映画祭を見に行って、家族連れで楽しめるようなイベントが街中で行われているのに強い印象を受けたとのこと。カンヌ映画祭はセレブのためだけのイベントではないようです。
今年の「シズオカXカンヌウィーク」では、七間町で様々なイベントが行われるほか、カンヌ映画祭の恒例イベント「シネマ・ド・プラージュ(浜辺の映画館)」にヒントを得て、清水港でも映画の上映が行われます。SPACも海辺の野外特設ステージで、6月の演劇祭に先駆けて、SPAC15周年記念作品『マハーバーラタ』の一部を無料上演!ぜひお越し下さい。
清水の海辺で『マハーバーラタ』
日時:26日(土)27日(日)各日2回公演 ①13:00~ ②14:30~
http://www.cannes-shizuoka.jp/shimizu.html#1-1
今回のカンヌ映画祭には静岡で撮影された作品も出品されます。イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督による日仏合作映画『Like Someone in Love』(http://www.cinematoday.jp/page/N0041518)。
気がつくと、静岡もずいぶん世界と近くなっています。
6月のふじのくに⇄せかい演劇祭もお楽しみに!
「ふじのくに⇄せかい演劇祭」、今年は10ヶ国12演目!
日本初紹介のネイチャー・シアター・オブ・オクラホマによる3時間半の壮大にバカバカしいミュージカル『ライフ・アンド・タイムズ エピソード1』は、きっと見たら幸せになれます。
http://spac.or.jp/fuji2012.html

SPAC文芸部 横山義志

もうすぐカンヌ映画祭。このカンヌ映画祭を日本で一番楽しめるのが静岡だということをご存じでしたでしょうか?静岡市とカンヌ市は姉妹都市で、ここ数年、カンヌ映画祭の時期に合わせて、カンヌを紹介するイベントが開催されていました。今年からは市の全面的なバックアップを得て規模を拡大。5月25日(金)から27日(日)にかけて、市内のあちこちで関連イベントが繰り広げられます。SPACも5月26日(土)と27日(日)にスペシャル・パフォーマンスで参加します。昨日はその「シズオカXカンヌウィーク」の記者会見に行ってきました。

「シズオカXカンヌウィーク」のサイト

http://www.cannes-shizuoka.jp/

東京・広尾のフランス大使館で行われた記者会見では、田辺信宏市長のほか、島田市出身の俳優・別所哲也さん、元ミス・ユニバースの森理世さんが、報道陣の前で熱く静岡の魅力を語ってくれました。別所さんによれば、静岡は「お茶というハーブが薫る日本のプロヴァンス」だそうです。森さんはミス・ユニバースとしてカンヌ映画祭を見に行って、家族連れで楽しめるようなイベントが街中で行われているのに強い印象を受けたとのこと。カンヌ映画祭はセレブのためだけのイベントではないようです。

左二人目から別所哲也さん、森理世さん、田辺信宏市長

左二人目から別所哲也さん、森理世さん、田辺信宏市長

今年の「シズオカXカンヌウィーク」では、七間町で様々なイベントが行われるほか、カンヌ映画祭の恒例イベント「シネマ・ド・プラージュ(浜辺の映画館)」にヒントを得て、清水港でも映画の上映が行われます。SPACも海辺の野外特設ステージで、6月の演劇祭に先駆けて、SPAC15周年記念作品『マハーバーラタ』の一部を無料上演!ぜひお越し下さい。

清水の海辺で『マハーバーラタ』

日時:26日(土)27日(日)各日2回公演 ①13:00~ ②14:30~

http://www.cannes-shizuoka.jp/shimizu.html#1-1

今回のカンヌ映画祭には静岡で撮影された作品も出品されます。イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督による日仏合作映画『Like Someone in Love』

気がつくと、静岡もずいぶん世界と近くなっています。

6月のふじのくに⇄せかい演劇祭もお楽しみに!

「ふじのくに⇄せかい演劇祭」、今年は10ヶ国12演目!

日本初紹介のネイチャー・シアター・オブ・オクラホマによる3時間半の壮大にバカバカしいミュージカル『ライフ・アンド・タイムズ エピソード1』は、きっと見たら幸せになれます。

http://spac.or.jp/fuji2012.html


2012年4月27日

SPAC-ENFANTS2012オーディションを行いました

4月21日、22日に「SPAC-ENFANTS(スパカンファン)2012」のオーディションを行いました。

2010年から始まり、3年目となる今回も、フランスから演出・振付のメルラン・ニヤカムさんが来日、振付アシスタントの木野彩子さんとともに、二日間にわたってオーディションを行いました。
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二日間みっちり、ニヤカムさんによる振付を参加者たちは吸収していました。

普段習っているバレエやヒップホップにはおさまらない独特のダンスに、はじめは戸惑いながらも、次第に殻を破るかのように自分らしさを発揮してくれました。
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スパカンファンの新しい物語がはじまります!

夏の公演をお楽しみに!


Noismメンバーによる「からだワークショップ」を行いました

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4月15日(日)、静岡芸術劇場リハーサル室にて、Noismメンバーによる「からだワークショップ」を行いました。
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新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあを拠点とするダンスカンパニーNoismから、バレエマスター宮河愛一郎さんと、同じくNoism1の真下恵さんが静岡にいらしてくださいました。初の静岡でのワークショップに、小学一年生から大人まで約60名がご参加くださいました。
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紙を用いてからだをコントロールする動きや、手や足をつかった自由な動きで自分の名前をかいてみたり、ワークショップで初めて会った参加者どうしでペアになってからだをうごかしたり、ダンス未経験者でも気負わず楽しめるメニューが大変好評でした。
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SPACでは、7月21日、22日にNoism新作『Nameless Voice〜水の庭、砂の家』を静岡芸術劇場にて上演いたします。
皆様ぜひおこしください。


2012年4月16日

自転車演劇 『旅』の演出家・アナさん来日!

「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」に先駆け、
ゴールデン・ウィーク期間に街なかで上演する自転車演劇『旅』。
演出家の アナ・スティースゴーさんが会場の下見のために来日しました。
約1週間の滞在で東へ西へ、静岡県内8ヶ所の各会場を見学し、演出のプランを練りました。

◆ ◆ ◆

会場に到着すると、まずはひととおり様子を見て回ります。
さてどこから『旅』のストーリーをはじめようか・・・

写真中央:アナさん、右2名:SPAC制作スタッフ

P1000921ドリプラ
エスパルスドリームプラザ 屋外テラス

「あそこが使えそう」、「ここが素敵」とどんどん場所を選び出していくアナさん。
会場側の協力してくださる方々も「あんなところを?!」と驚きの連続です。

2012-03-14 13.45.26文芸大 静岡文化芸術大学

そして浮かんだ構想を記録していきます。
異国の地での8ヶ所もの公演ですから、これが演出の鍵をにぎる命のノートになります。

P1010042富士宮富士宮市役所 正面広場

「そう、こんな風に自転車を引いて歩くの。並んで、ゆっくりね。」

P1000843空港 富士山静岡空港

「ここではあのロマンチックなシーンを演るのよ!」

P1010243サイクルスポーツ
自転車の国 サイクルスポーツセンター

アナさんは俳優の動きを実演してくれたり、音の響きを確認するためにその場で歌を歌ったりします。
楽器の演奏と歌で、詩情あふれる世界をつくりだす『旅』では音の響きも重要なポイントなのです。

そしてパフォーマンスに必要な「広さ」を計るのは、アナさんの「足」。
色々場所を変えて上演する『旅』では空間の広さを把握して、パフォーマンスの形を変化させながら上演します。
こうしてその場所ならではの『旅』が作られるのですね。

P1000817七間町 七間町名店街

これまで上演してきたイタリアの古い街並みはもちろん素敵だけれど、
日本の城下町、商店街、ショッピングセンター、空港、広場、公園、大学、アミューズメントパーク・・・・・・
こんなに多様な場所での上演はアナさんにとっても挑戦。

2012-03-14 16.20.26横須賀

遠州横須賀街道

そして『旅』の上演に際し、もうひとつ大切なのは地域の人々とのコミュニケーションです。
その街のみなさんの協力あってこそできあがる作品・・・

IMG_9720沼津カラーのコピー(クレジット) 沼津中央公園

見慣れたあの街で、どんな『旅』が繰り広げられるのでしょうか。
メンバーの来日はいよいよ10日後です!

◆ ◆ ◆

『旅』
http://spac.or.jp/f12lisboa.html


2012年4月2日

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(9/最終回)

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(9/最終回)

3月27日(火)

SPAC文芸部 横山義志

今年のボゴタ演劇祭は、劇場で上演される海外招聘演目が38作品(数え間違えてなければ)。他に大道芸やコンサートなど、多彩なプログラムでまだまだつづくようだが、SPACにとっては今日がコロンビア最終日。朝までバラシのあと、夕方に在コロンビア日本大使を公邸に訪問、そのまま空港に行く予定。

日中はオマール・ポラスが運営しているキンタポーラ劇場の見学に行く。希望者は12時ロビー集合し、徒歩で劇場のある中心部まで歩いて行く。

フェスティバル関係者となぜかロビーで記念撮影

フェスティバル関係者とロビーで記念撮影

ホテル前から見えるモンセラーテの丘 3月のボゴタにしては天気がいい

ホテル前から見えるモンセラーテの丘 3月のボゴタにしては天気がいい

1998年に鈴木忠志作品を上演したガイタン劇場

1998年に鈴木忠志作品を上演したガイタン劇場

全身で演奏するストリートミュージシャン

全身で演奏するストリートミュージシャン

ボリバルは生きている! ボリバル通りの落書き

ボリバルは生きている! ボリバル通りの落書き

ボリバル広場の銅像と記念撮影 オマール・ポラス演出『シモン・ボリバル』にも出演した貴島豪さん

ボリバル広場の銅像と記念撮影 オマール・ポラス演出『シモン・ボリバル』にも出演した貴島豪さん

あやうく釣られそうになる 旧市街

誘惑の多い旧市街

SPACで『ドン・ファン』を演出したオマール・ポラスはコロンビア出身で、もう30年近くスイスのジュネーヴを基盤に活動している。

もうすぐSPACで公演、オマール・ポラス新作『春のめざめ』(右側にニュース映像あり)

http://www.forum-meyrin.ch/spectacle/leveil-du-printemps

2年前にボゴタに来たときに、オマール・ポラスはこの劇場について、こう語っていた。

「玄関から馬が入れるようになっているところからすると、植民地時代のスペイン軍士官の屋敷だったようで、正確な年代は分からないが、1800年頃に作られたらしい。それを1960年代から活動しているテアトロ・エル・ロカルという劇団が買い取って劇場にしようとしたんだ。この劇団はかなり政治的な作品をやっていたし、コロンビアでは劇団に対する公共の助成はないので、本当に食うや食わずだった。80年代に、20世紀ラテンアメリカ史最大の悲劇の一つである1985年のゲリラによる中央裁判所襲撃事件を題材にした作品をここで上演して、それが大ヒットしたおかげで、その間はなんとか電気代と水道代を払える、という状態だった。

ぼくは十数年間コロンビアに戻っていなかったんだけど、数年前からコロンビアに何かと理由をつけて戻るようになった。そのころ、テアトロ・エル・ロカルの代表者がコンタクトを取ってきて、この劇場が取り壊されてしまいそうなのでなんとかならないか、という話を聞いた。この劇場に込められた記憶を失わせてはいけない、と思って、これまでに出会ったコロンビア政府文化省や教育省の官僚、政治家、外交官、財界人などに思いつく限りコンタクトして、劇場を救わなければ、という話をしたが、誰も動いてくれなかった。そうこうしているうちに、スペインのホテルチェーンが劇団に対して、巨額の買い取り金を提示した、という話を聞いた。ここカンデラーリア地区はラテンアメリカでも最大の文化的地区の一つで、観光資源も多くて、地価がすごく高騰しているんだ。

そこで、もう他に方法がない、と思って、自分で買い取ることに決めた。多額の借金を背負うことになったが、とにかく働けばなんとかなるんじゃないかと思った。ぼくはコロンビアの多くの演劇人と違って、少なくとも演劇で生活していけるというチャンスに恵まれているんだから。でも、ぼくはコロンビアじゃなくてスイスに住んでるんだから、コロンビアで劇場を買うというのは本当にクレイジーなことだった。ここで劇場を経営する、というのはどう考えても無理なので、ここを、世界を代表するアーティストたちがコロンビアの若いアーティストたちに知識と経験を伝える教育と研究のための施設にしようと思った。そこで財団を立ち上げて、作業チームを作った。宮城さんも個人の立場で資金提供を申し出てくれた。おかげで、この財団で数人のメンバーを雇えるようになった。その一人のナタリアは、フランスでアートマネージメントを学んだ後、コロンビア文化省の舞台芸術部門で3年間働いていたんだが、フランスにいた頃からぼくの舞台を見てくれていいて、この話をしたら、文化省を辞めて、財団の代表に就任してくれた。

将来的には、劇場を整備して、屋敷を18世紀のオリジナルの姿に戻したい。すでに歴史的建築の修復をやっている専門家のチームに依頼して、調査はしてある。お金の都合がつくたびに、少しずつ工事を進めていく。

宮城さんとSPACの皆さんには、ぜひここをコロンビアの家だと思ってほしい。いつでも歓迎する。ぼくの夢は、ここに宮城さんとSPACの俳優の皆さんを呼んで、ワークショップをしてもらうことだ。」

そして今、欧州委員会の支援も受け、キンタポーラでは急ピッチで工事が進んでいる。ナタリアさんの案内で工事現場を見学。屋根を外し、木材を入れ替え、劇場部分には雨の音で声がかき消されないよう音響遮蔽をする予定だという。通りに面する部分はレストランになるとのこと。5月にはオマールが来て、現場を見て塀の色を決めるそうだ。

屋根をはがし、床をはがし、木材を入れ替え 中庭は可動式ガラス屋根のオープンテラスになるという

屋根をはがし、床をはがし、木材を入れ替え 中庭は可動式ガラス屋根のオープンテラスになるという

劇場部分は空中ダンスのカンパニーが稽古に使っている。キンタポーラ財団では、とりわけコロンビアで不足している舞台技術者の育成に力を注ぐ予定で、この8月から3年に渡る舞台技術者養成プログラムがはじまり、今年は装置製作の講習を行うという。

キンタポーラ財団のサイト

http://laquintaporra.wordpress.com/about/

午後3時頃にホテルに戻り、午後4時40分までにチェックアウトして集合・・・の予定だったが、フェスティバル側の手違いで午後4時チェックアウトになっていたそうで、あわてて荷物をまとめてロビーに降りる。

またもや積み込み

またもや積み込み

午後5時、ホテルからバスに乗って日本大使公邸へ。大して遠くないはずが、雨のせいかえらく時間がかかって(ボゴタは今あちこち工事中で、すぐに渋滞が起こり、かなり迂回させられることがある)、6時頃にようやく到着。

アシア・イベロアメリカ文化財団のサミルさんによれば、大使の鈴木一泉さんは静岡のご出身だそうで、静岡から35人もの劇団が来るという話を聞いてとても喜んでくださり、「ぜひ公邸にお招きしたい」とおっしゃってくださったとのこと。

鈴木さんは前日『ペール・ギュント』をご覧になっていて、諸国を遍歴するペール・ギュントにご自身の外交官生活を重ね合わせて、「とても身につまされた」とおっしゃっていた。とても気さくな方で、俳優やスタッフの一人一人にお声を掛けてくださっていた。

鈴木一泉大使、宮城さん、ペール役の武石守正さん

鈴木一泉大使、宮城さん、ペール役の武石守正さん ©FCAI

今日はサミル・ヤンさんをはじめとするアシア・イベロアメリカ財団の方、コロンビア国立大学の方などもいらしている。

実は英語もできる池田真紀子さん、サミル・ヤンさんと歓談

実は英語もできるソールヴェイ役池田真紀子さん、サミル・ヤンさんと歓談 ©FCAI

午後8時、空港に向けて出発。午後9時頃ボゴタ・エルドラド空港に着き、楽器や小道具を搬出して、チェックインしていく。

10時半過ぎ、ようやくチェックイン終了。空港まで見送りに来てくれたアシア・イベロアメリカ文化財団代表のサミル・ヤンさん、プログラム・ディレクターのエマ・チョーさん、制作担当のディアナさんに別れを告げて、ゲートへと進んでいく。

サミルさんから最後まで熱いメッセージをいただく

サミルさんから最後まで熱いメッセージをいただく

午前0時過ぎに離陸。一週間ほど過ごしたボゴタを後にする。

28日午前5時半、ヒューストン着。

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5時間ほど乗り継ぎの時間があるので、軽食を取ったあと、日記をまとめる。

制作の丹治から、ボゴタ市内の本屋でお土産を買っているとき、コロンビア人の青年に「『ペール・ギュント』の方ですか?すごくよかったですよ!」と声を掛けられたと聞く。

午前11時頃、ヒューストン発。

翌日29日午後2時半に成田着。フライトは12時間ほどだが、帰りには14時間の時差がおまけで着いてくる。

チーバくん、ただいま!

チーバくん、ただいま!

ふたたび楽器や小道具をトラックに積み込み、バスに乗り込む。

「ボタン作り」役の貴島豪さんとお話。コロンビアのお客さんは俳優をとてもよく見ていて、よく反応してくれるが、「それで役者が調子に乗ってちょっとでもやり過ぎると、すぐに引いちゃんうんだよね」とのこと。目の肥えたお客さんで、とても楽しかったという。

午後8時頃、ようやく静岡芸術劇場着。

俳優たちは4月・6月に公演の『ペール・ギュント』と、6月演劇祭で公演の『マハーバーラタ』に使う楽器を仕分けていく。

旅が終わり、ふたたび静岡での公演が待っている。

もうすぐふじのくに⇄せかい演劇祭 ボゴタの楽屋にもチラシが

もうすぐふじのくに⇄せかい演劇祭 ボゴタの楽屋にも「まるふ」チラシが


2012年4月1日

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(8)

ボゴタ演劇祭二回目参加の記(8)

3月26日(月)

SPAC文芸部 横山義志

前回(隔年なので2年前)のボゴタ演劇祭はロバート・ウィルソン、ピーター・ブルック、フランク・カストルフ・・・といったラインナップだったが、今回からはじめて全面的に新ディレクターのアナマルタ・デ・ピサロさんのプログラムになり、ロメオ・カステルッチ、インバル・ピント、アクラム・カーンなど、一世代から二世代くらい若返った印象。

ボゴタ演劇祭 劇場で上演される演目のプログラム

http://festivaldeteatro.com.co/2012/obras.html

アナマルタ・デ・ピサロさんは有名な元反政府運動家。大学時代から独特のファッションで目立っていたらしいが、仲間から批判されると、「私はコロンビア人が全員私みたいに好きな格好ができるようになるように運動をしているのよ」と言い返していたという。

アナマルタ・デ・ピサロさん

アナマルタ・デ・ピサロさん

アナマルタ・デ・ピサロさん

今日は午前11時から午後1時まで、ホルヘ・タデオ・ロサノ大学視聴覚ホールで宮城さんの講演会がある。「偉大な演出家との出会いEncuentro con grandes directores」という枠。たしかに(?)、このラインナップのなかでは、宮城さんは比較的キャリアがある方になる。この企画は二回行われ、第二回のゲストは韓国のイ・ユンテクさん(SPACでは『ロビンソンとクルーソー』を演出)。講演会の内容については、また後日。

これだけアジアの作品が重要な位置を占めているのは、アシア・イベロアメリカ文化財団の存在によるところが大きい。

http://asiaiberoamerica.org/?cat=32

アシア・イベロアメリカ文化財団+アナマルタさん、2010年に静岡を訪問

この財団の企画として、ボゴタ演劇祭のなかで毎回「オラ・アシア!」というアジア舞台芸術の紹介枠を設けていて、今回はその枠のなかでイ・ユンテク演出『ハムレット』、アクラム・カーン振付『Vertical Road』、そしてSPAC版『ペール・ギュント』の三作品が上演されている。

「オラ・アシア!」のフェイスブックページ

http://www.facebook.com/pages/HOLA-ASIA-Festival-de-Artes-de-Asia-en-Colombia/276735309006961

財団代表のサミル・ヤンさんによれば、もともとコロンビアはかなりヨーロッパとの結びつきが強く、ラテンアメリカのなかでも比較的アジア人が少ないところだったという。韓国出身で、コロンビアで神学の博士号を取ったサミルさんは、よく中国人か日本人に間違えられていて、「それなら、どうせ見た目はほとんど同じだし、コロンビア人には区別がつかないんだから、ここではアジア人がみんなで集まって存在を主張した方がいいのではないか」と思って、このアシア・イベロアメリカ文化財団を発想したとのこと。今回の『ペール・ギュント』も、「アジア人は真面目に黙って働いているばかり」というイメージを修正するするのに、とても役に立っただろう、という。「コロンビアの舞台で本当に成功した日本人は山海塾と佐野碩とSPACくらいだ」などとおっしゃって下さった。

サミル・ヤンさんと宮城さん

サミル・ヤンさんと宮城さん

サミルさんは日本や中国の大使館、さらにはベトナムなど東南アジア諸国の大使館にも、「本国の政治状況がどうなっていようと、コロンビアでは同じアジア人として仲よくやっていこう」と積極的に声をかけて、各国で予算を出し合って様々な共同のイベントを立ち上げている。

あっという間の最終公演日。今日はバラシがあり、長い夜になるので、劇場行きバスは午後3時と午後3時45分の2便。俳優は4時30分トレーニング開始。

楽日になって、連絡の手違いで舞台装置を港まで送るコンテナの手配ができていないことが判明。緊急ミーティング。コンテナがダメなら、何台かのトラックに分けて持って行くという・・・。不安が漂う。

緊急ミーティング 制作担当ディアナさん、SPACTシャツの通訳小林さん、制作大石さん、丹治さん

緊急ミーティング 制作担当ディアナさん、SPACTシャツの通訳小林さん、制作大石さん、丹治さん

『ペール・ギュント』は4月・6月にも公演があるが、メンバーの入れ替えがあり、今日で最終公演になるメンバーもいるため、舞台上で円陣を組む。

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劇場に詰めかけるお客さんたち

劇場に詰めかけるお客さんたち

今日は在コロンビア日本大使館から、大使を含め6人の方がご観劇くださった。

緊張感のある、とてもいい舞台。お客さんはすごく集中して見てくれていて、一挙手一投足に反応してくれている。

トロルの王様役の渡辺敬彦さんが牛の小便をワイングラスに注ぎ、ペール・ギュントに向かって、スペイン語で「トメ!(呑め!)」といい、まわりのトロルが「トメ!トメ!」というと、客席からも「トメ!トメ!トメ!」と合唱が。

トメ!トメ!トメ!

トメ!

オラ・アシア!の冊子デザインを担当したサンチャゴさんと公演後にお話。「プレス向けリハーサルでもちょっと見たけど、こんなにすごいとは思わなかった。このパーカッションは、ラテンアメリカ人ならみんな体がうずくよ。前半はかなり笑ったけど、後半、こんな話になるとは夢にも思わなかった。すごく深い話なんだね。本当に人生について考えさせられたよ」等々。たしかに、この壮大な物語は、ボリバルを生んだコロンビアにふさわしい話なのかも知れない。

サンチャゴさんはカメラマンとしても随所に出没

サンチャゴさんはカメラマンとしても随所に出没

11時半、お客さんたちをブエナスノッチェス、グラシアス、と送り出し、名残惜しむ暇もなく、早速各自片付けにとりかかる。

グラシアス!

グラシアス!

午前0時、一端集合。バラシの打ち合わせ。

えーではバラシの段取りを、と技術主任村松さん

えーではバラシの段取りを、と技術主任村松さんから

コルスブシディオ劇場のみなさんの希望で記念撮影。

チーズ! ウィスキー! サケ!

チーズ! ウィスキー! サケ!

スタッフの多くは常勤の劇場スタッフで、2年前の公演と同じ方が多く、とても助かった。

帰りのバスは午前1時、午前3時、午前5時(!)の3便。

深夜作業なので無理しないように気をつけながらも、時間通りに乗れるように、各所てきぱきと作業を進める。

装置の下の部分はほぼ解体

装置の下の部分はほぼ解体

午前2時30分頃、コンテナが到着!何があっても、何とかなるのがこの演劇祭の不思議なところ

頼もしいコンテナ登場

頼もしいコンテナ登場

午前2時46分、舞台はだいぶ片付いている

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セリを下っていくパネル

セリで降りていくパネル

午前3時、コンテナへの荷積み作業中。まだ第2便出発はできなそう

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午前3時4分、衣裳部は最後のテーブルを片付け中

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午前3時6分、楽器箱作成中に手を怪我してしまった武石守正さん

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午前3時45分、楽器・小道具班の俳優集合

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午前3時55分、第2便のバス出発。

午前4時5分、ホテル着 ようやく走れてうれしかったのか、ものすごく飛ばしていた

楽器・小道具を搬出し、各部屋に移動ののち、午前4時20分、第2便組解散。