2013年2月28日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(15)

2013年2月15日(金) ル・アーヴル~ルヴァロワ
SPAC文芸部 横山義志

今回のツアーで最もハードな一日。昨晩(?)は午前4時頃までパッキングをして、6時半に起き、7時半にバスに乗り込む。ル・アーヴルからパリ郊外のルヴァロワへと移動。予定より20分ほど遅れて、10時20分劇場に到着。ルヴァロワ=ペレ市の「モーリス・ラヴェル・コンセルヴァトワール(音楽院)」のなかにあるモーリス・ラヴェル・ホール。


ルヴァロワ=ペレ市は郊外とはいってもパリのメトロ圏内。化粧品などのブランドや銀行などが軒を連ねるオフィス街もあり、フランスで最も人口密度の高い自治体でもある。フランス側の関係者は「リッチな町」だという。たしかにホールも、ル・アーヴルの仮設劇場に比べればはるかに立派な劇場。ただ、仕込みに一日しか取られていないので、多少簡易化した装置での上演になる。かなりタイトなスケジュール。

小さなエレベーターで何往復もして搬入。なんとか舞台装置を仕込み、俳優さんたちには19時過ぎにホテルに戻ってもらう。スタッフは23時まで作業。







2013年2月26日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(14)

2013年2月14日(木) ル・アーヴル
SPAC文芸部 横山義志

ル・アーヴル公演日。町中から車で15分位の、まわりに何もない港の倉庫街にある劇場で、本当に人が来るのかどうか、ちょっと不安だったが、19時を過ぎるとレストランに人が集まりはじめる。毎回公演に関連した料理を用意しているらしく、今日は味噌汁や鉄板焼、おでん(!)がメニューに入っていた。

開場時間の19時半には長蛇の列。あっという間に500席の劇場がほとんどいっぱいになる。20歳前後の若者も多い。ル・アーヴル市の人口は15万人前後。このル・ヴォルカンという劇場が、これまでどれだけ観客育成に力を注いできたか、よく分かる。



この劇場は「国立劇場」のように常設のカンパニーはなく、招聘や共同製作を中心とする「国立舞台」と呼ばれる形態。この「国立舞台」のなかでは全国で3番目の規模で、予算は400万ユーロ程度だという。

町中にあるル・ヴォルカンの主劇場が再開するのは2014年とのこと。それまでの間、世界中から巨大客船を受け入れてきたこの船着き場が拠点となっている。日本から来た作品にこれだけ興味を持ってくれるのも、ル・アーヴルが国際的な都市だからだろう。

ここは仮設劇場らしく、公演中もあちこちでガタガタギシギシしているが、観客は慣れたものらしく、最後まで集中して見てくれ、パーカッションが鳴りやんだ瞬間に若者たちが立ち上がり、それにつられて多くのお客さんが立ち上がって喝采を送ってくれた。

帰り際にお客さんたちが笑顔で「ブラヴォー」、「来てくれてありがとう、すばらしかった!」などと声をかけてくださる。

すぐにバラシ。俳優は24時前に帰り、技術スタッフは午前2時過ぎに作業終了。タクシーを呼ぼうとしたらバレンタインデーでつかまらず、俳優を送ったバスの運転手さんが、時間外ながら、見るに見かねて戻ってきて、ボランティアで送ってくれた。静岡茶を差し上げる。午前3時前にホテル着、明日は午前7時20分集合・・・。


『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(13)

2013年2月13日(水) ル・アーヴル
SPAC文芸部 横山義志

仕込みの続き。ツアーの疲れもあり、体調を崩した俳優が出てきて、対応に追われる。




2013年2月23日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(12)

2013年2月12日(日) ル・アーヴル
SPAC文芸部 横山義志

7時半に目を覚ますと、まだ真っ暗。朝9時にホテル発、9時半頃劇場に到着。

火山の形をしたル・アーヴル名物「ル・ヴォルカン」劇場は工事中で、今は船着き場の倉庫を改装した仮設の劇場を使っている。その名も「海のヴォルカン」。目の前は海。

すでにコンテナのトレーラーが着いていて、一安心。ル・アーヴルといえばコンテナである。とりわけパリからの海上コンテナ輸送はル・アーヴル港発着になるので、SPACの演劇祭でも何度もお世話になっている。


さっと着替えてすぐに搬入作業に入る。特殊な構造のレヴィ=ストロース劇場とちがって、この劇場は舞台袖の出入りがしやすいので、作業が比較的早く進む。


劇場には食堂があって、周囲には他に何もないので、毎日食堂でカンパニー分の食事を準備してくれることに。港の食堂らしく、海の幸が中心で、ありがたい。

今日は20時から別のコンサートがあるので、18時には音が出る作業をストップする必要がある。夕食後はひたすら照明作業。こちらは仮設だけにバトンが一本ずつ上下できないので、脚立に登ったりキャットウォークに乗ったりして調整しなければならず、なかなか進まない。照明機材を一つ吊り変えなければならなくなったときには、トラスにするするとよじ登ってくれる。23時に退館。





2013年2月22日

<ロビンソンとクルーソー>「おはなし劇場」にも登場!

『ロビンソンとクルーソー』まだまだ公演は続いています。
あっという間に3月12日の公演まで、あと6公演となりました。

鑑賞事業にいらした学校のバスをお見送り。
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ご来場頂いた皆さん、ありがとうございました。

そして終演後は、劇場内某所にて2人とも別の稽古です。
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SPAC俳優、永井健二も加わり・・・。
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実は、今週末の「おはなし劇場」で初めて披露される『ブレーメンのおんがくたい』の稽古なのです。

2/23(土)SPACカフェシンデレラ*2.23 12:00~
2/24(日)えほんのひろば (JR東静岡駅前グランシップ内)10:30~
でご覧頂けます!

※SPAC俳優による「おはなし劇場」過去の開催の様子などはこちら。
楽器演奏や歌にあわせた、俳優による「おはなし」を、是非体験してみてください。
大人にも懐かしい歌があるかも・・・!?

皆さんのお越しをお待ちしております♪


『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(11)

2013年2月11日(月) パリ~ル・アーヴル
SPAC文芸部 横山義志

12時にパリのホテルを出て、ノルマンディーへ。1時間ほどすれば、どこまでも緑の牧場。やがて海が見えてくる。次の公演地、ル・アーヴル。世界文化遺産にもなっている港町。14時半にホテル到着。今日は劇場には入れないので、半日のオフ。洗濯する人、散歩する人、ホテルにこもって仕事の人、ただひたすら寝る人。





2013年2月20日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(10)

2013年2月10日(日) パリ
SPAC文芸部 横山義志

パリに来てからはじめての雪。つもりはしないが、骨までしみる寒さ。今年のふじのくに⇄せかい演劇祭で上演予定のクロード・レジ演出『室内』のための舞台美術模型を見に、創作技術部主任の村松さんと、ポンピドゥーセンターの近くにあるレジの制作事務所を訪問。2010年の『海の讃歌』以来の舞台美術家サラディンとの再会。大きな楕円堂の模型のなかに、ちょっと大変な舞台美術案。詳細はまだ秘密。

公演五日目、楽日。開場前から客席のうしろにいくつも椅子が並べられる。今日は超満員。三〇分前にはすでに長蛇の列。あいにくのお天気と流行している風邪のせいか、来られなかったお客さんもそれなりにいたものの、当日券を求めて並んでいたほとんどの方は入っていただけず。セキュリティー上これ以上は無理、とのことだが、自分もよく同じように並んで待っていた経験があるだけに申し訳なく、一人ずつお声をおかけしてみる。こういう時にはそれぞれ「どうしても見たい」事情があるもの。今後のツアーのご紹介などしてから客席に。

そんな熱気が伝わったのか、舞台も心なしか熱を帯びた印象。ヒロインのダマヤンティー姫にかけて静岡茶をアピールする「ダマヤンTEA新発売!」の場面はすごく受けていて、拍手まで出る。初日の心もとない笑いがウソのよう。終演して、俳優が舞台に戻ってくると、客席はほとんど総立ちで迎えてくれる。割れんばかりの拍手を聞くと、ツアーのしんどさも、どうでもよくなってくる。

オリヴィエ・ピィの『ロミオとジュリエット』や『グリム童話』でヒロインを演じたセリーヌ・シェエンヌさんが楽屋を訪ねてくれる。オマール・ポラスの『ロミオとジュリエット』でジュリエットを演じた美加理さん(今回はもちろんダマヤンティー姫の役)、本多麻紀さんと、熱く見つめ合ったのち、写真を一枚。他にも静岡で舞台に立った俳優たちが何人も来てくれた。

歓喜の再会もそこそこに舞台に戻れば、早速バラシがはじまっていて、スタッフも俳優も、早く帰りたい一心で走りまわっている。第七劇場の鳴海さんもバラシに加わってくださる。今日の終演は19時で、バラシの予定終了時刻は午前2時・・・。

舞台は見る間に解体されていき、予定より早く、午前1時には作業終了。村松さんは今日で帰国。慣れ親しんだクロード・レヴィ=ストロース劇場とも今日でお別れ。劇場スタッフのみなさんと、再会を祈りつつ、挨拶を交わす。土偶さん(?)とも、また会う日まで。


2013年2月19日

<制作部よもやまブログ#28> 続「SPACの素敵な空間」

ごぶさたしております。SPAC制作部の谷口です。
ブログをご覧いただいている方はご存知かも知れませんが、今、SPAC芸術総監督 宮城聰演出『マハーバーラタ』がフランスツアーを行っています。
(ツアーの様子はSPAC文芸部横山義志の「『マハーバーラタ』フランスツアー日記」をご覧下さい★)

そんなメンバーたちの帰国が2/23(土)
ん?2/23といえば・・・2・2・3・・・フ・ジ・サン、そう、「富士山の日」ですね!

富士
▲静岡芸術劇場2F(カフェ・シンデレラ)からの富士山の眺め

富士山の日」には県内各所で関連イベントが行われます。もちろんSPACでも!
では前回の谷口ブログ(#2)から引き続き、「SPACの素敵な空間」という切り口からはじめますと、静岡芸術劇場は隠れ(?)富士山スポットなのです。グランシップは東西に長い形状の建物で、SPACはその最東端に位置します。グランシップの中で一番富士山に近い場所なんですね。劇場の1F、2F、ざっと数えて4ヶ所の異なる窓から富士山が顔を覗かせます。
特に2Fのカフェ・シンデレラは富士山を眺めるのには格好のスポット。

カフェ・シンデレラ
▲カフェ・シンデレラ

普段は公演の前後のみの営業ですが、今年の「富士山の日」には、カフェを終日営業します。それも、「富士山」と「シンデレラ」をキーワードに、劇団であるSPACならではの1日限りの特別カフェ営業です。
2/23を目前に控え、着々と・・・いえ、バタバタと準備を進めています・・・!


▲シックな静岡芸術劇場を彩るお花かざり


▲気分を盛り上げるのに欠かせない、スタッフ用アイテムのブレインストーミング


▲さわやかな昼とは一転、夜はしっとりとしたバータイムを演出します!

一日を通じて大人からこどもまで楽しめるイベントも盛りだくさんです。
そしてそして、食事メニューは‘アップルプリンセス’や‘シンデレラブレンドのコーヒー’など、七間町にある‘eat Quk’さんにプロデュースしていただき、この日だけのメニューをご用意しています。
普段とはちがう、魔法にかけられたカフェ・シンデレラにぜひいらしてくださいね。

<SPACカフェシンデレラ*2.23>の詳細はコチラ.;*・。*.


2013年2月17日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(9)

2013年2月9日(土) パリ
SPAC文芸部 横山義志

フランス式朝食。

以前SPACに来てくれたフランスの大学の演劇学の先生方が、SPACや宮城さんの仕事をめぐって、ちょっとしたシンポジウムを開いてくださった。終了間際になって、すでに作品を見てくださったお客さんから、いろいろご質問が出てくる。

公演四日目。入っていくお客さん、ぎりぎりまで当日券を待つお客さん。

満席で、うしろにもいくつか椅子を出している。『アルルカン、天狗に出会う』のディディエ・ガラスさん、『病は気から』オペラ版に出ていたマティルド・エティエンヌさん、エミリアーノ・ゴンザレス=トロさんなどが来てくださる。日々笑いが増えている印象。


2013年2月16日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(8)

2013年2月8日(金) パリ
SPAC文芸部 横山義志

朝から、チケットが取れないのでなんとかならないか、という電話ばかり。完全に満席になったらしく、美術館の人に聞いてもなんともならず。

公演三日目。『ガラスの動物園』のダニエル・ジャンヌトーさん、この秋に『愛のおわり』をやってくれるパスカル・ランベールさんなどが来てくれる。思えば、日本人のお客さんはいつも10人以下くらいで、パリにしてはあまり多くない。うしろにいたアフリカ系の屈強なガードマンが、はじめは観客席の奥でうろうろしていたが、いつのまにか回廊の舞台に一番近いところに陣取って、振り向きもせずに最後までじっと見てくれて、拍手までしてくれていた。今日は笑いも多く、スタンディングオベーションも増えてきた。


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