2013年3月26日

<制作部よもやまブログ#31>こども大会!

みなさん、こんにちは。制作部の荒井舞です。
桜も咲いて、お花見の季節になりましたね。

さて、静岡芸術劇場では、24日にSPACこども大会が開催されました!
こども大会は、2001年から今年で14回目で、
県内の小学生たちが、1組4分間、芸術劇場の舞台で得意の身体芸を披露してくれました。
発表の内容はダンス、楽器演奏のほか、創作時代劇、心に響く名言の発表、腹筋ウェーブなんていうのもありました。
発表の内容はユニークであれば、とにかく何でもありなのです。
SPACの俳優やスタッフは1日、チューターとして出演のこどもたちにつきそって、
舞台に立つためのアドバイスをしたり、本番までの時間を一緒に過ごしました。

私は、昨年から2回目のこども大会担当でした。
チラシ作り、出演者の募集から始まり、出演者との連絡や、
お弁当の手配、会場の飾りつけまで、普段の公演ともまたちがう仕事がたくさんありました。
制作の担当をする前は、チューターとしても参加していたので、
続けて参加してくれるこどもたちの成長していく姿を見て、本当にうれしくなります。
こども大会出身のこどもたちが、その後シアタースクールや、スパカンファンなどに参加してくれています。
それも本当にうれしいことです。

1人から3人までの発表でマイクは使わないという条件なので、
芸術劇場の大きな舞台で発表をするというのは本当に勇気のいることだと思います。
こどもたちが、ステージの上で全力で発表している姿を見て、
いつも元気づけられますし、人間てすばらしいなぁと思ったりします。
しばらく、こどもたちの発表の姿を思い出してがんばれそうです。

こども大会は、来年度も開催の予定です。
ぜひ、観にきてくださいね。
それと、周りに光る才能をお持ちの小学生がいたら、ぜひご紹介ください!

クロージングパフォーマンス
↑クロージングパフォーマンスの様子


2013年3月18日

<制作部よもやまブログ#30>消防訓練!

こんにちは、今週のよもやまブログ担当 仲村悠希です。

昨日、『室内』のオーディションが終了しました。そして本日、演出家クロード・レジ氏はにこやかな笑顔を残して静岡を立ちました。また5月に静岡でお会いできる日まで、しばしお別れです。

さて、本日SPACでは舞台芸術公園にある野外劇場「有度」にて消防訓練が行われました。芸術総監督をはじめ俳優、技術部スタッフ、制作部スタッフ、事務局スタッフの各部署が集まり、訓練に向けてまず流れの確認を行います。

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今回の訓練は野外劇場「有度」の公演中、楽屋の廊下から火が発生したという想定です。

そしていよいよ訓練開始!

火災報知器からの連絡を受けて、火元を確認、迅速に消火を行うスタッフ、慌てふためく観客を演じる俳優、その観客を避難誘導する場内係・・・
さすが劇団SPAC!各々が迫真の演技でそれぞれの役回りをつとめます。

避難誘導が完了した後、皆で輪になって反省会。実際にやってみて改善した方がよいところなどを共有しました。

そして「消火ホース体験」!劇場奥の木々に向かって噴射!

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水圧がとても大きい為、女性一人では支えることができません。

そして最後に、「消火器体験」。

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「火事だ!火事だ!」と大きな声で言いながら消火します。

本日の訓練は以上で終了。
実際にやってみないとわからないことが多いと実感しました。やはり訓練というものは定期的に欠かさずやっておくことが重要ですね。

この舞台芸術公園にも、もうすぐ春がやって来ます。
花見に、ピクニックに、ぜひ舞台芸術公園を訪れてください。


2013年3月14日

不定期連載 クロード・レジがやってきた(1) ~『室内』関連ブログ~

SPAC文芸部 横山義志

クロード・レジがふたたび静岡にやってきた。ようやく3週間の『マハーバーラタ』フランスツアーが終わったかと思うと、劇場では、帰国の二日後の2月25日から、クロード・レジと何度か仕事をしてきた女優ベネディクト・ル・ラメールによるワークショップを開始。そして先週末の3月8日にはレジ本人も来日して、3月10日からメーテルリンク作『室内』製作のためのオーディションがはじまった。

クロード・レジ
↑クロード・レジ

ベネディクト・ル・ラメール
↑ベネディクト・ル・ラメール

レジを日本に紹介することは十数年来の念願だったので、2010年に『彼方へ 海の讃歌』(フェルナンド・ペソア作)の静岡公演が実現したときには、劇場で働いていてこれほど幸せなこともないのではないかと思ったが、今度はなんとSPACで、日本人の俳優と一緒に作品を作るという話になっている。数年かけて準備してきた企画ではあるが、よく考えて見ると、ほとんど自分の頬をつねってみたくなるような話でもある。せっかくの機会なので、公演が実現するまでのあいだ、レジについて、少し書いておきたい。

レジがどんな演出家なのか説明するには、私がはじめて見た『だれか、来る』(ヨン・フォッセ作)の話からはじめるのがいいだろう。これはノルウェーの作家による戯曲で、1999年にパリ郊外のナンテール・アマンディエ劇場で上演された、レジの代表作の一つである。男女のカップルが、人が通りかかることもないようなところに家を買って、二人だけの生活をはじめようとしていたところに、家を売った元家主という男が訪ねてくる、という話。劇場に入った瞬間から、舞台も客席も薄暗く、フランスの劇場らしからぬ奇妙な沈黙が支配している。完全に暗転し、上演がはじまったらしいが、長い間ほとんど真っ暗で、物音が一つも聞こえない。しばらくすると、暗闇のなかにぼんやりと、ベンチに腰掛けているらしき男女が浮かび上がってくる。フランス人がしわぶき一つ洩らすのもためらうような静けさに耐えているのを見るのは、これがはじめてだったのではないか。やがて、女が一人で家にいるとき、元家主を名乗る男がドアをノックして、「ビールを買ってきたから」と、ビール瓶が入っているビニール袋をちょっと振るのだが、このビール瓶が触れ合う音が、劇場を震わす大音響のようにすら聞こえた。

(ちなみにこの作品はその後、太田省吾さんも上演していて、2004年発行の『舞台芸術』誌第5号に太田省吾さんの文章と合わせてレジの演出ノートも掲載されている。)

フランスの演劇人たちは、レジの話をするときに、冗談で「見えない、聞こえない、動かない」などという。まさにその通りで、これほど「何を見ていいのか分からない」作品をつくる演出家もなかなかいないだろう。にも関わらず、フランスの演劇人だけでなくダンスや文学関係者なども含めて、これほど多くのアーティストが敬意を込めて語る演出家も他にいないのではないか。一方で、レジの名はフランス以外ではほとんど知られていない。その最大の理由は、めったに国外ツアーをしたがらないことにある。その理由は二つある。まずは、字幕をつけたがらない、ということ。たしかにレジ作品の暗さでは、字幕の明るさですらかなり目立ってしまう。静岡公演ではなんとか字幕をつけさせていただいたが、スウェーデンでの『海の讃歌』公演では、字幕はなしで、なんと観客全員にスウェーデン語訳の本を事前に送らせたという。もう一つの理由は、俳優が疲れてしまう、ということである。これはできるだけ多くのところで公演しようとしている多くの演劇人にとってはちょっと信じられないような理由だが、レジはいたってまじめである。たしかに、極度に動きが制限されるレジの作品では俳優にかなりの集中力が要求されるために、それだけの集中が可能になる環境でしかやりたくない、ということだろう。レジは100回目の公演だろうと、必ず客席中央後方のいい席で、舞台をじっと見ている。自分が納得できる舞台しかやりたくない、というわけである。

では、なぜレジはそこまでして「見えない、聞こえない、動かない」作品を追求するのだろうか。そして、そこまで国外にすら出たがらないレジが、なぜあえて静岡で作品を作ろうと思い立ったのだろうか。

(つづく)


2013年3月12日

<ロビンソンとクルーソー>3月公演終了しました!

本日で3月公演が終了しました。
今日来場された中学生の皆さんも元気いっぱい!

終演後は「アンニョーン」のかけ声で記念撮影をしたり、出演者とハイタッチをしたり。
生徒の皆さんはもちろん先生方にもとても楽しんで頂けたようでした。

バスに乗る中学生の皆さんをお見送り。
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そして富士山を背景にロビンソンとクルーソー、ステージハンズの2人をパシャリ。
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1月15日の鑑賞事業公演に始まり、1月の一般公演を経て2月、3月の鑑賞事業公演と続いた今回の公演。
鑑賞事業では6000名以上の県内の中高生の皆さんに劇場へお越し頂きました。

このブログをずっと書いておりました私は、鑑賞事業公演の前説・後説をしておりました。
後説の中で「お客様の視線や集中力は舞台にも伝わってきます」とお話しているのですが、
本当にその通りで、毎日違うお客様のそれぞれ違う反応に緊張しながらも、
「今日はどんなお客様に会えるのかな」とワクワクした気持ちでいっぱいでした。
こんなにもたくさんの方と、劇場という場所でお会い出来たことに感謝感謝です。

最後に俳優・スタッフで集合写真。
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皆さんとまた劇場でお会い出来る日を楽しみにしています!
ありがとうございました。


富士山静岡空港展望デッキでの特別記念パフォーマンス『古事記!!エピソード1』(2013年3月3日)

Filed under: アウトリーチ

富士山静岡空港に新たに完成した
「石雲院展望デッキ」。

3月3日、このオープンを記念して
SPACでは、新作の野外パフォーマンス
『古事記!!エピソード1』 (演出:宮城聰、出演:SPAC)
を上演しました。

休日ということもあり、親子連れなどひときわ賑わっていた富士山静岡空港。
開演直前まで、俳優もスタッフもフル動員で道行く人へ声がけしていました。

デッキでは心配された強風も吹いておらず
沢山のお客さんが詰め寄せ、飛行機に見入っていました。

見渡すかぎりの青空に、壮大に広がる2500mの滑走路。
飛行機が次々に降り立っては飛び立つというフライトスケジュール。

その間をぬって、飛ばない時間帯でSPACのパフォーマンス・・・のはずが
いざ始まってみたところ、まさかの上演まっさい中での離陸!

開演直前の出発便が出遅れたようです。
雄々と飛び立っていくFDA(フジドリームエアラインズ)便をバックに進むSPACの舞台。
まさかのコラボは、空港らしいハプニングでした。

さて、今回の新作では『古事記』から
八俣の大蛇(やまたのおろち)の場面を描いています。

お客さんにも襲いかかるほど(!)狂暴な八俣の大蛇が現れると

空にも届かんばかりな巨人と化したスサノヲの命(みこと)が立ちはだかります。

かの有名な草薙の剣を発見したスサノヲの命は

それを姉である天照大御神へと献上しました・・・

俳優の生演奏によるパーカッションが周囲一帯に響き渡る中、
男性コロスの力強いナレーションに導かれながら
白い衣裳に身をまとった古代の神々が繰り広げる物語。

当日の様子はこちらからご覧いただけます。
(静岡空港シティニュースより)

上演はこの日1ステージのみでしたが

いずれ再演される日まで(?)・・・どうぞお楽しみに!


2013年3月10日

<制作部よもやまブログ#29>6月に想いをはせて

制作部、中野三希子です。
3月もあっという間に半ばですね。春です。特にここ数日はめっきり暖かく。

舞台芸術公園「カチカチ山」のテーブルには、早咲きで知られる河津桜がちらり。

kawazu sakura_e

静岡芸術劇場の方では、
劇場から望む富士山が夕暮れの薄桃色に染まる、わたしの一番好きな時間が
日が長くなるにつれて、どんどん遅くなってきました。
夏が近づくと富士山に会えることも珍しくなるので
今のうちにたっぷりと味わっておきたいです。

…はい。 
富士山にめったに会えなくなってくる季節。
それはすなわち、皆様お待ちかね(?)、「ふじのくに⇔せかい演劇祭」の季節です。

今年の演劇祭も、ラインナップ続々決定中。 ★速報ページはこちら
SPACの会会員様の先行予約開始は4月14日、
一般前売り開始は4月21日です!
チケット担当の中野はわくわくしながら皆さんのお申し込みをお待ちしております。

ちなみにもうひとつの私の担当の仕事は、海外アーティストの査証(ビザ)申請関連業務。
これはもう既に、海外の各劇団との準備が進行中です。
必要な資料を揃えて送ってもらい、翻訳し、日本側での申請書類に記入をして。
たくさんの人が集うSPACという劇団にいながらにして
書類ばかりと向き合う日々になりますが
6月に色んな劇団の方々に、
そしてうんとたくさんのお客様方に会えるまでの、我慢…です…。

……。 

早く6月になりますように。

演劇祭で皆さんにお会いできるのを心から楽しみに、がんばります。


2013年3月7日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(22)最終回

2013年2月22日(金) カーン~静岡
SPAC文芸部 横山義志

午前11時半にカーンのホテルを出発。劇場で楽器など機内持ち込み荷物を回収してバスに連結されたトレーラーに積み込む。

今回舞台で働いてくれたクラウディオさんが手伝ってくれる。帰りがけ、「みんなに伝えてくれないか」と引き留められる。「こんなにハートがある人たちと一緒に働けて本当にうれしかった。この世界にもまだ人間的なものがあるんだ、と思って、みんなのおかげで、この仕事をつづける勇気をもらった。感謝の気持ちを伝えてほしいんだ」と、手をぎゅっと握りしめてくれる。

12時半ごろ、劇場に別れを告げ、パリの空港に向けて出発。

ノルマンディーとパリを結ぶ街道では、冬のこの季節、葉を落とした木々のなかに、鳥の巣のようなヤドリギをよく見かける。枯れ木のような枝の中に、思い出したかのように青々とした葉が茂っているのを見ると、なんだかちょっとうれしくなる。

ヨーロッパでは、外に出るのが億劫になるこの季節が演劇のハイシーズン。外は寒くてさびしい景色になっても、暖かい劇場で、せめて華やかな気分を味わおう、ということなんだろう。演劇というのは、ちょっとヤドリギのようなものなのかも知れない。ヤドリギというのは木の幹に寄生して育つ植物である。ただ、たいてい養分は光合成によって自前で作っているので、「半寄生植物」と呼ばれる。その季節外れの青々しさのためにクリスマスの飾りに使われたりもするが、暖と食料を求めてやってくる鳥たちの憩いの場にもなる。鳥についばまれた果実は別の木へと運ばれていき、ふたたび根を生やしていく。

寄生というのは共に生きることでもある。寄生者は宿主を大事にするほど長生きすることができる。進化の歴史は寄生の歴史でもある。人間の体だって、ミトコンドリアから乳酸菌まで、大きさも性格も似ても似つかない、さまざまな共生者によって成り立っている。「自分」は一人だと思いこんでいても、本当はいろんな共生者によって生かされている村のような存在なのかも知れない。この意味では、「個人」と集団というのは、それほど違うものではないのかも知れない。

ルヴァロワのローカルTV局のインタビューで、宮城さんは「私にとっては、このチームこそが作品なんです」という話をしていた。今回の『マハーバーラタ』は俳優・スタッフ合わせて総勢38名。誰一人欠けても成り立たない作品だった。病気をしたメンバーもいたが、とにかく最後まで予定通り上演できてよかった。

各劇場のスタッフもそうだが、何よりも演劇の上演に欠かせないのはお客さんである。とりわけ『マハーバーラタ』は、子どものおもちゃのような「見立て」の小道具がふんだんに使われていて、お客さんの想像力があってはじめて古代インドの叙事詩的世界が立ち上がるようになっている。そういえばクロード・レジさんも、「観客の想像力に勝る舞台装置はない」とおっしゃっていた。

今回のツアーでは本当にお客さんに恵まれた。ほとんどの公演で満席だったが、どの劇場でも、ふだんはなかなか満席にはならないものらしい。まずは呼んでくれた劇場の方々が作品を好きになってくれて、同僚や家族や友達にたくさん宣伝してくださった様子。太鼓の音に結ばれたつかの間の縁ではあるが、ここで出会ったいろいろな人たちと、なんだかまた会えるような気がしてならない。

ノルマンディーの空は青かったが、パリに入るとあっというまに灰色の空。16時前、空港に到着。荷物を下ろし、機材と一緒にチェックイン。今回のツアーをオーガナイズしてくださったザマン・プロダクションの方々ともお別れ。ツアーマネージャーのレイラさん、演奏隊として参加しながらお弁当の手配もしてくれていた仲村さん、衣裳と通訳で大活躍してくれたパリ在住の六本木さん。数え切れない出会いを頭に巡らせながら、静岡への帰途につく。

(終)






2013年3月6日

<ロビンソンとクルーソー>3月公演始まっています!

1月から始まった『ロビンソンとクルーソー』も早いもので気がつけば3月。
前回のブログ以降も俳優たちはいろいろな場所で活躍しております。

2/24(日)三島はエフエムしみず『Sweet Season』に登場!
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この日のパーソナリティは、SPAC作品にも出演したことのある山下ともちさん。
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意外にも、共演経験はないという2人。
ラジオでは、6月から行われる『ふじのくに⇄せかい演劇祭2013』『室内』こども出演者募集の話題などで盛り上がりました。

3/3(日)仲谷は静岡駿府マラソンでハーフマラソンを走りました!

出場は今回で4回目!タイムは1時間20分40秒だったそうです。
写真には、応援に行ったSPAC俳優の若宮も映っております。
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さあ、3月の公演は残り2回。
鑑賞事業校の皆様はもちろん、一般のお客様にもたくさんご来場頂きありがとうございます。
まだご覧になっていない方、ご予約はお早めに。

劇場でお待ちしております!


2013年3月4日

<萌目線。vol.108>フランスツアー行ってきました!

Filed under: 萌目線。

先日、マハーバーラタフランスツアーチーム、無事に静岡へ帰ってまいりました!
日本から応援してくださったみなさま、
現地で出会えた沢山のみなさま、
そしてご来場いただけたフランスのお客様に、
感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました!

いつもは静岡まで来てくださっていた海外のアーティストの方々にも、フランスで再会することができて感激でした。


四都市まわったツアーはほぼ全公演満席で、毎回温かい拍手とカーテンコールをいただきました。
街中にはポスターが沢山貼ってあったり、新聞や雑誌に宣伝が載っていたり…

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各劇場のスタッフのみなさまが沢山協力してくださったおかげで、大成功のツアーになったのではないでしょうか!

「静岡から世界へ」、まだまだこれから、SPACの夢は続いていくのです。

なんと帰国した次の次の日から、フランスの巨匠であるクロード・レジ氏演出作品『室内』のオーディションワークショップが始まっていますから!

フランスから帰ってきて早々に、みんなまたフランスを目指しているのです。(笑)

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来年度のラインナップも、静岡に居ながらにして「世界」を感じていただけるものになりそうです。
フランスツアーを経てよりパワーアップしたSPACに、どうぞこれからもご注目ください!


2013年3月3日

『マハーバーラタ』 フランスツアー日記(21)

2013年2月21日(木) カーン
SPAC文芸部 横山義志

カーン公演二日目、ツアー最終公演。今日も午後入りで訓練、稽古。

昨日からの評判で150席くらい売れたそうで、18時くらいから早くもチケットを求める方々が。今日も満席。


この劇場では開演を知らせるラッパの代わりに汽笛が使われている。かなり強烈な音。芸術監督のジャン・ランベール=ヴィルドが骨董屋で見つけてきたという。

カーンのお客さんは、音楽にも笑いにも演技にも、繊細に反応してくださって、ありがたい。緊張感のある舞台。語り手役の阿部一徳さんがアドリブで「フランス千秋楽」と入れ、最後の場面では「北の王」役の大道無門優也さんがノルマンディー女性二人を連れて登場。終演すると、やはり多くのお客さんが立ち上がり、気がつくとチケット売り場の方まで客席のうしろで拍手を送ってくれている。本当に誰もが演劇を愛しているのがひしひしと伝わってくる劇場。

昨日一緒に舞台で働いていた技術スタッフが、わざわざ当日券を買って見に来てくれたのには驚いた。終演後、「こんなすごい舞台は何年ぶりだろう。自分も音楽をやってるんだけど、ここまで人を巻き込めるっていうのは脱帽だね」とおっしゃってくれた。他にも、技術スタッフが何人も友達や家族を連れて観に来てくれていた。

「もう一瞬も目が離せなかった。次はいつ来てくれるんだ?」と劇場に併設されている現代美術センターのディレクターさん。

ホテルから劇場まで送迎してくれているバスの運転手さんは同僚を4人も連れて見に来てくれて、「あの最後の太鼓、いや鳥肌が立ったよ。本当に見てよかった。このカンパニーなら一ヶ月毎日送迎してもいいね」などとおっしゃってくれた。

昨日美加理さん阿部さんと話していたカーン大学演劇科の学生たちのうち3人が今日も来てくれている。

バーにはまだお客さんが残っているが、劇場内では終演直後からバラシがはじまっている。




バラシのハイライト。錘をつけ、みんなで体重をかけながら綱を引いて300キロあるスチールデッキを上げて、脚をはずしていく。

イタリア出身の舞台班クラウディオさんは、急に綱のブレーキがはずれたときに綱をつかもうとして、摩擦で手に火傷を負ったことがあるという。危険と隣り合わせの職人技。

音響のジョエルさん(帽子の方)は71年からカーンの劇場で働いているという一番のベテラン。16歳で、演劇を見たこともなかったのに劇場の舞台スタッフとして働くことになり、演劇に魅せられて、舞台裏のあらゆる分野を経験してきた。「近頃フランスでも舞台スタッフの層が薄くなって、職人技を活かせる演出家もいなくなってきた。こだわりを活かしてくれる舞台を見るのが一番の楽しみなんだけどね」とのこと。

午前2時、バラシ終了。公演を支えてくれたスタッフたちと乾杯し、舞台監督のビルーにお花を贈呈してからホテルへ。


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