2015年5月31日

中学生による『夜叉ヶ池』稽古レポート

5月27日、28日と静岡市立安東中学校、竜爪中学校、
そして清水第七中学校の生徒さん5名が職場体験にいらしてくださいました。

SPACの作品を観たことがあり、
劇場ではどんな人が働いているのか、どういった仕事をしているのか、などもっと知りたいと、
数ある職場体験の受入先からSPACを選んでくれたそうです。
本当にありがとうございます!!

SPACの最も中心にある理念は、
「クオリティの高い作品を創作し、その作品の魅力を伝え、多くの人に劇場に足を運んでもらうこと」。
生徒の皆さんに、ぜひそれを実感として知ってもらいたくて、今回『夜叉ヶ池』の稽古見学レポートを書いてもらいました。

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細かい動作は、本と違って観客に言葉としては伝わらないけれど、演じている人の本当に小さな手の動きからそれが伝わってくるくらい、全ての動きが物語を表していて、聞きなれない言葉を役者さんが発しているのに、どんな話かが想像できて、観やすかったです。
一つの何てことのない動作なのに、指の先まで登場人物の気持ちが出ていて、その一つ一つの動きから目が離せませんでした。そんな演技を、音と服と小物がさらに盛り上げていて(盛り上げるというか…)、当たり前の動きもいつもと違っているように見えました。
衣裳を着せてもらった時、すごく重かったのに、役者さんはそんなことを何も感じさせないくらいに、本当にその服が体の一部のように迫力ある動きをしたり、軽々と動いていた。それがすごくびっくりしました。
姫様(※白雪姫)の表情がコロコロ変わるのがすごくて、次はどうなるのかとワクワクしました!
また、声が高くなったり、低く響いたり、目を閉じて声を聴くだけでも、白雪の気持ちがわかって、役者さんが本当に白雪になったみたいでした。
私は、登場する人が多い場面で、その中の誰か一人をじっと観るのが面白いなと思いました。他の人が台詞を言ったり、動いている時、それによって表情が変わるのが、それを観るのが面白かったです。それは多分台本には書いていないと思うから(書いてあるのかも…)、役者さんがその人物だったらこんな表情をするのかな、と思って観られたので楽しかったです。出てくる人はたくさんいるけれど、一人一人に、小さなことでもずっと動きがあって、今度劇を観る時は「一人」に注目して観てみたい!と思いました。
劇ではなくて普通の生活でも、たくさんいる人々のそれぞれ一人一人に物語があるのですが、劇でもそうなんだなぁと思いました。

静岡市立安東中学校2年 瀧浪りの

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夜叉ヶ池の稽古を見学して、俳優一人一人の動き全てに特徴があってすごいと思いました。例えば、大蟹五郎と鯉七と鯰入が妖怪を呼ぶシーンは、俳優が観客の方を向いていて、それぞれの特徴的な動きが目立っていて良いと思いました。
また、俳優が舞台で演技をしている時でも、他の俳優が楽器の演奏をしていて、演技をしている側の俳優ももちろん大変だと思うけれど、俳優が演技をする場面に合わせて曲を演奏するのもとても大変だと思いました。
それから、演技を指導する人が、自分が普通に観ていて何も違和感がないところでも、適切な指導をしていてすごいと思いました。

静岡市立竜爪中学校2年 古屋航

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『夜叉ヶ池』のリハーサルを観て、生演奏の音楽と、俳優さんの演技が一体化していることに、新鮮で迫力があると感じました。リズムが複雑で、俳優さんの細かい仕草がそれに合わさってきて、細部までこだわった繊細な舞台だと思いました。初めはしっとりとした静かなシーンから、奇抜な姿をした妖怪たちが出て来る愉快なシーンへのギャップも面白いと思います。
特に興味が湧いたのは、各キャラクターの衣裳です。近くで見ると、複雑だけどとても美しいデザインで、すごく感心します。
生演奏では、一つ一つの楽器が細かいリズムを取っていて、音の大きさも微調整されているので、迫力がありつつもシーンに合わせた雰囲気が出るようになっています。
俳優たちの生演奏、生き生きとした演技、派手で美しい衣裳などがこの舞台の大きな魅力になっていると思います。
様々な工夫がいたるところに凝らしてあるので、どの人が観ても面白いし、絶対厭きないし、とても人間的で不思議な世界観があるので、多くの人が観て欲しい舞台だと思いました。

静岡市立竜爪中学校2年 竹内祐奈

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今まで観たことがない演技を観ることができました。それは昔の言葉を使ったり、衣裳も着物を着たり、カツラを被ったり、「すごいな」と思いました。感情が出ているところ、逆に少し弱気な感じになったり…と、とても迫力があると思いました。
楽器の演奏もすごく、圧倒されるような演奏でびっくりしました。演技もやって、楽器も演奏して、何でもできる役者さんたちはすごいと思いました。私は演技をやっている時に演奏するという舞台は今まであまり観たことがなかったから、感動しました。
私は表情が一番印象に残っています。悲しい時は悲しい顔、キツク言っている時は目力を強くしていて、「顔の表情だけでもこんなに気持ちが伝わるものなんだ」と改めて思いました。
演奏と演技している方のリズムと音楽がちょうどピッタリで、とてもワクワクしました。
他のミュージカルとはまた違った迫力と表情、言葉など、とても楽しかったです。
演技には色々な種類があるとわかる舞台だし、演奏も綺麗なので、観に来たらすごく感動する舞台だと思います。

静岡市立清水第七中学校2年 岡村美和

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お芝居を観ていて、まず俳優さんたちの顔がとても真剣で、演技をしている時も、楽器を演奏している時も、話し合っている時も、真剣に、でも楽しそうにやっているなと思いました。
演奏は各場面にちゃんと合っていて、演奏する人たちも息が合っていて、演技はちゃんと演技だとわかっているのに、本物を観ているようで、全てに圧倒されました。
演技と演奏の両方をやっていて、とても大変そうなのに、それができる俳優の皆さんが本当にすごいと思いました。
私は演技に興味があり、今回の職場体験にこちらを選ばせていただきました。ですので、このような体験ができて本当に嬉しかったです。またいつか機会があったら、SPACの劇が観たいです。

静岡市立清水第七中学校2年 松野春香

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生徒の皆さんが注目してくれた、「美しい衣裳」や「個性的な妖怪たちが織りなすユーモラスなシーン」、そして「俳優たちの息の合った楽器の生演奏」は、まさに『夜叉ヶ池』の見どころ、聴きどころ!

『夜叉ヶ池』は、6月2日(火)より静岡芸術劇場で上演し、その後掛川市文化会館シオーネ、伊豆の国市韮山文化センター「韮山時代劇場大ホール」でも上演します!
しかも、伊豆の国市での公演は、韮山反射炉世界遺産応援企画につき、何と無料でお楽しみいただけます!ぜひ反射炉の観光や、温泉とセットで『夜叉ヶ池』を楽しんでください!

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【中高生観賞事業公演げきとも!静岡芸術劇場公演】
SPACチケットセンターにて受付中!!※一般の方もご覧いただけます。(有料)
◆静岡芸術劇場(東静岡南口グランシップ内)
6月2日(火)13:30開演
6月3日(水)10:30開演/14:30開演
*詳細はこちら

【韮山反射炉世界遺産登録応援企画】
◆伊豆の国市韮山文化センター 韮山時代劇場大ホール
7月12日(日)13:30開演(13:00開場)
無料公演!
*詳細はこちら

関連企画「リーディングカフェツアー」も静岡東部で開催します。
『夜叉ヶ池』を見る前に台本を出演俳優と一緒に読んでみませんか!
*詳細はこちら


宮城聰演出オペラ≪ポポイ≫立ち稽古の様子を初公開!

Filed under: 『ポポイ』2015

ブログをご覧のみなさま、こんにちは。SPAC制作部の熊倉です。

おかげさまで、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2015」が盛況のうちに幕を閉じ、
続いて「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」静岡会場・清水会場での公演まで終了しました。
今は、6月2日に中高生鑑賞事業公演で始まる『夜叉ヶ池』(演出:宮城聰)と、
6月28日に公演するオペラ≪ポポイ≫(主催:静岡音楽館、演出:宮城聰)の稽古が進んでいます。

本番の公演会場である静岡音楽館AOIホールで行われてきた立ち稽古が、
5月30日、SPACのリハーサル室で、初めて仮の装置を組んで行われました!
そこで、本作の稽古の様子をブログ内で初公開します。

この日は、静岡大学の学生さんによる稽古見学がありました。
宮城さんによる『ポポイ』の話、そして日本語の音(の高低)の話などに、みなさんが真剣に耳を傾けていました。

そして、いよいよ仮装置を用いての立ち稽古が開始。
じゃじゃーん!そうです、このイントレが今回の舞台装置として使われるのです!

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この日稽古に参加していた吉川真澄さん(ソプラノ)と清水寛二さん(能楽師)が、装置に上がります。
その高さに、思わず辺りを見渡すポーズをなさる清水さん。

初演にも出演・参加されていたみなさん、配置について、どんどん稽古が進みます。

高い所も平気な吉川さんは、生命維持装置で生き長らえる美少年テロリストの生首を面倒みる「舞」役。
ほんの少しの休憩をはさみながらも、ほぼノンストップで歌い続ける様は圧巻です。
※あらすじは、こちらでご覧ください。

舞の祖父で元首相「入江晃」を演じる清水さん、病床の設定のため、なんとこんな体勢で謡をされます!

こちらは、本作の音楽全体を司る指揮者、寺嶋陸也さん(指揮)。

そして、本番でもピアノを弾かれる長尾洋史さん(コレペティトゥール)。

稽古の合間には、演出の宮城さん自ら装置に上がって、スタッフたちと様々なやりとりをしています。
まだまだ試行がある段階、日々こうして少しずつ変化がありますので、本番がどんな風になるのか楽しみですね。

ソリストは他にも、タイトルロール「ポポイ」を演じる上杉清仁さん、「聡子」役の波多野睦美さん(メゾソプラノ)、
「佐伯」役の大槻孝志さん(テノール)、「記者」を演じる河野克典さん(バリトン)がいらっしゃり、
さらに、SPAC俳優の小長谷勝彦、鈴木陽代、武石守正の3名が出演いたします。

2009年6月28日の初演から6年、初演と同じ日に、満を持して新演出で上演されるオペラ≪ポポイ≫。
みなさま、どうぞご期待ください。


2015年5月30日

シンポジウム:革新としての伝統 ―フォークロアとコンテンポラリーダンス―

5/1に行われましたシンポジウムの要約版です。
ぜひご一読ください!
☆連続シンポジウム、詳細はこちら

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オルタナティブ演劇大学
革新としての伝統 ―フォークロアとコンテンポラリーダンス―

◎登壇者
石井達朗(舞踊評論・研究)
矢内原美邦(振付家・ニブロール主宰)
◎司会
横山義志(西洋演技理論史/SPAC文芸部)

 2015年5月1日、オルタナティブ演劇大学の5回目が開催された。日本初演された無垢舞蹈劇場『觀~すべてのものに捧げるおどり~』を中心に、アジアの演劇伝統とコンテンポラリーダンスの関係について議論された。以下、抜粋である。

■暗黒舞踏の現在
横山 台湾の無垢舞蹈劇場は、アジアのコンテンポラリーダンスを代表するカンパニーの一つだと思います。日本でコンポラリーダンスと言うと、欧米のバレエやモダンダンスを学んだ人がやるイメージが一般的ですが、そもそもコンテンポラリーダンスは今のダンスという意味ですから、アジア的な身体をベースにしたコンテンポラリーダンスも可能だと思います。無垢舞蹈劇場は、まさにアジア的身体によるコンテンポラリーダンスの代表例です。日本で言うと、50年前のアングラ演劇と同じくらいの時期に出てきた、いわゆる暗黒舞踏も、コンテンポラリーダンスの一形態かもしれません。
石井 土方巽を始祖とする暗黒舞踏は、名前を聞いていても舞台を見たことない方が多いかもしれません。一般的に、舞踏は、コンテンポラリーダンスと区別して考えられます。コンテンポラリーダンスの世界で舞踏出身の方が多く活躍しているというのが今の状況です。日本では舞踏家が非常に少なくなっています。皮肉なことに、海外では、日本のコンテンポラリーダンスより舞踏に関心が集まります。アメリカや西ヨーロッパはもとより、北欧のノルウェー、デンマーク、フィンランド、東ヨーロッパのスロバキア、ポーランド、南アメリカのブラジル、セントラルアメリカのメキシコ、そういう地域で舞踏に対する関心は絶大です。「ダンスの未来は舞踏にある」と言われるくらいです。海外の舞踏への関心興味と、日本の中の火がくすぶっているような状況、もの凄くギャップが大きい。20代、30代、40代の舞踏家の人たち、もっと自信を持って頑張ってほしいという感じがします。日本で舞踏家として大活躍しているのは、第一世代、第二世代です。麿赤兒、笠井叡、天児牛大、室伏鴻などといった人たちです。中堅や若手の世代からなかなか出てこないですね。
矢内原 それはどうしてだと思います?
石井 舞踏よりコンテンポラリーダンスのほうが入りやすいと感じられているのではないでしょうか。舞踏と言うと、これは土方巽以来の伝統かもしれませんが、なかには秘密結社的なところがあったり、よくも悪くも、閉ざされていて暗く、とっつきにくい、おまけに自己否定的なまでの心身への集中力を要求される、というイメージがある。もっと明るく師弟関係が希薄なところで、ばんばん自分の好きなように体を使ってみたい、今で言えば、ヒップホップに代表されるような、そういう感覚の人たちが多いのではないでしょうか。美邦さんのところに来るダンサーはどうですか?
矢内原 舞踏出身の人もいますね。日本の舞踏カンパニーの山海塾や大駱駝艦を見ていると、集団的に空間をつくっていきますよね。
石井 絶対的にそうですね。
矢内原 一方で、日本の舞踏の場合、大野一雄さんのような一人で存在感を発揮するパフォーマーもいます。室伏鴻さん、笠井叡さんなどもそうですね。
石井 今、名前の上がった室伏鴻、大野一雄、笠井叡は、基本的にソロで活動する人たちです。室伏と笠井は群舞に振付ける作品でも、注目すべき舞台を内外でいろいろつくってますが・・・。世界中で舞踏をやる人がたくさん出てきているんだけれども、その多くは、ソロで踊る人たちです。ソロのほうが踊りやすい。自分のコンセプト、イメージを表現しやすい。他方、無垢舞蹈劇場は、個が全部削除されていて、完全な統率のもとに動いている。これも舞踏の伝統にあるんです。土方巽が、1972年に『四季のための二十七晩』という代表作をつくります。土方という帝王が全ダンサーを人形のように動かしてつくられた作品です。現在、舞踏家として活動している和栗由紀夫、小林嵯峨なども参加していましたが、当時は完全に統制された振付のもとに動いていた。1人の突出した振付家がいて、完全にコントロールされたグループワークをつくる系統には、土方巽、麿赤兒の大駱駝艦、天児牛大の山海塾などがあります。一方、個人で即興を大事にして踊る舞踏家がいる。代表的な人が大野一雄です。大野は、シュールな言葉を費やして作品のイメージをたくさん書き付けているけれど、最終的には形に囚われず、感興の赴くままに自由に踊りました。そのエッセンスを受け継いで自由に踊っている人が笠井叡。この2つ違った流れは、土方巽と大野一雄という2人のカリスマによって代表されると思います。

■アジアの足元を見直す
石井 無垢舞蹈劇場の『觀』は、ゲネプロ(リハーサル)の10分くらいを見た程度でも、何か絶対的な存在者がいて、全ての者たちがその時空のなかで動いているような印象を受けました。演劇やダンスの公演というより、ある種のリチュアル(儀式、祭儀)ですね。リチュアル的な世界では、季節や生命や暦のサイクルの中で、人々が様々な行為を祭祀や儀礼として行っていくわけです。そういう世界は、絶対的な存在者を想定していますから、アーティストがアーティスティックな意思をもってつくる世界とは違います。現代の演劇人や舞踊家が、今まで積み上げてきたものをどう扱うか。ダンスだったらモダンダンス、演劇ですと近代西洋演劇の心理主義的なウェルメイドの世界がある。そういうものが行き詰った時に、欧米の演劇人が求めたのは、リチュアルが持っている時空でした。ちょっと皮肉な感じもするんですけどね。アジアの我々が、欧米のアヴァンギャルドを見つめている時に、欧米の人たち、例えば、アントナン・アルトー(フランスの俳優、詩人)、イェジー・グロトフスキ(ポーランドの演出家)、ピーター・ブルック(イギリスの演出家)、そういう人たちは、アジアやアフリカのリチュアルな世界から豊かなものをくみ取っていた。アジアの我々は、鈴木忠志のような人を除くと自分の足元を見ていなかったということがありますよね。21世紀になって台湾から『觀』のようなコンテンポラリーダンスが来て、SPACの宮城さんはずっとそういう意識を持って仕事をしてきた方だと思いますが、例外的です。ようやく21世紀にアジアの足元をもっと見つめようという動きになるのかもしれない。
矢内原 思うのは、文化をくみ取っていくことと、今ある現在自体を表現することは、違うのかということです。コンテンポラリーダンスは、日常的な、今あるここの瞬間をどう切り取るかということをしますよね。初めてアヴィニョン演劇祭に行った時、「お前ら、着物は着ないのか?」とすごく言われたんです。ニブロールはスニーカーでばたばた走ったりこけたりしていたので、「リノリウム(床材)の上を靴で走るなんて…」と非難されました。安い靴だったので、靴の白い素材が床に着いて、一生懸命掃除した思い出があります。石井さんが言ったみたいに、フランスやアメリカの人たちの間で、舞踏の存在は絶対というのは、よくわかります。私たちのダンスカンパニー・ニブロールが最初に海外に呼ばれたのは、サンフランシスコ舞踏フェスティバルでした。なんで呼んだんだ? って聞いたら、「お前ら、舞踏だろ」って言われたんです。「ニブロールは新しい舞踏だろう」って。その時は、行きたいだけにYESって答えたんですが、上演の後になって、フェスティバルのキュレーターに、「お前らちょっと舞踏と違うな」と言われました。
石井 だいぶん違いますよね(笑)。
矢内原 でも、土方さん、笠井さん、田中さんとかカッコいいと思います。私、田中泯さんを高校の文化祭で初めて見たんです。今治南高校の文化祭に田中泯が来て、急に全裸になって踊ったんですね。たぶん水中眼鏡をかけていたと思います。衝撃が走りました。決して、舞踏というもの自体が、現代を切り取っていないとは言えないと思うんです。ただ年代によって表現が違ってくるんだと思います。
石井 コンテンポラリーダンスの場合は、今現在を見つめながら作品をつくらなければならないけど、舞踏はどうかと。そこは大きな問題です。舞踏、コンテンポラリーダンスに限らず、ダンスで作品をつくるという時、ダンスは言葉ではないので、「集団的自衛権反対」「沖縄の米軍基地辺野古移設反対」とか、演劇ならテーマになりますが、ダンスにはできない。一体、ダンサーは何に向き合って作品をつくるのか。本質的な問題になってくると思います。コンテンポラリーは同時代という意味ですから、同時代を肌で感じて、同時代の人たちに発信する。それに対して、舞踏は時代性よりも、もっと時代を超えて、我々が背負っている、生きているときに引き摺ってゆく言葉にならないような暗鬱なもの、一寸先は闇で一寸後も闇、この先どうなるかわからない漠然とした不安、そういうものがテーマになってくると思います。

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■戦後とフォークロア
横山 アジアの我々自身は、日常というものをアジア的だと認識していない。アジアのコンテンポラリーダンスの難しさはそこにあると思います。我々アジア人は、アジア的でない日常を生きている。我々は欧米から近代を受容して近代化した。ワインを飲んだり靴を履いたりして、着物は着ない。それに対して、伝統的なものは、言ってみれば、欧米から輸入されたものではないものです。現代の日常とアジア的なものの間に、断絶がある気がする。そこにコンテンポラリーという概念が、アジア的なコンテンポラリーへ向かう時の、矛盾というか、錯綜した関係があるように思いますが、いかがでしょうか?
矢内原 コンテンポラリーと言っても、たぶん、つねに外に外に向かっているものではなくて、内側に入っていくものでもあります。凄い内側のことと、凄い外側のことは、いつかつながると思っています。私の振付で、速いスピードで何をやっているかわからないくらいに動くのは、自分が何をしているのかというコントロールを失っていくことなので、それ自体も、ゆっくり歩いているのと同じなんです。って言いきってますけど、私はそう思っています。でも、私たちは、靴を履いて着物は着ないわけですけど、確かに日本人であるという血は流れている。家に上がる時は靴を脱ぐ。靴を履いたまま一日生活することはできませんよね。西洋のものをひたすら追って外側のポイントができるということではない、何かのやり方を探そうと思うと、内側にどんどん行くという結果に、私の場合はなっています。
石井 『觀』は、まさにアジアでしか生まれないコンテンポラリーダンスであると言えると思いますが、だからと言って、私は、アジア的なコンテンポラリーダンスというくくりは使わないほうがいいと思います。コンテンポラリーダンスの最も特色となる部分は、個の領域だと思います。数百年、何千年の歴史で振り返った時に、日本の芸能者は様々な集団に縛られてきました。その集団は、階級であったりします。江戸時代であれば士農工商穢多非人。芸能者は、河原者や小屋者と呼ばれて、封建社会の中の最底辺で生きてました。歌舞伎の元祖の出雲阿国のように、街道を歩いて春をひさぎながら同時に芸を売る。社会の底辺で芸能者が芸を売って、日々の生活を活性化していたという面がある。芸能者は社会のヒエラルキーやジェンダーに縛られてきた。モダンダンスの時代になっても、強い師弟関係や昔ながらのジェンダー感が持続しています。コンテンポラリーダンスはそういう縛りを全て取っ払うわけです。ジェンダー、世代、誰々先生に学んだとか、どの大学に行ったとか、学校を出ているとか出ていないとか、そういうことに関係なく、個人が個人として表現する。そこがコンテンポラリーダンスのオリジナリティであってほしいと思っています。そう考えた時に、私は、アジア的な身体性やアジア的なコンテンポラリーダンスというくくりは、好きではないし、賛成しない。ヨーロッパ的な身体とかアメリカ的な身体を我々が考えないのと同じように、個人が今の時代に向けて何を表現するかが重要になってきます。
横山 なるほど。
石井 今日のテーマの「フォークロアとコンテンポラリーダンス」。私自身、これを聞いて、あれ? と思った。このくくりで考えたことは一度もなかったんです。日本のコンテンポラリーダンスではフォークロアということをほとんど聞かない。言われてみれば、舞踏では、フォークロアの領域を見ることで、新しい表現が見出されました。しかし、コンテンポラリーダンスでは聞かないですね。モダンダンスの歴史の中では少しありますけど。それはなぜか。単純な答えとして考えられるのは、日本は戦争に負けて、それ以前の価値観を否定しました。アーティストは新しいものを目指すので、伝統を否定しながら、アメリカの新しいもの、ヨーロッパの新しいものを積極的に受け入れてきました。土方巽もアルトーやジャン・ジュネやロートレアモン(ともにフランスの作家)など様々な前衛から影響を受けて、自分の世界をつくり上げました。日本では伝統芸能の世界はひたすら伝承されてきましたが、コンテンポラリーな舞台人たちは、いい悪い抜きに、概して伝統には関心をもたず、欧米で先端を行っている芸術の破壊的な運動、ダダイズム、シュルレアリスム、ドイツの表現舞踊、1960年代のハプニング、アメリカのポスト・モダンダンスなどに目を向けながら、新しいものをつくろうとしてきた面があるのではないかと、今、感じているところです。これに対して、アジアのほかの国々のコンテンポラリーダンスは、積極的に伝統的なものを取り入れています。30数年、日本に植民地支配された朝鮮半島の人たちが、戦争が終結したあと、自分たちのアイデンティティを取り戻すために、フォークロア的世界へ帰っていこうとするのは当然ですよね。

■フォークロアの応用
横山 芸能者は社会的なヒエラルキーと結びついている部分があったと言われていましたが、そういった集団性をべつにして、伝統的なダンスのテクニックをコンテンポラリーダンスの要素として使うことは、十分可能なのではないかと思うんです。でも、日本には、たとえばいわゆる日本舞踊や歌舞伎舞踊をもとにしたコンテンポラリーダンスはないわけでしょう。それはなぜなのか、素朴な疑問でした。
石井 世襲や家元制をどう考えるかという大きなテーマにもなってくると思います。歌舞伎の場合、絶対的にいいとは思わないです。私は、歌舞伎にも女性が出るべきだと思っています。こう言うと歌舞伎ファンから袋叩きに合うかもしれないけれど、歌舞伎の女形が本当の女性より女を表現できるというのは単なる神話であって、女性が一番女を表現できると思います。女形の伝統は残しておいて、女性も舞台にのるべきだと思います。歌舞伎の世界に女性がいないのは、単に伝統だからという理由なんですね。歌舞伎が世襲によって成り立っていることをどう考えるかという問題になります。一長一短です。世襲であるからこそ才能あるなしに関係なく、幼少の頃から稽古して継承できる、無二の芸のクオリティがある。しかし、歌舞伎の役者の家に生まれなかったけれど、もしも小さい頃から稽古していたら、今の歌舞伎役者の数倍も能力がある人がいくらでもいるはずです。そういう時に、伝統をどう考えるのか。結論はなかなか出ないですが、先ほどの横山さんの質問で、日本の伝統的なものをコンテンポラリーダンスに活かせないのかと言われれば、完全にYESです。舞踏の世界では、60年代に、土方巽は、アヴァンギャルドとして、当時のハプニングなどの影響を受けながら伝統破壊的な作品を発表していましたが、70年代になって、舞踏を様式化する方向へ徐々に変容していきます。その時に、彼が生まれ育った東北の情景を見つめた『四季のための二十七晩』という作品で、瞽女(ごぜ)さんの音楽を使っています。瞽女さんは、日本に長らく存在していましたが、もうあまり知られていないかもしれません。主として女性の盲目の芸能者です。盲目で生まれたり、幼少のときに目が見えなくなったりすると、農作業もできず嫁にもやれないということで、瞽女宿に入れられて、芸能者として生きるしかないわけです。三味線を弾いて、瞽女歌を歌って、雪深い村々をまわり、米やお金をもらいます。70年代に、かろうじて何人かの瞽女さんが生きていて、土方はその音楽を作品の中で使っていて、それまでの日本のモダンダンスの歴史では考えられなかったような新鮮な効果を挙げています。神話、伝承、語り伝えられたものが、全てフォークロアですが、そればかりではなく、ビジュアルなイメージや音楽もフォークロアです。フォークロア的なものは物語でなくてもいい。そういう意味ではとても豊かです。コンテンポラリーダンスは非物語性を得意とします。英語ではノンナラティブ(non‐narrative)という言葉がありますが、非物語世界のイメージの強度はやはりダンスなんです。特にコンテンポラリーダンス。モダンダンスでは、物語的世界、あるいはマーサ・グラハムのように神話的世界も多いです。コンテンポラリーダンスは物語に寄りかからない。そういった時に、論理から逸脱するフォークロア的イメージはコンテンポラリーダンスと出会える可能性は多々あると思います。それらをどんな風に掘り起こしていけるのか、これも一つの課題ですね。
矢内原 民俗的なものは、コンテンポラリーダンスにもう入っていると、聞いていて思いました。ニブロールも、越後妻有トリエンナーレで公演した時、妻有の民話を語り継ぐ人のところに聴きに行って、それを動きに起こしました。民族的なものを取り入れて動きにしていくことは、多くのコンテンポラリーダンサーがやっているように思います。ただ、その表れ方は、ほかのアジアの国々とは違うのではないかと感じます。

2015年5月1日 静岡市葵区のスノドカフェ七間町にて
構成:西川泰功


2015年5月29日

シアタースクール経験者が職場体験に

5月25日、26日と静岡市立美和中学校の生徒さんが
職場体験にいらしてくださいました。

実は今回きてくれた長谷川さんと平田君は、
二人ともSPACシアタースクールに参加して、
今回もっと劇場での仕事を知りたいと、
職場体験先にSPACを選んでくださいました。

劇場ではどんな公演や企画が行われるのかを
多くの人に伝えるのも、劇場で働くスタッフの仕事のひとつです。

ということで、今回はお二人に、
現在参加者大募集中のシアタースクールがどんな企画なのか、
自らの体験をもとに紹介していただきます。


シアタースクールで演出を担当する俳優、
中野真希(なかのまさき)とも久々の再会!
俳優の仕事についても、いろいろインタビューしました。

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 僕は一昨年のシアタースクールに参加し『青い鳥』という作品を演じました。
 『青い鳥』とは、チルチルとミチルが青い鳥を探しに色々な世界を旅するお話です。僕は小さいときにこのお話を読んでいたのでぜひやってみたいと思い参加しました。
 僕は最初、今までに一回も演劇をやったことがなくて不安でした。しかし、次第に演劇の面白さや楽しさが分かりシアタースクールが楽しくなってきました。
僕が特に印象に残ったことは劇中のダンスです。僕は今までダンスには全く縁がなく、ダンスに触れる機会がありませんでした。しかし稽古をしていくうちにダンスがとっても楽しいものであることが分かりました。全員で音楽に合わせて踊ると一体感が生まれ全員が一つになっていくのがとても印象的だったからです。
 また、鈴木メソッドというトレーニング方法も印象に残りました。片足を挙げたまま声を出したり、スタチューといって像のように固まったりする独特のトレーニングをしました。俳優さんたちはこのようなトレーニングをしていると知って驚きました。
 また、僕は最初腹式呼吸が出来なかったので俳優さんたちのような大きな力強い声が出ませんでした。しかし、稽古を積み重ねていくうちに発声の仕方を教わり大きな声を少しずつ出せるようになってきました。
 本番では二回公演を行いました。一回目の公演はとても緊張しました。また、お客さんの数が多くて驚きました。僕は自分の台詞を言う前に大きく深呼吸をしました。緊張と焦りがあったけれど、練習通りに劇を演じることが出来ました。拍手を貰った時は大きな達成感がありました。二回目が終わった後はロビーに立ってお客さんを送り出しました。
 このシアタースクールでは俳優さんたちの大変さや、演劇の面白さ、楽しさ、達成感等を体感することが出来ました。このシアタースクールで付けた力はとても大きなものなのでぜひみなさんも参加して見て下さい。
 
静岡市立美和中学校二年 平田萌根  


リハーサル室での稽古の様子(2013年)

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私は去年シアタースクールに参加しました。
去年はミヒャエル・エンデの『モモ』というお話でした。
モモという女の子が、いろいろな人達(ベッポ、ジジ等)と接しいく中で
灰色の人達に立ち向かっていくお話です。
私は子供を演じました。セリフは少ないのですが楽しく演じることが出来ました。
最初はウォーミングアップから稽古が始まります。
『どんな子たちがいるんだろう?』と思っていました。
でも、やっていくうちに仲良くなって8月には1つの作品をつくることが出来て
『参加して良かった』と思うようになりました。
最初は不安が多いかもしれないけど稽古に来るうちに仲良くなれると思います。
(私は休憩のときお菓子交換をして仲良くなった人が多いです。)

静岡市立美和中学校二年 長谷川光


野外劇場で『モモ』の本番(2014年)

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「初めて参加するので不安…」という方の声にもこたえ、今年は説明会・体験教室を6月13日&14日に実施します!シアタースクールの参加応募締め切りは6月6日です。
是非多くの方からのご応募お待ちしています。
☆募集情報はこちらからご覧ください。
http://spac.or.jp/news/?p=11151

シアタースクールの詳細はこちらをご覧ください。
http://spac.or.jp/theatreschool


2015年5月27日

『夜叉ヶ池』舞台音楽 棚川寛子さんインタビュー(2012年)


中高生鑑賞事業パンフレット連動企画◆

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舞台音楽 棚川寛子(たなかわ ひろこ)
宮城聰演出作品の音楽を数多く手がける。
近作に『グスコーブドリの伝記』『グリム童話』『真夏の夜の夢』

Q.舞台音楽というのは、どのようなお仕事ですか。
棚川:舞台に音楽として関わる場合、普通は舞台とは別のところでも音楽家として活躍されている方が、舞台作品のために作曲や演奏をするということがあります。私の場合は、もともと演劇やダンスといった舞台が好きでこの世界に入ってきたのですが、いつのまにか気がついたら舞台の音楽をやっていました。

Q.音楽や舞台音楽に関わることになったきっかけを教えてください。
棚川:学生時代には演劇やダンス、パフォーマンスをやっていたんです。それで大学を卒業した後に、アルバイトをすることになるんですが、どうせやるなら舞台に関われるものがいいなと思って、PARCO(パルコ)劇場の稽古場のアルバイトを始めました。先輩にすすめられたんです。そこでは当時、月曜から金曜まで演劇やバレエなどのレッスンが開講されていました。ある時先輩に、矢野誠さんの音楽のクラスが今度1年間あるから、お前も受けてみろと言われて、そのクラスをなりゆきで受講したのが音楽との出会いでした。それまで楽器をやったことは全くなかったんです。だから、まさかその後、自分がこうして舞台の音楽の仕事をすることになるなんて、思ってもみませんでした。矢野さんのところでは、楽器をやったことがなくても、耳で覚えてリズムをやれと言われ、朝から晩までとにかく太鼓を演奏していました。でも、そのクラスが終わってからは、しばらく音楽からはまた遠ざかっていたんです。
その後、宮城(現SPAC芸術総監督)さんと同じ舞台に関わらせてもらうことがあって、その時に芝居の中にいくつか音を入れたのが、音楽で舞台に関わるようになったきっかけです。宮城さんとは、それからずいぶん長い間一緒に仕事をさせていただいて、『天守物語』(1996年初演)のあたりからは、使用楽器も多くなって、かなりボリュームのある音楽を作品の中に入れるようになってきました。

Q.棚川さんの音楽を聞いていると、俳優の台詞(せりふ)や動き、演出と音楽がすごく密接に結びついていると感じますが、実際あの音楽はどうやって作られているのでしょうか。
棚川:音楽は作品が出来上がってから付けるのではなくて、音楽も創作の最初から舞台制作の現場に入って作っています。私が関わる作品は、基本的に出演する俳優が楽器を生演奏するんですが、曲は稽古(けいこ)の中で、俳優との共同作業で作ります。

Q.事前に台本を読んで曲をイメージしたり、作曲したりもするんですか。
棚川:台本を読んで、自分の頭の中に浮かぶイメージというのは、あるにはあるんですが、稽古場では、台本を1人で読んでいる時以上に、新たな情報が加わって、曲のイメージが湧いてくるんです。だから、事前に曲を完成させて、それを稽古場に持っていくようなことはほとんどありませんし、時には、俳優からのアイデアや要望を取り入れていくこともあります。そして、稽古場で俳優のしゃべる声や身体、あるいはその物語が持つ質感や、各シーンが持つ情景や感触、感覚のようなものを音にしていきます。曲作りは、視覚的な情報だけに頼らずに、他の様々な感覚も使ってとらえたものを、白いキャンパスに配置していくような感じです。音楽に限らず、舞台を作る時には、その場で自分の身体を通じてしか感じることのできない感覚的なものを手がかりに手探りしていくことが、すごく大事だと思います。
だから、そこで私の作る音楽は、舞台の要素の1つであって、音楽だけで完成するものではないんです。俳優がいて、身体があって、台詞や動き、空間や演出といった様々なものが全て合わさって、ようやく完成します。

Q.稽古場で、具体的にはどのように音楽が作られていくのでしょうか。
棚川:演奏に使用する楽器は主にパーカッション(打楽器)です。曲作りは、稽古場で短いリズムのフレーズを、1人の俳優に繰り返し演奏してもらうところから始まります。繰り返されるフレーズにまた様々なフレーズを重ねて、1人1人の俳優の演奏が層のように合わさっていき、1つのシーンの音楽を作り上げていきます。30分で完成することもあれば、3時間かかることもあります。それだけの時間をかけてみんなで作っても、それがそのシーンの演出で求められるものと違うと分かれば、全くゼロから作り直すこともあります。

Q.『夜叉ヶ池』の音楽の聞きどころはどこですか。
棚川:『夜叉ヶ池』の後半、男性陣が団扇(うちわ)太鼓を演奏しているシーンは、見応えがあると思います。舞台上で、台詞をしゃべり、動きもある中で、同時に演奏しています。それに加えて、みんなが同じリズムを叩いているのではなくて、いくつかのグループごとに別々のリズムを叩いているので、俳優にはかなり高度なことが要求されているのではないかと思います。

2009年再演 写真撮影:原田さやか

(2009年再演 写真撮影:原田さやか)

それから、この作品では、実は出演している俳優の全員が、かなりの量の演奏を舞台裏でこなしているんです。舞台裏で演奏する俳優は、自分のパートを演奏しアンサンブルの音を聞き、同時に舞台上で起きている事にも耳を開き、演じている俳優の台詞を聞き、体の動きを見ています。それらをきっかけに音を出したり、音量を調整したりと、常に自分の意識をあらゆる方向に張りめぐらせながら演奏しているんです。そうやって、芝居と音楽、さらには舞台空間にあるもの全てが一体となって、1つの作品世界ができあがっているんです。そんなところにも意識を向けながら、『夜叉ヶ池』を楽しんでもらえたらうれしいです。

棚川さんが手がけたSPAC作品の舞台音楽はYouTubeでも一部を聴くことができます。
『夜叉ヶ池』
『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』1
『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』2
『グリム童話~本物のフィアンセ~』の稽古風景(静岡新聞 しずおか音楽の現場)
『グスコーブドリの伝記』プロモーションビデオ第2弾
『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』

※中高生鑑賞事業公演では、中高生向けの公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。今回パンフレットとSPACブログの連動企画として、パンフレットにある棚川寛子さんへのインタビューのロングバージョンをこちらに掲載します。

鑑賞事業パンフレット『夜叉ヶ池』
鑑賞事業パンフレット『夜叉ヶ池』


◆『夜叉ヶ池』ブログ1◆ 新人、妖怪に出会う

こんにちは。新人制作スタッフの林由佳です。

「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」静岡会場・清水会場が無事に終了いたしました!
たくさんのお客様にご来場いただき、誠にありがとうございました!

さて、SPACでは、6月2日にスタートする公演に向けて、『夜叉ヶ池』の稽古が連日行われています。

『夜叉ヶ池』はSPACの中で人気のあるレパートリーのひとつですが、新人の私は初拝見!
さらに初制作現場目撃!ということで。
初心者な目線ではありますが色んな見どころや気付いたことをご紹介していきたいと思います。
 
 
◆稽古始まり◆
最初にドキドキの顔合わせ、宮城聰 芸術総監督のお話から始まりました。
泉鏡花の生きていた時代のお話、
表意文字、表音文字のお話、
“言動一致”のお話などなど。

お話のあとに台本の読み合わせが行われました。
台本をすらすらと間違える事無く読んでいく様子、
ときおり笑いも飛び交うふわっとした雰囲気、
日本の言葉の持っている面白さがこの中にあるように感じました。
目をつぶれば舞台が見えてくるようで公演日が待ち遠しいです。

そして、読み合わせの後は演奏稽古がスタート。

1)俳優たちによる生演奏!の練習風景!
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俳優さんたちは、演じることと併せて演奏もされています。
主に使う楽器は打楽器で、セッションしながら出来上がっていく音楽。
また、舞台が少しずつ進んでいく様子や、音楽が出来上がっていく様子、
徐々に音があわさっていく姿と音には、す、凄い!と圧倒されてしまいます。
その音楽が聴ける『夜叉ヶ池』の映像はこちらからどうぞ!

こちらは「SPAC秋のシーズン2012」公演のためのトレーラーです。
2015年には、どのように変化していくのでしょうか。
お楽しみに!

・・・・・・・

【中高生観賞事業公演げきとも!静岡芸術劇場公演】
SPACチケットセンターにて受付中!!※一般の方もご覧いただけます。(有料)
静岡芸術劇場(東静岡南口グランシップ内)
6月2日(火)13:30開演
6月3日(水)10:30開演/14:30開演
*詳細はこちら

【韮山反射炉世界遺産登録応援企画】
伊豆の国市韮山文化センター 韮山時代劇場大ホール
7月12日(日)13:30開演(13:00開場)
無料公演!
*詳細はこちら

関連企画「リーディングカフェツアー」も静岡東部で開催します。
『夜叉ヶ池』を見る前に台本を出演俳優と一緒に読んでみませんか!
*詳細はこちらから

皆様のお越しをお待ちしております!

制作部:林由佳


2015年5月20日

<萌目線。vol.120>ご来場ありがとうございました!!

Filed under: 萌目線。

ふじのくに⇄せかい演劇祭2015の余韻も冷めやらぬまま…

あっという間にふじのくに野外芸術フェスタ2015が開幕しましたね!

『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』駿府城公園での三日間の公演にご来場くださいましたみなさま、ありがとうございました!!

台風の心配はあったものの、なんとかお天気にも恵まれ…日中、我々俳優は日焼け対策バッチリで稽古~準備でしたよ。

テントの楽屋、360度舞台、照りつける日差しや砂ぼこり…
いろんなものがAvignonを思い出させてくれましたが、
ここが静岡だということと、やっと静岡のみなさまにこのバージョンの『マハ』を観ていただけるということがとても嬉しかったです。

特設のリング状舞台に取り囲まれた600席の客席には沢山のお客様、
千穐楽のスタンディングオベーションの光景は一生忘れません。

旅をして、静岡へ帰ってこられることの喜びと幸せを舞台上で噛み締めました。

今週末23,24日はシズオカ×カンヌウィーク2015とのコラボも楽しみな清水マリンパークでの開催!!
詳細はこちら

みなさま、会場でお会いしましょう!!


<スパカンファン>最強チームが仲間入り!?

さて、今週末23日(土)、24日(日)に清水マリンパークで初お披露目となる新生スパカンファンによる『ANGELS』。
公演まで秒読みの段階に入り、稽古もより一層熱が増してきました。
そんなスパカンファンに、心強い仲間が加わりました!
それは、『ANGELS』と同日、同会場にて『ダンシング・アフリカ~メルラン・ニヤカム 太陽のステップ~』に出演する6名のカメルーン・ダンサーたち。来日直後の長旅の疲れも感じさせず、スパカンファンとの合同トレーニングを笑顔で楽しんでいます!

言葉が通じなくても、カメルーン・ダンサーズとスパカンファンはダンスを通じてすっかり打ち解けた様子。
子どもたちはステップを教えてもらったり、一緒に振りを合わせてみたり・・・とお互いに刺激し合って、『ANGELS』の進化は止まりません!

『ANGELS』 in 「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」は、海風の心地よい清水マリンパークの屋外ステージにて5月23日(土)・24日(日)各日16:30開演、そしてニヤカムさん&カメルーン・ダンサーズが出演する『ダンシング・アフリカ~メルラン・ニヤカム 太陽のステップ~』こちらは『ANGELS』の終演後すぐ、17時より開演いたします。
いずれも入場無料・予約不要です!客席は入れ替え制ではございませんので、ぜひ2作品続けてたっぷりとお楽しみください。
テンションが最高潮に達したエンディングでは、きっとあなたも踊り出したくなるはず!

☆「スパカンファン・プロジェクト」の詳細はこちら
☆「ふじのくに野外芸術フェスタ」の詳細はこちら

☆『ANGELS』紹介動画も公開しました!ぜひご覧ください。


2015年5月13日

<スパカンファン>動物観察!

先週の日曜日、スパカンファンの子どもたちは、ニヤカムさんと一緒に日本平動物園を訪れました。
来たる5月23日(土)・24日(日)に清水マリンパークにて上演される『ANGELS』では、
動物たちの動きをダンスに取り入れています。

ということで、今日は皆で一緒に<動物のリアルな動き方>を観察しました!

ニヤカムさんが語りかけると…?
なんと動物たちはニヤカムさんのそばに寄ってきましたよ!
ニヤカムさんの笑顔に、チンパンジーくんも微笑み返してくれました。

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最後は皆で一緒に歌を歌いました!
オランウータンくんも興味津々で、一緒に楽しそう♪

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さて、動物たちの動きを取り入れた『ANGELS』、どんな作品になるでしょうか。
あなたもスパカンファンたちに会いにきてみませんか?

『ANGELS』 in 「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」は、海風の心地よい清水マリンパークの屋外ステージにて
5月23日(土)・24日(日)各日16:30開演、入場無料・予約不要です!

衣裳や小道具も準備中!

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☆「スパカンファン・プロジェクト」の詳細はこちら
☆「ふじのくに野外芸術フェスタ」の詳細はこちら


2015年5月10日

いざ、『マハーバーラタ』!

ゴールデンウィークの「ふじのくに⇄せかい演劇祭2015」、
たくさんのお客様にお越しいただき、無事に幕を閉じました。
遅ればせながら、ご来場いただいた皆様、
いろいろな形でご支援くださった皆様、
本当にありがとうございました!
私はほぼ全演目の劇場受付で皆様をお迎えしていましたが、
お客様が楽しんでくださっているのをひしひしと感じる
嬉しい毎日でした。

さて、演劇祭が幕を閉じた翌日、駿府城公園では早くも
ふじのくに野外芸術フェスタ2015『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
仮設舞台・客席の仕込みが始まっておりました。
昨日には舞台はほぼ完成!

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本日は俳優による場当たりです。
午前中に会場入りし、小道具や楽器を出してセッティングを行なったのち
正午頃から、『マハーバーラタ』のあの音楽が
駿府城公園の広い広い空の下に響き始めていました。

青空、強い日射し、周りの緑、大きなリング状の舞台に
この音、そして台詞が聞こえてくると、
ブルボン石切場のとてつもない崖こそありませんが、
昨年7月のアヴィニョン演劇祭での日々が
湧きあがるように思い出されます。

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▲アヴィニョン演劇祭 ブルボン石切場の様子

連日、約1,000人のお客様を2週間に渡ってお迎えしたアヴィニョン公演、
そして9月のKAAT神奈川芸術劇場での凱旋公演でも
満員のお客様に熱い声をいただいた『マハーバーラタ』。

やっと、やっと静岡で凱旋公演が出来る喜びといったら、ありません!!

『マハーバーラタ』はもう舞台芸術公園で観たよ、という方、
どうぞ油断なさらずに。
リング状の舞台に囲まれて観る『マハーバーラタ』は、
間違いなく新たな体験になります。

そしてアヴィニョン版はKAATでもう観たよ、という方も、
ぜひ、野外で! ばーんと開けた、静岡の夜空の下で!!!!!!

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今回も、多くのお客様にお会いできるのが
ただただ楽しみです。

チケットは好評販売中。
16日(土)へのお問い合わせが多くなっておりますが
どの日もまだご予約承っております!

そして、同じくふじのくに野外芸術フェスタ2015の中で上演される『身も心も』と
シズオカ×カンヌウィークさんのマルシェ、
駿府城公園での『マハーバーラタ』をぜーんぶハシゴできる
浜松、三島・沼津からの無料バスも運行いたしますので、
こちらもぜひご利用ください。

お待ちしております!

制作部・中野三希子

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ふじのくに野外芸術フェスタ2015
『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
5/15(金)・16(土)・17(日)
駿府城公園/各日19時開演
http://spac.or.jp/15_yagai_mahabharata.html
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