2015年7月28日

【『舞台は夢』新人日記】 vol.3:衣裳合わせ

皆様こんにちは!制作部の塚本です。

『舞台は夢』は7月より第二期の稽古に入っています。
稽古場所は静岡県舞台芸術公園から静岡芸術劇場にうつり、舞台上の仕掛けを使った、より本番に近い稽古になってきました!
演出家フレデリック・フィスバックさんのイメージが舞台上で形になっていく様子は、観ていてとてもワクワクします。
その変化の早さはびっくりするほどで、劇場に入るたび新しい風景が目の前に広がっているようです。

そんな中、舞台裏ではもう一つ大事な準備が進んでいました。
下の写真がその様子です。

これは何の準備でしょうか?
どんな演劇にもかかせない、舞台上で俳優と同じくらい注目されるもの…

そう、「衣裳」です!

この日の作業は衣裳合わせ。演出家と俳優が衣裳スタッフとともに衣裳室に集まり、一人ずつ衣裳のイメージを決めていきます。
ひとまず過去の作品で使った衣裳などを着てみて、イメージが固まったところで、それぞれの俳優にピッタリな新しい衣裳を作り始めます。

この日に先立ってフィスバックさんが衣裳スタッフに依頼していたのは「とにかく白い服をかき集めてほしい」というもの。
俳優も自前の白い服を持ち寄りました。


白い服がズラーリ。こうして並べると、白にもいろんな種類があるんですね。


小物まで真っ白。

フィスバックさんはかなり早いテンポで衣裳を選んでいきます。
「もっと裾をしぼったものを」「もう少しゆったりしたシルエットで」といった的確な指示に従って俳優が着替えるとあらびっくり、確かに似合うんです。
これもフィスバックさんが俳優一人ひとりをよく観察しているからなんでしょうね。

そしてフィスバックさんが俳優全員に欠かさず聞いていたのは、「着ていて気持ちがいいか」ということです。
これは例えば「動きやすいか」といった物理的なことはもちろん、「それを着た自分のイメージがしっくりくるか」ということのようです。
「いくら僕がこうして欲しいと言っても、自分が好きじゃない服を着て人前には出られないからね」とフィスバックさんは笑っていました。

こちらは今回の衣裳づくりのための資料。



コルネイユのいた17世紀をイメージしているようです。
簡素な白い衣裳だけでなく、当時のドレスのような豪華な衣裳も見られるかも!?

そして最後にお見せするのは…


新しい衣裳のためにスタッフが書いたデザイン画です!
どれも素敵で、完成品を見るのが待ちきれません。
今はそれぞれの服のパターン(型)を切っているところだそうです。

稽古が進む裏では、衣裳スタッフが『舞台は夢』に命を吹きこむ重要な役割を担っていたんですね…
制作部の私も、衣裳スタッフの「職人魂」にちょっと憧れたのでした。

みなさん、『舞台は夢』ではぜひ衣裳にも注目してみてくださいね!

(制作部 塚本広俊)

​=============​
​9~10月 SPAC新作
『舞台は夢』
演出: フレデリック・フィスバック
出演: SPAC
静岡芸術劇場
http://spac.or.jp/illusion_2015.html
=============


2015年7月26日

SPACシアタースクール暑くても元気に稽古中!

からりとした青空とぎらぎらした太陽、セミの大合唱。
さあ、真夏の到来です。

SPACシアタースクールの参加者の皆さんは、
暑さにも負けず、日々稽古に励んでいます。

ss150724

シェイカーを使ってのリズムトレーニングの様子。

ss150724 (2)

夏休みの宿題をしているの?と思いましたか?
いえいえ違います!れっきとしたシーンの稽古です!

そんな、頑張っている参加者の皆さんへ
演出家・アシスタントからメッセージが届きましたので紹介いたします。


「ぼくが、ぼくのバラの花をとてもたいせつに思っているのは、そのバラの花のために、時間をむだにしたからだ。」「バラの花」を「星の王子さま」に変えると…!?
修了会の頃 この言葉を心で感じられる人がたくさんいますように!!
 
赤松直美 (あかまつ・なおみ)
(今年度のSPACでの主な出演作:『マハーバーラタ』『黒蜥蜴』
 
 

今日よりも明日が面白い日になる。明日より明後日が面白い日になる。時々、昨日やもっと前を振り返るって、立ち止まってみる。そうやって、 1ヶ月後に積み重ねた「星の王子さま」がどんなものになるか、ワクワク!
 
佐藤ゆず (さとう・ゆず)
(今年度のSPACでの主な出演作:『マハーバーラタ』『黒蜥蜴』
 
 
 

『子供だけが自分が何を探してるか、知っているんだ』
王子さまの台詞です。
大人と子供の真ん中にいるみなさんは、知っていますか?
 
鈴木真理子 (すずき・まりこ)
(今年度のSPACでの主な出演作:『夜叉ヶ池』『黒蜥蜴』
 
 
 
 

舞台は、映画やテレビとちがって、その瞬間にしかみられません。でも、すてきな舞台は、お客様の胸のなかに永遠にのこることだってあります。一瞬は永遠に。永遠は一瞬に。それが舞台のすてきなところだと私は思います。
 
たきいみき
(今年度のSPACでの主な出演作:『夜叉ヶ池』『黒蜥蜴』
 
 
 

頑張れば、感動。
 
吉見亮 (よしみ・りょう)
(今年度のSPACでの主な出演作:『マハーバーラタ』『ロミオとジュリエット』
 
 
 
 
 

30人、みんな違う星に住んでいます。
〝回りの星との距離を大切にして下さい″
〝回りの星との違いを大切にして下さい″
〝回りの星を大切にして下さい″
素敵な宇宙を作りましよう!
 
中野真希 (なかの・まさき)
(今年度のSPACでの主な出演作:『夜叉ヶ池』

 
 
稽古が進むごとに参加者の顔がきりりと変わります。
今回の参加者たちで作り上げる『星の王子さま』。この暑い夏を駆け抜けていく今しか見られない輝く姿を是非ご覧ください。

SPACシアタースクール発表会
『星の王子さま』
日時:8月22日(土)、23日(日)各日18時開演
場所:舞台芸術公園 野外劇場 「有度」

詳細は↓
http://spac.or.jp/theatreschool2015.html


2015年7月25日

<萌目線。vol.123> 8月8日 全力でおもてなしいたします!

Filed under: 萌目線。

Spacaps DAY!!に向けて、俳優メンバーでのミーティングを重ねています。

テーブルは何がいいのか… ゆったり座っていただける椅子はどれか…

8月8日は、普段のカフェシンデレラとはまったく違った雰囲気で、
会員のみなさまにゆっくりお過ごしいただける空間にしたいと思っております!

普段は終演後に舞台衣装とメイクでお会いすることが多いかと思いますが…

今回は昼の部は浴衣、夜の部は正装でドレスアップしてお出迎えさせていただきますっ。

ゆっくりお話しできるよう、俳優がお席にお伺いしてのフリートークタイムを設けておりますので、一緒に写真を撮ったり、乾杯していろんなお話をさせていただけたらと思っております。

image1 (1)

SPACの会のみなさまのお越しをお待ちしております!

そして会員じゃないんだよなーとお思いのあなた!!
今からご入会いただいても、秋→春のシーズンで3公演ご招待となりますのでとってもお得ですよ!

新作の稽古の様子… 再演作品の細かな見どころ…
ぜひこの機会に直接俳優に聞いていただけたらと思います。

SPACの会 ご入会受付中です! ◆ご案内はこちら

image2 (1)

<萌目線。>とは・・・ SPAC俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。
GREEでもブログ更新中。


2015年7月21日

SPACシアタースクール『星の王子さま』始動!!

7月19日よりSPACシアタースクール『星の王子さま』の稽古が始まりました!

学校では触れることのできない演劇の面白さ、奥深さを知ってもらう、体験してもらうことを目的としてスタートし、今年で9年目を迎えるSPACシアタースクール。
今回は静岡県内各地から才能にあふれた31名の参加者が集まり、新作『星の王子さま』の発表会に向けて取り組んでいます。

7月19日から始まった稽古ですがこの3日間で、呼吸、発声から、SPAC俳優が常日頃取り組んでいるスズキ・トレーニング・メソッドまで演劇の基礎となる稽古、
リズム稽古やダンス稽古など、さまざまなプログラムに取り組みました。

はじめてのことが盛りだくさんでしたが、参加者はみな真剣に取り組み、ぐんぐん吸収していきます。

早速、発表会の台本『星の王子さま』の読み合わせも行い、第一場のシーンづくりもしました。
今年は新作という事もあり、スタッフもどんな作品になるのか、ドキドキ・ワクワク楽しみにしています。

すてきな言葉がたくさんつまっている『星の王子さま』
ぜひ夏の星空の下、野外劇場「有度」でお楽しみください!

8月22日(土)、23日(日)各日18時開演
舞台芸術公園 野外劇場「有度」

SPACシアタースクール発表会
『星の王子さま』
http://spac.or.jp/theatreschool2015.html


2015年7月19日

<萌目線。vol.122>8月8日に向けて…

Filed under: 萌目線。

台風も行ってしまって、すっかり真夏の気配をすぐそこに感じるようになりましたね。

私は、秋→春のシーズンの開幕に向けて稽古に勤しむ人達と…
8月8日 SpacapsDAY!!(スパキャップスデー)の準備にとりかかっております!

日ごろお世話になっているSPACの会 会員のみなさまのために、
カフェシンデレラを特別オープンいたしますこの企画。
俳優メンバーで「会員の方々と我々とゆっくりお話する機会をつくれたら…」という思いから計画がはじまりました。

せっかくなので、この日限定公開のパフォーマンスもご用意します!

音楽監督 棚川寛子がこの日のために特別に構成したレパートリー作品のメドレーを練習中です!

image2

image1

あの作品のあの曲が…あの名言台詞が…また聞けちゃいますよ?!
俳優の生演奏を未だかつて無く近ーい距離でお楽しみいただけるかと思います!

会員のみなさまどうぞお楽しみに!!

会員じゃないんだよなー…とお思いのそこのあなた!!

SPACの会のご入会は随時受付中です!
★SPACの会のご案内はこちら

今からご入会いただいても、秋→春のシーズンで3演目ご招待となりますので、とってもお得ですよ。

SpacapsDAY!!は、昼の部・夜の部ともに30名様限定ご招待となっております。
昼の部はすでにお席が埋まってきておりますので、みなさまどうぞご予約はお早めに。

メンバー一同、みなさまのお越しをお待ちしております!!

image3

<萌目線。>とは・・・ SPAC俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。
GREEでもブログ更新中。


2015年7月8日

『マハーバーラタ』 モスクワ日記(6)

SPAC文芸部 横山義志
2015年6月30日

初日が明けたので、今日はちょっと遅めの10時劇場集合。俳優は13時のトレーニングから。リハーサル室がちょっと小さめなので、小さめの動きで訓練。
0630-1

0630-2

国営放送が再びニュースで稽古の様子を取材。

0630-3

開演前のメイク室。

0630-4

本番二日目。当日券を求める方々。

0630-5

初日には海のものとも山のものとも知れない作品なので、大笑いするお客さんと戸惑っているお客さん、という比較的大味な反応だったが、今日は昨日より落ち着いた客席で、集中して物語に着いてきてくれている感じ。ギャグにも爆笑せず、クスクス笑って次の場面の演技もじっくり見てくれる。ずいぶん反応が違うものだ。

宮城さんの作品がモスクワに来るのは、これが二回目。前回は『メデイア』で、2001年に劇団ク・ナウカとして、メイエルホリド・シアターセンターでの公演だった。実はク・ナウカという名前はロシア語の「科学へк науке」から来ていて、ロシアの演出家メイエルホリド(1874~1940)の「ビオメハニカ(バイオメカニックス、生体力学のロシア語読み)」と呼ばれるメソッドとも関係がある。メイエルホリドは歌舞伎を含む東洋の様式的な演劇に影響を受け、「日本のスパイ」との嫌疑をかけられて粛清された。つまりこの名前は、ロシア経由で日本の伝統演劇に向かう、というちょっと複雑なアプローチを示していた。だが、この『マハーバーラタ』でも、パーカッションが刻むテンポのスピード感とユーモアで、伝統演劇でないということはきちんと伝わっているようだ。

最後の一音が鳴り終わると同時に、競い合うように「ブラヴォー」の声。演劇祭の関係者からも、これだけ盛り上がるのは久々だと聞いた。

0630-6

0630-7

早速ロシア第1チャンネルがニュースで三分半にわたって取り上げてくれた。大高さん、宮城さんのインタビューもたっぷり使ってくれている。
http://www.1tv.ru/news/culture/286911

東洋との縁も深いお国柄なので、オリエンタリズムを越えた評価がなされるきっかけになればよいのだが。


2015年7月1日

『マハーバーラタ』 モスクワ日記(5)

SPAC文芸部 横山義志
2015年6月29日

いよいよ初日。スタッフは今日も9時に劇場集合。俳優は12時のトレーニングから。

いつも楽屋口から入って、薄暗い楽屋で過ごしていたが、はじめて劇場のロビーに出てみると、外光がふんだんに入って、けっこう明るい。かなり広いバルコニーがある。

0629-1

劇場の外は噴水があるすてきな公園になっている。笛を吹く牧神。

0629-2

0629-3

このモソヴィエト劇場も、ふだんは俳優のアンサンブルがあるレパートリーシアター。演劇祭の受け入れ担当者アンナさんによれば、モスクワにはこういう劇場が300くらいあるという。世界でも有数の劇場都市。この町の目が肥えたお客さんたちは、どう受けとめてくれるのだろうか。

ロシアの劇場では、よく「劇場美術館」というのがあって、ロビーの一角に劇場の歴史に関する展示がある。

0629-4

そして廊下には、これまで劇場に所属していた俳優や上演してきた作品の写真がびっしりと飾られている。

0629-5

もちろんチェーホフの作品はどこの劇場でも必ず上演されている。

0629-6

このモソヴィエト劇場は1940年から1977年まで、ソ連時代を代表する演出家・俳優の一人、ユーリー・ザヴァツキーが芸術監督を務めていた。ザヴァツキーはスタニスラフスキーの弟子で、ソ連邦人民芸術家や労働英雄の称号を得て、スターリン賞やレーニン賞を受賞している。名前の通り、ソ連を代表する劇場だったと言える。

ザヴァツキー時代のフランスツアーのポスター等々

0629-7

昨日の大高さんへのインタビューでスタニスラフスキーやチェーホフについての質問が出たのは、こういう歴史を前提としているわけだ。この劇場で極東の劇団がヒンドゥー教の神話を上演するというのも、モスクワっ子にとってはちょっと複雑な心境なのかも知れない。

モソヴィエト劇場を襲撃する象の群れ。象はスタニスラフスキーシステムでは演じにくいかも。

0629-8

18時15分ロビー開場。ビュッフェでコーヒーを飲む方がちらほら。徐々にお客さんが増えてくる。入り口で立っていると、プログラムを売っている女性が、「コンニチワ!私、北海道に行ったことがあるんです。ボリショイ・サーカスで」と話しかけてきてくれた。なんと以前はアクロバットをやっていらしたらしい。一緒に「ドーブルイ・ヴェーチェル(こんばんは)!」とお客さんを迎える。19時開演だが、定時になっても人の流れは全く途切れず。開演は基本10分押しらしい。

0629-9

月曜日の夜だが、客席はほぼ埋まっている。演奏隊の俳優が一人登場してくるたびに拍手が起きる。ちょっとおとぎ話的な舞台に、お客さんもはじめはどう反応していいか戸惑っているような印象だったが、猟師がダマヤンティー姫を口説く「Love is touch!」の台詞でどっと受け、あとはどんどんお客さんが乗ってきた。「婿選び式開催記念、ダマヤン・ティー、新発売。フクースナ(おいしいよ)!」と、コサックダンスバージョンになったCMの場面ではかなり盛り上がった。

ロシアのお客さんは打楽器の演奏をかなりじっくり聞いてくれている。お客さんのなかで、スタニスラフスキー的感性とストラヴィンスキー的感性が闘っていたのではないか。最後の場面、ドラムに合わせて手拍子が起こり、演奏が終わった途端に次々と人が立ち上がっていく。ドラムソロへのリスペクトなのか、特に吉見さんへの拍手が大きい。

劇場を去って行くお客さんに「スパスィーバ(ありがとう)!」と声をかけると、多くのお客さんが、笑顔で胸に手を当ながら「スパスィーバ!」と応えてくれる。なんだか去りがたい感じになっているのは、公演がうまくいった証拠だろう。

終演後、国営放送による宮城さんのインタビューがあった。洗濯等を終えて、23時頃退館。


『マハーバーラタ』 モスクワ日記(4)

SPAC文芸部 横山義志
2015年6月28日

今日は夜にゲネ(本番前の通し稽古)。スタッフは今日も9時に劇場集合。よく見ると、楽屋入り口のけっこう高いところに歓迎の言葉が貼ってある。身長差を思い知らされる。

0628-1

ロシア人化したダマヤンティー姫。
0628-2

照明・音響の調整がつづく。俳優は12時のトレーニングから。

0628-3

劇場の地下はラビリンス。至るところに「出口выход」と書いてあるのだが、どこから出ればどこにたどりつくのか、さっぱりわからない。

0628-4

今日はプレスが15人くらい。ロシア国営放送等々。

0628-5

ゲネ開始前、大高さんのインタビュー。

「どういう気持ちを表現していますか?」
―「私たちは気持ちは表現しません。観ている人が気持ちを感じ取ってくれればいいのです。」
「スタニスラフスキーシステムはご存じですか?」
―「とてもよくできたシステムだと思っていますし、個人的にはとても興味深いけれども、私たちの舞台は様式が強い舞台なので、あまり関係ありません。人間の気持ちではなく、運命を伝えたいと思っています。」
「チェーホフはご存じですか?」
―「チェーホフ、もちろん!」と、露文出身の大高さんがロシア語で答える場面を撮って、インタビュー終了。

今回、このゲネが本番前は唯一の通し稽古となる。駿府城公園でやったばかりとはいえ、だいぶ勝手が違う舞台。今回は床面が真っ白なターポリン(テントなどに使うビニール系の素材)で、これまでの生成りの床と色味もだいぶ異なり、ちょっと幻想的な雰囲気。記者たちがひっきりなしにシャッター音を響かせている。

0628-6

0628-7

俳優等は22時頃退館。衣裳部・制作部は洗濯後、23時頃に退館。