2015年8月26日

ANGELSの稽古を見ながら、カメルーンみたいな日本と世界を夢想する

SPAC文芸部
横山義志

『タカセの夢』につづいて、カメルーン出身の振付家メルラン・ニヤカムさんが静岡の子どもたちと新作『ANGELS』を作ってくれている。昨日は通し稽古。『タカセの夢』とは、つながっているようで、けっこう違う世界。ニヤカムさんの稽古場に足を運ぶたびに、なんだかそこにいる子どもたちがうらやましくなる。あまりにかっこよくて、美しくて。こういう美しさというのは、日本であまり見る機会がないような気がする。自分の美しさに確信を持っている美しさ。

『タカセの夢』をはじめるときに、「日本の子どもたちがアフリカの子どもたちみたいにおしりを振ってくれるようになったらいいね」なんて話をしていた。実際に作品作りがはじまって、ちょっと分かった気がする。踊るアフリカの子どもたちが持つ不思議な魅力はきっと、自分のおしりが、そしてその動きが美しい、ということに確信を持っているところから来ていたんじゃないか。ニヤカムさんは子どもたちに、「朝、鏡に向かって、自分はなんて美しいんだろう、と言ってみるといい」という話をしていた。

でも美しさは、だれかが見ないかぎり、存在しない。そして他のだれかと分かちあえば分かちあうほど、美しさは増えていき、強くなっていく。分かちあうものとしての美しさ。そして誰かより美しいのではなく、それ自体としての美しさ。人の美しさを見つけることで、自分の美しさも発見することができる。だけど、それは他の誰かと同じものを見つけるからではなくて、同じ視線で、違うものを見つけるからだろう。モデルのない美しさ。そもそも体にも動きにも、他の人と同じものなんて一つもない。

去年『タカセの夢』のツアーではじめてカメルーンに行ってみて、本当に人も踊りもいろいろで驚いた。カメルーンには200以上の言語があるという。ちょっと山を越えると、そこには別の民族が住んでいて、別の言葉を話していて、別の踊りがある。首都ヤウンデにはそんないろいろな人たちが国中から集まっていて、ことあるごとに、いろんな踊りを踊っている。言葉が通じないときにも、踊りは大事なコミュニケーションの手段になるらしい。違っていても、一緒に分かちあって、楽しめるものがあるということ。料理みたいに。

日本列島にはいろいろな歴史の偶然で、千数百年前にはけっこう大きな国ができて、多くの人がそれなりに同じような言葉を話すようになっていった。でもその前にもそのあとにも、このあたりには南から北から、西から東から、いろんな人たちが次々とやってきている。もしかしたら、違う歴史の偶然で、日本もカメルーンみたいな国になっていたかも知れない。実際子どもたちの顔を見てみれば、顔の形も肌の色も、カメルーンに負けないくらい、すごくいろいろだ。

国ができて、国境ができて、でも国境も少しずつ簡単に越えられるようになってきた。地球が一つになっていく。でもそのときに、言葉も一つでいいんだろうか。言葉には「同じ言葉」がある。「同じ」でないと通じないから、「同じ」ものがあるということにしてしまう。だけど体には、「同じような」体はあっても、「同じ」体はない。「同じ言葉」ではなくて、「同じような体」を持っていることで結びつくような、「一つになる」別のやり方もあるんじゃないか。そしてそのきっかけになるのは、他の人の美しさを見つけることなんじゃないか。「美しい」という気持ちは、同じだけど、同じじゃない。同じ「美しい」という言葉を使ってみても、そのときどきで、見つけるものも、感じるものも、全然ちがう。だけど、それが大事なもの、うれしいもので、分かち合うほど増えていき、強くなるものだということには変わりがない。そんな美しさが、地球が一つになっていくときにみんなが話す言葉になっていけば、もっと楽しい世界になるんじゃないだろうか。

この静岡の子どもたちが、そんな世界を作るために、これからもう一年過ごすのかと思うと、やっぱりうらやましく思えてくる。

スパカンファン・プロジェクト
『ANGELS』
日時:8月29日(土)16時開演、30日(日)12時30分開演/16時開演
場所:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」

詳細は↓
http://spac.or.jp/angels_201508.html


2015年8月24日

【王国、空を飛ぶ!】始動しています!

こんにちは。制作部新人の雪岡です。

8月は、舞台芸術公園にて、
SPAC秋→春のシーズン♯3
SPAC文芸部・大岡淳演出『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』の
第一期稽古が行なわれています。

SPAC新作の稽古に立ち会うのはこれが初めてで、どきどきわくわく。
ブログ読者の皆様に公演をより楽しんで頂けるよう、
作品の魅力、出演者の魅力を精一杯お伝えしていきます!

まずは作品紹介から。

『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』という作品タイトルからも想像できますが、
本公演の原作は、古代ギリシアの喜劇作家であるアリストパネスによって書かれた、
『鳥』という戯曲です。

今回は、この『鳥』という戯曲を大岡淳が脚色・演出します!

「古典古代時代の喜劇だから難しそう・・・」
「古くてダサいんじゃないの??」
と思ったら大間違い。

この戯曲には、子どもが聞いて喜ぶようなおかしな言葉があちこちに出てきたり、
「当時の政治や社会を批判しているのかなー」と思えるような節があったりします。

今読んでもとても刺激的です。

そんな作風は、『王国、空を飛ぶ!』にも反映されるはず。
可笑しくて笑える、そしてピリっと風刺の効いた作品です!

稽古が始まったばかりの数日は、「これから何がはじまるのだろう・・・」という期待感が
じわじわと皆さんから伝わってきていました。

パフォーマー・グループ「時々自動」の朝比奈尚行さんは、SPAC初登場。

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初顔合わせ…から間もない頃には、朝比奈さんによる音楽のワークショップも行なわれ、
「コンダクション」という手法が紹介されました。

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(↑朝比奈さんの説明に耳を傾ける俳優たち)

「コンダクション」では、
まずは一人のコンダクターが自由に体を動かします。
次に、その他のフォロワーは、
コンダクターの動きからイメージされる声や音を自由に出します。
そして、それぞれのフォロワーが発する声を
コンダクターの指揮によってひとつのまとまりにしたり、変化させていったり・・・。
コンダクターの指揮には、「音量を上げて」とか「声を高くして」、
「正反対の音を出して」、「(誰かの声を)真似して」などなど、
10以上もあって覚えるのも大変です。

この即興ボイスゲームを、男性チーム、女性チーム、男女混成チームに分かれて行いました。
3チームの中でも、女性チームはシュールで可笑しなハーモニーを奏でていました。
その発表の様子をご覧ください!

「あんこ!」と連呼する人がいたり、
それに影響されて「お~もち~♪」と被せる人がいたり、
迷いなく堂々と「いかのもち~♪」と歌い続ける人も。

発表後の稽古場には、「いかのもち」という謎の言葉に、
「いかのもちって何だ!?」
「いかのもちを知らないのはもしかして私だけ!?」
と、ちょっとした波紋が広がっていました。

『王国、空を飛ぶ!』は、ミュージシャンの方々も加わった「音楽劇」。
渡会美帆さん(作曲・演奏)、永井朋生さん(パーカッション)、
そして渡部寿珠さん(フルート)との作品創りについては、
また次回以降にご紹介していきます。

いつも笑いの絶えない、和やかで楽しい現場です!
今後のレポートにご期待下さい。

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​10~11月 SPAC新作
『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』
脚本・演出:大岡淳  原作:アリストパネス
静岡芸術劇場
◆公演の詳細はこちら
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2015年8月22日

<スパカンファン>『ANGELS』絶賛進化中!

チケット発売開始とともに即日完売となったスパカンファン『ANGELS』ワーク・イン・プログレス。
追加公演も決定し、ニヤカムさん、スパカンファン、スタッフたちは本番に向けてますますヒートアップしてまいりました!

『ANGELS』の舞台となるのは、子どもたちの楽園の世界。しかし、時にこの世界でも我々の世界でよく見られる取り合いや争いが起こることも。作品を通して、子どもたちは天使的な部分と悪魔的な部分、二つの顔を見せます。この表現の使い分けにもぜひ注目してみてください。

『ANGELS』はまだまだ創作途中、これからもスパカンファンの挑戦は続きます。
3月に行われたメンバーオーディションから今日まで見守ってきましたが、表現力も格段に豊かになり、子どもたちは確実に成長を遂げています。演技をしている時の真剣な眼差しにドキリとさせられる瞬間も。
スパカンファン・プロジェクト『ANGELS』ワーク・イン・プログレス、作品の創作過程とともに子どもたちの成長を追ってみませんか?追加公演8月30日(日)12:30開演の部は、まだ若干数お席がございます!

そして…、5月に「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」清水マリンパーク会場でショートバージョンをご覧になった方も、油断禁物ですよ!あれから3ヶ月、さらなる進化を遂げた『ANGELS』に、あなたの想像はきっと裏切られるでしょう!

★好評につき、追加公演決定!!★
8/30(日) 12:30開演
※終演後のダンスワークショップはございません。
SPACチケットセンター TEL.054-202-3399
☆公演の詳細 http://spac.or.jp/angels_201508.html


WEBマガジン「しずおか賢人」にスパカンファン・メンバー永田茉彩さん、吉田燦さんのインタビュー記事が掲載されました。
★吉田燦さんインタビューはこちら
★永田茉彩さんインタビューはこちら


2015年8月21日

【『舞台は夢』新人日記】 vol.4:第二期稽古まとめレポート

皆様こんにちは、制作部の塚本です!

暑い日が続きますね…
毎年「去年より暑くない?」とぼやく私ですが、今年も例にもれず…(今年は本当に去年より暑いです!)

そんな中、先日『舞台は夢』第二期の稽古が終了しました。

前回のブログでも少しふれましたが、フレデリックさんの演出は稽古のたびにものすごいスピードで進化していきます。
劇場に入るたび新しくなる演出は、まるで生き物のよう。
そのあまりの変化の早さに、実はこれまで私も「どんなお芝居なの?」と聞かれてもうまく答えられなかったのですが…
第二期が終わって、ようやく私の中でも『舞台は夢』のイチオシポイントがわかってきました。

そこで今回は、第二期の稽古中に目撃した演出の一部を紹介させていただきます!

まずは…

ジャーン。

ついにSPACが映画館に!?(違います)

そう、なんと今回はリアルタイムの映像を駆使した演出!
舞台上の俳優が、うしろの巨大スクリーンに大写し。
客席からだとちょっと遠い、細かな表情もバッチリわかります。

演劇と映画、ともすれば相容れないようにも見える二つの芸術。
ですが、大胆にも二つを一緒にしてしまったフレデリックさんの演出は、とても面白い効果を生み出しています。
スクリーンに注目していればまるで映画のワンシーンですが、舞台に目をうつすとそこでは俳優が演技をしています。
もちろんカメラ、マイク、小道具の木の枝などの撮影セットまで、バッチリ見せます。まるで映画の本編と、メイキング映像を同時に見ているよう。
スクリーンに映るシーンは、目の前の風景のほんの一部を切り取ったものにすぎないことがわかります。

例えばドキュメンタリーやニュース映像などで、画面に映っているのは確かに現実なのですが、それは加工され、切り取られた現実の一部分です。
現実を映している以上、100%虚構だとはいえないのですが、その切り取り方によっては、限りなく「ウソ」に近いものを作り出すことも可能です。
フレデリックさんのこの演出は、そんな「現実」と「虚構」の境界線の曖昧さを教えてくれるようです…

一方、舞台はどうなっているのでしょう。

2010年の『令嬢ジュリー』では圧巻の舞台美術で私たちを驚かせてくれたフレデリックさん。
あのときの舞台装置はまるで建築物。舞台上にまるごと一つの部屋をつくってしまったのでした。
 

↑2010年の『令嬢ジュリー』(撮影:三浦興一)
 
 
そして今回の舞台はというと…
 
ででん。

 
…「えっ?これって稽古用の舞台でしょ?」と思われた方!(ハーイ!)

違うんです。
今回の『舞台は夢』ではこれが立派な舞台装置。
敷かれているのは…種も仕掛けもございません、丈夫な木の板そのものです。

映像を駆使したスタイリッシュな演出とは対照的に、ほとんど素のままの舞台空間。
それは、演劇というものの本質に近づいていくための試みでした。

過去に映画作品の監督や出演もこなしてきたフレデリックさん。
そこから演劇と映画の関係について考えるようになり、
特に二つの共通点である「観るもの(観客)と演ずるもの(俳優)」の存在に深い関心を抱いたといいます。

映画において、俳優はクローズアップされて画面の中に登場します。そういう意味では、俳優と観客の心理的な距離はむしろ演劇よりも近いといえるかもしれません。
フレデリックさんは今回、カメラを通じてイメージを増幅する(俳優と観客が接近する)ことで、観客の「特権的な立会人」としての意識を強めてほしかったといいます。
観客は、ふつう人が他人に見せないような場面に立ち会うことが許されている。
特に、ある種のシーンをカメラでクローズアップすると、観客はまるで「誰かの日記や夢を覗いているような」感覚を得る。
(「ある種のシーン」がなにかは、ぜひ劇場で確かめてください!ああこれか、と納得すること間違いなし。)

そして演劇をリアルタイムでスクリーンに写したときの面白いところは、「スクリーンを見ていればその物語を信じられるのに、舞台に目をうつすとそこにはカメラやマイク、小道具が見えていて『信じられなく』なってしまう」ところ。つまり「ウソだとわかってしまう」というところなんですね。

もう一つ面白いのは、演劇を「ホントにする」、つまり生きた物語として立ち上げるために必要なものは驚くほど少ない、ということです。
(「俳優一人、椅子一つ、ロウソク一本だけでも芝居は続けうる」とは、誰の言葉だったでしょうか… ヒントはこちら
フレデリックさんは過去に劇場以外の場所、食堂や事務所といった場所でも演劇を上演してきた経験から、「演劇はどんな場所でも生まれうる」といいます。
何の変哲もない舞台でも、その上に俳優の演技がのっかれば…
あら不思議、物語がはじまってしまう。
それが、演劇の魔法なのです。
そしてそれは同時に「観客」の誕生でもあるといえます。
演じる人がいて、それを観る人がいれば、そこにはすでに俳優と観客の関係が成り立っているのです。

稽古のはじまる当初から「今回は俳優の演技に焦点を当てたい」と語っていたフレデリックさん。
素朴な舞台は、俳優が体一つで物語を立ち上げ、それを観る私たちが「観客」として生まれ変わる、そういうプロセスのために考えられたんですね。

そしてコルネイユが17世紀に生み出した『舞台は夢』という物語は、まさにうってつけでした。

フレデリックさん曰く、
「『舞台は夢』のストーリーを一言でいうと、
ある人間が演劇の観客となることで救われる、そういう話です」

…“厳しいしつけに家を飛び出した息子を探しさまよう父親は、魔術師の幻影を見せられ、息子の人生の観客となる。
そうして父親は息子への愛を強め、人間として成長する”…

コルネイユの作り出したそんなウソの物語を、フレデリックのかけた魔法によって
私たちが劇場で「ホント」のこととして観る。そうして私たちも救われるのかもしれません。

(制作部・塚本広俊)

SPAC 秋→春のシーズン#1
『舞台は夢』
公演日時:9月23日(水・祝)、26日(日)15:00~
     9月27日(日)14:00~
     10月10日(土)、11日(日)14:00~
公演場所:静岡芸術劇場
詳細はこちら

<チケット好評発売中!>


2015年8月16日

舞台芸術公園 野外劇場「有度」での稽古が始まりました!

8月13日より、いよいよ舞台芸術公園での稽古がスタートしました。
初日はトレーニングで、声をだしストレッチをしたあと、
発表会で使用する野外劇場「有度」の見学ツアーを行いました。

新稽古場でのトレーニング

舞台袖や衣裳を管理している部屋など隅々まで見学をしました。

室内の劇場とは勝手が違うので、怪我をしたり熱中症にならないよう
十分注意をして稽古を行っています。
この日は途中で雨が降ってしまいましたが、雨にも負けず稽古をがんばりました。

こちらは、晴れの日の写真
衣裳も段々と出来てきて舞台がカラフルになってきました。
美術さんが塗りあげた舞台面の茶色は砂漠をイメージしています。
様々な方の力で舞台が出来上がって来ています!

今回の公演時にOPENする<星カフェ>では特別に
「星の王子さま」のキャラクターパンなどを限定販売します。

池田の森ベーカリーカフェのパン職人さんにお願いして作ってもらいました。
数には限りがありますので、お早目に!

P.S
稽古初日、雨は降ってしまいましたがみなさんの頑張りをみていたお天道さんが
虹をみせてくれました。

SPACシアタースクール発表会
『星の王子さま』
日時:8月22日(土)、23日(日)各日18時開演
場所:舞台芸術公園 野外劇場「有度」

詳細は↓
http://spac.or.jp/theatreschool2015.html


2015年8月14日

<スパカンファン>『ANGELS』稽古中

8/29・30に上演いたします、スパカンファン・プロジェクト『ANGELS』。
振付・演出のメルラン・ニヤカムさんが来日し、ただいま稽古に励んでいます。

舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」は、すでに本番のセットが組まれています。
お馴染みの「バオバブの樹」を発見!!

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「バオバブの樹」とは?
地球上で最も大きい樹ともいわれており、古来より聖霊が宿るとして人々に信仰されてきました。
実は、今回のシアタースクール発表会で上演する『星の王子さま』にも登場しています。
昨年まで上演してきた『タカセの夢』の舞台でも、シンボルとして舞台の中央でこどもたちを見守ってきました。
これはSPACの創作・技術部が手作業で作ったものです。
よく見ると様々な生き物が描かれています。探してみてくださいね!

稽古と並行して、舞台美術、衣裳も着々と準備が進められています。
昨日行われた衣裳合わせで、初めて衣裳に袖を通したスパカンファン。
それぞれの個性を引き立てるデザインで、とっても似合っていました。
公演当日をお楽しみに!!

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「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」では『ANGELS』のショートバージョンを披露しました。

★好評につき、追加公演決定!!★
8/30(日) 12:30開演
※終演後のダンスワークショップはございません。
8/15(土)10:00予約受付開始
SPACチケットセンター TEL.054-202-3399

☆公演の詳細 http://spac.or.jp/angels_201508.html

シアタースクール2015 今までの稽古を振り返ってみる

いよいよ舞台芸術公園での稽古がスタートします。
風や木々、昆虫の大合唱と大自然のエネルギーに支えられて
ラストスパートに入ります。

が、その前にこれまでの稽古を振り返ってみます。

『指広げと歩行』
毎日の稽古は「指広げ」から始まります。円になり対面する相手に指を広げながら相手にエネルギーを送るイメージで相手にしっかり向きあうことが重要です。他にも、この日は音楽に合わせて風のイメージで「歩行」しました。床を「押さない」つま先立ち歩行など毎日違う歩き方、体のコントロールの仕方を日々身につけています。

『作品鑑賞』
SPACのこれまでの作品をみてみよう
初代芸術総監督の鈴木忠志演出の『ディオニュソス』、現在の芸術総監督宮城聰演出の『グスコーブドリの伝記』『マハーバーラタ』を鑑賞しました。今までの稽古やトレーニングの動きが作品になっている部分もあり、とても勉強になったと思います。

『楽器演奏』
手におさまる小さなエッグシェーカーをもってそれぞれに相手の音をじっくり聞きながら、全体の音を聞きながら繊細な雨が降り出す音を表現しました。また3グループに分かれてアンサンブルも。この他に鈴やレインスティックなどいろいろな楽器を使うようになります。

『ダンスレッスン』
ダンスはみなさん大好きですね。いきいきと笑顔です。首、肩、胸、腰のアイソレーションをしながら、懸命にダンスについていきます。飲み込みがとても早いです!この日は、カーテンコール用のダンスの練習をしました。
※アイソレーション:体の部分を分離して動かしてみること。

『衣裳合わせ』
衣裳のフィッティングを行いました。衣裳はベージュでシンプルな形ですがそれぞれに素材が違っています。このほかにも役ごとに衣裳がこれから用意されます。衣裳の担当者が採寸して、身丈に合わせて縫ってくださいます。自分にぴったりな衣裳って嬉しいですね。

『バオバブの樹』 
美術部だという相原彩七さんが舞台で使う「バオバブの樹」の絵を稽古後に残って、そして朝は早く来て描いてくれました。ダイナミックなバオバブの木!色もとっても綺麗です。楽しんで描いてくれました。木の間に立つのは「なまけもの」のはずですがあれ?誰?「はいっ!」演出家の中野真希さんが立っています。

『通し稽古』 
今まで部分的に練習をしていましたが、これまで出来た1場から18場までを続けてやってみる『通し稽古』が行われました。必要な小道具たちも上手、下手の舞台袖に自分たちで用意しました。どのような舞台になるのか見えてきました。

※舞台芸術公園での稽古風景は次のブログをお楽しみにしていてくださいね。

SPACシアタースクール発表会
『星の王子さま』
日時:8月22日(土)、23日(日)各日18時開演
場所:舞台芸術公園 野外劇場 「有度」

詳細は↓
http://spac.or.jp/theatreschool2015.html


2015年8月13日

<萌目線。vol.124>SPACAPS DAY!!8月8日

Filed under: 萌目線。

SPACAPS DAY!!にご来場くださいましたみなさま、ありがとうございました!

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俳優メンバーを中心に準備してきた、SPACの会の会員様限定イベントでした。

Welcome Teaからはじまり、こだわりのドリンクメニューは武石さんがセレクト。もちろんフリードリンクで!
『わが町』に登場したストロベリーソーダや、『ハムレット』クライマックスシーンの重要アイテムとなる真珠入りの杯(今回は毒抜きで)、
そしてナラ王大高さんがこだわって淹れる珈琲も美味しいと大人気でした!!

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お供はレパートリー作品にちなんだアペタイザー。昼はスイーツ、夜はおつまみを。
舘野さん、若宮さん、実幸ちゃんが手作りし、美味しいと大好評。

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練習を重ねたレパートリーメドレー演奏には、渡辺敬彦さんによるギター演奏でのライブもぶちこみ!!
舞台写真のスライドショーといっしょにご覧いただき、あの名場面にホロっとしてくださった方もいらっしゃいました。

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そしてせっかくみなさまをおもてなしするのだからと、舞台衣装とは違ったドレスコードでということで…
俳優メンバーは昼は浴衣、夜はドレスアップでお出迎えいたしました。

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ご来場くださいました会員のみなさま、ご同伴で来てくださいましたみなさま、お楽しみいただけましたでしょうか?

この日をきっかけに入会してくださったみなさま、本当にありがとうございます!!

いつも応援していただいている会員のみなさまにお会いして、直接お礼をお伝えしたくて、おもてなしさせていただきたくて、ご招待させていただきましたのに…

かえって私たちのほうが、みなさまから温かいお言葉をかけていただいて、応援のお気持ちを聞かせていただいて、パワーをもらってしまいました。

必ず舞台上でご恩返しさせていただきます!

秋→春のシーズンで、またみなさまと劇場でお会いできるのが楽しみです。

<萌目線。>とは・・・ SPAC俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。
GREEでもブログ更新中。


2015年8月7日

SPACシアタースクール参加者で座談会をしました

8月に入りました。暑い真っ直ぐな日差しのように『シアタースクール』に参加している皆さんたちは日々稽古に真っ直ぐです!!
先日、稽古後に田村祐果さん(参加6回目)、松永春奈さん(参加5回目)、宮野梢さん(参加4回目)、藤川天将君(参加4回目)に参加してもらい、座談会をしました。
参加のきっかけや初めて参加する方へのアドバイスなど、年長者であり経験者だからこそわかることをざっくばらんにたくさん語ってもらいました。

たむらさん
田村祐果さん

はるなさん
松永春奈さん

みやのさん
宮野梢さん

たかゆきくん
藤川天将くん

―はじめてシアタースクールに入ろうと思ったきっかけは?(聞き手:仲村)

松永:「こども大会*」に出たときにチューターさん(俳優)が優しくてかっこよくて!風船が割れたときに即興で演技をしてたのを見てSPACの人たちかっこいい!っておもった。ダンスしてて演劇には興味なかったんだけど、シアタースクールの案内が来て、いいチャンスだなと思って演劇をやってみようかなって…

*こども大会:毎年3月に行われている「すぱっくこども大会」は生き生きとした個性を持った子どもたちをはぐくみ、応援することを目的として、2011年から開催しています。チューター制度といって1チームごとにSPAC俳優がついて、歌やダンス、演奏、奇術、落語やコントなど得意の身体芸など、個性を生かせるよう助言をしたり、心の交流をはかっています。

 
仲村:俳優さんにであったところからはじまったんだね。

松永:うん、宮野さんは?

宮野:学校の先生がチラシをクラスで見せて「興味ある人いないか?」って、その時は手を挙げなかったけど、舞台に出たい気持ちがあって、誰もいない時にチラシを見に行って参加を決めた。ずっと舞台に立ってみたいと思ってたけど、そんなところがあんまりなかったし、他の所でしたいと思ってた時もあったけどまだ小4だったから親も許してくれなくて…けど…

仲村:シアタースクールは良いって言ってくれたんだ!

宮野:はい!家からも近かったし。

仲村:藤川君は?

藤川:僕の場合は、兄貴が漫才でこども大会に出たり、「SPACシアタースクール」に参加してて、2009年のシアタースクール『青い鳥』見て、兄貴こんなことやってんだ、自分も参加してみようかなって思って…

仲村:お兄ちゃんに影響を受けたんだね。田村さんは?

田村:はまった本が『モモ』で…。図書館の司書の人に話していたら、担任の先生に伝わってて、それから意気投合して、こんなのあるけどってシアタースクールの「モモ」のチラシ見せてくれて好きな作品だったから参加してみようかなって。

仲村:作品がきっかけになったんだね。みんなのきっかけ、ほんとにばらばらだね。

―はじめて参加した時に一番大変だったことや楽しかったことはある?

宮野:中学1年のときがはじめてでみんな年上だったから演技がみんなすごくて自分がここにいていいのかな?って思ったんだけど…。

松永:先輩が演技うまいひとばっかりいたんだよね。

仲村:みんなすごいなと思ったけどそれでも来年やってみよう!また続けよう!と思った理由は?

宮野:憧れ?かな。

田村:憧れと、みんなをぐいぐいひっぱっていけるようになりたいって思った。

宮野:私は~ひっぱっていくとこまではむりかな~?けど、年を重ねてしたわれるようになったって思う。

松永:今までの先輩はさ、ダンスもうまくて背も高くてかっこよくてすごかったから、私についてきてくれるかなーっておもう…

仲村:けっこう松永さん頼りにされているよ!藤川君は?

藤川:小6の時にクラスで目立たなくて友達も多いほうではなかったけど、シアタースクールではいろんな学校から来てる人がいて、年齢もさまざまだし、話しかけてくれて自分の世界が広がる感じがしてとても新鮮だった。

仲村:他には続けてる理由はある?

松永:(宮野さんをみながら)なんでだろう?

宮野:なんでだ?わたしにはわからないよ?

松永:本物の俳優さんたちを身近でみれる事かな、ベテランの俳優さんの演技を見ることができるわけじゃん、どうやって発声練習をしているとか、舞台をつくってるとことかが体験できるわけじゃん!

宮野:貴重だよね、いいことだよね。私は年上メンバーの人たちがうまい演技しているからそうなりたいっていう、憧れはありましたね。あとはもっと舞台に立ちたいという思いや願いが…。

仲村:普段は舞台にたつことはないのかな?

宮野・松永:演劇部がなくて…

仲村:チャンスがなかったんだね。

田村:演劇部はあるけど、入ってない。同級生がいないし、人数も少なくて物足りないかもって言われて…。

仲村:藤川くんは演劇部だよね?どんなところが違うかな?

藤川:SPACの俳優さんが代役ではいったときなどに演技を間近で見れる、演技を盗み放題じゃないですか!こんなことは演劇部じゃなかなか体験できないので…

仲村:そっか、そうやって参考にしてるんだね。

-最後に…後輩たちへのアドバイスをもらえますか?

宮野:班ごとで反省会をしてたときにいったけど、いざ舞台にたつとおちつけなくなるから、どこでもセリフを言えるように、どこでも、いつでもぱっと言えるように身に着けておいたほうがいいと思う。

仲村:セリフを体にしみこませるってことだね。

宮野:実際舞台に立つと、人がいっぱいいるから…

松永:あと、野外劇場だから蜂の巣があったりしてびっくりすることもあるし。

田村:自分のセリフがどういう役割をするかとか、物語の流れを考えて覚えていくかな。

宮野:あと、稽古後とかにシーンの練習を一緒にしようって言ってひっぱりだして練習するとよい。

仲村:藤川君は?

藤川:演技やっててどうやっていいか悩むことがあるじゃないですか、自分で考えてするのは限界があるから、他の人に聞いてみたり提案してもらったり、舞台はみんなでつくるものだから…

仲村:わからなかったり、悩んだりしたら先輩やアシスタントとかに聞いてみて!ってことだね!

田村:けど、まずは人に聞くだけでは解決できないから自分で考えてから聞くようにしないと。

全員:なるほど~。

藤川:(声を低くして)「まずは考えてから行動するんだ」

松永:全力でやって、後悔しないこと。楽しくやるんだよ。人生はいろいろあるんだけどさ。

仲村:あと、20日ちょっとがんばろうね。

松永:うう~(涙)

田村:演劇をするうえで、人間関係は大事にしないといけないなって思います。その時の雰囲気が演技にも出てくると思うから。


 
 
4人からは、熱意や真っ直ぐにそして貪欲に(!)稽古に励み、しっかりとした考えを持って、どのように取り組んでいくか考えをじっくり巡らせているという事が伝わってきました。
高校2年生の4人は今年が最後の参加となります。座談会の最後には「来年もまたよろしくお願いします!また出たいよ~」とうれしい言葉をいただきました!

(2015/8/5/編集:林)