2015年9月30日

SPACおためし劇場vol.2は…『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』

中秋の名月も過ぎ、もうすっかり秋ですね。
だんだんと空が高くなり、朝晩は冷え込むようになりました。
風邪などひかれないようにしてくださいね。

さて、SPAC秋→春のシーズン♯1『舞台は夢』より始まりました「SPACおためし劇場」。
前回の『舞台は夢』では、定員30名を上回る50名を超える応募がありました。
稽古見学では、演劇に初めて触れた方にも俳優の演じる場面と演出家のやりとりを間近で見る事ができ、
刺激的で面白かったと好評でした!

「SPACおためし劇場vol.2」は、『王国、空を飛ぶ! ~アリストパネスの「鳥」~』です。
古代ギリシアの傑作風刺劇の舞台を現代日本に置きかえた物語で、
3人のミュージシャンによる音楽とSPAC俳優たちによる歌が満載の音楽劇です。
今回「おためし劇場」が開催されるのは、劇場内での稽古が始まって間もない頃。
まさに、作品が静岡芸術劇場の空間の中で出来上がっていく、
そんな稽古風景を目撃していただけるはずです!
稽古の時には笑いが絶えないという噂の現場を、皆さん覗きにきませんか!
脚本・演出の大岡淳(SPAC文芸部)によるトークも必聴です!

★「おためし劇場」過去の開催時の様子など、詳細はこちらもご覧ください。

開催日/10/17(土)
時間/13:30-15:00
会場/静岡芸術劇場 (JR東静岡駅前グランシップ内)
参加費無料 (要予約)
定員50名

お申し込み・お問い合わせ:SPACチケットセンター
TEL.054-202-3399(受付時間10:00~18:00)

ご家族、お友達と一緒はもちろん、お一人様での参加も大歓迎です!
何度も劇場に足を運んでくださっている皆様、
まだお会いしたことのない皆様、
「おためし劇場」でお会いできることを楽しみにしています!

※いらしたことがない方の中には、劇場ってしきいが高いなあと
思っている方もいらっしゃることと思います。
話のタネに、どんなところかなあ?とお散歩ついでにお気軽に一度来てみてくださいね。
いろんな発見があって面白いですよ。(自由に閲覧できる演劇の本もたくさんあります!)

仮『王国』おためし劇場_1509


2015年9月27日

『舞台は夢』みどころ紹介~静岡文化芸術大学インターン生より

はじめまして、
静岡文化芸術大学からSPACにインターンに来ました、
芸術文化学科1年の佐藤と梅原です!

インターンでは主にSPACの方々から1つの舞台を作るにあたって
どんな仕事や準備をするのかということを教えていただいています!

現在SPACでは『舞台は夢』を上演しています。
私達はこちらの舞台作品の制作のお手伝いをしています。

そこで!

今回は私達なりに『舞台は夢』のみどころ紹介をしたいと思います!

では、まずは佐藤から。

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私がこの『舞台は夢』を観て一番感動したのは舞台のセットです。
ほぼ平台と箱馬だけ、というシンプルなセットでありながら
ある時は洞窟、ある時は庭園といった具合に様々な空間へと
変化していく様子に引き込まれました。
凝ったセットが無いぶん、自分の想像した舞台上の背景が
壊されることなく舞台が観られて楽しいなと感じました。
そしてこの舞台上の背景は、登場人物を「動かす」のではなく
「生きている」ように見せられる高い演技力が役者さん達にあるからこそ
はっきり想像できるのだろうな、と感じました。

物語に関して言えば、私は途中まではよくある恋物語かなと思って観ていました。
ですが….最後の最後に
良い意味で裏切られました….!
裏切られてほっと幸せになるなんて思いもしませんでした!
何が起こったかというと….
….それは是非自分の目で確かめてみてください!!!

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次に、梅原。
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この物語では、格式ばったセリフで
波乱万丈な主人公クランドールの人生が描かれるので
なんとなくシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のような終わりを迎えるのだろうと
予想していました。クライマックスは予想通りの悲劇だと思ったのですが!!!全く違いました。
この作品のオチはいわゆるどんでん返しなのですが、
テレビでも映画館でもなく、劇場で観るからこそ生きるどんでん返しを使ったクライマックスでした。
これが舞台にしかできない表現方法なんだなぁと
制作の仕事のお手伝いをしながらしみじみ考えていました。
劇場ってスゴイ‼︎

結末を知るともう一度観たくなる作品です。
皆さんも観ればきっと最後は自然に顔がほころぶはず。
ぜひ静岡芸術劇場で舞台のチカラを感じてください!

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いかがでしたでしょうか?
観ればきっと皆さんも私達のように感じてくださると思います!
ぜひ『舞台は夢』を観にいらしてください!

それではインターンシップ最終日まで頑張りたいと思います。

佐藤と梅原でした!
 
 
SPAC 秋→春のシーズン#1
『舞台は夢』
公演日時:9月23日(水・祝)、26日(日)15:00~
     9月27日(日)14:00~
     10月10日(土)、11日(日)14:00~
公演会場:静岡芸術劇場


2015年9月26日

『舞台は夢』について、演出家フレデリック・フィスバックさんのインタビュー【前編】

フランスの演出家フレデリック・フィスバックさんが、SPACのスタッフ・キャストと創る『舞台は夢』は、17世紀フランスの劇作家コルネイユによる喜劇。「秋→春のシーズン2015/16」の取材に訪れた静岡新聞(9月15日夕刊掲載)の記者、宮城徹さんとともに桂真菜(舞踊・演劇評論家)が、本作の面白さを伺いました。インタビューの中でフィスバックさんをF,  宮城さんをM, 桂をKと表します。初めのページでは『舞台は夢』の魅力を伺います。次のページでは2010年に演出したSPAC版『令嬢ジュリー』や、同作のフランス版で主演したジュリエット・ビノシュのお話に続き、静岡への思いを届けます。この取材は稽古期間中の9月2日に、静岡芸術劇場で行われました。

★ヨコシマな恋と殺人に彩られた、スリル満点の芝居

K:『舞台は夢』は、家出して行方不明になった息子を探す父が、魔術師に出会い不思議な体験をする物語です。恋、裏切り、殺人……息子クランドールの波乱万丈の歳月を、父プリダマンと共に観客は追います。あっと驚く戯曲の結末が、どのように表現されるのか、わくわくします。というのも、稽古でフィスバックさんの演出と俳優・照明・音響・装置が呼応して、演劇ならではの幻影が生まれる瞬間を味わったからです。初めて芝居を見る中高生も、芝居や美術をたくさん御覧になった方も楽しめる舞台になりそうです。

F:大いに楽しんでいただきたい、と私自身も願っていますよ(笑)。せっかく来て下さった観客の皆さんを「退屈な見世物」で失望させてしまったら残念です。もっとも、私は舞台を単なる気晴らしの娯楽、と捉えているわけではありません。生と死、愛の喜びや痛みなど、深いテーマを皆さんに考えてもらうことも、演劇の使命だと思いますから。コルネイユは優れた物語の語り手です。見る人の好奇心を引きつける要素を上手く組み立てるし、スリルやサスペンスの扱い方も抜群。巧みなストーリー展開に観客は振り回され、驚いたり怖がったり、多彩な感情を味わうでしょう。

K:父は魔術師が操る幻想を通して、息子の消息を知り再会のきっかけをつかみます。その嬉しさを語る言葉を聞くと、かつて息子を追いつめた信念が和らいだように思えます。

F:そうですね。あるがままの状態の息子を受け入れる寛大さを、父は身につけたのです。本作は、旧世代が若者を苦しめてしまう問題も観客に訴えます。子どもを理解できなくて、じゅうぶんに愛を注げなかったり、考えを押し付けてしまったりする過ちは古今東西、多くの人が経験しました。「子どもを信頼して、その子が花開くように寄り添っていこう」と語りかける側面も、『舞台は夢』にはある。この点は演劇、および芸術といわれるものに、人間を治癒する効果が潜むことを伝えています。

★演劇の力に驚く体験が、波のように続く

K: 『舞台は夢』からは、演劇の素晴らしさに寄せる讃歌(オマージュ)が響きます。爆笑と涙で観客を揺さぶり、芝居ならではの面白さで観客を驚嘆させる工夫が戯曲からもあふれています。

F:たしかに、演劇へのオマージュと呼べる作品です。たとえば、登場人物である息子のクランドールは反抗的で、社会に参加できない若者の代表。なかなか居場所を見つけられない彼が、落ちつけるところを探すために俳優になる。その設定も一種のオマージュ。演劇には共同体の約束と折り合いをつけにくい人が、社会の中で存在意義を見出す作業を助ける力もあるのです。

K:フィスバックさんも青春時代は、一般社会の規範になじめない、といった違和感に悩みましたか?

F:そういう面もあったかもしれませんが、私は愛情に溢れた家族に囲まれていたうえ、幸いにも若くして演劇に出合えました。だから、多くの人が思春期に感じる疑問に、戯曲や詩を通して向き合いました。解決しがたい矛盾は、舞台を通して考えたものです。もちろん、演劇活動だけで世の中が、平穏に治まるわけではありません。自分と異なる背景をもつ者を蔑むような冷たい視線を、全ての人から除くことは不可能ですから。非情な人たちは、常に世間を脅かします。そういった自己中心的で不公平な人の憎しみに巻き込まれずに、多様な人間同士が関係を築いて芸術や愛を育むからこそ、私も活動できるのです。

K:『舞台は夢』が書かれたのは380年も前ですが、自分と違う価値観をもつ息子を認めなかった父が変わる話は、世代間の対話に困難を抱える現在の観客を励ましてくれますね。

F:そう、ドタバタ・コメディー風の場面もある愉快で軽やか、しかも深遠な作品です! 

★「怪物」みたいなバロック演劇を目撃

K:稽古を拝見して、魔術師アルカンドルが「舞台の演出家」として表現されている、と思いました。目の不自由な魔術師が連れている盲導犬が、擬人化されています。その結果、複数の魔術師が活躍するように感じられるシーンもあって……。全能者であるかのように幻影を見せる魔術師、その人物の目が見えない、という点も不思議です。

F:人間関係において、素敵だな、と思うこと。それは相手が私に、「自分が何をしているのか」、教えてくれる時があることです。今がまさに、その時。桂さんが私のしていることを教えてくれました。何らかの理由に基づくことではありますが、直感的に閃いた方法を私は稽古で試していきます。試行錯誤で育まれる舞台は、初めてこの作品に触れるお客様にも、自分なりに感じていただければいい。その人の理解は、私の解釈と違って構わないのです。演劇には多様な信号が用意されていますが、別の解釈の余地が必ず残る。そういうものでなければなりません。この感覚は、私の好きな習慣に通じます。昔は食事の準備をする際に「誰かが訪ねてくるかもしれない」と思って、一人分の席や食器をテーブルに加えたものです。そういう素敵な伝統ともつながる考え方です。

K:2004年にフランスで『舞台は夢』を演出されていますが、魔術師は全く違う方向で演出されましたか?

F:全く違っていて、カメルーン系の俳優を起用しました。旧約聖書に記されたバベルの塔よろしく、多様な民族が行きかうパリには大勢のアフリカ人が暮らし、星占い師や呪いを解く人もいます。2004年には異文化を生かす演出でした。その作業とSPACでの稽古を比べると、当時の演出は今回の下書きのよう。11年を経て新たに本作を演出できて嬉しい。ようやく何らかの到達点に立てる予感がします。

K:静岡の俳優やスタッフとの稽古も、新鮮なアイデアの源でしょうか?

F:はい。この作品が一見シンプルでありながら、実は複雑な構造をもつことも影響しています。劇中劇は「演劇についての演劇」を探る、果てしない知的ゲームを提供します。読むほどに、さまざまな演劇ジャンルの展開を可能にする戯曲ともいえますね。均衡と調和を尊ぶ古典主義のかたちをもちながら、それ以前に栄えたバロック演劇の激しさをたぎらせ、シェイクスピアやスペイン黄金世紀の型破りな作品にも近い。「世界は演劇」という思想を具体化する本作は、規則に収まりきらない「怪物」です。

取材・構成:桂真菜(舞踊・演劇評論家)

(後編に続く)


SPAC 秋→春のシーズン#1
『舞台は夢』
公演日時:9月23日(水・祝)、26日(日)15:00~
     9月27日(日)14:00~
     10月10日(土)、11日(日)14:00~
公演会場:静岡芸術劇場


2015年9月24日

アウトリーチの活動紹介~森町立三倉小学校 & 浜松市立西小学校

Filed under: アウトリーチ

みなさん、こんにちは!
SPAC俳優の永井健二です。

今日は、先日に引き続き、「アウトリーチ活動」のひとつを、新たに紹介します。
今日ご紹介するのは、最近行ってきた、2つの小学校での活動です。

最初は、森町立三倉小学校での「演劇指導」。
こちらの学校で指導するのは、今年が3年目です。

「袋井・森地区 音楽科研究発表会」という音楽発表会が、
毎秋、森町のミキホールで開催されており、
通常は、袋井・森地区の各小学校の4年生が、合唱や合奏を披露しています。

しかし、三倉小学校は、全校児童が20名に満たない小規模校のため、
毎年、4年生だけでなく、全校児童でこの発表会に臨んでいます。
とは言え、全校児童で臨んでも、他校に対し、数やパワーでは勝負しづらいので、
地区に伝わる民話を題材に、お芝居と合唱を交えた「音楽劇」を創り上げ、
発表会でその成果を披露しています。

音楽発表会において異彩を放つ、その独創性あふれる「音楽劇」の、
「お芝居部分のレベルアップを図りたい」、という狙いで、
SPACの俳優に声がかかり、3年前から僕が講師として招かれています。

毎年、3回の訪問(各回100分)を通じ、
児童たちの表現力を高めるための、声と身体に関するワークショップだけでなく、
実際のパフォーマンスに対するアドバイスなど、演出的なこともおこなっています。

今年の演目は「庄五郎とたぬき」。
炭焼き小屋に住む庄五郎が、いたずら狸を懲らしめる……といった内容。

児童に紙筒を持たせ、それを合掌造りの屋根のように組み合わせることで、
炭焼き小屋の屋根を表現できたらと思い、前回の訪問時に先生方に提案したところ、
そのアイデアを上手く取り入れてくださり、素敵な演出に仕上げていました。
(さすが3年目。先生方の演出力もアップしている!)

それでも、まだ上手くいかない所もあったので、
合唱部分と演劇部分が交互になっている構成の、そのつなぎ部の流れに手を加えたり、
立ち位置や動き、演出面など、多岐に渡ってアドバイスいたしました。

子どもたちの本番は9月30日(水)。
何とか駆け付けられそうなので、見届けたいと思っています。

ちなみに、学校関係者でもご存知ない方が多いのですが、
文化庁の「文化芸術による子供の育成事業」なる助成制度がありまして、
その申請を学校側がおこない、審査が通れば、芸術家が派遣される仕組みになっています。
三倉小学校でのSPACの指導も、この制度を利用したものです。

もう一校は、浜松市立西小学校での「身体表現ワークショップ」。

学区内にある「鴨江アートセンター」に、
西小学校とSPACの、橋渡し的役目を果たしていただき実現した、
3年生2クラスを対象とした、身体表現に関するワークショップ、
「目に見えないモノを感じるチカラ、伝えるチカラ」。

三倉小学校と異なり、何か具体的なパフォーマンスのための指導ではなく、
「児童たちの表現力を伸ばしたい」という要望にお応えしての、
単発(100分)のワークショップでした。

いきなり初対面の人間に「何かを表現しよう!」と言われても、児童は戸惑うわけで、
肩慣らし的に、少しずつ少しずつ、表現の要素を加えていくような内容で、
2人一組で向かい合っておこなう「鏡」や、
普通に歩いているところに、「音を立てないように」とか、「熱い砂漠の上」など、
様々な要素を加えて、それを表現させながら歩く「歩行」など、
おそらく児童たちは、「いろんなゲームをして楽しかった!」という感想の、
ゲームのようなワークショップ。
写真は、「エア長縄跳び」のひとこま。

西小学校は、3年生が対象という事で、
収拾がつかなくなるかもと思いましたが、杞憂に終わりました。
元気の良さを、上手くゲームへの集中に替え、楽しんでもらえた様子でした。
校長先生をはじめとした先生方にも喜んでいただけたようで、安堵。

子どもの社会では、勉強や運動、生活態度、家庭環境などを元に、
知らず知らずのうちに様々な優劣の関係が生まれやすいと思うのですが、
「表現」とか「演じる」という分野に関しては、
正解が無い分、優劣も生まれにくいのが良いところ。
普段あまり目立たないような存在の児童が、思わぬ演技心を見せたり、
賑やかな児童が、身体へのずば抜けた集中力を感じさせたりと、
小学校での指導は驚きの連続で、何度行っても飽きません。

SPACでは、各学校・各学年に合わせた、このような講師派遣もおこなっています。
なお、11月にも、僕は掛川市立和田岡小学校で、
木内琴子も藤枝明誠高等学校で、指導をおこなう予定です。


2015年9月22日

いろどり鮮やかなSPACポスター展のお知らせです

「SPACポスターコレクション展」始まりました!
SPACでこれまでにつくられたポスターを一部
静岡芸術劇場1Fロビーにて展示しています。

1997年にSPACが本格的に活動を開始してから
様々なアーティストによってポスターが創られました。 
ある方にとっては懐かしく
また、舞台をご覧になっていない方にも
SPACの多彩な創作活動の歴史をご覧いただけることと思います。

観劇の合間に、お散歩の途中にお楽しみください!

「SPACポスターコレクション展」
時間:10:00~18:00
料金:無料
その他:一定の期間毎にポスターの入れ替えも予定しています。


2015年9月20日

静岡芸術劇場前に「劇場へ行こう」バナー完成!

こんにちは、SPAC制作部の坂本です。

シルバーウィークが始まり、お天気も良好!
秋の行楽シーズンまっしぐらですね。
皆さんどこかにお出かけ中でしょうか?
近場で秋の味覚を楽しむのもまた一興ですが、
お出かけの予定に迷ったら・・
「劇場へ行こう」!

そうなんです。
SPAC秋→春のシーズンは「劇場へ行こう」が合言葉。
劇場の入口にも大きな「劇場へ行こう」がお目見えしました。

劇場って敷居が高い・・演劇ってわかりずらそう・・
そんなイメージやっぱりありますよね。否定しません 笑。
SPACの静岡芸術劇場の入口は遠い・・わかりづらい・・。
これも否定しません 笑。

劇場の入口を動かすことはできませんが、、
劇場に対する近寄りがたさは少しでも和らげたい!という思いで、
SPACではこのシーズンから「おためし劇場」を開催したり、
ホワイエで「SPACポスター展」を行い、劇場にふらりと
立ち寄ってくださった方にも空間を楽しんで頂けるよう工夫したり、
試行錯誤を重ねています。

「劇場に行く」って、そんなに身近なことではないかもしれません。
でもこの役者さんたちの顔を見て「なんだか楽しそう」と思っていただけたら、
それは劇場で待ち受けているわくわくする体験の入口かもしれません。
初めての方にも、いつも見に来てくださっているお客様も、
劇場で座席を温めてお待ちしています。(違うか。)


2015年9月19日

『室内』韓国・光州公演レポート(2)

Filed under: 『室内』2015

『室内』光州レポート第2弾は、娘役の弓井茉那(ゆみい・まな)からです。

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『室内』韓国・光州公演のレポートを、娘役の弓井がお届けします。

今回私たちが上演する場所である、光州(クゥアンジュ)。聞き馴染みの無い方もいらっしゃると思いますが、ソウルよりもずっと南西に行ったところにあり、経済・文化の中心都市、そして近年では光州ビエンナーレが開催されるなど芸術の街でもあります。韓国に詳しい人から聞いたのですが、都市の大きさは日本でいうところの広島を想像してもらうと分かりやすいそうです。

この光州広域市に新しく、劇場を内包した文化拠点となるスペース、Asian Culture Center が私たちが到着する少し前に出来ました。
日本ではあまり見かけない規模のとても大きい施設です。土日には、美術作品や子どもたちのための遊べるスペースが登場します。
到着してすぐ『室内』の家族役の俳優、貴島豪さん、鈴木陽代さん、永井彩子さんと群衆の大庭裕介さんと見に行きました。この時はラッパのような拡声器の美術作品がたくさん置いてあって、みんなで体験してみました。光州はこの時期雨が少ない様で気持ちのいいお天気でした。

そのACC(Asian Culture Center)の中の新しく開館した劇場、 Asian Arts Theatre のOpening Festival にて『室内』の上演をします。
伝統芸術が豊かな韓国ですが、現代アートや現代演劇が生まれにくかった背景があるそうです。その中で2000年代に生まれたニューウェーブ・多元芸術(ダウォン芸術。既存の枠組みにはまらない新しいアート)が注目を集めるようになり、Asian Arts Theatreでも現代アートや現代演劇の先鋭的なラインナップが揃っています。
また、光州は1980年に「光州事件」が発生し、「民主と人権を象徴する街」でもあります。ACCが建てられた場所は、光州事件の舞台となった旧道庁があった場所とのこと。その歴史的背景に基づき、アジアのハブとなるような劇場が誕生し、そして歴史をテーマにした作品もいくつか上演されています。

フェスティバルの中心はこのACCですが、私たちの会場は少し離れた、CGIセンターです。バスに乗って行きます。

パペットアニメーションなどの撮影で使われている広々とした撮影スタジオに室内を作ってもらいました。
舞台の大きさは変わりませんが、空間自体の広さは今までで一番かもしれません。天井が高い。夕方になると、コオロギの鳴き声が聞こえたりします。

SPACメンバー、フランスのアトリエ・コンタンポランのメンバー、フェスティバルの現地スタッフさん、ボランティアさん、一丸となって緻密な調整作業が連日続いています。

光州の地の広い砂の上で、ここに在る人や物、ここにかつて在った人や物、これから在るかもしれない人や物たちに想いを馳せながら上演しています。

光州よりお届けしました。

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アウトリーチの活動紹介~沼津市「高齢者学級」

Filed under: アウトリーチ

みなさん、こんにちは!
SPAC俳優の永井健二です。

8月中は、自身の出演作品『王国、空を飛ぶ!』の稽古に励んでいましたが、
9月に入った今、稽古は一旦お休み。
「アウトリーチ活動」に精を出しています。

……「アウト、リーチ」???

という具合に、ピンとこない人もいるかと思うので、少しご紹介をしたいと思います。

が、一口に「アウトリーチ」と申しましても、色々なものがございますので、
ここでは、先日、沼津でおこなった、
「高齢者学級」で担当した講座のことを書いてみたいと思います。

沼津市では、市の教育委員会が主導する形で、
沼津市内の各地域ごとに高齢者学級が開設されています。

高齢者の生き方、健康と食事、体操、歴史、音楽、文学……など、
幅広いテーマで月に1回の学習をする、65歳以上を対象とした学級で、
地域により2種類の学級、「万年青(おもと)大学/10学級」「寿(ことぶき)大学/16学級」があります。

その学級で、SPACは「演劇教室」という講座を受け持っていて、
僕は、今月だけで2つの学級の講座を受け持ち、
12月にも別の2つの学級を受け持つ予定です。
ちなみに、今日はSPAC俳優 横山央も講座を受け持ちました。

「演劇教室」と言っても、高齢者の皆さんの中には、
演劇に馴染みのない方もおられますし、プロの俳優を志しているというわけでもなく、
幅広く色々なことを学びたい人たちの集まりなので、
僕はそこで、専門的な演劇ワークショップをやるわけではありません。

無数にある「演劇的な要素」の中から、
高齢者の皆さんに身近に感じられそうな部分を抜き出し、
たとえば、「顔の体操」、「喉の体操」、「簡単な発声練習」、「ジェスチャーゲーム」など、
カラオケで歌う時や日常での会話、美容法なんかにも使えそうなメニューを、
60分ほどにまとめて、一緒に体験していただいています。

学級には、好奇心旺盛な方が大勢いらっしゃるようで、
皆さん結構ノリノリで、楽しみながら参加してくださり、
毎回、高齢者の皆さんの「精神的な若さ」に驚かされます。

また、せっかくの出会いなので、
ささやかでも「観劇体験」も味わっていただきたいなと思い、
講座の最後30分ほどで、僕の「朗読パフォーマンス」を披露しています。

パフォーマンスには、いくつかレパートリーがあるのですが、
最近は、太宰治の『カチカチ山』を披露する機会が多いですね。
いわば、学級に参加している高齢者の方々のためだけに演じる「一人芝居」。
朗読の合間合間には、ジャンベの演奏も挟みながら演じています。

SPACでは、ご要望があれば、こういった形での講師派遣も積極的におこなっています。

まだまだ「アウトリーチ活動」には色々あるのですが、
それはまた別の機会に、ということで。


2015年9月18日

『室内』韓国・光州公演レポート(1)

Filed under: 『室内』2015

韓国の光州に新しくできたアジア芸術劇場の
オープニング・フェスティバルに招聘された『室内』。
いよいよ本日9月18日が、光州公演初日です。

17日のゲネプロ(本番と同様に行う通し稽古)前に、
出演の たきいみき からレポートが届きました。

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あにょはせよ。
こちら光州は朝夕は少し涼しく過ごしやすい気候です。
新しくできたアジア・カルチャー・センター/アジア芸術劇場の
柿落としとなるオープニング・フェスティバルに招聘いただきました。。。

が、

『室内』の上演会場は、そこから遠く離れた工業団地内にあるCGIセンター。

ここは実は撮影スタジオ。
ドラマやアニメーション等も作られています。
大スタジオに特設セットが組まれての公演です。
日韓仏のスタッフがタッグを組んでの、作業。

いよいよゲネプロ、
明日初日です。

タオルがかかっているのが、レジさんの指定席。

沈黙のなかに、光と影を融合させられるように。
静かに、勤めて参ります。


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2015年9月17日

【『舞台は夢』新人日記】vol.6: ついに初日開幕!

みなさん、こんにちは!『舞台は夢』担当、制作部の塚本です。

長い雨が明けて、ようやくお日様が姿を現したと思ったら、
いつの間にか秋がすぐそこまで来ていました。
夕方の涼しげな風が気持ちいいですね。

そんな折、ついに9月15日『舞台は夢』が開幕いたしました!!

photo 1

記念すべき初日は中高生鑑賞事業公演。
県内の高校生の方がたくさんいらっしゃいました。
私は鑑賞事業公演の開演前に舞台からお客様にアナウンスをするのですが、
前に進み出て、客席に目を向けたとき、
ズラーッと並んだ高校生の方々に思わず圧倒されてしまいました。

一つの作品がまだ影も形もないときから稽古について、
ようやく物語がその全貌を現し、そしてついにお客様に公開される。
そんな長いながーい道のりに立ち会ったのは、私にとってこれが初めて。
とっても感慨深いです。しみじみ。

完成までのいろいろな紆余曲折も見てきた身からすると、当然お客様の反応が気になります。
2時間を越える長い舞台ですが、皆さんとても集中して観ていらっしゃいました。

photo2

面白かったのは、何度も観た舞台なのに、とても新鮮に感じたこと。
きっと、集中して観ているお客様の視線や反応が俳優にも伝わり、
それが微妙な影響を及ぼしているのでしょう。
やはり稽古の時とは緊張感も段違い。
とはいえそこは俳優、むしろ稽古の時よりもイキイキしているようでした。
イマジネーションがわき出るまま、稽古のときはなかったアドリブも出たりと、
これぞ演劇の楽しみの一つですね。

さて、これから10月11日まで続く『舞台は夢』。
稽古が終ったからといって、作品を作り終わったわけではありません。

観てくださるお客様がいて、初めて演劇作品が完成します。
と、いうことは、お客様によっても作品の完成形は違ってくるということ。
これから『舞台は夢』がどんな変化を遂げていくのか、本当に楽しみです。

では、劇場でお待ちしております!

photo 3

(制作部・塚本広俊)

***SPAC 秋→春のシーズンが静岡新聞に掲載されました!***

9月15日(火)静岡新聞(夕刊) 芸能欄
演劇学べる作品続々 SPAC「秋→春のシーズン」 『舞台は夢』など6作品

舞踊・演劇評論家の桂真菜さんによる、
『舞台は夢』演出のフレデリック・フィスバックさんへのインタビューも掲載されています。

SPAC 秋→春のシーズン#1
『舞台は夢』
公演日時:9月23日(水・祝)、26日(日)15:00~
     9月27日(日)14:00~
     10月10日(土)、11日(日)14:00~
公演会場:静岡芸術劇場


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