2016年4月27日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.9

駿府城公園での稽古も始まり、いよいよ初日まであとわずかとなりました。
嬉しいことに完売の日も増えてきております。
これから観劇スケジュールを考えてくださる方はぜひ5月5日千穐楽日がおすすめです。

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さて、この作品のみどころのひとつが「仮面」です。
多くの俳優が今回仮面での演技に挑戦しています。
中には自分の顔の5倍や8倍もあるような大きな仮面も登場いたします。
その仮面についてシアタークルーの小野英津子さんがまとめてくださいました。
観劇の前にぜひご覧ください。

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「仮」と「対

小野 英津子

フランス人の文化人類学者、クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)は、アメリカ北西岸インディアンの仮面に強く惹きつけられ、研究しました。ナチスから逃れてアメリカに移った彼が1941年、ニューヨークの米国自然博物館で展示を見たのがきっかけです。
彼の研究の基本姿勢は仮面の象徴するイメージを主観に頼って印象的にまとめるのではなく、様々な仮面をきめ細かく分析対比し、部族間交流の影響によって、目や口、舌などのどの部分がどのように変形したか、その関連性を浮かび上がらせることにあります。「一つの仮面とはそれ自体は存在せず、その傍らに常に存在するものとして、その代わりに選ぶことのできるような現実の仮面を前提としている。」と主張しています。各々の仮面は部族独自のものとして考えるのではなく、時空間を見据えた関係性を解き明かしつつ、同時に社会・経済の構造をも浮かび上がらせるというレヴィ=ストロースの特徴が仮面研究においても存分に活かされています。父親が画家で、芸術家が頻繁に出入りしていたという家庭環境が、特に仮面研究においては底力として効いているようです。彼は仮面の色彩に生き生きと反応し、細部の変化を正確に捉えています。(例えばパブロ・ピカソのアフリカの仮面に対する興味の抱き方とはかなり違います。)

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 さて、今回の劇「イナバとナバホの白兎」では、仮面がたくさん登場します。幾つかを取り上げると「スサノオ」、「蜘蛛女」、「ビーバー」、「太陽」です。仮面が何を語り、何を語ろうとしていないか、観客の視線をどんな風に吸収し、時にはね返すのか?劇全体に通じる仮面の役割は一体何なのか?神話に寄り添う劇ゆえに現代に生きる役者は自らの顔立ち、それに伴う個性を隠すためだけに仮面を利用しているのではなく、仮面に委ねて何かと交流しようとしているのか?皆さん一人ひとりの目で見つめてください。

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 ところで、北西岸インディアンの仮面は木で作られており、仮面の裏側、つまり顔に接する部分は平らなままだったそうです。「イナバとナバホの白兎」上演に向けて、役者の呼吸や動きを妨げないように、製作スタッフはどんな材料を駆使し、工夫を凝らしたのだろうか?インディアン部族特有の様式美は果たして今回の仮面に反映されているのだろうか?野外劇場の利点を際立たせるため、大胆なデザインが採用されているのだろうか?仮面と衣装のバランスはどうか?等々、製作スタッフ一同力作の仮面作品に想いを巡らせると、また別の面白さが生まれてくるかもしれません。

これらも含めて、どうぞたっぷりじっくり舞台の「仮面」と観客席から「対面」してください。さてどのような仮面が最終的に野外劇場に登場するか、ご期待!ご期待!

最後に一言。レヴィ=ストロースは青年時代、オペラの衣装と舞台装置を描いて余暇の大半を過ごしたとか。ある時期限りなく舞台が好きだった彼を、イナバの白兎ゆかりの地、ここ日本での上演に招待したかったと個人的には思っています。

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
◆公演の詳細はこちら
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2016年4月21日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.8

「“拍”システム、そして謎も面白さの1つ」

皆さんこんにちは!
再び俳優・横山央がブログ書きましたので、お付き合い頂けましたらこれ幸い。

さていきなりですが、こちらをご覧ください↓

  ♩          *  *  *
  あ  さ  が  き  た  *  *  *

さて、これは何なんでしょうか?
五線譜はありませんので、ここでは音程は関係ありません。
大切なのは“拍”。
「*」は休みと考えてください。
なので、4分音符が5つ、休符が3つ並んでますので、「あ さ が き た」を8拍回しで言うことを表します。
ご理解頂けましたでしょうか?

日本語の面白いところは、この様に1音に文字が1つ入る、この場合5音で1つの単語になる、というところです。
例えば英語で考えると、1音に1文字は考えられませんよね?
1つの音符に対して、「I(私は)」=「アイ」と発音しなければならず2文字になってしまう。
母音の数が5つしかない世界的に見ても珍しい日本語、その特性を今回作品の中に取り入れています。

また、そこに演出の宮城聰氏の独特の手法「言動分離」システムを注入、要は一人の人物を「語り手」と「動き手」に分けて演じさせる、言うなれば文楽の様な事ですが、上記の拍システムを使って動き手がどう動くのか、また動かないかを稽古ではまだまだ模索しています。

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先日関係者向けに公開稽古を行いこの手法が取り入れられたシーンをご覧頂いたのですが、皆様の反応が非常に面白く、「お能の様な、でも見た事がない新しい芸能を見た気がした」という方がいれば、「今まで見た事がない不思議な空間になっていた。」と仰ってくださった方も。
そう、今回の公演は演じてる側にとっても見る側にとっても、舞台の新しい姿を目撃することになるのではないかと思っています。
それはきっと、例えようがないものかもしれません。
「劇団」だからこそできる作品だと確信しています。

それで、もしかしたら見終わった後に多くの「謎」が残るものになるかもしれません。
それは作品に対する謎であったり、そもそもこれは面白かったのか、という謎だったり。
個人的には、その「面白かった」という中にも様々な面白さがあると思っていて、どうでしょう、きっとモヤモヤした気持ちが残る事も面白さの1つではないでしょうか。

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また、宮城さんが今回の新作にあたりインタビューの中で、「“芸術”の機能というのは、刷り込まれてしまった価値観を疑うこと」と仰っています。
舞台芸術というものは、楽しむ事はもちろんですが、それに限らず作り手としての挑戦が含まれ、また見る側としては自分の新しい可能性を垣間見られるチャンスにもなっていると思っています。

物語というのは、何かの教訓を教えてくれます。
それは例えば昔話の中で語られることだったりするわけですが、僕たちの先祖が残した古事記の世界やアメリカ先住民族に伝わる神話の世界も何かを物語っていることは間違いないのです。
しかし、今回は僕たちはその先にあるものを見つけ出そうとしています。
そこには何が受けているのか、誰にもわかりません。
未知なる草原、草むらをかき分けて歩みを進めていますが、やがては辿った過程が道になるのかもしれません。
共に旅をしてみませんか?

それでは今日はこの辺で。

集合写真
[26人の出演者たち(左下のメガネをかけている男性が横山央)]

●参考
①「ナバホ族」に関して、シアタークルーメンバーの松本孝則さんがブログのVol.5でとても丁寧に書いてくださいましたので、今回の作品にあたり是非一読されることをオススメします。
『イナバとナバホの白兎』〜新作誕生までの道のり〜vol.5
宮城聰インタビュー 新作『イナバとナバホの白兎』は初の試みが満載

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
◆公演の詳細はこちら
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2016年4月20日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.7

『イナバとナバホの白兎』初日まであと2週間をきりました!
衣裳も少しずつできあがり、衣裳つきの稽古も始まりました。

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今回はSPACシアタークルー平塚敬子さんが書いてくださった、本作品の重要な要素のひとつ「イナバの白兎」のおはなしについてのレポートをご紹介します!
実は意外と知らない人も多い「イナバの白兎」のおはなし。
それを詳しく、おもしろくまとめてくださいました↓↓↓

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子供の頃一度は読んだり聞いたりした「イナバのしろうさぎ」絵本には大きな荷物を担いだ大黒さまが痛い痛いと泣いているかわいいウサギちゃんを助けるシーン。
「うさちゃんかわいそう、え~んえ~んないてるぅ~」
「やさしいおじさんがたすけてくれてよかったね」
子供心に思う事はこんなところでしょうか。
そして大人になって読み返してみると……。
あらあら何やら複雑な大人の事情があったようで。

現存最古の古典文学「古事記」ごちゃごちゃ神様の名前が出て来て突然新しく神様が成ったり生まれたり(成ると生まれるは意味が違うので)
そうこうしていると例のイナバのしろうさぎの場面。
実は大きな袋を担いでいた神様は兄弟達が結婚相手を探しに行く為、兄弟達の荷物を担がされてちょっとしたパシリ役?
ワニに毛皮をむしられて痛がっているウサギに「海水に入ってそのあと陽にさらせ!」と意地悪(本当は意地悪ではなく1つの治療方法だった)をした兄弟神達、八十神といいます。その後荷物を担がされていた為遅れて来た神様オオナムチ(のちのオオクニヌシ)が「真水に入り蒲の穂の上で寝転ぶように」と優れた治療方法(八十神が教えた治療方法より有効な)を教えてウサギは無事元通り、めでたしめでたし。

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「稽古の様子:ワニの上を渡るウサギ」

しかしウサギもウサギ、元はと言えばワニ(ワニは本来日本には生息してないのでワニだか鮫だかわからない霊獣)を騙して島から海岸まで渡って来たのでしたよね。
騙したワニに皮を剥かれても当然!
世界各地東アジアからニュージーランド等、には似たようなお話しが存在していて、いわゆるずる賢い小動物が大きな動物を騙すというお話。大体それらのお話は最後に小動物が首尾良く逃げるか食べられてしまってthe end。では何故イナバの白兎は逃げもせずワニに食べられもしなかったのでしょうか?
それは、古事記の中で「イナバのしろうさぎ」の場面は物語の通過点、このウサギさんがオオクニヌシに「ヤカミヒメと結婚出来るのは兄弟ではなくあなた様です」とお告げをしなければならずワニに食べられてしまったら神々から続く天皇への道を説く物語が閉ざされてしまうからなのです。
しかし所詮物語ですからどんな場面でも当時はあまり深い意味等なかったと思われますが……。
後の人々がその時代時代に応じて都合良く解釈したり、また悪用したり、時代の波に翻弄された古事記。
その「イナバのしろうさぎ」がまさか静岡の駿府城公園野外劇場で『イナバとナバホの白兎』となってSPACが演じるとは!神々様もビックリ!

今回は一から俳優達が台詞を創り配役まで創作過程から決まっていったとか?今までとは一味違う宮城ワールドが展開しそうです。
駿府城公園野外ステージ満天の星空の間に間に神々がこっそり観劇しているかも知れませんね、そうそうナバホのご先祖様達も。あっ、もしかしたら四日間の間には曇りの日も雨の日も……雲の間に間に、雨の間に間にチラチラ観劇でしょうか。私個人的には雨のステージが大好きです。ライトの当たった雨がキラキラ輝き舞台がより一層華やかで且つ神秘的で☆☆☆☆☆
駿府城公園で皆さんと『イナバとナバホの白兎』をワクワクドキドキしながら楽しみましょう!
ウサギは白じゃなかった?野うさぎだから……?ウサギは本当は神の化身?オオクニヌシを試した……?
~~謎に満ち溢れ分からないことがあればあるほどおもしろい~~

SPACシアタークルー 平塚敬子

参考資料として
からくり読み解き古事記 山田 永著
イナバノシロウサギの総合研究 石破 洋著

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
◆公演の詳細はこちら
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2016年4月15日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.6

本日『イナバとナバホの白兎』は5月3日(火・祝)が一般販売は完売となりました。
他の日程では5月2日(月)、4日(水・祝)、5日(木・祝)はまだまだ好評発売中です。
ぜひお早めにご予約ください。
同日は無料で大道芸やダンス、演劇が楽しめる「ストレンジシード」も開催中。無料とはおもえないほど、豪華な顔ぶれが静岡に集まります!合わせてお楽しみください!

さてご紹介が遅くなってしまいましたが、
『イナバとナバホの白兎』を支えてくださっているシアタークルーの西川さんから、稽古の感想をいただきました!

ブログ用041401 「写真は4月9日の稽古の様子(撮影:シアタークルー平尾正志)」

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こんにちは 最近はすっかり暖かくなってきましたね、
シアタークルーの西川直宏と言います。SPACが好きな親父です
初めてブログを書かせていただきます。
3月21日午後3時00分、「シアタークルー向け勉強会」が開催されました。
5月2日に公演初日を迎える
SPACの新作『 イナバとナバホの白兎 』 ということで
まずは簡単に自己紹介から~♪
→『 イナバとナバホの白兎 』の(未完の)台本、を頂きました!
→SPACの仲村さんから、因幡の白兎についての説明☆
  →人類学者のクロード・レヴィ=ストロースについて
  →稽古見学
  →関連書籍の紹介
といった流れでした。
本作に関連するテーマで勉強して、作品への理解を深めていきました。

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人によっては何となーく絵本や昔話で読み聞きした事のある『いなばの白兎』。
その『いなばの白兎』によーく似たお話しが、アメリカ先住民ナバホ族に語り継がれていた。
遠い遠いナバホの地、どちらも神話として語り継がれている。代々語り継がれてきた天地創造の物語は、なによりも美しく、なによりも素朴に、人間も天体も動植物も、この世のありとあらゆるものが同じ生命でつながれている世界を語る。
アメリカ先住民の神話研究を中心に行った、フランスのクロード・レヴィ=ストロース。
自然に存在する事象を分類して体系化、構造化することによって見いだした世界観を神話的思考と名付けたレヴィ=ストロース。
生前、日本文化の諸要素である音楽と絵画、神話と儀礼を軸として闊達で大胆な試論も展開している。
神話という形で紡がれた、”いなば”・”ナバホ”・”レヴィ=ストロース”という一本の糸を、宮城聰率いるTEAM・SPACはどのような演技的想像力(演技力)で我々に観せて(魅せて)くれるのだろうか?
果たして、SPACが創造する『イナバとナバホの白兎』にレヴィ=ストロースが日本に見いだした良きもののエッセンスは語られているのであろうか?

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「撮影:シアタークルー平尾正志」

追記:今回の『イナバとナバホの白兎』は、俳優が台本を考えながら創作していく、答えのない作業。
円になり俳優たちが意見を出し合い、汗をかきかき一つ一つを確かめながら振り・セリフを造り上げていくそのさまは、観ている自分が今何処に居るのかさえ見失うほど、稽古場の風景は圧倒されるものでした(産みの苦しみー鼻からスイカ!?でも、やってる時の俳優のみなさん楽しそう)。
ということで今回は演劇祭も迫った 駿府城公園 で、野外劇場{としてお目見え( 本当に野外です!! 客席にも舞台にも屋根がありません。)。}で行われる今作品、演者が放つエネルギーを観客とどのように共有できるか、今から公演が愉しみです♪

このゴールデンウイークはアジア北米先住民神話にハマってみませんか?
西川直宏

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
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2016年4月11日

おはなし劇場@静岡まつり ~まつりとさくらの白兎~

みなさま初めまして。制作部新人の佐藤です。
本日のブログは、この4月よりSPACの一員になりました私と計見の2人がお届けします。
内容は初の現場仕事、先日開催された第60回静岡まつりに参加したSPAC「おはなし劇場」についてです。

「おはなし劇場」は子どもと大人が一緒に楽しめる演劇として、楽器や手遊び歌とともに間近で俳優の声と身体をみることができるSPACの継続的な活動の1つであり、今回は「ふじのくに野外芸術フェスタ2016」でゴールデンウィークに上演される『イナバとナバホの白兎』に関連した『いなばのしろうさぎ』を上演しました。
『イナバとナバホの白兎』は静岡芸術劇場で連日稽古を行っていて、本番に向けて変わっていく毎日を眺めております。多くの俳優が出演する作品のパワーがこの駿府城公園でどのように見えるのか、それも楽しみになった1日でした。

静岡まつりでは、駿府城公園内の2つの会場で上演しましたので、1回目の様子を佐藤が、2回目の様子を計見がレポートします。

まずは1回目の大演舞場です。
朝は雨模様で心配でしたが、お昼には太陽の姿も見え、ほころんだ桜のもとSPACシアタークルーのみなさんと上演に備えました。

こちらがまだ慣れない中で、テキパキとやるべきことをこなしていくクルーのみなさんはとても頼もしい先輩です。
本番も引き続きの好天のおかげで、静岡まつりのメインステージである大演舞場の客席にはいっぱいのお客様がいらっしゃいました。そこでSPACの活動を十分にアピールした後、いよいよ開演です。

出演は片岡佐知子さん(写真左)と鈴木麻里さん(写真右)です。おまつりの雰囲気の中でも、子どもから中高年の方までしっかりとこころをキャッチしていたのではないかと思います。
上演は無事に終わりましたが、もっとお客様に楽しんでいただくために改善策を話し合い、次の会場へ向かいました。

皆さま、はじめまして!制作部新人の計見です。
さて、15:30~の回は坤櫓演舞場という先ほどより小規模なステージでの開催でした。準備前、客席が「少し淋しいなぁ。。。」という感じだったので通称サンドイッチマンへと変身し、クルーさん達といっしょにお声掛けやチラシ配りをしたことが実を結び、客席から溢れるほどにたくさんの方が足を止めてご覧くださいました。

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今回は時間が十分にあったので「はじまるよの歌」で少しウォームアップ。「何がはじまるのかな?どんなことがはじまるのかな?」といった様子で子どもたちは興味津津。大人の方々の注目も一気にステージ上へと注がれていきました。1回目の大演舞場より小さなお客様の姿が多く、なかでも不思議そうな表情でなぜかニコリともせずに私たちを見つめながらも一緒になって最後まで手遊び歌をしてくれた女の子がとても印象的でした。

普段の駿府城公園では様々な方がそれぞれの時間を思い思いに過ごすための憩いの場となっていますが、ゴールデンウィークにはSPAC新作『イナバとナバホの白兎』<稽古の様子はこちら>や、地ビールや美味しい珈琲などを楽しめたり、演劇祭の思い出を彩るコミュニティースペース「フェスティバルgarden」、また「まちは劇場プロジェクト」のストレンジシードの会場にもなり、さらに様々な方が出会い交流する場となりますので、是非お楽しみに!

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
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2016年4月8日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.5

SPAC活動をいつも支えてくださるSPACシアタークルーのみなさん。
『イナバとナバホの白兎』の作品も演目担当クルーとして支えてくださるシアタークルーメンバーがいます。
そのひとり松本孝則さんが『イナバとナバホの白兎』観劇前のヒントになればと書いてくださったブログをご紹介いたします!

松本さん

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 『イナバとナバホの白兎』という演目名を初めて目にしたとき、これはイナバとナバホの語呂合わせか?と思いました。ナバホ族というアメリカインディアンのことは、以前テレビのドキュメンタリーで見た覚えがあったものの、「イナバの白兎」とはつながりようもありませんでした。

 イナバの白兎伝説が北米の先住民に伝わっていた、という壮大な神話伝承の仮説を読み解こうとする、今回の宮城SPACの挑戦。ちょっとその前に、北米の先住民族、ナバホ族のことについてまとめてみました。

 ナバホ《涸れ谷の耕作地》

 「コロンブスがアメリカを発見したのではない。俺たちがコロンブスを見つけたのだ。」 1492年、西回り航路でのインド到達をめざしたコロンブスが、バハマ諸島の小島(サン・サルバドル島)にたどり着き、ヨーロッパ人にこの新大陸の存在が知られるようになるはるか昔より、100万人ともいわれる先住民がこの大陸で独自の文化を築いてきた。ネイティブアメリカン、いわゆるアメリカインディアンと呼ばれた人たちのことだが、北米だけでも、言語や文化の違う500以上の部族があったといわれる。

 アメリカの開拓時代の西部劇によく出てくるアパッチ族やコマンチ族は、“ホースインディアン ”つまり、スペイン人が持ち込んだ馬をいち早く取り入れて、バッファローを狩る狩猟民族、好戦的な戦士としてえがかれることが多い。それに対して、ナバホ族のような農耕民族もたくさんいた。ナバホ族がアメリカ南西部に住み着いたのは、14~15世紀といわれているが、もともとはトウモロコシなどを育てる農耕民族だったが、アステカ帝国を滅ぼして北上してきたスペイン人から馬と羊を手に入れ、以後羊はナバホの大切な食糧になると共に、その毛糸を使った“ナバホラグ”とよばれる精巧な絵柄の敷布は、貴重な交易品となった。

 ナバホ族は母系社会で、放牧も織物も女性の仕事とされ、男性の仕事は、トウモロコシの粉ひきと他の農耕部族からの略奪であったといわれる。定住に必要な独特の 伝統住居は“ホーガン”とよばれ、木組みと土で作られる。イヌイットの伝統住居である「イグルー」やモンゴルの遊牧民族の「パオ」にもよく似ている。

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 第二次世界大戦では、米国籍を与えられた4万人以上のインディアン男性が、米軍兵として従軍した。この中で、ナバホ族の言語は、対日本戦において暗号として用いられたことがよく知られている。ナバホ語の複雑に変化する語尾や発音は、ナバホ族以外には理解不可能なもので、この特性に目をつけたアメリカ軍は、彼らを暗号専門の部隊として徴用し、太平洋戦争において大きな成果を上げた。

 かつて、古代人の多くは、自然の中で偉大なる創造主のもとで生きるというライフスタイルをもっていた。とりわけ農 耕民族にとっては、その創造物である人々、動物、鉱物、水、火、風、空、大地など、私たちとともに存在するすべてとつながりをもつことが、人としての「道」とされた。また彼らは「すべてのものに精神が宿っており、相互依存し、一つの大きな輪の中で生かされている。」と考えた。

 この世界観を象徴するものとして、“メディスンホイール”「聖なる輪」「生命の輪」というような内容を意味し、仏教の曼荼羅、神道の鏡、イングランドのストーンヘンジ、そしてナバホには祈祷の時にメディスンマン(祈祷師)によってえがかれる“砂絵”がある。

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 今年のせかい演劇祭で宮城さんの演出する『イナバとナバホの白兎』には、いわゆる台本というものがない。2時間の大作にもかかわらず、俳優が手にしているのはA4で9枚の一見台本のようなもの。その台本のようなものを手掛かりに、俳優たちがああだこうだと言い合ったり、動いたりしているのを、先日の稽古で見せてもらった。

 宮城さんがブログのインタビューの中で、「果物が熟れるように、ある集団の歴史の中で、集団創造にふさわしい時期というものがおそらくある」と述べている。2007年に宮城さんがSPAC芸術総監督に就任して9年、この宮城さんの言葉を『イナバとナバホの白兎』に出演する俳優たちはどのような思いで受け止めたのだろうか。

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 集団創造にはチームワークは必要だろうが、それ以上に一人一人の思いや葛藤、そしてそれらのせめぎあいが求められる。そんな場面では、チームワークはかえって邪魔なものになってしまうのかもしれない。文字をもたないナバホの祈祷師(メディスンマン)が、口述伝承していった神話を一つのテーマにした今回の芝居を、俳優たちはきっと悪戦苦闘しながら読み解いているに違いない。宮城さんがSPACのメディスンマンのようにも見えてくる。

 『イナバとナバホの白兎』が駿府城公園の特設舞台で上演されると聞くと、どうしても昨年同じ場所で演じられた『マハーバーラタ』のことが頭をよぎる。遠くの市街地のビル群をシルエットにして、あ の円形の舞台で繰り広げられた祝祭音楽劇は、阿部一徳さんの圧倒的な語りに誘導されながら、時空を飛び越えて自由自在に私たちを遊ばせてくれた。『マハーバーラタ』ではダマヤンティ姫の冒険の旅だったが、今回の『イナバとナバホの白兎』でも、うさぎ、神々、双子の兄弟たちがそれぞれの思いをもって旅に出る。旅の途中に出会う動物やさまざまなものとの駆け引きや共感が、観客をどのように遊ばせてくれるのか、とても楽しみである。

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
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2016年4月7日

ケ・ブランリー美術館と『イナバとナバホの白兎』という試み (横山義志)

ケ・ブランリー美術館と『イナバとナバホの白兎』という試み

SPAC文芸部 横山義志

2013年2月、『マハーバーラタ』をパリのケ・ブランリー美術館クロード・レヴィ=ストロース劇場で公演したとき、館長室にご挨拶にうかがった。するとステファヌ・マルタン館長から、こんなお申し出があった。「2006年に美術館とレヴィ=ストロース劇場のこけら落とし公演でも『マハーバーラタ』をやっていただいたが、これまで当館で上演した作品のなかでも、この作品は「文化間の対話」をモットーとする当美術館の精神を体現するような作品だと思っています。当館は2016年に開館10周年を迎えるので、その際にはぜひ当美術館のために作品を作っていただきたいと思うのですが、可能でしょうか。宮城さん演出によるSPACの新作公演を、10周年記念事業のメインイベントにしたいのです。」通訳しながらも、さすがにちょっと驚いた。これはアヴィニョン公演の前年で、それ以前にも宮城さんの作品はフランスで何度か上演されていたが、まだフランス演劇界で広く知られていたというわけではなかった。ケ・ブランリー美術館では開館以来、世界中から名だたるアーティストを招聘している。そのなかで宮城さんとSPACを選んでくださったのは光栄というほかない。

ケ・ブランリー美術館は、パリで最も新しい国立美術館で、「アジア・アフリカ・オセアニア・南北アメリカの芸術と文明」を紹介することを使命としている。近年の年間入館者数は約150万人。エッフェル塔の向かいに大きな建物ができたので、ここ10年ほどのあいだにパリにいらした方であれば気になっていた方も少なくないだろう。この美術館は当時の大統領ジャック・シラクが文化政策の目玉として構想したものだった。美術館のコンセプト自体、極めて挑戦的なものだった。アジア、アフリカ、オセアニア、南北アメリカで名もない民衆や職人が作ってきたいわゆる「伝統的」なオブジェを「原初美術(アール・プルミエ)」と呼び、西洋近代美術と同じだけの価値をもつ美術作品として捉えようというものだ。これは日本を含むアジア・アフリカ諸国の文化に造詣が深く、「原初美術」の愛好家としても知られていたシラクが念願としていたプロジェクトだった。フランスが植民地政策の負の歴史を清算するための試みの一環をなしているともいえるだろう(それに成功しているかどうかは別として)。この背景にはもちろん、19世紀後半から20世紀前半にかけてマネらが日本美術を、ピカソらがアフリカ美術を「発見」したことがある。だが、この視点の転換に思想的な裏付けを与えたのは、20世紀フランスを代表する思想家の一人で人類学者のクロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)だった。レヴィ=ストロースは世界各地の先住民社会の構造分析にもとづき、西洋近代の科学的思考よりも、それが排除しようとしてきた「野生の思考」こそがより普遍性をもった思考なのだと主張したのである。

フランス語では「博物館」と「美術館」は同じmusée(英語のmuseum)だが、日本語にするとだいぶニュアンスが違ってくる。「博物館」においては、時代や地域が異なるために、今の「私たち」とは異なる価値観をもつ共同体で作られたからこそ貴重であり、意味がある、というものが収蔵品の多くを占めている。ケ・ブランリー美術館が開館する際、「人類博物館(Musée de l’Homme)」の収蔵品の多くをこの新設の国立美術館に移管することになった(これについては多くの論争が繰り広げられたが、話が逸れそうなので、ここでは触れない)。文化人類学の対象だったものを美術作品として新たに見つめなおすということが可能になったのは、ヨーロッパの美術と文化人類学がそれぞれ二〇世紀を通じて大きく変貌したからでもある。美術においては非西洋世界という他者の「美」を取り込んで自らの「美」を相対化し、そして「美」そのものの根拠を問い直すことまでも「美術」に含まれるようになっていった。一方文化人類学においては、植民地経営の道具として発達した研究が、逆に西洋諸国による植民地支配の根拠を問い直し、脱植民地化を支える思想としても発展していった。この二つの分野の発展が交叉したことの帰結がケ・ブランリー美術館の開館だったといってもいいだろう。

では、この美術館で演劇作品を上演するとすれば、何をやるべきなのか。マルタン館長があれほど『マハーバーラタ』を気に入ってくれたのは、この作品が提示しているヴィジョンに、ケ・ブランリー美術館のコンセプトと共鳴するところがあったからだろう。宮城聰演出『マハーバーラタ』は、「平安朝の日本にマハーバーラタの物語が入ってきていたら」という想定で作られている。実際、平安時代の末に編まれた『今昔物語』にもインド由来の説話が多数入っている。我々が今「日本的」とみなしている文化にも、中国やインドなど、様々な「外来」文化の影響がある。そもそも文化というものは、様々な他者との出会いを通じてしか発展しえないものなのではないか。宮城さんはそんな話をしていた。

マルタン館長が宮城さんの作品に興味を持ってくれたのは、アジア・アフリカのいわゆる「伝統芸能」の技術を取り入れた現代演劇の作品を作っているからだろう。アジアやアフリカにおいて「近代化」とは、多くの場合強いられた「西洋化」であった。アジア・アフリカにおいて近代劇とは、伝統芸能とは異なる「西洋的」な演劇のことだった。「近代的=西洋的」なものと「伝統的=在来的」なものとは対立項となった。この「近代化」によって、「伝統的=在来的」なものは社会とともに歩むことを止め、「博物館」的な興味の対象となったかのようだった。

だが一方で、ヨーロッパにおいてはこれに並行して、とりわけアジアの演劇を参照することで、いわゆる「近代劇」の限界を乗り越えようという動きもあった。20世紀前半にはブレヒトやメイエルホリドが歌舞伎、能、京劇などからインスピレーションを得た。20世紀後半においては、アジアの伝統芸能の技術を実地に学びつづけているアリアーヌ・ムヌーシュキン(1939~)率いる太陽劇団がその代表格だろう。太陽劇団はさらに作品制作の方法自体を問い直し、劇作家や演出家が提出したヴィジョンを俳優に演じさせるのではなく、全てのメンバーがアイディアを出し合いながら作品を作っていく集団創作を試みていた。宮城さんは大学時代に太陽劇団の作品をビデオで見て、感銘を受けたという。

今回の『イナバとナバホの白兎』では、宮城さんとしてもSPACとしてもはじめて、テクストも含めた集団創作を試みている。宮城さんは『マハーバーラタ』を上演したことで、個人としての作者が書いたのではない神話的物語の可能性に興味をもつようになったようだ。伝統芸能においても、往々にして作品は個人としての「作者」ではなく、一定の集団に帰せられる。つまり、これもまた伝統芸能に学ぶことの延長線上にあるともいえる。これによって、西洋近代において発展した「天才的な作者の個人的ヴィジョンを表現する」というモデルでは捉えきれない世界の複雑さ、多面性、大きさをより体感していただくことができるようになるかも知れない。

より暮らしやすい土地を求めて人類は移動を繰り返し、大地を埋めていった。ここ数世紀のあいだ、人類は未曾有の人口増加の時代を経験している。同時に移動と通信の技術も目覚ましい発展を遂げたが、「共に生きる」技術は、なぜか同じだけ発達したわけではないらしい。この種族の寿命があとどれだけつづくかは、この技術をどれだけ磨いていけるかにかかっている。レヴィ=ストロースによれば、「イナバの白兎」の話の原型は、結婚相手を求めて海や大河を越えていった物語らしい。だが、そこには当然、様々なリスクが伴っている。日本列島にたどりついた人々も、北アメリカにたどりついたナバホ族の祖先たちも、そんな様々な危険を冒しながら、なんとか「共に生きる」相手を見つけ、そのための技術を磨いて、生き延びてきた。移動と通信の技術をあえて脇に追いやって、その時・その場を分かち合うことに特化した演劇という方法で、もう一度この古い技術を見つめなおしてみれば、私たちが直面している危機を乗り越える知恵の一端を見つけることができないだろうか。

青葉の茂る駿府城公園で、一緒に食べたり飲んだりしながら、ときに人類の過去と未来にも思いを馳せつつ、春のひとときを分かち合っていただければと思う。

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
◆公演の詳細はこちら
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2016年4月3日

<萌目線。vol.130>『イナバとナバホ』の速報!

Filed under: 萌目線。

今年のふじのくにせかい演劇祭の開幕まで1ヶ月を切り…

SPAC新作『イナバとナバホの白うさぎ』のプレビューお披露目に向けて、リハーサル室では神話の欠片たちが飛びかう毎日です!

そんな稽古場に、ブラジル出身のアマンダと、インド出身のジックサンが遊びに来てくれましたよ!!

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ご存知、第一テレビの『ラ・ぶらり Shizuoka』のお二人です!!

私たちといっしょに俳優のトレーニングを体験していただき…
『イナバとナバホの白うさぎ』の稽古を見てもらいました。

なので…まだまだ謎の多いこの作品の中身が、テレビで少ーし見られるかも?!

番組は第一テレビで4月24日(日)21:54放送予定です!!
みなさまお見逃し無きようにお願いします!!

そして4月5日には…
三島景太姐さんといっしょに、私石井萠水がK-mixラジオにおじゃまさせていただきます!
「K-mix おひるま協同組合」という番組で、12:25頃に出演予定です。

毎日どんどん変わっていく作品の様子の最新情報をお伝えしたいと思っております!

K-mixさんといえば、私の地元浜松のラジオ局です。
生まれ故郷でのびのびと、三島姐さんといっしょに全力で!トークしてこようと思っておりますので、
みなさまぜひ聴いてくださいませ!!

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<萌目線。>とは・・・ SPAC俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。
GREEでもブログ更新中。


2016年4月1日

『イナバとナバホの白兎』~新作誕生までの道のり~vol.4

「作品との出会い&制作過程」

皆様こんにちは。
SPAC俳優の横山央です。“央”で“ひさし”って読みます。
掛川出身の地元人、演劇がもっと気軽に触れられるものになればいいなと思い日々活動しております。

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さてさて、『イナバとナバホの白兎』、只今絶賛稽古中でございます。
気が付けば、公演まで1ヶ月となりました。(えぇ!?)

「イナバの白兎」といえば、古事記に登場するお話の1つとして皆様ご存知かと思いますが、「ナバホ」ってなんじゃろな?という方も多いはず。
「ナバホ」はアメリカ先住民の1つで、現在も南西部に住んでいる民族になります。
そのナバホ族に代々伝わっている神話があるのですが、不思議な程に古事記と似た話が存在しており、この共通点については人類学者 故クロード・レヴィ=ストロース氏が指摘しており、しかし未だにその謎は解明されておりません。
レヴィ氏の残した人類に対しての宿題、「何故、古事記(日本)・ナバホ(アメリカ)の神話と似た話が、離れた大陸で存在するのか、それはどの様に伝わったのか。またその基になったストーリーは何なのか?」ということを、今回演劇的想像力を駆使して考えてみようという試みの作品となっております。

余談ですが、レヴィ=ストロース氏は、画家だった父親にこどもの頃に浮世絵をもらったところから日本にはずっと興味があり身近に感じていたと語っています。
また、レヴィ=ストロース氏が生前に日本に関して出版した本『月の裏側』には「イナバの白兎」について書かれたりもしてます。
6月に上演します、フランスのケ・ブランリー美術館内の劇場の名前も「クロード・レヴィ=ストロース劇場」でして、様々なところで不思議なご縁を感じます。

ということで、難しい宿題に挑戦しているわけでありまして、まずは古事記やナバホ族について調べるところから始まりました。
今回作品を作る上で大きな特徴の一つとして、俳優がセリフを考え、それを具体的に身体に起こしているというのがあります。
台本もない状態なので、各々に様々な資料を調べ活かせる要素を抽出・提示し、それを俳優で集まって議論し台本を作り、身体に起こしたところに演出が入り、それを踏まえてまた作り直すという作業をひたすら繰り返します。
ある程度形になったら、今度は無駄を省き精彩にしていく作業に移り、加えてそこに楽器も入り・・・と、とにかくやる事が多い!毎日頭も身体もフル回転です。

台本を作るにあたり同じく共に作成してくれている久保田さんは、実際アメリカに赴きナバホ族と接触、その地を取材して得た情報を持ち帰り俳優に届けてくれました。
作品を作る上で大切なこととして、“共有”があり、俳優は実際にその地に足を運ぶ事ができなくても現地の情報や雰囲気を皆で共有し、それを作品に取り入れます。
答えはないわけですから、とにかく重要なのは想像力。
そしてその想像力は、後に公演に足を運んでくださる皆様との“共有”に繋がるわけです。

「ふじのくに野外芸術フェスタ」での『イナバとナバホの白兎』は、パリでの世界初演に先駆けてのプレ上演となります。
舞台はお客様がいて初めて成立するものです。
僕はたちは手探りで作品を作りやがて公演を迎えるわけですが、特に今回駿府城公園での公演で、お客様と作品を共有した時にどんなものが生まれるかを大切にしたいと思っております。
多くの方にご覧頂けたら嬉しいです、心よりお待ちしております。

今回はこの辺で。
次回はもう少し稽古の中身に踏み込んで書きたいと思います。

横山央

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ふじのくに野外芸術フェスタ2016
フランス国立ケ・ブランリー美術館開館10周年記念委嘱作品
『イナバとナバホの白兎』
5/2(月)~5(木・祝)
駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
◆公演の詳細はこちら
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