ブログ

2014年2月7日

真夜2014【9】 出演者インタビュー 年の精:森山冬子

真夏の夜の夢』の出演者インタビュー、
第2回は「知られざる森」に住む妖精「年の精」を演じる森山冬子です。

森山冬子
年の精:森山冬子(もりやま ふゆこ)
京都府出身 O型

–森山さんが演じる「年の精」というのはどのような存在ですか。
『真夏の夜の夢』の作品の中では、「年のせい」という言葉が出てくるので、それにひっかけて森に棲む妖精のひとりに「年の精」がいます。
恋人たちの移り気な恋心は「若さのせい」、物忘れは「年老いたせい」と、 「年のせい」というキーワードは作品の中で、老若どちらの意味でも使われています。なので、自分が演じる「年の精」は、場面によって幼くなったり、年老いたりと、自分の年齢を自由に操れるような妖精としています。
年の精の外見的な特徴としては、大きなカタツムリの殻みたいなものを背負っています。衣裳をデザインした駒井さんの中に、年の精はこれを背負って老人みたいに歩くというイメージがあったそうです。そのアイデアも活かそうと思い、基本は子供のようにちょこまか動く妖精でありながら、時に年老いた存在にもなるということにしてみました。

森山2014_1
<知られざる森の妖精たち 中央が年の精>

それに加えて、年の精は、こどもや小動物のように、いろいろなものを、いつも口に運んでもぐもぐしている食いしん坊な妖精です。年の精には、物語の終盤で、悪魔メフィストフェレスの正体を明かす大事な長台詞もあるんですけれども、それとは別にいろいろなところでちょこまかしている動きも、観客のみなさんの目の端に入れていただけたらうれしいです。

–妖精の皆さんは、近くで見ると本当に細かい動きがたくさんありますよね。
そうですね。怖くなったら震えるとか、パニックになったら回り出すとかに始まり、本当にいろいろな動きをしています。妖精にも「耳が悪い精」とか「あたしの精」とかと、いろんな妖精がいるので、人間十人十色のように、それぞれの妖精で性格や特徴が違います。そして妖精なので、あんまり生身の人間には見えない動きをみんなで工夫しています。

–『真夏の夜の夢』の中で一番好きな台詞、一番好きなシーンを教えてください。

一番好きなセリフは、悪魔メフィストフェレスの最初の独白です。

〜〜〜〜
世界の終わりとか世紀末、軽々しくこの世を呪う声、
そいつが大きくなってくると、メフィストフェレス、俺の出番だ。
たとえば船が荒海にのりだし、大揺れし、気分が悪く、もどしたくなる。
陸は見えない、戻れない、吐き気はつのる。
思わず思う。いっそ、船ごと沈んでしまえ。
コトバにならず呑んだコトバが、俺様に届く。
そこでメフィスト、俺の出番だ。
お望み通り、船を沈めてしまう。
とりわけ、恋に狂った若者の願いは、俺の大好物。
この苦しみ、このせつなさ、いっそ世界も終わってしまえ。
呑みこんだコトバが俺に願ってくれるからな。
〜〜〜〜

この「とりわけ、恋に狂った若者の願いは、俺の大好物。この苦しみ、このせつなさ、いっそ世界も終わってしまえ。呑みこんだコトバが俺に願ってくれるからな。」という言葉が何回聞いても好きです。「この苦しみ、このせつなさ」は恋をしている人なら誰でも通る道で、こういう気持ちはとてもよく分かります。
本番では、この台詞の後ですぐに楽器の演奏をしなくてはならないので、いつも指揮者を見ながら、緊張してかまえているんですが、それでもこの台詞を聞くと、毎回キュンとしてしまうんです。またメフィストを演じる渡辺敬彦さんのこの台詞の言い方も大好きで、なんて素敵な言葉なんだろうと思います。

森山2014_2
<メフィストフェレス(渡辺敬彦)と年の精(森山冬子)>

そして、好きなシーンというと、なんといっても冒頭の場面です。

〜〜〜〜
そぼろ:不思議なことが起こると、それは夜のせいだとか、
夏のせいだとか、ああ、きっと気のせいだろうってやりすごして、
何も見なかったことになって、ただの夢を見ていたことになって、
でも、覚えておくのよ、不思議なことは気のせいではないの。
妖精A:じゃあ、なんだい?
そぼろ:木の精のしわざ。
妖精B:木の精って?
そぼろ:森に棲む妖精よ。夜の精も夏の精も木の精も、
みんな森に棲んでる。
妖精A:どうして知ってるんだい?
そぼろ:真夏の夜の森に迷いこんだことがあるのよ、あたし。
……
〜〜〜〜

「気のせい」と「木の精」をかける劇作家・野田さんの言葉の面白さとその感覚に、「そうだよね」と思えて、すごく気づかされるシーンなんです。このシーンで私は妖精Aをやっていますが、練習や本番で何回やっても、常にいろいろな発見があって、新しい気持ちになれるんです。このテキストを読んでいるだけでも、頭の中でどんどん森が広がっていく感じがします。本当にどこか上の世界から降りてきた詩のように美しい言葉だと思います。

森山2014_3

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

出演者インタビュー第2回、いかがでしたでしょうか。

SPACでは、毎公演後、出演俳優とお客様が直接交流できる
「カフェ・シンデレラで逢いましょう」を開催しています。
舞台を終えたばかりの俳優に、直接感想を伝えたり、質問をしたり、
観劇の思い出に一緒に写真を撮ったりできる場です。
ご観劇の際は、是非こちらにもお立ち寄りください。

真夜2014ブログでは、読者のみなさんからも
『真夏の夜の夢』出演俳優へのご質問を大募集しています。
あの俳優にこんなことを聞いてみたいという質問がございましたら、
是非お寄せください!

応募先はこちら↓
mailあっとspac.or.jp ※【あっと】は【@】にかえてください。

件名を【真夜ブログインタビュー質問】とし、
質問内容と誰への質問かを明記して、お送りください。

ご応募お待ちしております!!