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2016年6月27日

<役者おくぬ~日記>劇的舞踊『ラ・バヤデール―幻の国』世界初演!

ご無沙汰です。
久しぶりのおくぬー日記になってしまいましたが
2014年以降、スイスと日本を行き来する生活を送ることになってから
おくぬ〜日記もちょっとごぶさたしてしまい申し訳ありませんでした。

2014年の衝撃的な舞台だった劇的舞踊「カルメン」以来、
新潟市のレジデンシャルダンスカンパニーNoismさんとの共同作業は
私自身とても刺激的で多くの収穫と成果をもたらしてくれたと思いますが、
今回の劇的舞踊ラ・バヤデールは、SPACからは貴島さんとたきいさんも参加しての
豪華版。

三人とも並々ならぬ覚悟を持って
新潟入りさせていただきました。

今回はベースに同名のバレエの名作があり、
演劇界の重鎮劇作家の平田オリザさんの翻案した戯曲があり、
そこへ宮前義之さんを中心としたチームISSEY MIYAKEの方々、
その気になったら劇場丸ごと設計できちゃう気鋭の建築家の田根剛さんの空間
カルメンの時からユニークな家具が印象的だった近藤正樹さんの木工美術、
大学時代は宮城さんと同級生だったという笠松泰洋さんの音楽、

それら才能あるクリエイターさんたちの作品と関わる出演者一同の表現を
日々昇華させるために腐心する穣さんのもと、
苦労を厭わないいつもの照明、音響、舞台スタッフの皆さん、

特に東京から来られるチーム宮前の衣裳の作業ついては、
みなさん穏やかな方々なのですが、当然みなさんスペシャリストで、
役割分担がきっちり出来ており、
手際よく問題を解決しながら完成度を上げていく集団作業の凄みを感じられました。

今回はNoism1のメンバーさんたちが集団作業で振り付けを生み出すプロセスも
とても興味深く拝見できた。
シーンから連想される言葉を出し合い、一つ一つの言葉をテーマに
一人一人のダンサーさんが振りつけを発表し、
穣さんが構成していくのであるが、
そんな気の遠くなる作業を根気よく続け、
多くの犠牲の上に成り立っている選りすぐられた振り付けは
他の追随を許さない内容のダンスだと言える。

とりわけ今回は静かな演劇の平田オリザさんが初めて取り組む舞踊戯曲、
演劇界の巨匠の紡ぎだしたセリフが鍛え抜かれたダンサーさんの肉体によって
発話しないながらも雄弁にセリフを語りだすのですが、

演出家金森穣によって抽出された才能の結晶のような作品として仕上がった
今回の劇的舞踊『ラ・バヤデール―幻の国』
世界初演となった新潟公演には
連日大勢のお客様が詰めかけて下さり、
終演後のカーテンコールは
熱狂的に受け入れてくださいました。

ヒロインの踊り子ミラン役の佐和子さん、騎兵隊長バートル役の賢さんはじめ、
カルメンでご一緒したダンサーさん達も、前作とは全く違う表現が見られ、
共演させていただきながら豊かな表現力に毎回正直驚かされました。

初日は平田さんはじめ、クリエイターのみなさまも勢ぞろいして下さり、
賑やかな世界初演となりました。

そんな空前のスケールの作品が、7月、
国内4箇所をまわります。
http://labayadere.noism.jp/

7/23・24は静岡公演が待っています。
是非お誘い合わせの上、お越しくださいませ。
ご来場をお待ちしております。

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Noism劇的舞踊 vol.3  
ラ・バヤデール―幻の国

7月23日(土) 18:30
7月24日(日) 16:30
日本語上演/英語字幕(ポータブル字幕機あり/要予約)
会場:静岡芸術劇場
詳細はこちら
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