2017年7月11日

アヴィニョン法王庁日記(5) 2017年7月1日 仕込み三日目

SPAC文芸部 横山義志

スタッフはお昼頃から作業。俳優は1730入り、楽器・小道具セッティング。18時過ぎからトレーニング。興味津々のフランス人撮影クルー。今日は18:30から声出し可。法王庁に俳優たちの太い声が響く。

18:30~20:00サウンドチェック。
20:00~21:00演奏稽古。
21:00~21:30全体稽古。
21:30-23:00照明フォーカス。
23:00-午前3:30全体稽古。

日没が遅いので照明の作業時間が限られていて、稽古はやはり深夜に。30メートルの壁に影をきれいにうつすための試行錯誤も。稽古に入っても、俳優の動きに合わせた明かりの調整に苦心。今日の天気予報によれば、気温は25度~16度。この時期にしては肌寒い。午前1時を過ぎるとどんどん寒くなる。水の中で動かずに明かり合わせを待つ俳優たちは、かなりしんどいらしい。水から上がって、足踏みしながら待つ姿も。

壁に字幕を出してみると、影を出す場面では壁を明るくしなければならず、読みにくくなってしまって悩ましい。明かりが決まってから調整するほかない。

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フランス語字幕の他、メガネ方式で英語・アラビア語字幕も作成している。フランス語字幕は『イナバとナバホの白兎』ケ・ブランリー美術館(パリ)公演につづいて、村上春樹の翻訳などで知られるコリーヌ・アトランさんが作ってくださった。英語は2004年のギリシャ・デルフィー公演のために、私がアメリカ人の友人と作ったものがふたたび使われることに。アラビア語字幕は、日本の小説などを手がけているシリア系フランス人の編集者の手によるものだという。

英語とフランス語の他にアラビア語が選ばれたのは、アヴィニョン市内にアラビア語を母語とする住民が少なくないこともあるという。フランスにはアルジェリアなどアラビア語圏北アフリカの旧植民地からの移民が多いため、アラビア語は二番目に多くの人が話している言語でもある。アヴィニョン演劇祭ディレクターのオリヴィエ・ピィさんはお父さんがアルジェリア生まれのピエ・ノワール(北アフリカ植民地に住んでいたフランス人)で、北アフリカへの関心も高い。この『アンティゴネ』上演が、フランスが抱えている分断へのメッセージともなることを期待してくれているのかも知れない。
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
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