2018年3月5日

<シリーズ ミヤギ能の軌跡 #4> 公演も後場/【豆知識】「シテ」「ワキ」「ツレ」

菜の花や梅の蕾もほころびはじめ、日も伸びてきて、春を感じる季節になりました。
稽古が始まった初冬、零下17度の1月のニューヨーク公演からあっという間ではありましたが、季節も春へ移り変わり、ミヤギ能『オセロー 〜夢幻の愛〜』(以下、『オセロー』)の公演期間もついにあと1週間、一般公演もあと1回です。

そこで……『オセロー』の見どころを写真で振り返ってみます。
 
前説2
 前説を行う宮城

この『オセロー』は、一般公演でも宮城が前説を行っています。*2/18(日)の公演からです。
もちろん、プレトークもありますが、それぞれがぞれぞれの切り口で『オセロー』の魅力をお伝えします!
 
 
前場2
 前場での一コマ/左から片岡佐知子(ツレ)、桜内結う(ツレ)、寺内亜矢子(ツレ)、本多麻紀(ワキ)

前場は、サイプラス(キプロス)島を訪れた旅の僧(ワキ)の登場から始まります。ヴェネチアとトルコが領土を争ったキプロス島の悲しい話を、島の女性たち(シテとツレ)から聞くことになります。シテとツレによる舞のシーンはとてもキレイです!
 
 
間狂言2
 間狂言での一コマ/左:大道無門優也(イアーゴ役)、右:加藤幸夫(ロダリーゴ役)

間狂言で語られるのは、オセローの物語です。
上の写真は、イアーゴがオセローを陥れるためにロダリーゴを言葉巧みに唆しているシーンです。ここから悲劇が大きくなっていくのですが、まんまと利用されてしまうロダリーゴの抜けた様が際立っています。
このシーンは、奥でオセロー(阿部一徳)とキャシオー(大内米治)らの会議が行われています。そこでの俳優の動きにもご注目いただきたいです。
 
 
地謡2
 後場での一コマ/前列手前から鈴木陽代、森山冬子、布施安寿香、木内琴子、関根淳子、
 後列手前から三島景太、大道無門優也、阿部一徳、吉植荘一郎

後場は、シテのデズデモーナを中心にして動きこそ多くありませんが、見応えも聴き応えも十二分にあります。デズデモーナの最後の言葉、鳴り響く音楽、一瞬のブレイクの中で発せられるワキと地謡による最後の一言。これは是非、聞いて欲しいです。
 
 
前場や後場のシーン紹介では人物名だけではなく、役として「シテ」などと書きましたが、これは能の役です。今回の豆知識は、そんな役の種類についてです。
 

【ミヤギ能豆知識 vol.4 「シテ」「ワキ」「ツレ」】
「シテ」は主人公です。「シテ」が演じる役柄は、人間だけでなく霊や鬼などの空想の存在など様々です。前場のシテを「前シテ」、後場のシテを「後シテ」と呼び、前場と後場で異なる役柄を演じる場合もありますが、どちらも同じ役者が演じます。『オセロー』では、美加理が演じるサイプラスの女性(幽霊)が「前シテ」、デズデモーナが「後シテ」です。白い着物を着ています。

 
 
シテ2
 シテ:美加理

「ワキ」は脇役のことですが、「シテ」と対話し物語を進める重要な役割を担っています。僧や武士など、現実に生きている大人の男性の役になります。『オセロー』では、本多麻紀が演じる旅の僧が「ツレ」です。笠を身につけています。

ワキ2
 ワキ:本多麻紀

「ツレ」は、「シテ」や「ワキ」に連れられて登場する人物のことです。「シテ」に連れられている場合は「ツレ」、「ワキ」に連れられている場合は「ワキツレ」と呼びます。『オセロー』では、歌いながら登場する片岡佐知子、桜内ゆう、寺内亜矢子が演じる女性たちが「ツレ」です。スカーフを身につけています。
 
 
ツレ2
 ツレ:左から桜内結う、寺内亜矢子、片岡佐知子
 
ここには載せきれない”イイ”シーンもたくさんあります!
最後の公演、どうぞ楽しみにしていてください!
 

カーテンコール2
 カーテンコール/前左から関根淳子、木内琴子、布施安寿香、森山冬子、鈴木陽代、
 吉植荘一郎、大内米治、阿部一徳、大道無門優也、三島景太、本多麻紀、後左から加藤幸夫、寺内亜矢子

 
最終日3/11(日)の公演では、カフェシンデレラにて、静岡出身の高校生バリスタ「山本紘彰」さんが特別出店されます。『オセロー』の物語に沿う豆を選んでくださっていますので、バリスタによるハンドドリップコーヒーにご期待下さい!
山本さんのブログはこちら

 
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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯4
ミヤギ能 『オセロー ~夢幻の愛~
2018年2月11日(日)、18日(日)、24日(土)、25日(日)
3月3日(土)、4日(日)、11日(日)
各日14:00開演 ★2月24日(土)のみ18:00開演
演出:宮城聰 
原作:ウィリアム・シェイクスピア (小田島雄志訳による)
謡曲台本:平川祐弘
出演:阿部一徳、美加理、大内米治、片岡佐知子、加藤幸夫、木内琴子、桜内結う、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、寺内亜矢子、布施安寿香、本多麻紀、三島景太、森山冬子、吉植荘一郎
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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