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2018年10月3日

『授業』ブログ~【レッスン5】舞台裏はナンセンスではなくハイセンス!! vol.2~

こんにちは!
前回に引き続き、昭和音楽大学からインターンでやってまいりました、杉山悠里がお送りします。
今回も『授業』の舞台裏で活躍するプロフェッショナルな皆様をご紹介いたします。
お付き合いよろしくお願いいたします!

まずは舞台監督内野彰子さん

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▲ 操作卓で全体の指揮をとりながら、舞台機構を操作する内野さん

―今回の注目ポイントを教えてください。
(内野) 具体的には語りつくせないのですが、すごいものができてるぞと感じています。演出家の西さんを中心として、それぞれのスタッフがそれぞれ最高の力を出して最高のものに向かっているのが手に取るように分かるのが私の喜びですね。今回のチームは最低限度の人数しかおらず、そのせいもあって、全員が本当に120%の力を振り絞ってやっているんです。私はそんな全員の安全と成功を祈って日々見守っていますが、皆様にもこのカンパニーの底力を見てほしいですね。1人1人が本当にすごいんですよ。

―私も取材させていただく中で皆さんのこだわりや努力に触れて、尊敬の毎日です。
 今回、とある舞台機構が動くシーンがありますが。

(内野) もちろん動かない時に比べて危険度は上がりますし、事故は大事故につながります。今回のようなものを使用する際には特にですね。そういう意味では、常に緊張感をもってやっています。自分が動かす時もドキドキしちゃいますね。

ほんわか暖かな雰囲気を持った内野さん。
舞台監督として全員を見守りまとめる立場だからこそ、常に1人1人への尊敬を忘れない。素敵です。
『授業』で使われる舞台機構とはいったいどんなものなのか?ぜひ劇場でお確かめを!!

 
続きまして照明デザイン大迫浩二さん

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▲ プランと実際の明かりを確認する大迫さん

―今回の注目ポイントを教えてください。
(大迫) 今回の作品では、照明が具体的に何かを表現するといったことはほとんどありません。しかし、「いかにも照明やってます!」というようなシーンではなくとも、じんわり照明が変わるシーンがいくつもありますので、もし気づいてもらえたら嬉しいですね。各場面でいつの間にか少し雰囲気が変わっていたりしますので。そこに立った俳優さんの演技にスッと目が行くのを手助けできるようにしています。

―確かに、明かりがシンプルだからこそ俳優さんの演技に集中できる面もありますね。
 じんわり変化とおっしゃいましたが、その変化の中にもこだわりはあるんでしょうか。

(大迫) そうですね。今回色らしい色を使うシーンは少ないんですが、その中で多く出てくる、いわゆる「白色」の明かり。実は1種類だけじゃないんです。照明機材は明るさを落とすと明かりの色はオレンジっぽくなってしまうのですが、そこにごく淡い青色のフィルターを足してあげることで蛍光灯のような青白い明かりにすることができます。そのフィルターを入れた明かりと入れていない明かりの明るさと色味のバランスを調節して細かな雰囲気の変化に努めています。

どんな質問にも笑顔で真摯に答えてくださった大迫さん。
実は写真を撮る際にも気を遣って照明を調整してくださり…優しい!

 
最後に音響チーム右田聡一郎さん澤田百希乃さん

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▲ 奥から右田さん、澤田さん。音響卓操作中…

―今回の注目ポイントを教えてください。
(澤田) 今回右田さんがBGMの編集をご担当し、私が実際にフェーダーを握り本番で音を出しています。BGMをもとの音源のままに出してしまうと、大きな音を必要とする舞台空間では耳にキンキン響いてしまうことがあります。しかしそこに手を加えることによって、大きな音でも耳なじみの良いものになったり、曲の雰囲気がガラッと変わったりするんです。そこは経験豊富な右田さんが。注目してほしいというべきかは分からないのですが、自然に聞けているのはそういう調整あってこそということですね。私は右田さんが作ってくれた音を、実際に舞台が進行していく中でタイミングを取って出している、といった形ですね。
(右田) そのとおりですね。ここまで僕が言ったということにしておいてください(笑)あと、今回は澤田さんのオペレーションでBGMをがっつり出しています。「これぞ音響!」という感じがあって、僕たちが仕事をしているのが分かりやすいと思うんです。だから特に若い世代の皆様が僕たち音響の仕事に興味を持つきっかけになってくれればうれしいですね。将来的には一緒に仕事しましょう!

―仲間を大募集中だと(笑)
 それにしても、私たちが何気なく聞いている音にも細かい仕事が隠れているんですね。
 音の編集で苦労した部分は具体的にどんなところでしょうか。

(右田) 今回演出家の西さんが揃えてくれた音源は年代がバラバラなものでした。年代が違うと、曲の感じや音質、その曲を再生する手段まで違うので、そのまま使っては違和感が生じてしまいます。それを現代に揃えなくちゃならないというところは難しいところですね。

和気あいあいといった感じのお2人。チームワークはばっちりです。
右田さんは今年SPACに来るまでなんとニューヨークでお仕事されていたそう。す、すごい…

 
今回は舞台監督の内野彰子さん、照明の大迫浩二さん、音響の右田聡一郎さんと澤田百希乃さんでした。
舞台は一期一会です。
皆様お見逃しの無きよう、よろしくお願いいたします!

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 ♯1
授業
2018年10月6日(土)、7日(日)、8日(月・祝)、13日(土)★、
20日(土)、21日(日)、28日(日)
各日14:00開演 ★13日(土)のみ16:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:西 悟志 共同演出:菊川朝子
作:ウジェーヌ・イヨネスコ
翻訳: 安堂信也、木村光一
出演:貴島豪、野口俊丞、布施安寿香、渡辺敬彦
照明デザイン:大迫浩二
美術デザイン:香坂奈奈
衣裳デザイン:駒井友美子
*詳細はコチラ
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