2018年11月23日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(6)公開ゲネ(最終通し稽古)

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月18日(日)

技術スタッフは朝9時入り、俳優は13時半からトレーニング。

今日はゲネ(最終通し稽古)。ふつうは内部での最終チェックの場だが、「内部」のラ・ヴィレットのスタッフだけでも200人近く、その家族を含めて400人くらい来てくれるとのこと。さらに先月まで『顕れ』を上演していたパリのコリーヌ国立劇場のスタッフも50人近くといい、シルク・プリュム(ラ・ヴィレットで公演中のサーカス団)など、「関係者」だけで800人以上来ることに・・・。925席とのことなので、8割以上の入り。

ゲネの客席

そのなかで、ラ・ヴィレット側のご提案で、ふだん劇場になかなか来ることができない方々に、舞台を見ていただく機会を提供するために、難民支援のアソシエーションを通じて、難民としてフランスにいらした近隣の方々をご招待することになっていた。20人くらいの若いアフリカ系の方々が来てくれた。

私の隣に座っていた20歳前後のアフリカ系の女性は、ダマヤンティー姫とナラ王の夫婦が四年の歳月を経て再会し、ふたたび平和が訪れた、という場面で、マスカラが落ちるくらいに涙を流していた。賭けに敗れたナラ王は国を追われ、ダマヤンティー姫と森に入る。だがナラ王はダマヤンティー姫を置いて去ってしまう。ダマヤンティー姫が森のなかで虎や象や大蛇に出会いながら、命からがら自分を受け入れてくれる国にたどりつく、という物語を、この女性はかなり実感をもって受けとめてくれたのだろう。「来てくれてありがとう」と声をかけたら、とてもいい笑顔で「メルシー!」と返してくれた。

今夜の客席には何人ものダマヤンティーやナラがいたのだ、と気づかされた。
 

終演後にはフランソワーズ・ニッセン元文化大臣を囲んで、ちょっとしたレセプション。ラ・ヴィレットの方によれば、このレセプションルームはつい先週ここで開かれていた「パリ平和フォーラム」で60カ国以上の首脳が使っていたという。この場所で世界中の市民が各国首脳に世界平和実現のための提案をしていたかと思うと、感慨深い。

 
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『マハーバーラタ』(ラ・ヴィレットのウェブサイトへリンク)
https://lavillette.com/programmation/satoshi-miyagi_e20

『マハーバーラタ』フランス公演(SPACウェブサイト内)
http://spac.or.jp/mahabharata_japonismes2018.html

ジャポニスム2018参加企画 ふじのくに魅力発信事業(SPACウェブサイト内/日仏併記)
静岡県は、ジャポニスム2018公式企画に選定されたSPACの『マハーバーラタ』公演を活用し、公演期間である2018年11月19日から11月25日の間、「Mt. FUJI × TOKAIDO(富士山と東海道)」をテーマに、パリ市内で静岡県の魅力を世界に向けて発信するさまざまな事業を展開します。
http://spac.or.jp/news/?p=14636
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SPAC海外ツアーブログ
アヴィニョン演劇祭参加の記:2014年『マハーバーラタ』『室内』上演記録
アヴィニョン法王庁日記  :2017年『アンティゴネ』上演記録
『顕れ』パリ日記2018 :宮城聰最新作『顕れ』上演記録
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