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2011年6月1日

真夏の夜の噂...⑲ 俳優:若宮羊市さん談

 いよいよ、『真夏の夜の夢』の公演まであと3日となりました。今日は字幕のオペレーターさんがSPACに到着。『真夏の夜の夢』では英語字幕を流します。

 

ではブログ・真夏の夜の噂...第19回目の今回は俳優の若宮羊市(わかみや よういち)さんにお話を聞いてみましょう。

 

IMG_0922_のぞく若宮さん

[ 近年のSPAC出演作品:『ふたりの女〜唐版葵上〜』(2009)患者役、『ドン・ファン』(2009・2011)キリスト、ガルシア、シャクレ役、『夜叉ヶ池』(2009)伝吉役、『ペール・ギュント』(2010)トルムペーターストローレ役他、『王女メデイア』(2010)コロス ]

 

Q.自分の役について教えてください。

僕の役は「耳が悪い精」。衣裳のあちこちに耳がついているんです。耳って左右で一対だから相方の佐藤ゆずさんと左右対称の衣裳になっています。衣裳が素敵すぎて、かわいすぎて、外を歩くのはちょっと恥ずかしいくらい(笑)

お客さんには何やら人間とは別の不思議な生き物が「真夏の夜の森」にいたっていう印象を持ってもらえるように作りたいですね。

Q.野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。

野田さんの『真夏の夜の夢』では、最後に全てを了解できる場面があるんです。それを読んで、ああ野田さんはこれがやりたかったのかな、そのためにシェイクスピアの作品を利用したのかなと感じた。野田さんが呑んできた言葉があって、それをシェイクスピアの「夏の夜の夢」の上に吐き出した、足し算で出来上がっている作品という印象を受けましたね。

Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。

「言葉を失う薬」はどうでしょう。その薬を飲むと話せなくなる。そうすれば言葉に惑わされなくなるし、言葉ではない何かがはっきりと伝わるのではないでしょうか。感じていることは実際、言葉以外のところに素直に出るような気がしています。言葉がないなら伝えることにもっとエネルギーを注がなければならない。この薬を飲んだら手話や筆談も出来ません。ラブレターも遠距離恋愛もなしになりますね。言葉によって、どこにいても繋がっている、という幻想を共有することは可能かも知れないけど、本当のことは手に触れられる範囲にあるかも知れないと思います。言葉を奪われると必然的に近くに行かなければならない。視界の範囲、触れられる範囲に。言葉というものを取っ払うとどうなるか、見てみたいですね。

 

水泳が好きな若宮さん。『真夏の夜の夢』の舞台で意外にも泳ぐための筋力が生かされています!若宮さんならではの個性的な妖精をお楽しみに!