2008年8月2日

ロビンソンとクルーソー 帰還!

Filed under: スタッフ便り

本日、韓国で稽古を重ねてきた『ロビンソンとクルーソー』の出演者、三島景太と仲谷智邦が帰国しました!成田空港から静岡芸術劇場に直行、早速、動きをチェックしながら静岡で製作した舞台美術や道具類の確認をしています。明日からの稽古で、彼らの演技を見ることをが出来るのが、スタッフの楽しみでもあります!


2008年7月31日

SPAC親と子の演劇教室(その1) 今年の夏もスタート!

Filed under: スタッフ便り

 今年も7月22日よりSPAC親と子の演劇教室が始まりました。この「SPAC親と子の演劇教室」は学校教育の中では触れることのできない演劇の面白さ、奥深さを親子で体験してもらうこと目的とし、2007年7月から始まった事業です。 今年は、県内全域から中学1年生から高校2年生までの40人の参加者が集まりました。参加者のみなさんにはこれから約1ヶ月間「からだ」と「こえ」を使ったさまざまなプログラムに参加し、その成果として『オズの魔法つかい』を8月17日に発表会という形で広く公開します。   

 さて、稽古がはじまってから、すでに約一週間が経ちました。 その間に、呼吸、発声、スズキメソッドなど「舞台に立つからだ」になるための基礎訓練から、台本読みやダンス、卵型シェーカーの演奏までさまざまなことに挑戦してきました。 その様子をこれからご紹介していきたいと思います。   

 まず、稽古のはじめに行う呼吸の訓練の一つに通称「ホー」というものがあります。みんなで輪になってあぐらで座り、「ホー」と腹式呼吸で発声するのです。このとき、自分の吐く息や声、エネルギーを自分と向かい合って対角線上に座っている友達に向って送ります。そして、だんだん大きくしていったり、小さくしていったりします。これを、参加者全員が意識を集中して行うと、稽古場であるリハーサル室全体の空気がぐっと変わり、とても張り詰めた、エネルギーに満ちた空間になります。    

   

 つぎに、参加者は重心を意識することに取り組みました。自分の前に誰かがいるという意識を持って立つことを念頭に置きながら、重心を移動する。はじめは中々慣れず、前方向に意識を保てなかったり、ふらふらしてしまう子もいましたが、だんだんと自分の重心がわかるようになってきました。 そして、スズキメソッドに挑戦。SPAC俳優による見本を見た後、「えーあんなのできない」なんて不安だった参加者たちも、毎日頑張って取り組んでいます。みんな頑張っている分、成長が早いので、訓練の内容も少しずつレベルアップしてきています。       

     

これから参加者のからだとこえがどんな風に変わっていくのか、そしてどんな『オズの魔法つかい』ができあがるのか、今からとても楽しみです。                

    


ロビンソンとクルーソー 稽古場便り その3

Filed under: スタッフ便り

『ロビンソンとクルーソー』の公演も間もなく!韓国で稽古をしている俳優たちの稽古も大詰めです。

静岡に帰ってくる前に、韓国、密陽(ミリャン)で試演会が行われます。舞台装置は静岡でスタッフが制作していますが、これまでの稽古の成果を韓国のお客様の前で披露します。芸術総監督・宮城もミリャンに駆けつけます。俳優たちはドキドキのことでしょう。そんなドキドキの俳優から稽古場日記が届きました!

★★★★

ミリャンでの試演会の日が決まりました!

8月1日の午後7時半(昼になる可能性も)から青少年修練館(1階が劇場)という所でやります。

稽古の方は…順調なのかなぁ?ユンテクさんが観に来る度に変更・変更・また変更で対応するのに追われています。

韓国での稽古も残りあとわずか!体は重いが、気持ちは軽く…果たして韓国ではどんな反応が得られるのか?結果はまた……

以上、仲谷がお伝えしました。

★★★★

結果、楽しみにしています!


2008年7月22日

ロビンソンとクルーソー 稽古場便り~その2

Filed under: スタッフ便り

韓国で猛稽古中の俳優・仲谷から稽古場便りが届きました。
ミリャンからソウルに移動しての稽古は、なかなか充実したものだったようです。

仲谷からの稽古場便りの中にも書いてありますが、今回の『ロビンソンとクルーソー』は韓国人役がダブルキャストなのです。
7日・8日公演はキム・ミスクさんが、9日以降は仲谷が演じます。
キム・ミスクさんという女優さんは、昨年の「Shizuoka 春の芸術祭2007」でイ・ユンテクさん演出の『肝っ玉おっ母とその子供たち』で主役の「肝っ玉おっ母」を演じた人で、素晴らしい演技と歌声で日本の観衆を魅了した人です。
昨年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』を見逃したという人は、今回はぜひ彼女の演技をご覧いただきたいと思います。

7月20日より、いよいよ『ロビンソンとクルーソー』のチケット前売りが開始いたしました。
チケット予約はお早めに!

★★★★★★★★★★

17日からソウルに移動して稽古!とても狭い稽古場で動きが制限され苦労したけど、充実した稽古が出来たなと感じます。特に20・21日には、宮城芸術総監督と共演した事もあるチョン・ドンスクさんが来てみっちり稽古を観てくれました。日本と韓国の動きの違いをはっきりさせる事を重点的に、何度も何度も繰り返し動きだけの稽古をしました。正直、疲れました…でも、ドンスクさんから得るものは多く、動きだけでなく心の解放(とにかく楽しく)もアドバイスしてくれ、面白い作品が出来る手応えを感じました。これでまたミリャンに戻り、詰めの稽古になっていくと思います。
ミリャン・夏演劇祭も始まり益々活気づく地で、しっかりエネルギーをもらい、日本の皆さんに「ロビンソンとクルーソー」を届けたいと思います。

以上、仲谷がお伝えしました!

P.S.ダブルキャストの韓国人役、キム・ミスクさん(7・8日出演)Ver.と仲谷Ver.の2回を是非観比べて頂けると幸いです。


2008年7月17日

ロビンソンとクルーソー 稽古場便り

Filed under: スタッフ便り

 8月7日~15日にかけて上演されるSPAC小さいおとなと大きなこどものための夏休みシアター『ロビンソンとクルーソー [1]』。

この作品は、韓国を代表する演出家イ・ユンテクさんが、SPAC俳優を演出するという日韓共同作品です。

現在SPAC俳優2名三島景太と仲谷智邦がイ・ユンテクさんの劇団の拠点である韓国の密陽(ミリャン)に行って稽古を行っています。

たったふたりで、ことばもわからない異国の地で稽古に励む俳優から稽古便りが届きました!

彼らの奮闘は、まさにことばや文化を超えてお互いに分かり合おうとする『ロビンソンとクルーソー』のふたりのようです。以下、仲谷からの稽古場便りです。みなさん、本番もお楽しみに!

★★★★★★★★★★

稽古が始まって1週間。

ここの演劇村は、廃校になった学校に4つの劇場があり、富山県の利賀村(前芸術総監督鈴木忠志の劇団SCOTの拠点)によく似ている感じがします。僕達は、ブレヒト劇場と言って小さな劇場で稽古しています。

12日には、昼間地元(?)のテレビ局が入り、稽古を撮影。インタビューでは、密陽(ミリャン)に来た理由や意味を聞かれました。

そして夕食後には演出家のユンテクさんが観に来て、通し稽古(装置や道具が揃ってないので完全ではないですが…)。稽古期間等々を考慮され、まずまずの評価は頂けたのではと思います。これからは、より日本人と韓国人の違いを出すべく動きを集中的に稽古していこうと仰ってました。。

韓国人役の僕はハングル語はもちろん、身体の使い方・リズムが違う(日本人は2拍子、韓国人は3拍子らしいですよ)ので苦労しています。コリペの女優キム・ミスクさんが自分の稽古の合間を縫って、指導してくれています。

本番まで1ヶ月切っているけど、残り限られた時間で韓国の身体の使い方を習得出来る様に頑張っていこうと思います。

以上、韓国より仲谷が稽古状況をお伝えしました。

[1] http://spac.or.jp/08_summer/robicru.html


2008年7月13日

守番日記3 椎と孟宗竹~時間と空間の景色~

Filed under: スタッフ便り

 樹木は乾燥に耐えられなくなると枝枯れを起こす。それは、枯れてしまうのではなく、生きる術として自ら枝を枯らすのだそうだ。そのようにして全体の乾燥を抑え、一方では、水気を探して根を伸ばしていくというのである。 

 同じ生きる術にしても、大木と孟宗竹の地上での争いは凄まじい。

 里山が孟宗竹席捲の脅威に晒されているのは知っている。丈が高く密集する習性もあって、他の樹木への陽光を遮り、枯らしてしまうのだと考えていたが、内実はそんな方程式通りではなさそうだ。 

 大木は嵐の猛威を一身に受け止め、その力をもって纏わりつく軍団を叩きのめす武器にしているように思えてならない。

 というのは、侵入者の孟宗竹が勢いに任せ木々を飲み込みながら、梢の周囲の直径が二十メートルを優に超える椎や樫の大木に迫っている。この段階で大抵の自生の樹木は絶えてしまっているが、大木の周りでは、自身の傷つき枯れ落ちた太枝とともに、芯を止められ、葉をそぎ落とされ、根元もぐらぐらの無残な姿の孟宗竹が散乱している光景が一箇所や二箇所ではない。両者の攻め合いがいかほどのものであったか、あまりにも痛ましく唖然とさせられる。戦いは何としても未然に防ごう。 

 もう一つ大切なことを教えられた。椎や樫は強いだけで生き延び君臨しているのではない。自らも弱り枝葉を振るった分、陽光を地表に導き、根元に眠る種子の発芽を促している。

 既に、わが子だけでなく、アオキやヤブコウジ、隠れ蓑などの一族も芽生え、彼らも新しい集団をつくり始めている。  

 舞台芸術公園での話である。  


2008年6月22日

『ハルッの物語』(韓国)職場体験

Filed under: スタッフ便り

5月31日、6月1日の公演の劇団ティダ(韓国)による『ハルッの物語』に、静岡市立末広中学校の渡邊清楓さんが職場体験でスタッフとして参加しました。

5月28日(水)は、韓国から到着するティダのみなさんの宿舎などの受け入れ準備、29日、30日は舞台の仕込みの手伝い。本来は3日間の職場体験プログラムですが、31日、6月1日の本番日もスタッフとしてお客様を迎え、一緒に働くことができました。以下、渡邊さんの言葉です。

★★★★

職場体験をさせていただいて、もう毎日が夢のようでした。

私にとって演劇は「夢の世界」というイメージだったので、お客さんを一時だけ、現実からひっぱり出して、嫌なこともすべて忘れさせてくれるような夢を作ることにかかわることができて、本当に楽しかったです。

今回はTuida(ティダ)のみなさんにもかわいがってもらい、仕事も見学も沢山させてもらったのでじゅうじつした貴重な時間をすごすことができました。

役者の体験はできても、制作の体験ができることはありません。なので、この貴重な3日間は何よりも大切な経験で宝だと私は思います。

★★★★

渡邊さんは昨年の親と子の演劇教室プログラムの参加者で、今回学校の職場体験プログラムにSPACで、と申し込んでくれました。ちょうど子ども向けのファミリー劇場『ハルッの物語』の公演の週に、スタッフとして渡邊さんを受け入れることができたのは、私たちにとってもとても貴重な体験でした。


2008年5月24日

消された官僚を探して (2)

Filed under: スタッフ便り

公演日当日、時差は6時間、レバノンの朝9時、日本時間の15時からネットの3回線をつかってのリハーサルが始まりました。結局リハーサルは開演の1時間前までかかり、最後の最後まで技術の調整しながらの開演となりました。上演中は何回か回線が途切れることもありましたが、ラビァの肉声をつなげ続けることを目指し作品を上演しました。1度、ベイルートで停電が起こり、3回線すべてが落ちてしまうこともありましたが、この状況下でも必死にメッセージを伝えようとするラビァの執念に近い熱意に必死で耳を傾ける観客と、2時間にわたるパフォーマンスを遠いレバノンからPCの画面に向かってしゃべり続けるラビァの集中力が公演を成功に導きました。「不在」を扱ったこの作品で、私たちはその瞬間確かにラビァの「存在」を感じることができたのです。

終演後、ラビァからメールが来ました。「あなたがたのおかげで、私たちは、戦争というものに負けずにすみました。あなたがたのおかげで私たちは外に出ることができたのです、兵隊たちが私たちを檻の中に閉じ込めようとしているにもかかわらず。」
 
芸術を伝える魂は自由だと、ラビァが伝えてくれた特別な公演でした。  


世界とつながる窓 『消された官僚を探して』

Filed under: スタッフ便り

「Shizuoka春の芸術祭」2作品目となるレバノンのアーティスト・ラビァ・ムルエの『消された官僚を探して』。 

そのラビァから衝撃的なメールが入ったのは8日のことでした。

「お元気ですか?ビザは取れたのですが、状況は全くよくありません。内戦が始まったようです。すぐには終わらなそうな雰囲気です。空港はヒズボラのメンバーに占拠されて閉まっています。レバノン全体がヒズボラの捕虜になってしまいました。街で戦闘が始まりました。ベイルートは燃えています。」慌ててニュースを探してみたところ、確かに、反政府勢力ヒズボラが空港やそこに至る道を封鎖していて、ベイルートの街で戦闘が起き、死者が出ている、という報道がありました。18年前に終わった内戦以来、はじめての状況だそうです。

翌日には、ラビァが仕事をしている与党系のテレビ局もヒズボラに占拠され、放送が停止になった、というメールが来ました。ラビァと私たちスタッフとで連絡を取り合い、何度も現地の航空会社に問い合わせたりして、一時は飛行機が出そうだ、という話もあり、リスクは自分で負うので、道路が分断されてても空港まで歩いていく、とまで言ってくれたのですが、結局飛行機は飛ばないことがわかりました。今にして思うと、無理をしないでいてくれて本当によかった、と思います。ご存じのように、ベイルートでは激しい銃撃戦が繰り広げられ、今でもレバノン各地で小規模な戦闘が続いています。50人以上の方が命を落としたそうです。

ラビァは、そんな状況だからこそこの作品を上演する意義がある、といってくれたので、わたしたちも一緒に公演が実現できる道を探り、「インターネットのライブ映像通信による公演」という形にたどり着きました。(つづく)


2008年5月21日

守番日記 2千両(センリョウ)~手づくりの庭~

Filed under: スタッフ便り

守番の冬は忙しい。何せ厄介者の虫も、にょろにょろとしたものもいないのだから、勝って放題に伸びる蔓や藪の整理も気にならない。
 そう思って残してきたといえば手前勝手とお叱りもあろうが、園地作業は四季を通しそういう場所での自然との競争だ。
 根止めを施した茶畑際の竹林も、何年も手入れを怠ったので、孟宗も細竹に化してぎっしりと茂り、立ち枯れも出始めている。
 この一月は、兎に角傷んだものから取り除こうと夢中であった。作業が進む中で少しずつ竹林に空間も生じてくる。その瞬間の自然の対応は早い、暗い藪の中へさっと陽が差し込んできた。落葉も息づいているかのように、一枚いちまいが輪郭を見せてくる。“森は生きている”と思わず感動が走る。
 しかし、これだけで終わらなかったのが憎い。さすが舞台芸術公園というべきか。
 つやつやの青い葉の間に輝くような小さな紅色の実をつけた小木。葉は細く披針形で、丈が三十センチ程、紛れもなく百両(カラタチバナ)である。慎重に周囲の小枝を取り除くともう一本。園内に十両(ヤブコウジ)は珍しくないが百両には初めて出会った。嬉しい限りである。
 少し離れた箇所に万両も見つけた。全て鳥たちからの贈り物であろう。
 飴も鞭も、汗も涙も糧にしてほしい。やがてセンリョウも、いや千両役者も続々と出てくるに違いない。感謝。