ロミオとジュリエット

 


La Cité Bleueでの公演チラシ

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Teatro Malandro-Cité Bleue
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Teatro Malandro
Tel: + 41 22 347.46.88
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「SPAC秋のシーズン2012」公演時のポストカード

『ロミオとジュリエット』公演サイト(2012)
English page of “Romeo et Juliette” (2012)

[スイス・フランスツアー]

「SPAC秋のシーズン2012」で上演され絶賛された、SPAC‐静岡県舞台芸術センター、テアトロ・マランドロ共同制作作品『ロミオとジュリエット』(演出:オマール・ポラス)が、9月23日から12月19日までの約3ヶ月にわたりフランス国内6都市ならびにスイス国内4都市を巡演いたします。
かつてない<多国籍版『ロミオとジュリエット』>の初ヨーロッパ公演です。

構成・演出:オマール・ポラス
原作:ウィリアム・シェイクスピア
日本語訳:河合祥一郎
フランス語訳:フランソワ=ヴィクトル・ユゴー

出演:大内米治、貴島豪、武石守正、舘野百代、美加理、山本実幸、吉見亮、渡辺敬彦、アドリアン・ジギャクス、ピエール=イヴ・ル・ルアルン

※詳細は、テアトロ・マランドロのウェブサイトへ(仏語)

公演日程・会場

フランス6都市・スイス4都市

■9/23〜28
La Cité Bleue (ラ・シテ・ブルー)
〔ジュネーヴ/スイス〕

■10/2〜4
La Maison de la Culture de Bourges (ブールジュ文化の家)
〔ブールジュ/フランス〕

■10/8〜19
Le Théâtre 71, Scène National de Malakoff (マラコフ国立舞台 テアトル71)
〔マラコフ/フランス〕

■10/23
Le Théâtre du Crochetan (クロシュタン劇場)
〔モンテー/スイス〕

■11/8〜9
Le Théâtre de Corbeil (コルベイユ劇場)
〔コルベイユ・エソンヌ/フランス〕

■11/15〜16
CNCDC Châteauvallon (シャトーヴァロン国立文化創造発信センター)
〔シャトーヴァロン/フランス〕

■11/20〜22
Bonlieu Scène Nationale (ボンリユー国立舞台)
〔アヌシー/フランス〕

■11/27
Théâtre de Beausobre (ボーソブル劇場)
〔モルジュ/スイス〕

■11/29〜12/1
La Cité Bleue (ラ・シテ・ブルー)
〔ジュネーヴ/スイス〕

■12/5
Théâtre de Vevey (ヴヴェ劇場)
〔ヴェヴェイ/スイス〕

■12/7〜14
La Cité Bleue (ラ・シテ・ブルー)
〔ジュネーヴ/スイス〕

■12/18〜19
Comédie de Caen – Centre Dramatique National de Normandie (コメディ・ド・カーン/ノルマンディ国立演劇センター)
〔カーン/フランス〕

演出ノート(2012年初演時より)

シェイクスピア、東洋を行く
オマール・ポラス

 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』で見せつけられるのは、キャピュレット家とモンタギュー家という二つの家のあいだの絶え間ない憎しみの物語だ。この憎しみは世代から世代へと受け継がれ、もはやその由来を知るものすらいない。これは、私たちの時代に起きている内戦の状況ともちょっと似ている。この憎しみに唯一抵抗するのが、対立する家に生まれた若い二人、ロミオとジュリエットによる情熱的な恋だ。これはきわめてよく知られた恋物語だが、同時に、わずか五日間しか続かない、きわめて短い恋物語でもある。この恋は日曜日の華やかなパーティにはじまり、木曜日には運命の星の下で幕を閉じることになる。

 エリザベス朝式の舞台に浮世絵や屏風も取り入れ、古いヨーロッパと日出ずる国の二つの文明が結びあわされた舞台装置は、この壮大な家族のドラマを理解するために作り出されたものである。シェイクスピアの時代のエリザベス朝式劇場は、世界を映す鏡であると考えられていた。この劇場は、欲望と欲望とが対立し、緊張と暴力が渦巻き、自然なことだけでなく、超自然的なことも起きてしまう危険な場所である。同時に、この悲劇の登場人物たちは、浮世絵の世界の人物たちのように、ふと姿をあらわし、情に流され、やがて過ぎ去っていく。SPACの劇場の一つである楕円堂をかたどった舞台装置においては、まさに「鏡としての劇場」というエリザベス朝式劇場のあり方と、浮世絵の美学とが交叉している。

 この作品の舞台も、日本に置かれることになった。時代や地域は限定されていないが、ここには、キャピュレット家とモンタギュー家のように、激しい憎しみに取り憑かれ、古くからの争いによって引き裂かれた二つの家が存在している。このような理屈の通用しない争いという文脈の中で、対立する両家の継承者であるロミオとジュリエットのあいだに、恋という奇跡が芽生えるのである。

 だが、そもそも私と私が主宰するテアトロ・マランドロは、この『ロミオとジュリエット』という作品を、なぜあえて日本で作ることを選んだのだろうか。その答えは、なによりもまず、東洋の演劇とその技術や約束事、儀式的な性格への私たちの思い入れにあるのだろう。SPACの俳優たちと作品を作る際には、演劇へのアプローチの違いによる衝突もあるだろうが、一方で共通点も十分見つかるはずだ。テアトロ・マランドロのメソッドも、SPACのメソッドに劣らず厳密なものである。様々な演劇文化をかけあわせて生まれたメソッドを、この新作のために集められた日本とヨーロッパの俳優たちの体のうちに注ぎ込むのである・・・。これこそ、私たちの仕事道具なのだ。なぜなら私たちが望むのは、演劇の源流へ、舞台の最も原初的な形態が見出されるところへ、神話へと戻っていくことなのだから。こうして、異文化の交差点に置かれた『ロミオとジュリエット』は、様々な演劇の伝統が出会う、経験のるつぼとなっていくのである。

(翻訳:SPAC文芸部 横山義志)