劇場文化

2016年12月1日

【サーカス物語】幼ごころの君を求めて(河邑厚徳)

 ミヒャエル・エンデの戯曲が静岡芸術劇場で公演されます。東欧の陰影が色濃い『サーカス物語』をインドネシアの鬼才がどう演出するのかワクワクします。エンデは児童文学者という先入観で見られがちですが、幅広い才能にあふれ、近代西洋思想を批判する思想家でもありました。青年時代には舞台に立ち、戯曲も書いていましたが無名でした。エンデが世に出たのは『ジムボタンの機関車大旅行』。大ベストセラーになってドイツ児童文学賞を受賞しました。その後は『モモ』や『はてしない物語』など永遠に残る傑作を書き続けてきました。児童文学と並んで、エンデの創作の大きな柱が『遺産相続ゲーム』や『ハーメルンの死の舞踏』などの戯曲でした。葬儀にはエンデの仕事を代表して、ドイツ・バイエルン地方の方言で書かれた『ゴッゴローリ伝説』が上演されています。 続きを読む »