ソウル・オブ・ソウル・ミュージック

新鮮な表情を見せる古曲と深遠な新作曲が、
韓国伝統音楽の「いま」を伝える

韓国ドラマやK-POPの流行によって、韓国の現代文化は広く知られるようになりましたが、伝統音楽については意外と知られていません。今回演奏されるのは韓国を代表する、伝統弦楽器コムンゴ(玄琴)とカヤグム(伽倻琴)。この2つの楽器による古典楽曲に加え、現代的な要素を取り入れた新作曲が、今なお新しい発展を遂げ続ける韓国伝統音楽の魅力を伝えてくれます。

からだで聴く音、魂を振るわす弦
―「楕円堂」に響き渡る美しき悠久の音色

会場は、舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」。荘厳にして静謐な印象を漂わせて佇むこの小空間に、荒々しく弦を弾くコムンゴの勇壮な音色と、清らかで繊細な旋律を奏でるカヤグムの音色が響き渡ります。国内外の多くの演劇人たちを魅了してきた「楕円堂」の神秘的な空間に身を浸し、アジアの悠久の音楽をからだで感じて下さい。

公演情報

日本初演  音楽/韓国

■公演日時
6月30日(土)15時30分開演/16時40分開演
7月 1日(日)12時30分開演
◎7/1の終演後にキム・ソンヒョ(コムンゴ奏者)、カク・ジェヨン(カヤグム奏者)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。

上演時間:約40分

■会場
舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」

■チケット
一般大人:2,000円/大学生・専門学校生・高校生以下1,000円

STAFF / CAST

出演:キム・ソンヒョ[コムンゴ(玄琴)]
カク・ジェヨン[カヤグム(伽倻琴)]

後援:駐日韓国大使館 韓国文化院

出演者プロフィール

キム・ソンヒョ KIM Seon-Hyo

漢陽大学音楽科及び同大学院博士課程修了。2000年よりソウル市国楽管弦楽団団員。同楽団のソリストとして活躍。2010、11年「アジア舞台芸術祭」で来日、演奏。日本、トルコ、ベトナム、ロシアなど海外公演に多数参加。


カク・ジェヨン KWAK Jae-Young

漢陽大学音楽科及び同大学院博士課程修了。2001年よりソウル市国楽管弦楽団団員。同楽団の首席奏者として活躍。日本、台湾、ロシア、アメリカ、オーストラリアなど海外公演に多数参加。

楽団プロフィール

ソウル市国楽管弦楽団 
Seoul Metropolitan Traditional Music Orchestra

1985年に韓国初のオーケストラ構成の国楽楽団として設立された。これまでに310回の定期演奏会と1500回の特別演奏会をはじめ、日本、台湾、インドネシア、タイ、シンガポール、フランス、アメリカなど世界各地で公演を行っている。同楽団は、伝統音楽を基盤とする現代的な創作楽曲を作曲家に数多く依頼し、有望な楽曲や作曲家の発展、育成に取り組み、国楽創作音楽発展の礎となった。また、国楽を身近に接することのできる多様なプログラムを開発し、韓国伝統音楽の普及にも貢献している。

コラム

ジャコのお姉さんはお隣にいる
中野成樹

「こ、こいつぁ! まるでジャコパスじゃねーか!」
私がコムンゴという楽器に出会ったのは2010年秋のことです。アジア圏のアーティストが集い、ちょっとした小作品を創ってみようという場(「アジア舞台芸術祭2010」ワークショップ発表@水天宮ピット)でのことでした。顔合せ、なんとなーくの流れで、自己紹介がてらそれぞれの特技を披露し合うことになりました。そこでキム・ソンヒョさんのコムンゴ独奏を生まれてはじめて聴き、で、瞬時にぞっこんです。「ジャコパスのルーツを見つけた!」とひとり大はしゃぎしたりして。ちなみにジャコパスってのは、ジャコ・パストリアスというジャズ・フュージョンのベーシストで、ミュージシャンなら知らぬ者はいないだろう“エレクトリックベースの革命児”。それまでの「重要だけど、やっぱ地味だよね」という悪しきベースへのイメージを一変させた人です。彼のプレイは、ベースなのにベースじゃないんですね。倍音(ハーモニクス)でメロディーガンガン弾くわ、ディストーションバリバリきかせるわ、アンサンブルの圧倒的な主役になっちゃうわで。もはやギターか?
いっそピアノか? いや、しかしやはりそれはただのベースで。ありきたりな言葉ですが、まさに変幻自在。変な幻が自分の中に在って、それを迷わず外に表明していく感じ。そんなジャコが僕はずっと大好きでした。そう、なので、ヒョさんの演奏を聴いたとき、僕は、本当に無意識に彼女とジャコを重ね合わせ、「あ、ジャコのお姉さんがいる」なんて思って。「ジャコのお姉さんは、韓国の人で、こんな伝統楽器をやってる人だったんだ」「うわー、じゃあ、ジャコってお姉さんに影響うけまくってたんだなあ……」とかね。様々な技巧を使い複雑な感情を表現する、正直極まりない音。そりゃ、ジャコも憧れるわ。そんな音を鳴らす楽器が昔っかーらあったんですね、お隣に。知り合えて本当によかった。さて、お姉さん、今回はどんなプレイをしてくれるのかな?
楽しみです。

中野成樹(なかのしげき)
1973年東京生まれ。演出家。中野成樹+フランケンズ主宰。有明教育芸術短期大学講師。好きな演劇人:モリエール、シング、チェーホフ、ブレヒト、ワイルダー、串田和美、松井周、岡田利規、など。好きな音楽:吹奏楽、筋肉少女帯、など。