SPAC堂書店 開店!

戸田書店×SPAC ブックフェア2013


もしも劇団SPACが本屋さんを作ったら――

宮城聰(SPAC芸術総監督)とSPACの俳優・スタッフたちが選んだオススメ本が、戸田書店静岡本店の特設コーナーに並びます。名づけて「SPAC堂書店」!
演劇書からコミックまで、ジャンルも多彩!俳優たちのプロフィールなどもチェックでき、SPACの新しい一面をご覧いただけます。
駅前の「葵タワー」内の同書店、階上には人気のスポット・静岡市美術館もあり、アートな空気がいっぱいです。

会場:戸田書店静岡本店2階 特設コーナー
〒420-0852 静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー内 営業時間:10時〜21時 TEL.054-205-6111(代)



今回本を選んだのは・・・
芸術総監督◆宮城 聰 
芸術局長◆成島 洋子
SPAC俳優◆阿部 一徳  泉 陽二  木内 琴子  貴島 豪  たきい みき  武石 守正  舘野 百代  永井 健二  布施 安寿香  美加理  三島 景太  
吉植 荘一郎  吉見 亮  若宮 羊市
創作技術部◆村松 厚志  樋口 正幸  駒井 友美子
制作部◆熊倉 美聡
文芸部◆横山 義志


SPAC芸術総監督 宮城 聰 が選ぶ3冊
 
幕が上がる
平田オリザ / 講談社

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が「劇中劇」となっていて、しかもそれを戯曲化するアイディアまで(つまり劇作家の手の内まで)教えてくれる、ひとつぶで三度おいしい小説。いやあ、青春はなんと残酷なもの!
 
オズの魔法つかい
ライマン・フランク・ボーム / 柴田元幸 訳 / 角川文庫

「自分にはこういう力が欠けている」という切実な思いこそ、実はそのチカラを手に入れるもっとも謙虚な道である、ということを教えてくれる。才能とは欠落の自覚である、という芸術家の本質を言い当てているところがすごい。
 
ぼおるぺん古事記(一)天の巻
こうの史代 / 平凡社

やまとことばだけでどれだけのことが言えるのか。太安万侶のこの果敢な、ほとんどドン・キホーテ的なたたかいが、1300年後の日本人によって「イメージ」化された。ぜひ、声に出して、読んでください。

みやぎ さとし
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出は国内外から高い評価を得ている。07年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013演出: 黄金の馬車
 
 
SPAC俳優 阿部 一徳 が選ぶ3冊
 
猫のゆりかご
カート・ヴォネガット・ジュニア / 伊藤典夫 訳 / ハヤカワ文庫

僕にとっては人生のバイブル的なヴォネガット。彼の作品中で最も好きな物語。SFの枠におさまらないヒューマニズムあふれる壮大な展開。あなたもきっと“ボコノン教”にハマるはず!「歴史だ、読んで泣け!」若い世代にはとにかくお勧めしたいです、ヴォネガットの世界。もちろん、僕の一人芝居のレパートリーです。
 
パラダイス・モーテル
エリック・マコーマック / 増田まもる 訳 / 創元ライブラリ

僕にとってはこれぞ“ザ・ものがたり”。僕の一人芝居の最新作でもある作品。猟奇的事件を経験した4兄弟の足跡を追う、シュールで奇妙なものがたり世界。肉体を刺激するエピソードの数々…どこまでが現実なのか…どこまでが自分なのか…万華鏡をのぞくように“ものがたり”を堪能できる傑作。
 
ここがホームシック・レストラン
アン・タイラー / 中野恵津子 訳 / 文春文庫

ジョン・アーヴィングと並んで、僕にとっては疲れた時についつい再読してしまう作家。ハズレ無しの彼女の作品群の中でもイチオシの物語。ちょっぴりスパイスのきいた、ありふれた日常がきめ細やかに、限りなく優しく展開していく珠玉の一冊。彼女の作品はどれも読み終わった後に、愛する人のところへ飛んで行きたくなること必至です。
 
あべ かずのり
東京都出身。1965年生まれ。90年、ク・ナウカ旗揚げに参加。SPAC出演は09年『ブラスティッド』から。鳥の劇場(鳥取県鹿野町)への出演や、今年15周年を迎える一人芝居シリーズ、また俳優ワークショップなど幅広く活躍中。桜美林大学非常勤講師。年間読書数は平均で90冊、HPでは読書録も公開中!
阿部一徳HP http://members3.jcom.home.ne.jp/a.ka

ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

 
 
SPAC俳優 泉 陽二 が選ぶ3冊
 
白痴
坂口安吾 / 新潮文庫

この小説をもとに舞台をつくりました。最後までどこにいくのかわからない…不思議な作業でした。
 
ムーンパレス
ポール・オースター / 新潮文庫

この小説を舞台化した際にジンマーという男の子を演じました。翻訳者の方から、まさにジンマーだったとおっしゃっていただきました。
 
掟の門(カフカ短篇集)
フランツ・カフカ / 池内紀 訳 / 岩波文庫

カフカの短編、長編ともにずいぶん舞台にしてきました。虜ですね、ここまでくると。
 
いずみ ようじ
愛媛県出身。主な出演作『真夏の夜の夢』『グリム童話〜本物のフィアンセ〜』『病は気から』『マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜』。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 室内

 
 
SPAC俳優 木内 琴子 が選ぶ3冊
 
ビロードのうさぎ
マージェリィ・W・ビアンコ / 酒井駒子 絵・抄訳 / ブロンズ新社

大人が泣ける絵本です。子供の頃、大切にしていたもの、大人になっても心の中にいて、時々元気づけてくれる「ほんとうのおもちゃ」のことを思い出させてくれる本。
 
きみが住む星
池澤夏樹 / 文化出版局

写真付きのエッセイで、旅先から恋人にあてた手紙と写真という形で綴られています。素敵な人から素敵なお便りをいただいた気分にさせてくれる本。
 
預言者
カリール・ジブラン / 佐久間彪訳 / 至光社

いくつかの邦訳が出版されているようですが、やさしい訳とこの本のコンパクトなところが気に入りました。いつも傍らに置いて、開いたところを読むと救われる本。

きうち ことこ
神奈川県出身。玉川大学卒業後、アナウンサーとしてK-MIXに入社。その後フリーとなり、県内各地の放送メディアで活躍。2006年に参加した県民体験創作劇場『四谷怪談』で演出家・宮城聰と出会う。09年SPAC入団。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

 
 
SPAC俳優 貴島 豪 が選ぶ3冊
 
羆撃ち
久保俊治 / 小学館文庫

自身が半世紀近く羆ハンターである著者の…何というか…とにかく腹に響きます。「羆撃ち」には命の根源に迫る言葉があふれている――そして私たちはたゆまず考えることになるだろう。生きること、生きる過程で行われる命の授受について。(解説より) 凶悪―ある死刑囚の告発
 
「新潮45」
編集部編 / 新潮文庫

死刑の確定した死刑囚が、未だ闇に伏された余罪を告発しはじめる…これはまぎれもないノンフィクションです。人間の罪業、こうも極まれり。
 
animal emotion
Pierre Menes / VILO(フランス)

パリで見かけた写真集。動物界の弱肉強食、「生」の様をまざまざといきいきと見せてくれる。かつてない衝撃。
 
きじま つよし
宮崎県出身。明治大学在学中に学内の劇団で演劇活動を開始。その後水戸芸術館ACM専属俳優を経て、SPACに所属。どんな作品のどんな役でも、その個性で観客に強烈な印象を残す。非常に奥行きのある怪優。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 室内

 
 
SPAC制作部 熊倉 美聡 が選ぶ3冊
 
ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン / 宮下志朗・森元庸介 訳 / 白水社

女神ヴィーナスは開いてみても美しいのかと真剣に考えさせられる本。表象における「裸体」が示すものとは何か。人間の外見は、内臓の上包みに過ぎないのか。それは美しいアプロディテでさえ同じこと?一種グロテスクな臓器をあの容貌が隠匿しているかと思うと、よりエロティックなものにも見えてくる。
 
mother’s
石内都 / 蒼穹舎

石内都――それは彼女であり、彼女の母の名前。
“女”を示すあらゆるモノに、“自分の母”の皮膚が、細胞が、こびりついている。
母が遺した女の証。私は、あなたは、それを受けとめられるのか。
“娘”という私は、母の人生を女の人生として覗くことができるのか。
『連夜の街 ENDLESS NIGHT』(1981年, 朝日ソノラマ)も薦めたい。
 
明るい部屋―写真についての覚書
ロラン・バルト / 花輪光訳 / みすず書房

自身のことを語ることの少なかったバルトが、この写真論の中で母について語っている。バルトの関心の底に触れられるのは、『モードの体系』、『彼自身によるロラン・バルト』『恋愛のディスクール』よりも本書か。

くまくら みさと
栃木県出身。SPAC制作部所属3年目。広報とアウトリーチを担当する。いつものメタルとたまの馬術で生活の潤いを保つ。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目:
【開幕イベント】上演ラインナップ紹介&フリー・オープニング・カフェ
『SHOJI KOJIMA FLAMENCO 2013 生と死のあわいを生きて ―フェデリコの魂に捧げる―』

 
 
SPAC創作技術部 駒井 友美子 が選ぶ3冊
 
モチモチの木
斎藤隆介 / 滝平二郎 画 / 岩崎書店

繊細な表情や情景が、簡潔な力強い画の中に見えてくるところが好きです。
 
ソフィーの世界
ヨースタイン・ゴルデル / 池田香代子 訳 / 日本放送出版協会

大昔から今に至るまでの、途方もない・答えもないものを考える事のおもしろさに出会えるところが好きです。
 
ごんべえのぼうけん
谷川俊太郎 / イシカワイサム 画 / 福音館書店

現実離れした展開と画の幻想的な絵本です。現実にはなさそうだけれど、本当はどこかで見てきた景色のような心の奥底を刺激する画と詞のリズムが好きです。
 
こまい ゆみこ
静岡県出身。大学卒業後、SPAC人材育成事業である県民劇団に参加、その後衣裳アルバイトを経て現在に至る。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目: 黄金の馬車衣裳担当

  
 
SPAC俳優 たきい みき が選ぶ3冊
  
文楽写真集
河原久雄 / 構成:橋本治

日本経済新聞出版社 私が演劇の道にはいるきっかけになった文楽!!その人形達が、命を吹き込まれて生きる瞬間はどれも美しく、いつも新鮮に感動を覚えます。メーテルリンクの『室内』もマリオネットの為の戯曲なのです。
 
あの日の音だよ おばあちゃん
佐野洋子 / フレーベル館

以前、佐野洋子さんの原画展で読ませていただきました。読み聞かせには少し長い作品ですが、優しい絵の中に、普通に暮らす毎日の素敵さと芸術家の孤独が織り込まれていて、大好きな絵本のひとつです。
 
私たちがたがいをなにも知らなかった時
ペーター・ハントケ / 鈴木仁子 訳 / 論創社

セリフが一行もない戯曲。読んだ時、広場を行き交う登場人物が自分の知り合いと重なったり、これ、私かな、と思ったり。自分は孤独じゃないと思う一冊。
 
たきい みき
大阪府出身。長身とモデルのようなプロポーションで、非日常的美しさと妖しさを舞台から照射するSPACの看板女優の一人。そのすさまじいまでの集中力は、観客を連れて現実と虚構の境界線を、いとも簡単に飛び越えてみせる。文楽好きが高じて女優を志す。2001年劇団「ク・ナウカ」入団、06年よりSPAC在籍。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 室内

  
 
SPAC俳優 武石 守正 が選ぶ3冊
 
今、生きる秘訣―横尾忠則対話集
横尾忠則 / 光文社

タイトルはイマイチな感じもしますが、内容はなかなかラジカルです。岡本太郎、加藤唐九郎、手塚治虫など様々なジャンルの“達人”たち9名と横尾忠則の対談集。一流の変な人達が、世の中の面白い見方を教えてくれます。
 
ムーミン谷の彗星(ムーミン童話全集)
トーベ・ヤンソン / 下村隆一 訳 / 講談社

ムーミンシリーズの第一作。大人になってから読んだのですが、昔やっていたTVアニメとは随分違っていてとても良いです。ほのぼのしていながら心地よい寂しさが漂っていて、何かを思い出しそうになる本です。
 
たけいし もりまさ
大分県出身。SPACへは、2年間のスクール生(研修制度、現在は廃止)を経て、2003年より所属。刃金のような肉体と男らしさあふれる演技で、多くの作品で主役をつとめている。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

  
 
SPAC俳優 舘野 百代 が選ぶ3冊
 
魂の演技レッスン22〜輝く俳優になりなさい!〜
ステラ・アドラー / シカ・マッケンジー 訳 / フィルムアート社

日々時間に追われ、なにか心がもやもやしたり、かさかさしてるな〜って思った時に、自分は元々何が好きで、何が素晴らしく素敵な事だと思っているのかと、たちかえる気付きが出来る書籍です。
 
挑戦する脳
茂木健一郎 / 集英社新書

自分自身の身体が生命体として生きていることの内側(内臓・脳)のシゴトやヤクワリを知りたいと思って選んだ一冊。脳の無限性を知れます。因みに茂木さんの毎朝のツイートも面白いですよ。
 
マダム・エドワルダ
ジョルジュ・バタイユ / 生田耕作訳 / 角川文庫クラシックス

この本の中の眼球譚がオススメ。私は在来線に乗りながら現実世界と作品世界のギャップを愉しみながら読みました。ちょっとした脳内プレイww
 
たての ももよ
東京都出身。水戸芸術館ACM専属俳優を経て、1999年よりSPAC-静岡県舞台芸術センターに所属。老若問わず様々な女性を演じ分ける。役作りに対して非常に厳しく取り組む一方で、感激屋で涙もろい一面を持つ人間味あふれる可愛い女優。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

  
 
SPAC俳優 永井 健二 が選ぶ3冊
 
つまみリスト
小林ケンタロウ / 文化出版局

どれも手軽な、いわゆる「男の料理」的なのに、さりげなく洒落ている。野菜中心のメニューが多いのも嬉しい。写真集としても楽しめる一冊。この本で「焼れんこん」の美味さを知りました。
 
鞦韆(ぶらんこ)
森脇辰彦 / 門土社

この中の『そのままにそのままに・・・・・・そのままの』という戯曲は、高校時代、我が演劇部に書き下ろされ、僕は「公務員」役を当て書きして頂きました。ゴミを売りにきた男が主人公の、不条理劇です。
 
どうにもとまらない歌謡曲
舌津智之 / 晶文社

70年代歌謡曲を軸に、ジェンダー(社会的性差)を考察した本。やや強引な論理もありますが、文化論としても充分に楽しめます。歌謡曲マニアの僕には、絶対に外せない一冊です。
 
ながい けんじ
岡山県出身。幼稚園の学芸会における初めての演劇体験で、自分の中にある変身願望に気づく。以来、中学校から大学まで部活は一貫して演劇部。大阪教育大学で中・高の教諭免許(家庭科)を取得するも、教師の道には進まず、2000年SPAC入団。甘いルックスで数多くの女性ファンを持つ。GREEでもブログ更新中。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

 
 
SPAC制作部 成島 洋子 が選ぶ3冊
 
ユリイカ 2011年10月号 特集=現代俳句の新しい波
青土社

17音で表現する俳句なんて、古臭い、年配者が楽しむもの、という先入観がありましたが、この本に登場する俳人たちへのインタビューや寄稿からは、現代を生きる俳句の魅力が伝わってきます。中でも角川春樹の「魂の一行詩」のインタビューには惚れました!実は宮城聰が提唱する「詩の復権」と通じるものがあるのでは、と思っています。
 
悲しみの港
小川国夫 / 朝日文芸文庫

 
魔女の宅急便
角野栄子 / 福音館書店

 
なるしま ようこ
静岡県出身。静岡県出身。1998年より制作部スタッフとしてSPACで活動。芸術局長。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目: フェスティバル全体の運営

  
 
SPAC創作技術部 樋口 正幸 が選ぶ3冊
 
白鳥の歌なんか聞こえない
庄司薫 / 中公文庫

高校生の時に読みました。今となっては古臭い内容かもしれませんが、当時、「性」と「生」と「死」について考えていた自分に様々な示唆を与えてくれた作品です。
 
限りなく透明に近いブルー
村上龍 / 講談社文庫

物語が描いている世界は、自分には全く縁のないもの。高校生だった自分は、憧れていたのかな、と思います。
 
僕って何
三田誠広 / 河出文庫

ここに描かれているのは、多分一種の流行としての学生運動なんだろうと思います。
でも不安定な青年を描いている点では、普遍性があるのかも・・・
 
ひぐち まさゆき
静岡県出身。2009年からSPAC所属。照明を担当。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目: 照明

  
 
SPAC俳優 布施 安寿香 が選ぶ3冊
 
ソロモンの指環 動物行動学入門
コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 訳 / 早川書房

室内をやるにあたって再読した本です。社会性のある動物たちの本能、言葉以外のコミュニケーション力の高さ、感受機能の敏感さ。ローレンツ博士と動物たちの交流エピソードは楽しくもありいろいろ考えさせられます。
 
老子・荘子
森三樹三郎 / 講談社学術文庫

老荘思想と出会ったのは中学三年生でした。それ以来、自分の奥深いところを流れていて、自分の人生と演劇観の根底を支えています。
 
立原道造の詩学
名木橋忠大 / 双文社出版

夭逝した立原道造のはかないイメージとは違った立原道造が見えてくる興味深い本です。レジさんが、映画の手法を演劇に取り入れるように道造は、言葉だけで映画のような視覚イメージをあらわそうとしていました。
 
ふせ あすか
埼玉県出身。「今までの自分らしくない事をはじめよう」と思い立ち、演劇活動を開始。2002年劇団「ク・ナウカ」入団。06年よりSPAC在籍。その日本的顔立ちと清楚なたたずまいで、物語のヒロインにつくことが多い。座右の銘は「上善若水」(じょうぜんはみずのごとし)。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 室内

 
 
SPAC俳優 美加理 が選ぶ3冊
 
ソローニュの森
田村尚子 写真・文 / 医学書院

パリから2時間。森の中にひっそりと佇む古い城館。ラ・ボルト病院では誰が患者なのか。曖昧で濃密な時間の流れに、ひとりの日本人女性が辿り着いた。写真家田村尚子さんの視点。精神病院という異境のルポルタージュなどではなく、あくまでラ・ボルトが内包する「もうひとつの時間」と「さらなる眼=体験」を記憶するために。その試みが「対象を固定化して物象化してしまわない為の(詩的なロジック)のひとつになれたらいいと彼女は綴っています。ふじのくに⇄せかい演劇祭2013で上演される『室内』の演出家である、クロード・レジ氏もかつてこの精神病院に演劇ワークショップで訪れたことがあるそうです。
 
木をかこう 
ブルーノ・ムナーリ / 須賀敦子 訳 / 至光社

木をかいてみませんか?木のなりたちには、基本となる法則があります。幹から、2本ずつ枝が分かれていくものと、3本ずつ分かれていくもの。法則さえ判れば、あとはその目の前の木を見つめ、語らいながら筆を進めていけば、いいのです。あなたの気になる木を見つけに、ふじのくに⇄せかい演劇祭の舞台となる、日本平、舞台芸術公園の、沢山の木に逢いにいらして下さい。
 
ヤノマミ
国分拓 / NHK出版

アマゾン奥地で1万年にわたり独自の文化と風習を守り続ける人々。ヤノマミ、 それは人間という意味だ。森の人々。そこには天と地と一体になった深い叡智の世界がある。私自身、2006年にヤノマモ族を脅かす現在の様々な問題を扱ったミュージカル作品に、ナレーション出演させて頂いてから、ずっと彼らが、心に隅に住み着いて離れないでいるのです。
 
みかり
東京都出身。高校在学中に寺山修司作・演出『青ひげ公の城』で舞台デビュー。1990年より宮城聰率いる劇団ク・ナウカの中心メンバーとして活動。98年にSPAC作品初参加、10年からは毎年出演している。“想像力を喚起する身体”“パフォーマーとしての圧倒的な集中力”と評される存在感とパフォーマンスは国内外で高い評価を得ている。『黄金の馬車』では女優カミーラを演じる。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

  
 
SPAC俳優 三島 景太 が選ぶ3冊
 
東京の俳優
柄本明 / 集英社

役者ってなんなんだろう…?ますますわからなくなってくる本(笑)。役者に対する謎がどんどん深まり、それなのに妙に腑に落ちる不思議な感覚。願わくば柄本明になって、この名優の思考回路を一度体験してみたい。
 
柔らかな犀の角 山崎努の読書日記
山崎努 / 文藝春秋

名優はどんな本を読んでいるんだろう…?という、のぞき見趣味的に読み出したら、その文章力に完全にハマった。名優は言葉の感性もただ者ではない、と思わせてくれる。自分の読んだ本を名優がどう読んだのか、を知るのも楽しみ。
 
落ちこぼれ-茨木のり子詩集
茨木のり子 / 水内喜久雄 選・著 / はたこうしろう 絵 / 理論社

声に出して詠んでみてください。確実に身体が変わるはず。劇薬としての言葉の効用を身体で実感出来るはず。”言霊”としての言葉力を知りつくした詩人だからこそ発見できた効き目のある言葉たち。詩人は”言葉の名医”なのだと思う。
 
みしま けいた
福岡県出身。水戸芸術館ACM劇場専属俳優を経て、SPAC創立時より所属。宮城聰、鈴木忠志、イ・ユンテク、竹内登志子、オマール・ポラス、原田一樹、今井朋彦、小野寺修二等、様々な演出家の作品に出演。国内外40都市以上での公演経験を誇る名優。外部作品への出演も、フットワーク軽く、積極的に行なっている。ブログ「役者馬鹿?馬鹿役者?」運営中。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

  
 
SPAC創作技術部 村松 厚志 が選ぶ3冊
 
われらの時代
大江健三郎 / 新潮社

読んだのは19才のころ。僕にとっての主人公は“1アンラッキーヤングメン”の3人。“閉鎖的状況”に対する押さえきれない違和感、打開への試み、そして挫折。試みまでは共感し、挫折に対してはそれをユメミルことで自分自身と重ねあわせていたあの頃。
 
乳房
伊集院静 / 講談社文庫

「とてつもない悲しみに包まれたとき。」著者のエッセイ集の帯に書かれた言葉。伊集院静はその悲しみを表すのに、事実をただそこに置くことしかしない。意味や理由を探ることも、書き綴ることもない。事実があり、それに対する行為のみが書かれる。これが沁みる。
 
手塚俊一舞台美術の仕事
大笹吉雄 / 未来社

手塚俊一。舞台美術家。39歳の若さで死去。もちろんお会いしたことはない。ただ、もし今ご存命でお会いすることができていたら、僕はこの方を父のように慕ってしまったかもしれない。僕が演劇に求めているものが、この方の作品には在る、気がする。竹田徹の衣装をみた北九州芸術劇場の垂水氏が「手塚俊一みたいだ」って言った。「やっぱり」と思い、嬉しかった。
 
むらまつ あつし
静岡県出身。大学進学と共に上京。同時に劇団に所属し演劇活動を開始。俳優として舞台に立ちつつ、劇団作品の舞台美術や舞台監督も兼務。2003年よりSPAC所属。創作技術部主任。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目: 技術監督としてひととおり全部。開幕以降は芸術劇場招聘作品を担当。

   
 
SPAC文芸部 横山 義志 が選ぶ3冊

どくとるマンボウ航海記
北杜夫 / 新潮文庫

これと『ドリトル先生』シリーズを読んで「アフリカに行きたいなあ」と思い、「お医者さんになりたいなあ」とも思った。そういえば、はじめて宮城さんと仕事をしたのはモロッコツアー。少なくとも前者は実現できた。
 
悲劇の誕生
ニーチェ / 秋山英夫 訳 / 岩波文庫

お酒は弱いのに、唯一お酒を飲みながら完読した本。そのまま始発に乗ったとき、なんだか世界が輝いて見えた。何年か経って、気がついたら劇場で働いていた。
 
繻子の靴(上・下)
ポール・クローデル / 渡辺守章 訳 / 岩波文庫

大航海時代を舞台に描かれた、地球最大級のすれ違い恋愛物。スペインの騎士がモロッコを経て新大陸へ。最後はなぜか関ヶ原の合戦に参戦している。最近ではオリヴィエ・ピィ演出で十一時間だったが、二回見に行った。
 
よこやま よしじ
千葉県出身。SPAC文芸部で海外招聘プログラムを担当。今回の演劇祭ではレジ演出『室内』の翻訳も。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013担当演目: 海外からの招聘演目を選定

 
 
SPAC俳優 吉植 荘一郎 が選ぶ3冊
 
青い花 1巻
志村貴子 / 太田出版

鎌倉の名門女子高を舞台にしたいわゆる百合漫画ですが、オッサンにすら「今では忘れているが、昔は確かに感じていた何か」を思い起こさせる魅力と実力を持っています。ベッ別に照れたりなんかしてないんだからねッッ!!タイトルはノヴァーリスの小説から。演劇祭が大きな役割を占める演劇漫画の側面もあります。志村貴子さんの作品には生徒達が演劇を上演して日常を反転させるモチーフがよく出て来て、演劇関係者としてはそこもまた魅力なのです。
 
いつでも会える
菊田まりこ / 学習研究社

初めて手にしたのは真冬の外国で。仏語版で文は読めないながら、愛苦しいキャラクターも相まって、かえって想像力と涙腺をいたく刺激されたものでした。もう毎日ウサギの目で…。日本語版でも、あえて字を隠して読んでみた時の方が、もう会えない人達に寄せる作者の想いがよりダイレクトに感じられる気がする私でした。
 
嵐が丘(上・下)
エミリー・ブロンテ / 河島弘美訳 / 岩波文庫

志村貴子さんの傑作漫画『青い花』(太田出版、既刊7巻)劈頭に、女子高で演じられる「入っておいで、キャサリン!愛してるんだ!」の吹雪の場面が。惹かれて元の本に手を出したらこれまた目が離せず、上下一気読みしました。いや、素直に名作ですよね。同じ場面をモチーフにしたケイト・ブッシュの歌も泣けますねえ。でもなあキャシー、おめーが見栄を張らずに、素直にヒースクリフを旦那に選んでればあんな不幸は起こらなかったのじゃぞ!
 
よしうえ そういちろう
千葉県出身。1990年宮城聰率いる劇団ク・ナウカの旗揚げに参加、以後ほぼすべての作品に出演。SPACには10年より参加。代表作に『天守物語』『王女メデイア』『わが町』『グリム童話』など。6月に上演されるクロード・レジ演出『室内』では主要な役を演じる。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 室内

  
 
SPAC俳優 吉見 亮 が選ぶ3冊
 
いつでも会える
菊田まりこ / 学習研究社

本屋さんでふと手にとって、気付けば頬を濡らしていました。
 
『ふたりのイーダ』
松谷みよ子 / 講談社

読んだ時に、頭の中に音楽が自然と流れた児童書でした。
 
よしみ りょう
鹿児島県出身。静岡大学人文学部在学中に今の「演劇部」を創立する。SPACスクール生を経て、2003年正式入団。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車

  
 
SPAC俳優 若宮 羊市 が選ぶ3冊
 
白鯨
ハーマン・メルヴィル / 八木敏雄 訳 / 岩波文庫

何度か映画化された世紀の難解文学。どの映画もイマイチなのはこの本を「叙事詩的小説」として読むせいじゃないかと…「小説的叙事詩」として読んでみたらメチャメチャ面白かった。これも宮城聰監督に是非とも芝居にして欲しい!劇場を大海原にしてやりましょう。
 
タタール人の砂漠
ディーノ・ブッツァーティ / 脇功 訳 / イタリア叢書

砂漠が出てきます。そこに描かれた孤独にうたれました。
 
タラス・ブーリバ (世界文学全集21ゴーゴリ集)
ニコライ・ゴーゴリ / 筑摩書房

スジも凄いが登場人物の台詞が凄い!いつか宮城監督に芝居にして演出して欲しいと密かに思い続けています。
 
わかみや よういち
東京都出身。30歳を過ぎて芝居を始めた馬の骨です。何の芸も無いのですが、鶏鳴狗盗の故事のごとく、なんとか詩や物語を伝える手伝いができたらいいなと思っています。
ふじのくに⇄せかい演劇祭2013出演演目: 黄金の馬車