Hate Radio


     
    <演出家プロフィール>
    ミロ・ラウ Milo RAU
    1977年、スイスのベルン生まれ。演出家、劇作家、ジャーナリスト、エッセイスト、研究者、コンセプチュアル・アーティスト、映画制作者として多彩な才能を発揮している。2007年に「インターナショナル・インスティテュート・オブ・ポリティカル・マーダー(IIPM)」を創立。演劇やファインアート、映画など様々な手法で歴史的事件を再現する方法を探りながら、理論的考察も進めている。『Hate Radio』はベルリンのHAUを始めとするヨーロッパの各劇場およびルワンダのキガリ・メモリアル・センターで上演、12年には「ベルリン・テアタートレッフェン」に、13年にはアヴィニョン演劇祭に招聘されている。
     


     

    第5回アフリカ開発会議(TICAD V)
    パートナー事業

軽妙なポップ・ミュージックの中に織り込まれた「悪意」
「憎しみのラジオ」が撒き散らす死のプロパガンダ――。

1994年、ハビャリマナ大統領の暗殺を皮切りに未曾有の惨事「ルワンダ虐殺」が始まる。100日間で犠牲になった「ツチ族」の数は50万とも、100万とも言われる。この凄惨な大虐殺の一翼を担ったとされるのが、ミルコリンズ自由放送(RTLM)というラジオ局であった。ミロ・ラウはこのラジオ局のメインパーソナリティであったヴァレリーやカンタノ、現在は戦犯として収監されている関係者たちにインタビューを行い、ラジオ局の内部を詳細に再現した。「その時」ルワンダで最も人気のラジオ局で、いったい何が起きていたのか。

冷戦終結後最大のジェノサイドと言われる「ルワンダ虐殺」
その裏には国民的な「声」を持つパーソナリティたちがいた。

隣人を襲う人々の手にはラジオが握られていたという。DJは「ツチ族」との友好を否定し、「フツ族」の団結を歌った、シモン・ビキンディの『こんなフツ族は嫌だ』を流し、女性パーソナリティのヴァレリーが「ツチ女性」へのレイプを示唆した後は、ニルヴァーナの『Rape me』を流す。ベルギー人ジョルジュの伝える国際ニュースにはウィットと悪意のある“民族ジョーク”が混じり、カンタノは11歳のリスナーとの電話のやり取りで隣人を狩ることを鼓舞する。彼らを演じるのは、主にルワンダ出身の俳優たちである。
※現在のルワンダ政府は、「ツチ族」「フツ族」という民族の区分は植民地支配の産物であるとしている。

 公演情報

日本初演 演劇/スイス、ドイツ、ルワンダ

■公演日時
6/29(土)、30(日)13時30分開演
終演後にミロ・ラウ(脚本・演出)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。
出演俳優の登壇によるアーティスト・トークに変更となりました。

上演時間:110分
フランス語・ルワンダ語上演/日本語字幕

■会場
静岡芸術劇場

■チケット
一般大人:4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
☆SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、みるみる割引、ペア/グループ割引料金などがあります。詳しくはこちら

 スタッフ/ キャスト

脚本・演出:ミロ・ラウ
出演:アファザリ・デワエレ、セバスティアン・フーコー、エステル・マリオン
ナンシー・ンクシ、ディオジェーヌ・ンタリンドワ(アトム)
ドラマトゥルギー、コンセプチュアル・マネジメント:イェンス・ディートリッヒ
舞台美術・衣裳デザイン:アントン・ルーカス
映像:マルセル・ベーハティガー
音響デザイン:イェンス・バウディッシュ
製作:インターナショナル・インスティテュート・オブ・ポリティカル・マーダー(IIPM)

プロダクション・マネージメント:ミレナ・キプフミュラー
広報:イヴェン・アウグスティン
科学協力:エヴァ=マリア・バーチー
音響デザイン協力:ペーター・ゲーラー
コーポレート・デザイン:ニナ・ウォルターズ
学術アドバイス:マリー=ソレイユ・フルール、アスンプタ・ムギナレーザ、シモーネ・シュリントヴァイン

字幕翻訳・操作:芳野まい

共同製作:
Migros-Kulturprozent Schweiz, Kunsthaus Bregenz, Hebbel am Ufer (HAU) Berlin, Schlachthaus Theater Bern, Beursschouwburg Brüssel, migros museum für gegenwartskunst Zürich, Kaserne Basel, Südpol Luzern, Verbrecher Verlag Berlin, Kigali Genocide Memorial Centre and Ishyo Arts Centre Kigali
協力:
Hauptstadtkulturfonds (HKF), Migros-Kulturprozent Schweiz, Pro Helvetia – Schweizer Kulturstiftung, Kulturelles.bl (Basel), Bildungs- und Kulturde-partement des Kantons Luzern, Amt für Kultur St. Gallen, Ernst Göhner Stiftung, Stanley Thomas Johnson Stiftung, Alfred Toepfer Stiftung F. V. S., GGG Basel, Goethe-Institut Brüssel, Goethe-Institut Johannesburg, Brussels Airlines, Spacial Solutions, Commission Nationale de Lutte contre le Génocide (CNLG), Deutscher Entwicklungsdienst (DED), Contact FM Kigali, IBUKA Rwanda (Dachorganisation der Opferverbände des Genozids in Ruanda), Hochschule der Künste Bern (HKB),Friede Springer Stiftung

助成:
プロ・ヘルヴェティア スイス文化財団
Pro Helvetia – Swiss Arts Council

後援: スイス大使館、ルワンダ大使館

 みどころ

劇場にいながら、あなたは歴史の目撃者となる。これはきわめて芸術性の高い「ドキュメンタリー演劇」だ。
IIPM(International Institute of Political Murder)は、演劇、映像、アートのミクスチュアによって歴史的な事件を再構築し提示する、その方法と理論を研究する為に2007年にミロ・ラウを中心に設立された。関係者や専門家へのインタビュー、現場検証などのリサーチを徹底的に行い、驚くべき精度で舞台に再現する。ドキュメンタリーでありながら芸術性の高さにこだわり、世界各地の演劇祭で「議論」を巻き起こしている。本作品はインタビューの様子を俳優たちが再現した映像がラジオ局の壁に映し出され、舞台作品でありながら展示作品の側面も持つ。ルワンダ虐殺では、夥しい数の死者がでるまで「国際社会」はこの人類史に残る凄惨な事件をどうすることもできなかった。20年近くが経過した今、「記録」ではなく「ライブ」で観客はこの事件の現場に立ち会うことになる・・・。
(大西彩香)

 あらすじ

1994年、ルワンダの首都キガリ。この地では、ラジオが国民の生活に密接に関わる重要なメディアである。中でも若者を中心に人気の高い「ミルコリンズ自由放送局」のスタジオでは、2人の「フツ族」と1人のベルギー人による人気パーソナリティたち、それにミキサーが集まり、いつものように番組が始まろうとしている。ポップミュージックの合間に軽妙なトークを交わしながら、彼らは「ツチ族」をゴキブリと呼び、その危険性や残虐性をまことしやかに訴え、人々を煽動するメッセージを「オンエアー」していく・・・。