脱線!スパニッシュ・フライ

Die (s)panische Fliege






    <演出家プロフィール>
    ヘルベルト・フリッチュ Herbert FRITSCH
    演出家、俳優、マルチメディア・アーティスト。1951年アウクスブルク(バイエルン州)生まれ、ベルリン在住。ミュンヘンのオットー・ファルケンベルク学校で俳優教育を受け、ドイツをはじめとして、複数の国で俳優として活躍。1990年から2007年にはベルリン・フォルクスビューネに所属し、フランク・カストルフらの作品で大きな役割を担っていた。同時に映画監督として、「hamlet_X GbRプロダクション」を起こし、60本ほどの短編映画と1本の長編映画を製作。09年にはオーバーハウゼン国際短編映画祭で回顧特集上映も行われた。フリッチュが開発し、特許を取った3Dの特殊技術による作品の展覧会も、ドイツやスイスなど各地で行われている。

  


 

【関連企画】
『脱線!スパニッシュ・フライ』
静岡公演記念トークショー

鉄板!ドイツ王道喜劇論
〜民衆劇場・フォルクスビューネ、笑いの主成分〜

 
ドイツ演劇の専門家とSPAC喜劇俳優の異色トークで
舞台に潜む「笑い」の源泉を探ります!

 
出演:
市川明(ドイツ文学・ドイツ演劇研究者/大阪大学)
三島景太(SPAC俳優)
司会:
横山義志(SPAC文芸部)
動読的ラインナップ紹介:
奥野晃士(SPAC俳優) ※5/12(日)静岡会場のみ

◆日時◆
5/11(土) 東京ドイツ文化センター
5/12(日) サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー

 
詳細はこちら

☆制作部が作品の魅力を語ります!
<制作部よもやまブログ#35>

ベルリンでは全公演ソールドアウトの快挙!
ヘルベルト・フリッチュが大ヒット作を引っさげて日本初上陸!

ドイツを、そしてヨーロッパを席巻した大ヒット作が日本初登場!しかもベルリン市民を熱狂させた本作は、ここ静岡でしか観ることができないのだ。ヘルベルト・フリッチュは、60代で本格的に演出を始めるまで、老舗の劇団フォルクスビューネの主要俳優だった。そのためか彼の演出では、俳優たちは全身を使ったパワフルな演技で観客の“笑いのツボ”を押しまくり、「理屈っぽい」と言われるドイツ演劇のイメージを刷新した。勢いに乗る彼はドイツ語圏演劇ベスト10が選ばれるベルリン演劇祭(テアタートレッフェン)に、昨年・今年と合わせて三本の作品を送り出している。本作はその最新作となる。

爆笑また爆笑!ドタバタ喜劇の醍醐味が思いきり楽しめる。
ドイツの名優たちによる「体当たりのボケ」を見よ!

文句なく面白い!これぞドタバタ喜劇の醍醐味!派手なアクションや軽妙なやり取りは、言葉も国も超越する。大きなカツラ、けばけばしい色のドレスに包まれた俳優たちの身体が、巨大なペルシャじゅうたんの襞から現れては、まるでスーパーボールのように宙を跳ね、大げさな叫び声や「変な顔のヤツ」が終始舞台を駆け巡る。「スパニッシュ・フライ」とは、ツチハンミョウ科の甲虫から精製される催淫剤の名前でもあるが、この舞台はその名に相応しく観客たちを幻惑し、骨抜きにしてしまうだろう。洗練された肉体から乱れ打ちのように繰り出されるボケのボディブローに、あなたも撃沈必至!

 公演情報

日本初演 演劇/ドイツ

■公演日時
6/8(土) 、6/9(日)15時開演
◎終演後にヘルベルト・フリッチュ(演出・美術)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。

上演時間:120分
ドイツ語上演/日本語字幕

■会場
静岡芸術劇場

■チケット
一般大人:4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
☆SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、みるみる割引、ペア/グループ割引料金などがあります。詳しくはこちら

■劇場直行バス
渋谷発、浜松発のバスを運行いたします。詳しくはこちら

 スタッフ/キャスト

演出・美術:ヘルベルト・フリッチュ
原作:フランツ・アルノルト、エルンスト・バッハ

衣裳製作:フィクトリア・ベーア
音楽:インゴ・ギュンター
ドラマトゥルク:ザブリナ・ツヴァッハ

出演:
ヴェルナー・エンク、ベティー・フロイデンベルク、ヴォルフラム・コッホ、クリストフ・レトコフスキー、インカ・レーヴェンドルフ、バスティアン・ライバー、ゾフィー・ロイス、マンディ・ルドスキ、ハンス・シェンカー、シュテファン・シュタウディンガー、クリスティーネ・ウルシュプルーフ、ハラルド・ヴァルムブルン

製作:ベルリン・フォルクスビューネ

ステージ・マネージャー:エルスケ・ハーマン
舞台:ハンスヴェルナー・グラムシュ、フランク・クレッチマー
照明:ヨハネス・ツォッツ、ヨルン・ガーデ、サッシャ・グローマン、
音響:トビアス・グリンゲル、ゲオルク・ヴェーデル 
メイクアップ:イロナ・ジィーフェルト、ブリッタ・レーム、アンチェ・シュルツ
衣裳:マリオン・シラー、シュテッフェン・ラウシュ
小道具:コルネーリア・ベーメンブルク
演出助手:エヴィ・シューベルト
プロダクション・マネージャー:サイモン・ベーリンガー
芸術局長:ロルフ・クリーク

SPACスタッフ
舞台監督:村松厚志
照明:樋口正幸、小早川洋也
音響:加藤久直
舞台:市川一弥、永野雅仁、坂田ゆかり
衣裳(ワードローブ):畑ジェニファー友紀
ヘアメイク: 梶田キョウコ、高橋慶光
通訳:庭山由佳
アーティスト・トーク通訳:秋野有紀(獨協大学専任講師)
通訳補助:杉本雅美、ライントゲス花
翻訳:伸井太一
字幕操作:後藤絢子
制作:佐伯風土、山川祥代

特別協力: ドイツ連邦共和国大使館
        東京ドイツ文化センター

 みどころ

世紀を超えて社会秩序を笑い飛ばす、マジカル・ヒステリー・ツアー!
「スパニッシュ・フライ」は、アルノルトとバッハの喜劇作家デュオによって、第一次世界大戦前夜に書かれた。20世紀初頭のヨーロッパらしく社会道徳を風刺したドタバタ劇で、誤解と取り違えによる喜劇の古典的なスタイルで書かれている。80年代にテレビ放送もされたというこの笑劇を、メディアアーティストでもあるフリッチュは鮮やかに蘇生させた。この作品を観るとき人は自分の陥っている「タブロイド思考」について考えさせられる。いかなる問題も単純化し、スマホの画面の中に収められると思ったら大間違いだ。自分のソーシャルメディアを流れて行く情報だけが世界の潮流ではないと気づき、「脱線」していく勇気を持たなければ行き着く先はパニックのただ中かもしれない。時代に棹さすかのように大仰な遊戯を繰り広げて、フリッチュは人形の如き小市民たちを文字通り笑い飛ばしていく。
(大西彩香)

 あらすじ

カラシ工場の経営者ルートヴィヒには、秘密があった。若かりし頃、妻に隠れて「スパニッシュ・フライ」と呼ばれる踊り子と関係を持ち、今も子どもの養育費を支払っているのだ。妻のエンマは道徳観念の固まりで、彼女が会長を務める「母性保護同盟」の同志マチルダの息子ハインリヒと、自分の娘を結婚させようとしているが、娘のパウラは若い弁護士ゲルラッハと愛し合っている。ゲルラッハがルートヴィヒの秘密をばらしたものだから、エンマは「事の真相」を暴こうと大騒ぎ。ルートヴィヒの方は、ハインリヒを自分の隠し子だと思い込み・・・。