Waiting for Something





    <演出家プロフィール>
    中野成樹(なかの・しげき) 
    1973年東京生まれ。演出家。中野成樹+フランケンズ主宰。有明教育芸術短期大学講師。近年の行い:動物園にてオールビー『動物園物語』を動物見学付きで上演(『ZooZoo Scene ずうずうしい』2008,2009)/チェーホフ『かもめ』をラップチューン化、CDリリース&音楽ライブ/舞台パフォーマンス(『長短調』2010)/児童館で演劇活動その記録を作品化、東京/メルボルンで上演(『Powerhouse』2012)/『かもめ』をTwitter上で2年間かけ上演中(『つぶやくかも、め』2012-)/短中編連続上演で全国巡回(『ナカフラ演劇展』2012-2013)/など。
    http://frankens.net/
     



    ☆制作部が作品の魅力を語ります!

いま東京の演劇シーンで注目を集める「中野成樹+フランケンズ」。
韓国の演劇人・ミュージシャンとのコラボレーションが新境地を生んだ!

本作は、アジアの各都市から若手のアーティストが集まって共同制作を行う「アジア舞台芸術祭」の企画において、3年の月日をかけて創作され、同芸術祭での上演で大きな注目を浴びた。テーマはずばり「待つこと」。翻訳劇を得意とする演出家らしくベケットの『ゴドー待ち』に着想を得て、自ら脚本を書き起こした。男と女のちぐはぐな会話の果てに「待ち続けた何か」はやってくるのか。気軽に楽しめて、その世界は意外と深い。韓国の女優や音楽家とのコラボレーションが切り拓かせた、中野成樹の新たな境地!

待つものなど何もない筈の僕たちは、それでも何かを待ち続けている・・・。
わかりあえない時代に捧げる、言語も国境も超えた新しい「愛」。

「通じない」ということは、こんなにも滑稽なのか?「言葉の壁を楽しく扱いたい。」中野成樹のスタート地点はそこだったという。そしてすぐに気付く、「壁は言葉だけじゃない」。性別、年齢、世代、そもそも「生理的に嫌!」等々・・・。どうせ壁は存在する。だったらそれを敢えて感じられるものにしてみよう。そうしたら、こんなおかしな舞台が出来上がった。日常のコミュニケーションの煩わしさに悩んでいる現代人も、もどかしさを乗り越えて訪れるささやかな「疎通」に、心の底で快哉を叫ぶに違いない。

 公演情報

静岡初演 演劇/日本、韓国

■公演日時
6/15(土)13時30分開演、16(日)12時/16時開演
◎6月15日の終演後に中野成樹(作・演出)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。

上演時間:約50分
日本語・韓国語・英語上演/日本語・韓国語・英語字幕

■会場
舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」

■チケット
一般大人:2,000円/大学生・専門学校生・高校生以下1,000円

■劇場直行バス
渋谷発のバスを運行いたします。詳しくはこちら

 スタッフ/キャスト

作・演出:中野成樹
原作:サミュエル・ベケット
出演:チェ・ナラ(ソウル市劇団)
     村上聡一(中野成樹+フランケンズ)
     石橋志保(中野成樹+フランケンズ)
     キム・ソンヒョ(コムンゴ独奏、ソウル市国楽管弦楽団)

字幕翻訳(韓国語):金恵玲 
字幕翻訳(英語):新藤敦子
後援:駐日韓国大使館 韓国文化院

初演:アジア舞台芸術祭2011

 みどころ

「東京ローカル」の演劇者が饗する絶妙の「ポタージュ・スープ」を賞味せよ
独自の文化形成による地域の活性化がある種トレンドになっている昨今だが、東京で演劇を創る中野には「都市ローカル」という意識がある。海外の戯曲を自ら翻訳し、大胆な意訳と意図的な誤訳で斬新にアレンジし“おかしみ”を付加する――本人が「誤意訳」と名付ける手法によって生じるドメスティックな面白さが売りのナカフラ芝居が、ここにきて東京という地方の演劇として海外でも受け容れられると確信を持ったようだ。都市に生きる人々が折り合っていく消費社会と薄刃で対決しつつも、日常を切り取るまなざしが温かいのは、中野が自分の住まう地域への誇りを持っているからに他ならない。世界に出て行く価値はここにある。世界の巨匠が居並ぶ「ふじのくに⇄せかい演劇祭」は演劇のフルコース。中野は東京とソウル、二都市から丁寧に材料を選び、瞬時に惚れ込んだというコムンゴ(玄琴)の格調ある響きをスパイスに、3年かけて仕込んだ極上のスープで観客を饗応する。
(大西彩香)

 あらすじ

ある女の所に男がやってくる。が、言葉は通じない。男は携帯電話の充電をしたいと言うが女は誤解し、唯一通じた単語から男がイタリアのミュージカル俳優だと思い込み、部屋に迎え入れる。2年が経過する。携帯の充電はまだ終わらない。女は男が俳優ではなく、自分をヴェニスに連れて行ってくれはしないだろうと気づいているが、一緒に暮らし続けている。そこへ男の妻が現れる。今度は同じ言語を使うのに話が通じない・・・。