中高生鑑賞事業

SPACでは「劇場は世界を見る窓である」という理念のもと、劇場を広義の教育の場ととらえ、静岡県内の中高生を対象に招待公演を行っています。2014年度には33000人以上の中高生がSPACで観劇しました。これは劇団を有する公立劇場だからこそ可能なプログラムで、多感な時期に世界に通用する上質の演劇作品を鑑賞できる画期的な事業として、県内外からの注目を集めています。

★中高生鑑賞事業の愛称が、「SPACeSHIPげきとも!」に決定しました。
(詳細はこちら

SPAC芸術総監督 宮城聰から中高生の皆さんへ

みなさんは、いま自分がどういう時代に生きていると感じていますか?


そう、地域社会が崩壊(ほうかい)し、価値観が流動化(りゅうどうか)し、自殺者は増え続け、そして若者は「ひとり遊び」ばかりしていて孤独(こどく)のなかに閉じこめられている、そういう「精神的危機」の時代に生きている…と感じる人が多いかもしれません。


でも演劇をやっている僕から見ると、すこし違って感じます。なぜなら、演劇は何百年間も、孤独にさいなまれる精神や、なにが正しいのかの基準をなくして迷子になっている精神をえがいてきたからです。


つまりどうやら、世界が人間にとって生き易(やす)かったことなど一度もなかったらしいのです。


でもそのなかでがむしゃらにあがく人間が、演劇には登場します。がむしゃらにあがく彼らは、しばしば悲しい結末を迎えるし、人間とかこの世というものについてのはっきりした解答を出してもくれません。ですが、それでも演劇を見るとなんだか励まされる気がします。


どうしてでしょう?


きっとそれは彼らが“「わからない」ことに耐える力”を、すこし観客に手渡してくれるからだと、僕は思っています。

“「わからない」ことに耐える力”。それは“孤独と向き合う力”でもあります。

人間はいまも昔も孤独です。だから少しでも人とつながれるように、一生懸命(いっしょうけんめい)ことばとからだを研(と)ぎすましてきました。


それが演劇です。


SPAC芸術総監督 宮城聰からあなたへのメッセージビデオです。

来た!見た!考えた・・・。(鑑賞事業に参加した中高生のアンケートより)

はじめて生の演劇をみて・・・・・・

■初めてだったので、どのような様子か全く想像できませんでしたが、一度始まったら舞台に釘付けになりました。
(2010年『令嬢ジュリー』、中2女子)
■映画とは違う空間の雰囲気がとても新鮮でした。(2010年『わが町』、高3男子)
■演劇ってマジメすぎて静香に見て、大人が見るものだと思っていたけどちがった。すごくおもしろくて、つい笑った。
(2011年『ドン・ファン』、中2男子)

作品に考えさせられて・・・・・・

■考えなければ読み取れない(中略)このように考え抜く機会はよいものだと思いました。
(2010年『令嬢ジュリー』、高1女子)
■生と死、周りの人への感謝の気持ちについて、何度も考えたときはあったけど、改めて考えるとてもよい機会になりました。
(2010年『わが町』、高1女子)
■千年前と今では、その環境や生活が違ってきた部分もあるが、人の心は変らないものだと感じた。
(2010年『そしんしゃく源氏物語』、高1男子)

SPACの俳優たちと交流して・・・・・・

■演技がとても上手で、一人一人の表現とかが凄かったです。(2010年『わが町』、高1女子)
■帰るときに階段のところにみんながいて、びっくりした。しかもみんな優しくて、写真もとらせていただきました!
(2010年『しんしゃく源氏物語』、高1女子)
■静岡にこんなすばらしいところがあるなんて、自慢でもあるしとてもうれしいです。(2011年『ドン・ファン』、中1女子)

過去の鑑賞事業公演

2003年度 『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹

2004年度 『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹

2005年度 『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹

2006年度 『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹

2007年度 『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹

2008年度 『ハムレット』 原作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:宮城聰
         『ドン・キホーテ』 原作:セルバンテス 演出:原田一樹
         『走れメロス』 原作:太宰治 演出:安田雅弘

2009年度 『ドン・ファン』 原作:ティルソ・デ・モリーナ、モリエール、ほか 演出:オマール・ポラス
        『夜叉ヶ池』 作:泉鏡花 演出:宮城聰 
        『ロビンソンとクルーソー』 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ 演出:イ・ユンテク

2010年度 『令嬢ジュリー』 作:アウグスト・ストリンドベリ 演出:フレデリック・フィスバック 
        『わが町』 作:ソーントン・ワイルダー 演出:今井朋彦
        『しんしゃく源氏物語』 作:榊原政常 演出:原田一樹
        『ドン・ファン』 原作:ティルソ・デ・モリーナ、モリエール、ほか 演出:オマール・ポラス

2011年度 『グリム童話〜少女と悪魔と風車小屋〜』 作:オリヴィエ・ピィ 演出:宮城聰
        『走れメロス』 原作:太宰治 演出:安田雅弘
        『ガラスの動物園』 作:テネシー・ウィリアムズ 演出:ダニエル・ジャンヌトー
        『オイディプス』 作:ソポクレス 演出:小野寺修二
        『グリム童話〜本物のフィアンセ〜』 作:オリヴィエ・ピィ 演出:宮城聰

2012年度 『ペール・ギュント』 作:ヘンリック・イプセン 演出:宮城聰
        『夜叉ヶ池』 作:泉鏡花 演出:宮城聰
         ★インタビュー/棚川寛子(舞台音楽) 
        『病は気から』 原作:モリエール 演出:ノゾエ征爾
         ★インタビュー/深沢襟(舞台美術)
        『ロミオとジュリエット』 原作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:オマール・ポラス
         ★インタビュー/石川裕美(フランス語通訳)
        『ロビンソンとクルーソー』 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ 演出:イ・ユンテク
         ★インタビュー/金世一(演出助手)

2013年度 『ロビンソンとクルーソー』 作:ニーノ・ディントローナ、ジャコモ・ラビッキオ 演出:イ・ユンテク
        『サーカス物語』 作:ミヒャエル・エンデ 演出:ユディ・タジュディン
         ★インタビュー/布施安寿香(エリ役)
        『わが町』 作:ソーントン・ワイルダー 演出:今井朋彦
         ★インタビュー/内野彰子(舞台監督)
        『忠臣蔵』 作:平田オリザ 演出:宮城聰
         ★インタビュー/中野真希(演出補)
        『真夏の夜の夢』 原作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より 潤色:野田秀樹 演出:宮城聰 
         ★インタビュー/駒井友美子(衣裳デザイン)

2014年度 『天守物語』 作:泉鏡花 演出:宮城聰
        『ドン・キホーテ』 原作:セルバンテス 演出:原田一樹
         ★鑑賞パンフレット ★インタビュー/神谷玲奈(照明)
        『走れメロス』 原作:太宰治 演出:安田雅弘
         ★鑑賞パンフレット
        『変身』 原作:フランツ・カフカ 演出:小野寺修二
         ★鑑賞パンフレット
        『グスコーブドリの伝記』 作:宮沢賢治 演出:宮城聰
         ★鑑賞パンフレット
        『ハムレット』 作:シェイクスピア 演出:宮城聰
         ★鑑賞パンフレット