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ハムレット

演出:宮城聰
作:シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
音楽:棚川寛子
仮面デザイン:緒方規矩子
仮面制作:遠藤啄郎
出演:武石守正、植田大介、高橋等、牧山祐大、野口俊丞、瀧井美紀、
布施安寿香、池田真紀子、いとうめぐみ、佐藤七美、青島美奈子、
井原未来(11/16)、岩辺更紗(11/9、22)、大石夢子(11/16、24)、木藤好香(11/9、23)、
杉田ちひろ(11/22、24)、南條未基(11/15、23)、濱野萌子(11/15)
静岡芸術劇場
一般大人:4,000円、同伴チケット(2枚):7,000円
大学生・専門学校生:2,000円、高校生以下:1,000円
2演目セット:7,000円(※2演目あわせてご予約ください)


高校生のための演劇鑑賞教室
(一般発売は限定30席)
11月13日(木)11:00/15:00
14日(金)13:30
20日(木)13:30
21日(金)13:30
上記日程は高校生のための貸切公演ですが、限定30席で一般発売もあります。劇場窓口、電話にてご予約うけたまわります。
11月9日(日)15:00開演鈴木光司(小説家)
15日(土)13:30開演望月通陽(美術家)
16日(日)14:00開演平野雅彦(静岡大学非常勤講師・情報意匠論)
22日(土)13:30開演島村芳三(建築家)
23日(日)14:00開演小林千穂(K-MIXパーソナリティ)
24日(月・祝)14:00開演佐藤剛史(演出家、劇団伽藍博物堂代表、ストリートフェスティバル イン シズオカ 実行委員会会長)
終演後、静岡の有志をお招きして、演出家宮城聰とのトークを行ないます。

ハムレットと日本(と静岡)

日本で最初の『ハムレット』翻訳は静岡で生まれた、というと多少牽強付会ではあるが、嘘ではない。幕臣に生まれ、静岡学問所教授となった中村正直編訳のベストセラー『西国立志篇』(1870)の中で、『ハムレット』の数行が紹介されている。これにはじまる『ハムレット』受容の歴史は日本のいわゆる「近代化」の過程と重なり合っている。1886年には『東京絵入新聞』で舞台を南北朝に置き換えた紙上歌舞伎『葉武列土倭錦絵(はむれつとやまとのにしきえ)』が連載され、この仇討ち物語が人口に膾炙する契機を作った。1903年には川上音二郎一座が『ハムレット』を上演し、成功を収める。こちらもやはり明治時代のお家騒動の話に置き換えた翻案だったが、4年後の1907年には文芸協会が坪内逍遙訳の本格的な翻訳を舞台に上げ、松井須磨子演じるオフィーリアが評判を呼んだ。

文学の世界では、『ハムレット』は苦悩する近代人の典型として、もっと早くから多大な影響を及ぼしている。明治の作家では、イギリスに留学した漱石は言うに及ばず、北村透谷や島崎藤村などもハムレットに霊感を得た作品を発表している。大正から昭和にかけて志賀直哉の「クローディアス日記」(1912)、小林秀雄の「おふぇりあ遺文」(1931)、そして太宰治の「新ハムレット」(1941)と、直接『ハムレット』に参照する作品がいくつも書かれているところを見れば、この作品が日本における近代的自我の成立にいかに大きく関わってきたかが分かるだろう。ちなみに、この「新ハムレット」が書かれたのも静岡(現静岡市清水区にある三保園ホテル)であった。

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一度はホンモノを見たかった
人間を見つめ続けた永遠の名作が色鮮やかによみがえる

あらすじ

ドイツの名門大学でキャンパスライフを謳歌するデンマークの王子ハムレット。文武両道に秀で、モードにも敏感な王子は、幼なじみのオフィーリアをはじめ、女性たちの人気の的だった。だが突然の訃報が彼を祖国へと連れ戻す。父が、死んだ。

そして祖国では、悲しみにくれる王子をさらにどん底へと突き落とす事態が待ち受けていた。なんと、王位を継ぐのはハムレットではなく叔父のクローディアスだという。頼みの母ガートルードは早速クローディアスと再婚し、再び王妃の座におさまっている。

全てを失い、呆然とするハムレットの前に父の亡霊が現れ、衝撃的な指令を伝える。「私を殺したのはおまえの叔父だ、復讐せよ!」だが、どうやって?そもそもこの亡霊のいうことは本当なのか?ハムレットは狂気を演じることで真実を探り、復讐の機会を探ろうとする。ところがこの演じられた狂気は、愛するオフィーリアを真の狂気へと追いやってしまう・・・。

世界の全てが疑問符に変わってしまった時、どうすれば自分を取り戻せるのか?

出口の見えない暗闇のなかで、自分の場所を求めてもがくハムレット。若き魂の孤独な闘争を描いたシェイクスピアの代表作が今、宮城聰の魔術で甦る!

ウィリアム・シェイクスピア(1564〜1616)

ルネサンスのイングランド、時は大航海時代。エリザベス朝演劇の興隆に伴い次々と劇場が建設される中、突如彗星のごとくあらわれたウィル。

ストラトフォード・アポン・エイヴォン(イングランド中部)で生まれたこの田舎者で役者上がりの劇作家は、民衆演劇の伝統を踏まえながらも新たな形式を積極的に取り入れ、奔放な想像力と磨き抜かれた詩句で新たな時代を生きる人間の苦悩と希望を描いて、瞬く間にロンドンっ子たちを魅了していった。

1594年ごろには宮内大臣一座として知られる劇団の共同所有者となり同劇団の本拠地であった劇場グローブ座共同株主にもなって経済的に成功。エリザベス一世の死後ジェームズ一世の即位では国王の庇護を約束されるほどの人気劇団になった。そのあまりの博識多才ぶりに、後世「シェイクスピアの正体」として哲学者フランシス・ベイコン、オクスフォード伯爵、はたまたエリザベス女王その人までが名を挙げられてきた。それから四世紀が経ち、今日ウィリアム・シェイクスピアは世界で最も頻繁に上演される劇作家となっている。

戯曲としては約40篇が現存しているが、中でも最高傑作『ハムレット』は、地球上のどこかで上演されていない日はないという。そのほか『マクベス』、『オセロー』、『リア王』(『ハムレット』とあわせて「四大悲劇」と呼ばれる)などが知られている。