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2018年11月22日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(5)稽古2日目

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月17日(土)

天気のいい朝。ラ・グランド・アールの前にある「ライオンの噴水」が青空に映える。

ライオンの噴水

この鋳鉄製の噴水は革命後間もない1811年、当時最新鋭の技術を動員して作られ、今のレピュブリック広場にあたる場所に設置された。この噴水ができてから、ここは「給水塔広場」と呼ばれ、近隣に水を供給する役割も果たしていた。だがラ・ヴィレットに肉市場がオープンした1867年、オスマン男爵によるパリ大改造の一環として、「給水塔広場」には青銅製のより大きな噴水が作られ、この「ライオンの噴水」はラ・ヴィレットに移築されて、ここに連れられてきた動物たちに水をやる場となった。

技術スタッフは朝9時入り、俳優は12時半からトレーニング。

トレーニング

明日のゲネ(最終通し稽古)に備えて、各場面を入念にチェックしていく。

神様

ラ・グランド・アールの巨大な天井に俳優の影が伸びる。

影

「はい、じゃあラップ、「ずいずいずっころばし」のところ、お願いします」と宮城さん。そんな場面あったかな・・・。

ラ・グランド・アールのガラスと鉄骨の構造を見てみようと幕を開けたら、目の前にあるシャンソン・ホールの赤いネオンがすごく目立つ。

外のネオン

ラ・ヴィレットを通じて、シャンソン・ホールと交渉。

22時退館。夜のライオンたち。

夜の噴水

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『マハーバーラタ』(ラ・ヴィレットのウェブサイトへリンク)
https://lavillette.com/programmation/satoshi-miyagi_e20

『マハーバーラタ』フランス公演(SPACウェブサイト内)
http://spac.or.jp/mahabharata_japonismes2018.html

ジャポニスム2018参加企画 ふじのくに魅力発信事業(SPACウェブサイト内/日仏併記)
静岡県は、ジャポニスム2018公式企画に選定されたSPACの『マハーバーラタ』公演を活用し、公演期間である2018年11月19日から11月25日の間、「Mt. FUJI × TOKAIDO(富士山と東海道)」をテーマに、パリ市内で静岡県の魅力を世界に向けて発信するさまざまな事業を展開します。
http://spac.or.jp/news/?p=14636
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アヴィニョン演劇祭参加の記:2014年『マハーバーラタ』『室内』上演記録
アヴィニョン法王庁日記  :2017年『アンティゴネ』上演記録
『顕れ』パリ日記2018 :宮城聰最新作『顕れ』上演記録
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2018年11月19日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(4)稽古初日

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月16日(金)

技術スタッフは朝9時入り、俳優は11時半入り。現地スタッフと顔合わせ。

顔合わせ

ラ・ヴィレットはすっかり『マハーバーラタ』仕様に。

ポスター (1)

26人の俳優が劇場入りすると、だいぶ張り詰めた雰囲気に。

12時からトレーニング。午後に楽器をセッティングして、18時から稽古。

賭け

暗がりで待機する象たち。

象

屋内なのに、凍える寒さ。最低気温が0度に近づいてきた。22時退館。

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『マハーバーラタ』(ラ・ヴィレットのウェブサイトへリンク)
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『マハーバーラタ』フランス公演(SPACウェブサイト内)
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2018年11月18日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(3)ラ・グランド・アール、肉市場から文化施設へ

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月15日(木)

 
会場のラ・グランド・アールに行くと、今月の演目の看板が設置されていた。このスケールだと、何をするにも大仕事。

11月12月看板

朝9時から作業。この舞台は現地で作らなければならないものも多い。いろいろ切ったりつないだり。

作業リスト

18時過ぎ、俳優たちがパリに到着。

字幕をチェック。

字幕チェック

この『マハーバーラタ』のリング状舞台が入るような大きさの屋内会場はパリにいくつもないだろう。鉄骨とガラスでできた、レトロモダンのちょっと不思議な建物。ここにはなかなか面白い歴史がある。

ラ・ヴィレットはパリ市の壁のすぐ外にある自治体だったが、1859年にパリ市に統合された。この建物は「ラ・グランド・アール(La Grande Halle)」という。「アール」というのはフランス語で「市場」の意味。急激な人口増に対応するためのナポレオン三世によるパリ改造計画の一環として、1867年にオープンした。それまでパリ市内と周辺5カ所にあった肉市場を一カ所に統合して、パリの中心から少し離れたところに、85メートルX245メートルで高さ19メートル、2万6000平米という巨大で衛生的な食肉処理場兼肉市場を作ったわけだ。

このラ・グランド・アールは、はじめは「牛肉市場(Halle aux bœufs)」と呼ばれ、月曜日と木曜日に市が開かれていた。最盛時には5000頭ほどの牛が取引されていたという。ここには他にもう二つ、羊肉市場、仔牛肉・豚肉市場もあった。

1900年からはこのラ・ヴィレットが「農業総合コンクール」の会場となり、カーニバル(謝肉祭)のときには、ここから「大牛(ブフ・グラ bœufs gras)の行進」が行われるようになった。フランス全国から選りすぐられた生産者自慢の牛たちが、パリの街を練り歩く。

このラ・グランド・アールのような鉄骨とガラスの建築が流行ったのは1851年のロンドン万博で一大センセーションとなった「水晶宮」がきっかけ。1857年オープンのパリ中央市場「レ・アール・ド・パリ(Les Halles de Paris)」もやはり鉄骨とガラスの建築だったが、これは1970年代に解体されてしまった。きっとこれができたときには、旧来の市場に比べて、強烈な清潔感が感じられるものだったのだろう。

ラ・ヴィレットの肉市場は1974年に閉鎖され、ラ・グランド・アールは1979年にフランス歴史遺産に指定されて、2007年に修復が終了した。その過程で、この建物は文化施設へと改造されていき、マイルス・デイヴィスやローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイなどの大型コンサートを受け入れてきた。個人的には、池田亮司のライヴが思い出深い。ライヴに行って耳栓を配られたのはそれがはじめてだったが、この場所だからこその超爆音体験だった。

『マハーバーラタ』には、動物たちもたくさん登場する。豚をほふって肉を焼く場面があり、またヒロインのダマヤンティー姫が巨大な虎に喰われそうになる場面もある。これは人間が世界の支配者ではないことを教えてくれる物語でもある。ラ・グランド・アールができてから、パリの街では謝肉祭のときくらいしか家畜を見かけなくなっていった。そして今では獣たちはもっと遠くに追いやられ、音楽すら街の端へと追いやられている。ここで上演される『マハーバーラタ』はどんな意味をもつことになるのだろうか。

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『マハーバーラタ』(ラ・ヴィレットのウェブサイトへリンク)
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2018年11月17日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(2)

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月14日(火)

 
朝7時半ホテル出発。会場ラ・グランド・アールに8時集合。劇場側で製作してくれたリング状舞台を点検。

9時、コンテナ荷物の搬入開始。運んでも運んでも荷物が出てくる。ほぼ屋外で、寒い。

搬入

「サバ」、「プリ」、「ほくろ」と謎の印。

サバ、プリ、ほくろ

10時、搬入終了。

10時15分、顔合わせ・ミーティング。

ミーティング

17時過ぎに日の入り。今回は最終日の日曜日のみ16時開演なので、日の入り後の明るさの変化を確認する宮城さんと空間構成の木津さん。

明るさチェック

22時まで作業、退館。

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2018年11月16日

『マハーバーラタ』パリ・サウジ日記(1)

SPAC文芸部 横山義志
2018年11月13日(火)

『マハーバーラタ』のスタッフがパリに到着。夕暮れ。

バスから

今月はラ・ヴィレットというところで『マハーバーラタ』を上演の予定。そのあと、12月にはサウジアラビアのダーランで、やはり『マハーバーラタ』を上演することになった。

パリからサウジアラビアへ、というツアーはあまり聞いたことがないが(そもそもサウジアラビアで日本の現代演劇が上演されるというのもかなり珍しいだろう)、実はどちらもアヴィニョン演劇祭での上演がきっかけになっている。やっぱりアヴィニョンで公演すると、いろいろな人が見に来てくれるものだ。

ラ・ヴィレットはパリ市内で最大の公園。そのなかの一番大きな建物ラ・グランド・アールのなかに、駿府城公園やアヴィニョンのブルボン石切場などでの野外公演で使ったリング状舞台を組んで上演する。
*駿府城公園にて上演した『マハーバーラタ』演目ページはこちら

グランドアール

着いて早々、一応場所だけでも下見に。夜中に外から会場を見つめる怪しい人々。

下見

明日11月14日から仕込みをはじめ、11月19日~26日まで6回公演。また、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2018」の開幕式で川勝知事も出演してくれた『喫茶去(きっさこ)』という小作品も、静岡茶のプロモーションのために11月24日・25日に無料公演の予定。(詳細はこちら
*『喫茶去』の様子も紹介した演劇祭のブログはこちら:【シアタークルーレポート】開幕式

すでに満席の日もあるようですが、お近くの方はぜひ遊びにいらしてください!

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『マハーバーラタ』(ラ・ヴィレットのウェブサイトへリンク)
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