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2017年7月9日

アヴィニョン法王庁日記(4) 2017年6月30日 仕込み二日目

SPAC文芸部 横山義志

午前8時から舞台上に水を入れていく。全て入れるのに8時間かかるという。

日没が午後10時近いので、照明の作業時間が限られていて、照明の調整が終わらず、少し稽古が押すことに。17:30 俳優入り、楽器セッティング。18:30トレーニング。18:30-20:00まだ観光客がいて音が出せないので、静かにサウンドチェック。20:30-21:30演奏込みのサウンドチェック。21:30-23:00照明フォーカス。23:00-午前3:30全体稽古。

駿府城公演に比べ、三倍近い広さ。僧侶が舟で進む距離も倍近くなっているという。舞台は間口40メートル、奥行き16メートルで、約570平米。水深も2~3センチ深くなった。床がかなりでこぼこで、一番床が高くなっているところをカバーできるように調整したという。

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アヴィニョンでは日没の時刻が21時過ぎなので、開演は22時。日が落ちると気温差が生じ、風が生まれる。法王庁で舞台を観るとき、よく強い風が吹いているのはそのせいもあるらしい。南仏で「ミストラル」と呼ばれる冷たい北風もよく吹く。そして四方の壁に囲まれた巨大な空間のなかで渦を巻く。

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今日は日中も26度くらいまでしか上がらず、最低気温は13度という。法王庁中庭の体感温度はずっと低い。深夜0時くらいになると風は凪いでいくが、気温はいよいよ下がっていく。水に足を浸している俳優たちは、防寒の工夫を凝らしてはいるが、かなりこたえるようだ。「手を入れてみたら冷蔵庫の水みたいだった」という。
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
*詳細はこちら
*アヴィニョン演劇祭サイトはこちら
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2017年7月6日

アヴィニョン法王庁日記(3) 2017年6月29日 仕込み一日目

SPAC文芸部 横山義志

午前4時半起きで、5時半頃に宿を出てアヴィニョンの城壁の中へ。5時50分法王庁前に集合。機材を積んだトラックが到着している。石畳の段差をバックで登ってきたという。法王庁担当のスタッフと顔合わせ。法王庁の楽屋口から中庭の舞台に入っていく。

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今回の演出では、舞台上に水を張っている。法王庁中庭の舞台にもすでに水が…というのは想定外で、この二日の大雨で溜まったもの。まずは機材を置いたりマーキングしたりできるように、水抜きをしなければならない。モップで少しずつ水をポンプの方に集めていく。気の遠くなるような作業。

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舞台装置の岩を搬入。まるで測ったかのように搬入口ギリギリ。

なんとか水以外はセッティング。世界遺産のアヴィニョン法王庁に、なぜか和風の石庭。ミスマッチの妙。

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法王庁は朝9時から見学できるようになるので、仕込みしている横を観光客が通っていく。

法王庁の楽屋。アーチ状の天井、フレスコ画、ステンドグラス。これもかなり不思議なシチュエーション。

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14時に俳優入り、楽屋準備。16:30舞台上で居所合わせ。水が入らないうちに、俳優の位置をマーキングしていく。17:30~18:30夕食休憩。22:00~24:00舞台上で早速稽古。高さ30メートルの法王庁中庭の壁に俳優の影を大きく映し出す。ここでは、駿府城公園で上演したときよりも、ずっと大きな影を作ることができる。

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その後、照明の調整作業。午前4時まで。
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
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(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
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2017年7月5日

アヴィニョン法王庁日記(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着

SPAC文芸部 横山義志

15:30ごろパリ着。17:55パリ発、19:40マルセイユ着。

アヴィニョン在住の友人から、ずっと猛暑がつづいていたのに、昨日から突如大雨が降ってきた、と聞いたが、マルセイユでは空は明るい。
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機材の通関手続きをして、スーツケースをバスに積み込んでいると、突然の大雨で早速ずぶ濡れに。前回の『マハーバーラタ』でも、やはり滅多に降らないはずのアヴィニョンで連日記録的な大雨が降り、相当苦労させられた。その時も到着した途端に雨に見舞われた覚えがある。昨年のパリ公演でも、記録的な大雨続きで、セーヌ川が溢れていた。雨にはよほど気に入られているらしい。

バスで一路アヴィニョンへ。22時頃、宿に到着。スタッフは先にアヴィニョン入りしていた技術監督の堀内真人さん(KAAT神奈川芸術劇場)と23時頃に法王庁前で合流して打ち合わせ。
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宿では、ツインのはずがダブルベッドだったり、毛布がなかったり(昨日までは猛暑で必要なかったという)、鍵が開かずに宿に入れないスタッフがいたりで、午前1時くらいにようやく全ての問題が解決。

明日は当初の予定通り、午前6時から作業・・・。
 
 
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(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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会場:アヴィニョン法王庁中庭
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2017年7月1日

アヴィニョン法王庁日記(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ

SPAC文芸部 横山義志

アヴィニョンへの二度目の旅立ち。2014年には『マハーバーラタ』を、ピーター・ブルックの伝説的舞台『マハーバーラタ』の会場となった石切場で上演した。今回はアジアの劇団としてはじめて、アヴィニョン演劇祭のオープニングで、メインステージの法王庁中庭で公演することに。アジアだけでなく、非ヨーロッパ言語圏の劇団でもはじめてらしい。法王庁中庭はアヴィニョン演劇祭がはじまったところでもあり、今では毎年この時期になると、2000人収容の仮設劇場が組まれる。2000人を前に芝居をする機会というのはなかなかない。それだけでも、かなりドキドキの体験である。

6回公演の予定だが、12,000席がチケット発売開始から数時間で売り切れてしまったらしい。毎日のように「発売日に何度も電話したのに、どうしてもチケットが取れませんでした。なんとかなりませんか?」というメールが来る。

第二次大戦後すぐにはじまったアヴィニョン演劇祭は今年で71回目。南仏のさほど大きくもない町で、演劇祭をここまで育て上げてきた方々の苦労が偲ばれる。人口規模としては、静岡市の方がよほど大きい。SPACは今年で20周年。あと50年続けば、こんな演劇文化を育てることができるだろうか。

今日は午後3時劇場出発で、羽田空港に向かう…と思ったら、早々にフライトキャンセルの連絡。機材到着の遅れのためだという。結局フライトは翌朝となり、27日午後3時に静岡芸術劇場出発のはずが、翌28日の午前3時出発に。

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おかげで高速道路は空いていて、午前6時には羽田空港着。今回は荷物のトラブルもなく、午前9:55発パリ行きのフライトで無事に出発。

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