ハルッのハラペコがとまらない!
世界中を食べつくすハルッの物語
木の精(せい)がくれた男の子ハルッとやさしいおじいさんおばあさんの心あたたまるふしぎなお話。
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが二人でくらしていました。二人には子どもがいなかったので、さみしくて、子どもが生まれるようにおいのりをしました。すると木の精が子どもをくれました。子どもの名前は「ハルッ」といいました。木の精は二人に、ハルッにはお米のごはんをあげちゃいけないよ、といいました。
ハルッはあっという間に大きくなりました。そしてある日、ごはんが食べたい、といいだしました。ハルッがあんまりねだるので、おじいさんとおばあさんはごはんをあげてしまいました。そうしたら、ハルッはおなかがすいてすいて、家じゅうのものを食べ、外のものも食べ、世界中のものを食べつくしても、まだハラペコがおさまらないのです・・・
どんな小さな物にも、その内側を見つめてみると、大きな世界が広がっています。『ハルッの物語』を見つめてみると、ふだん見慣れているはずのもの ── 家族、家庭、会話、食べ物、欲望・・・── が、ふだんと違って見えてきます。
アジア児童演劇の革命児ティダが、紙で作られたお面や人形、テピョンソ(チャルメラに似た韓国の管楽器)などの韓国演劇の伝統的な道具だけでなく、ペットボトル、シャベル、ビール瓶などといった楽器(!)を巧みに使って、大人にも子どもにも楽しめる、ふしぎですてきな舞台をみせてくれます。