木々の香りに見つめられ
ちょっとちがったひと夏の恋
そよそよ風にさそわれて
すそもほろほろあゆみよる
ヨイヨイヨイヨイヨイヤサー
舞台はとある川辺。そこに隣り合わせて棲んでいる河童と人間との交流や異種間の恋、日々の暮らしの喜怒哀楽を描きます。時は夏、お盆の集落には河童のようなもののけの他にも死者の霊が帰ってきたりして、静かに、でもむんむんと沸き立っています。そこで起る小さな事件。すぐそばにあるのに見えない、見ようとしない、見たくないもの、そんなものに不意打ちをくらったらどうなるか。
ささらほうさら
女性主体で活動する舞踏集団。大きな世界でなく見落としてしまいそうな小さなところで起っているできごとを舞踏という顕微鏡で拡大して見せるミクロなミクロなスペクタクル。
グループ名の「ささらほうさら」は静岡の山間、山梨、長野、奥多摩あたりで使われている方言。ばかもの、ふらふら働かない者、畑などが荒れ放題、しっちゃかめっちゃかな状態などの意。
安田理英(やすだ りえ)
舞踏家。静岡市出身。4歳から17歳までクラシックバレエを、1990年から2001年まで大駱駝艦で舞踏を学ぶ。2001年の大駱駝艦米国ツアー後「ささらほうさら」で独立。全く正反対ともいえる二つのダンスの基礎を身体にかかえる矛盾のなかからこの世でもっとも原始的な芸能である「踊り、ダンス」とは何かを探り続ける。「ささらほうさら」での演出作品は6作、ヒベリニヨは5作目。その他ソロ、異ジャンルのダンサーとの共作、演劇への客演など。「Shizuoka 春の芸術祭」には世界劇場『こまった恋愛悲劇』、Power Doll Engine『縛られたプロメーテウス』に出演。同作品ではコロスの振付も担当。