グローバル化が進行し、従来の日本社会の慣習が解体しつつある現在、指示されたことをこなすだけの人材よりも、自分なりの判断を下して積極的に行動できる人材が、様々な場面で求められています。そこで必要となるのが、自分の思いを他人へ伝える〈表現力〉です。はたして、他人の心をゆさぶる〈表現〉とは、どんなものなのでしょう? また、地域で、学校で、家庭で、〈表現力〉を養成するには、どんな方法が有効なのでしょう? ダンボール・アートで知られる〈表現〉のプロフェッショナルであり、近年は日本各地でワークショップを展開、さらには、アートと舞台の融合も試みている現代美術家・日比野克彦さんをお迎えして、子供から大人まで、ひとりひとりが〈表現力〉を伸ばすためのヒントについて、楽しくお話ししていただきます。
日比野克彦(アーティスト)
1958年岐阜市生まれ。東京芸術大学大学院修了。在学中にダンボール作品で注目を浴び、国内外で個展・グループ展を多数開催する他、舞台美術、パブリックアートなど、多岐にわたる分野で活動中。近年は各地で一般参加者とその地域の特性を生かしたワークショップを多く行っている。
「CAFE HIBINO NETWORK」(オフィシャルウェブサイト)
宮城 聰(みやぎ さとし)
演出家、静岡県舞台芸術センター(SPAC)芸術総監督。1959年、東京生まれ。90年、劇団「ク・ナウカ」を結成。日本の伝統演劇の様式とヨーロッパのテクストを融合させた演出には定評がある。2004年、第3回朝日舞台芸術賞受賞。海外公演も頻繁に行っており、06年10月にはケ・ブランリー国立博物館(パリ)付属劇場のこけら落としとして『マハーバーラタ』を上演。代表作に『王女メデイア』(エウリピデス)など。07年4月より静岡県舞台芸術センター芸術総監督を務める。