愛が肉をもって語り出すとき、
「言葉」が生まれる
演劇という奇蹟についての、奇蹟のような舞台
悲劇の女神に扮した「詩人」が次々と襲いかかる演劇の敵たちに立ち向かい、時に滑稽に、時にグロテスクに、この演劇という奇蹟を語る。舞台を通してのみ語りうる、ピィ演劇論の精華。
オリヴィエ・ピィはパリ国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)の校長から演劇を志す若者たちのための教科書執筆を依頼された。そこで書かれたのがこの『若き俳優への手紙』である。散文詩の形式で書かれたこの「手紙」は、学生たちの前でピィ自身によって上演された。近年では、太陽劇団出身の名優ジョン・アーノルドが「詩人」の役を務めている。
2000年に書かれ、初演された『若き俳優への手紙』はすでに複数の言語に翻訳され、現代演技論の古典となりつつある。
ジョン・アーノルド
パリ国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)でミシェル・ブーケに師事したのち、太陽劇団に入団。アリアーヌ・ムヌーシュキン演出『十二夜』(1982)、『ヘンリー4世』(84)などに出演。その後フリーとなり、オリヴィエ・ピィ演出『繻子の靴』(2003)などに出演。映画では『タンゴ-ガルデルの亡命』(1985)、『恋の掟』(89)、『マリー=アントワネット』(2006)など。