• SPAC
  • SPACについて
  • スケジュール
  • チケット
  • アクセス
  • 劇場ガイド
  • 芸術総監督
  • 劇団スパック
  • レパートリー
  • 活動記録
  • ニュース
  • ブログ
  • 掲載記事
  • 書籍
  • SPACの会
  • シアターフレンズ
  • 中高生の皆さんへ
  • 無料バス
  • パンフレットPDFダウンロード
  • プレスリリースPDFダウンロード
  • 日仏学院イベントインフォメーション
  • SPAC公式twitter

リオ・デ・ジャネイロ

  • 前へ
  • 一覧へ
  • 次へ
コンセプト・演出:エンリケ・ディアス
共同演出:クリスティーナ・モウラ
出演:コレティヴォ・インプロヴィゾ
6月26日(土) 14時30分開演、27日(日) 16時開演
静岡芸術劇場
上演時間:75分 ポルトガル語上演・日本語字幕
静岡県内の中学生は30名までご招待あり。

作品について

リオのアーティストが見つけた、スリリングな演劇のカタチ!
2008年静岡を熱狂させたエンリケ・ディアスの新たな挑戦!

「Shizuoka春の芸術祭2008」で『かもめ…プレイ』を上演し、絶賛されたエンリケ・ディアス演出の最新作。俳優、ダンサー、ミュージシャン… ジャンルを越えたアーティスト集団コレティヴォ・インプロヴィゾの必見パフォーマンス。ドキュメンタリー精神で見つめたリオ・デ・ジャネイロの情景を手がかりに、ぬくぬくした生活と剥き出しのカーニバルが交差する、沸血絶倒スマート・シアター!
ディアスと共同演出するのは振付家のクリスティーナ・モウラ。『かもめ…プレイ』の所作指導も手がけた彼女は自身パフォーマーでもある多彩な才能の持ち主。黄金コンビが装いを新たに再登場です。おそろしく知的でそれでいて愉快、とびきりおちゃめなリオからの来客に会いに行こう!

コラム
エンリケ・ディアスの演劇の好きなところ
岡田利規

エンリケ・ディアスの作品は、チェーホフの原作にもとづいて作られた『かもめ・・・プレイ』をわたしは見ています、というか、それしか見ていないのですが。これは、2008年の春に静岡でも上演されたものですね、僕はそのときも見ましたが、その一年前にブリュッセルでも見ていました。彼らも、そしてわたしたちも、かの地で開催されていたフェスティバルの、ともに参加者だったのです。舞台上で話されるのは主にポルトガル語だし、字幕はフラマン語とフランス語で、つまり(などとあらためて断ることもないでしょうが)わたしにとっては言葉の面ではまるきりちんぷんかんぷんだったのですが、にもかかわらず、たいへんに感銘を受けました。
よく知られた古典作品を原作としていたおかげで、「ここは世界霊魂とやらが出てくる例の劇中劇のシーンだな、ヘリコプターのラジコンを使った演出、おもしろいなあ」とか「ここはラストの、トレープレフが自殺するところか。ドライヤーを銃に見立てて頭に向けてたかと思いきや、床に転がっていたトマトを踏みつぶしてそれを表現するなんて、憎らしいほどのセンスだな」とかいうことが理解できたのも大きかったのでしょうが、しかしとにかく、役者に見ごたえがあった。色気があるのです。そのことを、そりゃあ彼らは「ラテン」なのだから当然だろう、と思ってはいけません。役者にとって色気というのは、半ば以上技術の問題です。だから正直、ここだけの話、ラテンの役者だろうがどこの役者だろうが、色気というのは(つまり、技術というのは)、ある人にはあるし、ない人にはないのです。そしてエンリケ・ディアスのカンパニーの役者には、これはもう間違いなく、色気があります。
そしてエンリケ・ディアスの演出は、実に要領を得た、抑制の利いたものです。華美なことはしません。でもその簡潔さは、わたしたち観客に、役者の色気を心ゆくまで味わわせてくれます。

岡田利規(おかだ・としき)

演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。
05年『三月の5日間』で第49回岸田戯曲賞を受賞。08年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第二回大江健三郎賞受賞。09年10月HAU劇場(ベルリン)にて『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を発表。

←左のアイコンをクリックすると、SPAC発行のパンフレット「劇場文化」掲載のエッセイをお読みいただけます。

リオデジャネイロ、忘れがたい魔法
福嶋伸洋

イメージをつかむ方法
高橋宏幸

後援 ブラジル大使館

エンリケ・ディアス

演出家・俳優。
1967年、リマ(ペルー)に生まれる。16歳の時にリオ・デ・ジャネイロで「コンパーニャ・ドス・アトレス(俳優のカンパニー)」を友人たちと共に設立。90年代初頭、ボルヘスとマラルメに着想を得た『ア・バオ・ア・クー』によって注目される。コンパーニャ・ドス・アトレスは俳優の演技を中心にしたカンパニーで、テクストは踏み台に過ぎず、ディアス自身を含めた俳優たちの共同作業によって作品を構成していく。
88年から、ディアスは同時に即興とジャンル横断性を特徴とするコレティヴォ・インプロヴィゾのディレクターを務めている。この劇団はエンリケ・ディアスとマリアナ・リマの演出作品に参加したパフォーマーたちの出会いによって生まれた。この14人のダンサー・俳優・ミュージシャンたちは、与えられたテーマに従ってオーダーメイドでパフォーマンスを作り上げていく。

クリスティーナ・モウラ

振付家、演出家、パフォーマー。
1969年リオ・デ・ジャネイロ生まれ。クラシック・バレエを学び、ブラジリアのダンス・グループ「エンダンカ(Endanca)」に10年間参加した。96年から2003年までヨーロッパに滞在し、スペイン、フランス、ベルギーのダンス・カンパニーで研鑽を積んだ。自らクリエイションをはじめたのは98年。03年に初演された彼女のソロ作品『白痴のように(like an idiot)』はヨーロッパ各国はじめ、アメリカ、ブラジルで100回以上上演されている。03年から創作と生活の拠点をリオ・デ・ジャネイロに移し、04年よりコレティヴォ・インプロヴィゾのメンバーとなる。近年、ダンスと演劇の両方にまたがる活動を続け、エンリケ・ディアスと共作している。「Shizuoka春の芸術祭2008」で上演されたディアス演出『かもめ…プレイ』でも所作指導を担当した。そのほか、女優マル・ガッリとの共同演出やソロ作品等、多彩な活動を展開している。