ホフマン物語

Directed and choreographed by
Jo Kanamori

Music by Tôn Thât An

Costume by Yuichi Nakashima (artburt)

Lighting by Masakazu Ito (RYU Inc.) and Jo Kanamori

Performed by Noism1 and Noism2

■ 19 March at 18:00

■ 20 March at 16:00

Shizuoka Arts Theatre

Duration:135 minutes with intervals

演出振付・空間: 金森穣
音楽: トン・タッ・アン
衣裳: 中嶋佑一(artburt)
照明: 伊藤雅一(株式会社 流)、金森穣
出演: Noism1&Noism2
3月19日(土) 18時開演 ・ 20日(日) 16時開演

◎ 終演後、金森穣(演出振付家)氏によるトークがあります。
静岡芸術劇場
上演時間:135分(途中休憩あり)

一般大人4,000円/ペアチケット(2枚)7,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円

★SPACの会のほか、ゆうゆう割引、グループ割引、早期購入割引、リピーター・くちコミ割引などの割引料金があります。詳細はこちら
★静岡県内の中学生は30名までご招待あり!(お問い合わせ・お申し込みはSPACチケットセンターTEL.054-202-3399まで)
無料バス:3月20日(日)は渋谷発の無料バスが運行いたします。詳細はこちら

作品について

若きカリスマ演出振付家・金森穣が「舞踊の物語性」を追究!
人形、娼婦、病人…過去の金森作品が凝縮したホフマン物語

Noism芸術監督で演出振付家の金森穣が、難解だと思われがちなコンテンポラリー・ダンスに、あえて「物語」を持ち込み、誰もが共感できるダンス作品を創り上げました。劇的舞踊『ホフマン物語』。作曲家オッフェンバックのオペラで有名な『ホフマン物語』をもとにした本作では、操り人形、男装の娼婦、病弱な娘と、次々に恋をするホフマンの姿が描かれます。「人形、娼婦、病人」、これらのキーワードは金森が振付において追究してきたテーマでもあり、本作は過去の金森作品が凝縮した集大成となりました。金森穣率いるNoismの新境地をお見逃しなく!

新潟限定公演がついに静岡で解禁!

本作は、メインカンパニーであるNoism1と研修生カンパニーであるNoism2の初の合同公演として、2010年7月に初演されました。総勢19名による壮大なコンテンポラリー・ダンスはそれだけでも注目を集めるのに充分なものでしたが、あえて「新潟限定公演」として上演され、多くの観客が劇場へ押し寄せました。そんなこだわり抜かれた作品が、いよいよ静岡に登場します。今回の静岡公演は新潟市外での初の上演となります。


Noism1(ノイズムワン)

Noismのメインカンパニー。りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館が、舞踊部門芸術監督に金森穣を迎えたことにより、劇場専属のダンスカンパニーとして2004年4月設立。日本初、ヨーロッパスタイルのプロフェッショナル・ダンス・カンパニーとして、次々に発表する独創的な企画、作品は、日本のコンテンポラリー・ダンス界を牽引している。2007年以降、海外7カ国10都市でも公演。2013年8月までの活動延長も決まり、新潟からの劇場文化発信の一翼を担う存在として、益々大きな期待と注目を集めている。第8回朝日舞台芸術賞舞踊賞受賞。

www.noism.jp/

◆メンバー:井関佐和子(副芸術監督)、宮河愛一郎(バレエマスター)、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、青木枝美、真下恵、藤澤拓也、後田恵、計見葵、宮原由紀夫


Noism2(ノイズムツー)

Noismの研修生カンパニー。りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館のレジデンシャル・ダンス・カンパニーNoism1付属の研修生カンパニーとして、2009年9月設立。Noism2メンバーによる初の単独公演を2010年3月に開催予定。現在8名が在籍し、日々研鑽を積んでいる。

www.noism.jp/

◆ メンバー:篠原未起子(バレエミストレス)、亀井彩加、石垣文子、角田レオナルド仁、廣川沙恵、堀川美樹、山崎文香、池ヶ谷奏、加藤明志

「純粋」を貫く勇気
茂木健一郎

踊りは、強さと優しさを同時に表現することができる。だからこそ、私たちの生命と同じだけの深さと広がりを持つのだ。若くして一人、ヨーロッパに留学した金森穣。異国の地で、厳しさにまみれ、それでも立ち続ける強さを身につけたのだろう。芯がしっかりしているからこそ、やわらかくふるまうことができる。金森穣と、彼が率いるNoismの舞台に接する度に思うのは、もっと強くならなければということだ。そして、強さの真髄が何かということが、世間ではいかに誤解されているかということも。

金森穣は、斯界の紛れもない「プリンス」である。モーリス・ベジャールに師事し、ダンスという芸術の最良の伝統を受け継いだ。ヨーロッパを舞台に活躍し、かの地の流儀を身体の中に刻んだ。満を持して帰国する。その後の歩みに人には言えぬ苦労があったことは、想像するに難くない。

金森穣が推し進めている、独自のカンパニーを持ち、定まった拠点で仲間たちと切磋琢磨し、オリジナルの作品を上演しようという試み。日本の風土の中で、そんなやり方を貫くことがいかに難しいことか、容易に想像することができる。幸い、新潟市の理解と支援を得ることにより、金森穣の試みは「持続可能」なものとして続いている。それは、現代の日本における一つの奇跡だということができよう。

密度の濃いコミュニティで切磋琢磨することで、身体表現の細部に「魂」が宿る。それは、鉄を溶かして鍛える際に炎の中に垣間見える、純粋な「黄金」の色に似ている。ダンスの神に向けて所作を高め、観客のために手足に心を込める。やがて、舞台は白熱し、この世で最も輝かしいものの光が見える。忘れられない感動が残る。

混迷の時代だからこそ大切な、純粋を貫く勇気。そんな人の姿は力強く、しかも柔らかい。金森穣とNoismが類希なる舞踊の純度を保ち続けているという事実の中に、現代日本を生きる私たちにとっての、最良の希望がある。

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

脳科学者。著書に『脳と仮想』(新潮社)等多数。『芸術の神様が降りてくる瞬間』(光文社)に金森穣との対談を収録。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター。

主催: SPAC (財)静岡県舞台芸術センター
製作: りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

演出振付家プロフィール
金森穣(かなもり・じょう)

演出振付家、舞踊家。りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)舞踊部門芸術監督/Noism芸術監督。ルードラ・ベジャール・ローザンヌにて、モーリス・ベジャールらに師事。ネザーランド・ダンス・シアターⅡ、リヨン・オペラ座バレエ、ヨーテボリ・バレエを経て2002年帰国。2003年初のセルフ・プロデュース公演『no・mad・ic project〜7 fragments in memory』で第3回朝日舞台芸術賞を受賞し、一躍注目を集める。 2004年4月、新潟りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督に就任し、劇場専属舞踊団Noismを立ち上げる。自らの豊富な海外経験を活かし、革新的なクリエイティビティに満ちたカンパニー活動を次々に打ち出し、そのハイクオリティな企画力に対する評価も高い。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞ほか受賞歴多数。

www.jokanamori.com

作曲家プロフィール
孫仕安 (トン・タッ・アン) Tôn Thât An

ヴェトナム系フランス人作曲家、歌手、ピアニスト。1970年パリ生まれ。彼の父で作曲家のトン・タッ・ティエにより、幼少よりピアノや音楽教育を受ける。作曲家として研鑽を積み、90年後半に舞台のための作品を創作するようになる。2005年に金森穣に出会い、Noismのために『NINA-物質化する生け贄』(2005)と『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』(2007)を作曲。2010年は台湾人振付家ファン・イーと共にクラウド・ゲートⅡのためのダンス企画や、新アルバム『Hyperbody!』をリリースするなど活躍がめざましい。

www.aakenmusic.com/

衣裳プロフィール
中嶋佑一(なかしま・ゆういち)

1981年生まれ。16歳から服を作り始め、2007年不定形ファッションブランドartburt(アルトバルト)をスタートさせる。2004年より現在まで、演劇、コンテンポラリー・ダンス、パフォーマンス等の衣裳デザイン・製作も行う。Noismでは『Nameless Hands〜人形の家』、『Nameless Poison〜黒衣の僧』、劇的舞踊『ホフマン物語』の3作品で衣裳を手掛ける。

www.artburt.com/


▲このページの先頭へ
オンラインチケット予約