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SPAC秋のシーズン2008

11月8日(土)〜12月21日(日)
生きるべきか。
夢見るべきか。
両方か。
それが問題だ。
To be,
or to dream,
that is the question.

ハムレットとドン・キホーテ、あなたはどっち?

「私には、あらゆる人間がこれら二つのタイプのどちらかに属していて、ある人はドン・キホーテの方に、ある人はハムレットの方に傾いているように思われます。」(ツルゲーネフ『ハムレットとドン・キホーテ』)


17世紀の初め、イギリスの劇作家とスペインの小説家が、まったく正反対の性格をもった二人の人物を生み出しました。一人は疑い深くてエゴイスト、もう一人は底抜けの理想家で、信じたら最後、すぐに自分の命を投げ出してしまいます。

今の世の中はハムレットばかりだ、とツルゲーネフは嘆いていますが、ドン・キホーテばかりでもそれはそれで困ったものです。

理想目がけてまっしぐらの人、目の前の現実しか見えない人、あなたはどっちのタイプでしょう?

公演スケジュール

※クリックすると拡大表示されます。

近代の人間像を問い直す。

SPAC秋のシーズン2008は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』と、セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』という2つの作品を中心に、「近代」という時代と、その時代の中で形づくられた「人間」のイメージを、大胆に問い直します。

『ハムレット』も『ドン・キホーテ』も、17世紀初頭という「近代」の黎明期に書かれた作品であり、ともに「近代的人間」の典型を描いていると解釈することができます。復讐という理想を実現しようとしながらも、現実には踏み出せないハムレット。現実に混乱を巻き起こしながら、騎士道という理想のままに突き進んでしまうドン・キホーテ。その人物像は対照的ですが、いずれにせよ、理想と現実に引き裂かれたまま生きることが「近代的人間」の特徴であると言えます。

確かに今もなお私たちは、「理想の自分」と「現実の自分」の狭間で、「自分」について思い悩む日々を過ごしているのではないでしょうか。だが、人間にとっていちばんの悩みの種が、ほかならぬ「自分」であるというこの事態は、決して普遍的なものではなく、「近代」に固有の現象なのかもしれません。そこで、脱近代(ポストモダン)とも呼ばれる現在において、改めて「近代的人間」について考えるために、SPACは、宮城聰演出『ハムレット』と、原田一樹演出『ドン・キホーテ』という、2つの大作を用意しました。東西の演劇人たちが挑戦し続けてきたシェイクスピアの傑作『ハムレット』。絵画に楽曲に、映画に、そして演劇に姿を変えて、なお世界中の人気を集める名作『ドン・キホーテ』。いずれも、SPACが総力戦で挑みます。

また『ハムレット』は、多くの作家を〈改作〉への誘惑に駆り立てました。その中から今回は、新王クローディアスの視点から甥ハムレットを描く、太宰治『新ハムレット』を外輪能隆が演出。また、共産主義体制における知識人の苦悩をハムレットに重ねた、ハイナー・ミュラー『ハムレットマシーン』を大岡淳が演出します。いずれも、『ハムレット』という謎めいたテクストを、多元的・実験的に解剖する試みです。

果たして私たちは、ハムレットのように、あるいはドン・キホーテのように、「近代」という物語を、終わりなく演じ続けるしかないのでしょうか。それとも……? 

我が子を前にして、途方に暮れる。
どういうオトナであればいいのか。
親を前にして、なんだか複雑な気持ちになる。
自分の親がどういうオトナであってほしいのか?

実はハムレット君もキホーテ氏も、それがわかりたくて必死でした。シェイクスピアやセルバンテスの生きた時代は、どうやら「オトナ、って、なんなのか」が、わからなくなった時代だったのです。・・・もちろん、彼らにも答は出せませんでした。でも、かわりに教えてくれたんです。「解答よりも、問いのほうがワクワクする」ということを。 ――宮城 聰

世界は劇場、劇場は世界

そうだ、芝居だ!とハムレットはいう。そして役者に王毒殺の場面を演じさせて王の反応を見る。このとき観客は、芝居を見ている王を見ているハムレットを見る、という、考えてみるとやたらとややこしい立場に置かれる。

この目まいがしそうな劇中劇は、ルネサンス演劇特有の仕掛けである。世界は劇場、人間は役者だ、とシェイクスピアはいう(『夏の夜の夢』)。劇場で芝居を見るように、世界全体を見つめる神の視点から自分の人生を眺めてみること。そうすると、生きるのに必死だった時には見えなかったものが見えてくる。シェイクスピアの「グローブ(地球)座」とは、神の視点から人間を眺めるための装置である。

地動説を知って、ルネサンスの人たちはいきなり自分が中心にいない宇宙に投げ出された。だが、この宇宙から眺めたときにはじめて見えてくる「世界」がある。人間と世界との間を瞬時に往復する、このクラクラするようなスケール感こそ、ルネサンス人にとっての演劇のグルーヴなのだ。

チケット前売り開始 10月14日(火)

電話予約 SPACチケットセンター Tel.054-202-3399
ウェブ予約 http://www.spac.or.jp
窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター
受付時間 10:00〜18:00(平日)10:00〜14:00(土・日・祝日)
当日券 公演当日朝10時より、静岡芸術劇場チケットカウンターで販売します。
(当日券の有無を公演当日必ずお電話にてお確かめください。)

チケット料金

一般大人:4,000円、同伴チケット(2枚):7,000円
大学生・専門学校生:2,000円、高校生以下:1,000円
(公演当日、受付にて学生証を提示してください)
2演目セット:7,000円(※2演目あわせてご予約ください)
有度サロン公開講座 500円