エクスターズ Extase

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Written and directed by Kuro Tanino
Performed by Ichigo Iida, Ikuma Yamada, etc.
 
■ 4 June at 19:30
■ 5 June at 19:30

 
Open Air Theatre UDO, Shizuoka Performing Arts Park
Duration:80 minutes (expected time)
In Japanese with English subtitles
作・演出: タニノクロウ
出演: 飯田一期、山田伊久磨 ほか
6月4日(土) 19時30分開演 ・ 5日(日) 19時30分開演

◎ 終演後にタニノクロウ(劇作・演出)と宮城聰によるアーティスト・トークを行います。
舞台芸術公園 野外劇場「有度」

※背もたれのない客席になります。 ※雨天時でも上演いたします。

上演時間:80分(予定)
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円

★SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、早期購入割引、みるみる割引、ペア/グループ割引などの割引料金があります。
(チケット情報ページ参照)
★静岡県内の中学生以下の方は30名までご招待あり!(お問い合わせ・お申し込みはSPACチケットセンター TEL.054-202-3399まで)

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精神科医から演劇人へ、奇才タニノクロウ、静岡初登場!

タニノクロウは、「庭劇団ペニノ」を主宰し、東京で活動する劇作家・演出家です。元精神科医であり、自宅マンションを改装して劇場にするなど、話題性に富んだアーティストとして知られ、奇抜な作風が人気を集めています。2000年に劇団を創立して以来、わずか4年で海外から招聘されるようになり、活動の幅を広げています。『エクスターズ』はタニノ初の静岡公演となります。

日本平で山ごもり、野外劇場に奇怪な城がそびえ立つ…?

本作は、タニノが日本平中腹の舞台芸術公園に滞在し、3ヶ月間の製作期間を経て上演する新作です。タニノ作品の特徴として、仕掛けのある凝った舞台美術を挙げることができます。これまでの作品では、現実そっくりの空間を幻想的な世界に変化させたり、空間そのものを奇想天外な虚構の世界として創りこんだり、「魔術的」とも言える舞台を表現してきました。果たして野外劇場に何が現れるのか……。

<欲望丸出し>の人間たちがくりひろげる滑稽な妄想世界

これまでのタニノ作品は、現実と虚構が摩訶不思議に混じり合う、妄想のような世界を立ち上げてきました。そこには強い欲望を持った登場人物が現れ、馬鹿らしい戯れを繰り広げます。この<欲望丸出し>の人間たちが妄想の中に耽溺する世界こそが、まさに私たちが生きている世界のことかもしれません。今回の新作『エクスターズ』では、一体どんな世界が立ち現れるのでしょうか。タニノの類い稀な想像力が生み出す奇想天外な妄想世界にご期待ください。

タニノクロウさんとは。
篠井英介 Eisuke Sasai

演出家って、エライ人、コワイ人、絶対的な作品の支配ってイメージですかね。ところが実際は、自分が演じるわけではないし、照明だって舞台の転換だってみんな専門の人がいるわけです。演出家は何一つ自分がみずから舞台で何かやるわけじゃないんです。

タニノさんのお芝居は普通のお芝居じゃありません。パフォーマンス? アート? とにかく視覚と聴覚本位の前衛ともとらえられる創作です。難解といえば難解といえるけど、感覚だけで接すれば面白いし楽しいのです。作品の源はタニノさんの内側にあって俳優やスタッフはそれを何とか理解し想像し形にして具体化させねばなりません。自分は手をくださず自分の創りたい世界を実現させてしまおうとする演出という仕事の何と他力本願なこと! ぜいたくなこと! そしてズルイこと!

創造に関わる人達が「この演出家はキライだ」と思ったらどうなるでしょう。とんでもないことに作品はハチャメチャに。お客様はとんだメイワクとなります。タニノさんはエライわけでも、コワイわけでも、支配者でもありません。

みんな、タニノさんの創りたい世界を知りたくて、それを舞台に実現させるために自分が一つ役に立てたらなあと思ってしまうのです。こう思わせる力こそ、演出家の最大の才能なのです。

びっくりすることにタニノさんは人見知りでテレ屋で口ベタです。自分の伝えたい言葉をうまくさがせないで「あー」とか「まあー」とか云っています。その時、仲間は「この人何を云いたいんだろう」とものすごく集中してタニノさんに食いつきます。その人とのエネルギーが作品を支えています。大した才能です。おせっかいな私は勝手にタニノさんの思いをかわりに口に出して「こうなのね、こうでしょ」と公言します。「そうです」とタニノさんは云ってくれますが、果たして本心かはわかりません。これって私もタニノさんの魔法にかかっている一人に違いありませんね。

篠井英介(ささい・えいすけ)
石川県金沢市出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。劇団・花組芝居に旗揚げより参加。1990年退団後は、「現代劇の女方」として、独自の世界を確立し、唯一無二の存在として、活躍を続けている。舞台の代表作品に、一人芝居『女賊』、演出家・鈴木勝秀とのタッグによる女方シリーズ三作品『欲望という名の電車』(主演・ブランチ役)、『サド侯爵夫人』(主演・ルネ役)、翻案劇『サロメ』(主演)、そして『トーチソング・トリロジー』(主演・アーノルド役)などがある。タニノクロウとは、2011年1〜2月に東京芸術劇場にて上演された『チェーホフ?!』にて初タッグを組み、好評を得た。日本舞踊・宗家藤間流師範名取。

製作: SPAC (財)静岡県舞台芸術センター
協力: 庭劇団ペニノ

タニノクロウ

1976年生まれ。富山県出身。庭劇団ペニノ主宰・作家・演出家で、元精神科医でもある。初めて本格的に執筆した『笑顔の砦』(2007)、子役の教育プログラムとして俳優たちが“擬似家族”を演じる劇中劇の構成をとった『星影のJr.』(08)で、2年連続岸田戯曲賞最終候補にノミネート。劇団外での活動にも積極的に取り組み、外部演出作品では古典戯曲と真正面から向き合い、精巧で質の高い演出効果を上げ、劇作家・演出家として多彩な実力を発揮している。また、海外公演も行っており、台湾(04)、ドイツ(09)、ベルリンHAU劇場での演劇祭のほか、10年には、スイス(Theater Spektakel)・オランダ(Noorderzon)の各演劇祭へ招聘された。国内演劇祭では、09年に『太陽と下着の見える町』でフェスティバル/トーキョーへ初参加。その独特なイマジネーション、演出方法が話題を呼んだ。

庭劇団ペニノ

作・演出のタニノクロウを中心に、2000年、昭和大学演劇部を母体として発足。「庭」という一つの抽象的イメージのもと奔放に広がる様々な表現形態を提示している集団として設立。自宅マンションを改造したアトリエ「はこぶね」での公演や、奥行50mにもなる巨大テントでの野外公演などの「非劇場」での公演活動や、台詞の無い中、舞台装置内に設置したジャズ・バンドのライブ演奏によって手術中に起こる様々な言動や音を表現するような実験的な演出を施すなどの、既存の演劇の形を超えた「非定型な形式」としての表現方法を目指している。劇団員は、代表のタニノクロウの他には構成を担当する3名のスタッフがいるのみで、俳優・技術スタッフは所属していない。タニノクロウと構成担当のメンバーで行われる膨大な時間の企画会議の下、作品の骨組みが創られるという独特な創作手法も特徴である。


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