2018年9月8日

スパカンファン稽古場ブログ#6「公演評が届きました(2)」

8月20日から27日までSPACでのインターンシップに参加した、静岡文化芸術大学の日下怜子さん、鈴木まこさんがスパカンファン『ANGELS~空は翼によって測られる~』公演評を執筆してくれました。静岡芸術劇場の1Fロビーの図書スペースには、「ダンスマガジン」などの雑誌が配架されています。公演評に向けて、おふたりは熱心に掲載されているそれらの記事も参考にすべく研究しました。インターンシップの成果を、ぜひご一読ください。

(鈴木さんの公演評は前回スパカンファン稽古場ブログ#5にてご紹介しました)


異質なものを寛容する尺度

 8月26日、夏の終わり。12人の中高生たちが大きな舞台で羽ばたいた。
今年で9年目を迎えるスパカンファン・プロジェクトはSPACによる国際共同制作プロジェクトで、オーディションで選ばれた静岡県の中高生たち「スパカンファン」が、カメルーン出身でフランスを拠点に活動する振付家・ダンサーのメルラン・ニヤカムと共に新しい舞台を創造するプロジェクトである。『ANGELS』は2015年から創作を開始し、今年「空は翼によって測られる」という副題を加え、さらに磨きをかけた作品として上演された。ダンス・歌・演劇と様々な表現で、スパカンファンは見事に多くの観客を魅了した。

日下 INO_Angeles_197

 全体を通して印象的だったのは、“1人”vs“複数人”という構図である。役柄、衣裳、動き、性別によって、それぞれ非常に明確に表現され脳裏に焼き付いた。要所要所に用いられるシルエットを使った表現も、対立構造を意識させる演出であった。すでに出来上がった関係性の中に1人新しい人が入ってくると、何となく避けてしまう。1人が何か新しいことや変わったことを始めると周りの人が興味を示し真似し始める。しかし調子に乗りさらに新しいことをすると周りにからかわれ引かれてしまう。立場や境遇などちょっとした差異から生まれる、時に天使的で時に悪魔的な出来事は悲しいことに実に日常的な光景である。
しかし、日常では天使的で悪魔的な対立構造は明確に目に見えるものばかりではない。 “1人”vs“複数人”という構図を舞台上で表現し観客に明確に示すということは、“1人”の存在感と“複数人”の一体感によって差異を際立たせることで成り立つ。“1人”を演じる際の堂々たる演技と躍動感、“複数人”を演じる際の普段の仲睦まじい関係性が垣間見える空気感と舞台空間を広く使った動きは、中高生とは思えないプロ顔負けのもので、観客の想像を助けることにつながっていた。特に池ヶ谷優希の“1人”の演技は好演で、のびやかな歌声と豊かな表情、しなやかな身のこなしで作品にユーモアさを添えた。

日下 INO_Angeles_337

 また『ANGELS』では、アフリカの文化と日本の文化を彷彿とさせる要素が詰まっている。アフリカの伝統的な音楽や舞踊をイメージさせる表現、さらには子どもたちの遊ぶ場としての生命を表すバオバブの木の舞台装置、日本の能楽や童謡などそれぞれの文化の良さが感じられるまさに国際共同制作プロジェクトである。差異を多様性として受け入れ、お互いに尊重することを、ニヤカムが思い描く『ANGELS』の世界では目指していたのではないだろうか。作品で描かれた文化の融合のように多様性を受け入れることを、ぜひスパカンファンの中高生たちには今後も大切にしてもらいたいと願っている。
 『ANGELS』は今秋11月3日、4日に東京芸術祭2018のプログラムとして、池袋のあうるすぽっとで東京公演を行う。まだまだ伸びしろの多い彼ら、彼女らが今回の公演を経て、さらに大きな舞台でパワーアップした姿を見せてくれることを大いに期待したい。

静岡文化芸術大学3年 日下怜子
(写真撮影:猪熊康夫)

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SPAC-ENFANTS
『空は翼によって測られる~』
11月3日(土)15:00開演
11月4日(日)13:00開演
 
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠、佐川健之輔
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦、小柳淳嗣

会場:あうるすぽっと

チケット:入場無料(要予約)

この公演は東京芸術祭2018の一環として行われます。
詳細はこちら
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2018年9月7日

スパカンファン稽古場ブログ#5「公演評が届きました(1)」

8月20日から27日までSPACでのインターンシップに参加した、静岡文化芸術大学の日下怜子さん、鈴木まこさんがスパカンファン『ANGELS~空は翼によって測られる~』公演評を執筆してくれました。
「公演評って何だろう?ダンス、どう書けばいいんだろう?」からスタートし、稽古から本番当日を経て、毎日どんどん増えていくおふたりの公演評に向けたメモ、メモ、メモ!!
インターンシップの成果を、ぜひご一読ください。

(日下さんの公演評は次回スパカンファン稽古場ブログ#6にて掲載いたします。お楽しみに!)


色鮮やかでめまぐるしい世界

 8月26日、SPAC-静岡県舞台芸術センターが主催する『ANGELS~空は翼によって測られる~』が静岡芸術劇場にて上演された。出演はオーディションで選ばれたSPAC-ENFANTS(スパカンファン)と呼ばれる静岡県内の中高生12名。振付・演出をフランスを拠点に国際的な活動を展開する振付家・ダンサーのメルラン・ニヤカムが手がけ、振付アシスタントを太田垣悠が務める。中高生と共に新しい舞台を創造するこのプロジェクトは、今年で9年目を迎えた。夏休みのほとんどを費やして、ダンス経験の差に関係なくプロの指導を受けたことは、こどもたちの宝物になるだろう。

鈴木まこ INO_Angeles_011

 本作では、音楽と映像とともに、身体を最大限に駆使して出演者たちは次から次へと様々な感情や意思を表現していく。舞台上には大きな白い木”バオバブ”があり、幹の部分はスクリーンとなっており、葉の部分には様々な模様や動物などの装飾がみられる。白い木の両脇にも出演者の背丈より少し高いスクリーンが設置されている。これらのスクリーンが照明や映像を映し出すことで舞台は表情をくるくる変える。作品冒頭、穏やかな緑色と差し込むような光がちりばめられた空間で私の心は一気に舞台に引き込まれた。
 最初から最後まで観客の案内人のような役割を果たす西出一葉、独特の台詞と動き・表情の使い方で観客を和ませる池ヶ谷優希、場内にのびやかにひびきわたる歌声を披露し天使のようにふるまう永田茉彩、男子ならではの力強いパフォーマンスを披露する宮城嶋開人。それぞれ台詞はほとんどないものの、「よく見るとあの子だけあの子を気にしているな」とか「今あの子が1番に動き出したな」とダンスだけで観客の想像をどんどん膨らませる出演者たち。印象的だったのが何人かで1人を囲んで群がり襲いかかるような場面である。囲まれた1人は「うわーっ」と叫んで周りを追い払うような動きをする。その動きと表情から感じた意志の強さに私はドキドキしてしまった。また、それまでの黒い衣装から色とりどりの花柄の衣装に着替えて、みんなで寝そべって『春が来た』を歌う場面から最後までの盛り上がりの高揚感!汗だくになりながら最後まで楽しそうに力いっぱい踊る姿に自分も一緒に踊っているような気持ちになった。

鈴木まこ INO_Angeles_123

 本作はダンスや歌が好きな人はもちろん、普段は親しみの無い人も鑑賞後は思わず跳ねて歌って踊ってみたくなるような、不思議な魅力であふれていた。まずは1回、出演者ひとりひとりに注目して12回、映像に注目して1回、音楽に衣装に小道具に…というように何度でも観たい。11月3日、4日に東京芸術祭での公演を控えている。10代ならではの繊細な感受性や柔軟な考え方によって、舞台はさらに進化していくだろう。

静岡文化芸術大学2年 鈴木まこ
(写真撮影:猪熊康夫)

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SPAC-ENFANTS
『空は翼によって測られる~』
11月3日(土)15:00開演
11月4日(日)13:00開演
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠、佐川健之輔
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦、小柳淳嗣

会場:あうるすぽっと

チケット:入場無料(要予約)

この公演は東京芸術祭2018の一環として行われます。
詳細はこちら
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2018年8月26日

スパカンファン 稽古場ブログ#4「インターンシップ」

はじめまして!
8月20日から6日間SPACでのインターンシップに参加させていただいております、静岡文化芸術大学 文化政策学部 芸術文化学科3年の日下怜子です。
インターンシップでは、制作部の実務体験や稽古風景の見学などをさせていただいております。舞台制作の具体的な仕事内容を知り、出演者やスタッフの方々の公演に対する熱意を間近で感じることができ、貴重な経験となっています。

静岡芸術劇場で8月26日に上演されるスパカンファン・プロジェクト『ANGELS~空は翼によって測られる~』。インターンシップ期間中に公演本番に向けての稽古の様子を一部見学させていただいたので、その稽古風景をご紹介します。

私が今回見学させていただいたのは、本番6日前と3日前の稽古の様子です。初めて稽古場に入ったとき、出演者の中高生の皆さんが元気いっぱいに挨拶してくださったのがとても印象的でした。振付・演出のニヤカムさんとも英語を使ってコミュニケーションをとられていて、作品づくりも含め中高生のうちからこのような経験ができることを少し羨ましく感じました。休憩中には中高生らしいあどけなさも感じられ、和気あいあいとした楽しい雰囲気に包まれていました。

しかしいざ通し稽古が始まると、出演者の皆さん一人ひとりが舞台に対する高い意識を持ち全身を使って表現されている一生懸命な姿や、衣裳替えや小道具の準備などをお互いに協力し合いながら一つの作品をつくり上げていく様子に心を揺さぶられました。中高生とは思えない立派なパフォーマーとしての一面を見ることができ、本番がますます楽しみです。通し稽古が終わると、8月の本番に向けた稽古があと少しで終わってしまうと思わず涙が溢れる方もいらっしゃいました。

本番の会場では舞台美術や音響照明の仕込み作業が行われ、本番の様子に徐々に近づいていました。出演者の皆さんが実際に完成した舞台を初めて見たとき、その広さと普段とは違う空間に驚きながらも「こんな舞台で踊れるなんてすごい!」という感動の声が。稽古でも実際の舞台で音響照明に合わせての場当たりが行われ、本番に向けて最終調整。

DSC_0091

私も本番当日、スタッフとしてサポートできるように頑張ります。中高生による世界レベルのコンテンポラリーダンス公演は必見です。

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SPAC-ENFANTS
『ANGELS ~空は翼によって測られる~』
8月26日(日)14:00開演 
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦
会場:静岡芸術劇場
詳細はこちら
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2018年8月19日

スパカンファン 稽古場ブログ#3「ニヤカムさんワークショップを開催しました」

8月11日にニヤカムさんによるワークショップを開催しました。
参加者は、下は中学生から上は50歳以上まで、文字通り老若男女さまざまです。

まずはウォーミングアップからスタートです。
手で身体を擦ってあたためていきます。顔を擦るときに、ニヤカムさんが「お化粧が落ちないようにね」とお茶目なアドバイスをする場面も。
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身体だけでなく、心もほぐれていきます。

ニヤカムさんは、ワークショップ中にアシスタントの太田垣さんから日本語を教えてもらい、時たま日本語の掛け声が飛び出します。
身体を動かすときの掛け声が日本語になると、どのように身体を動かせばよいか、参加者たちも意図を理解しやすそうでした。

そうして音楽や声でリズムを作って身体を動かすのですが、このように音を大切にするのは、ニヤカムさんの故郷、アフリカのダンスは音楽と結びつきが強いからだそうです。
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そこから歌とダンスのワークが始まりました。
歌を歌いながら少しずつ動きをつけていくことで、歌と身体の強い結びつきが、見ている側にも感じられます。

次はスカーフやスティックなど道具を使うワークへ。
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ニヤカムさんが「みなさん楽しいですか?気持ちいいですか?」と質問すると、参加者の方々は口々に「楽しいです」「気持ちいいです」と答えます。

ニヤカムさんも「ぼくもみなさんといて楽しくて気持ちいですし、愛にあふれています」と応答。「今度はその愛を外に出してみましょう」と、スカーフを用いて、そのことを表現していきます。

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このとき、ニヤカムさんは「自分の今の身体でできること、その身体の可能性の中で踊ると楽しいです。そうすれば老いても踊ることができます」と、踊ることの楽しさを伝えていました。

難しいテクニックを求めるだけではなく、今の身体でできることで表現することで、その人自身の表現が生まれます。個人を尊重するニヤカムさんらしい一言ですが、これはダンスの根本的な面白さの一つであると思います。

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スティックを使うワークでは、ただ叩いて音を出すだけではなく「他人の動きをよく見ること、他人の出す音をよく聞くこと」を伝え、一体感を生み出します。

自分の身体を知って、他人の身体も知る。
一人だけではできないダンス、舞台の面白さです。
短い時間ながら、みんなの心が開放されたワークショップになりました。
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たくさんのご参加、本当にありがとうございました!

公演はいよいよ今週末です。
ワークショップに参加したスパカンファンメンバーは、率先して声出しなどをしていて、頼もしい限りでした。
成長著しいスパカンファンの舞台、ぜひご覧ください。

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SPAC-ENFANTS
『ANGELS ~空は翼によって測られる~』
8月26日(日)14:00開演 
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦
会場:静岡芸術劇場
詳細はこちら
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2018年8月11日

スパカンファン 稽古場ブログ#2 「夏祭りに参加しました」

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8/4(土)、池田島崎公園で開催された「池田の夏祭り」に参加しました。

静岡芸術劇場の住所の町名は「東静岡」ですが、ほんの少し前は「池田」でした。
そんな地元の池田の方々には、演劇祭をはじめとして、様々な場面でお力をお借りしています。

そうしたつながりから、スパカンファンでは毎年夏祭りに出演しています。
8/26(土)の公演を控えている今、地元の方々に自分たちのダンスを知ってもらう、どのように見られるかを知ることができる機会があることは、とても大切です。

稽古を終えて会場に着くと、ちょうど盆踊りが始まったところで、既に人がいっぱい。
会場準備をしている間、ウォーミングアップを兼ねて?子どもたちはいつの間にか盆踊りの輪の中にいました。
会場に溶け込むのが早い!
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さて、本番はニヤカムさんの歌が始まると、あっという間に人だかりに。ニヤカムさんはダンスだけでなく歌もとても上手で、道行く人も思わず振り返っていました。『ANGELS』でも子どもたちが歌を歌うシーンが度々見られます。
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ダンスが始まる頃には更にたくさんの観客が集まり、そこから手拍子が起きたりなど、大盛況。継続参加の子どもたちのパワフルさは目を見張るものがありますが、今年から参加している金子綺莉さん(下の写真で黄色い服を着ている子です)も負けじと堂々としたダンスを披露していました。
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本番はもっともっと鮮烈です。
彼女ら・彼らのそのパワーを感じてもらうため、劇場でお会いできたら嬉しいです。

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SPAC-ENFANTS
『ANGELS ~空は翼によって測られる~』
8月26日(日)14:00開演 
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦
会場:静岡芸術劇場
詳細はこちら
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2018年8月2日

スパカンファン 稽古場ブログ#1 「はじまりました」

9年目を迎えたスパカンファン、今年も始まりました!
今年はオーディションで選ばれた2名を加えた12名のメンバーで進んでいきます。
作品名は『ANGELS ~空は翼によって測られる〜』です。
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振付のニヤカムさん、アシスタントの太田垣さんも静岡入り。
今年は上演場所がBOXシアターよりも大きい静岡芸術劇場であることに加え、秋には東京芸術祭での公演を控えており、稽古も気合が入ります。
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稽古は屋内で行っているとはいえ、今夏は記録的な猛暑のため、水分補給や休憩にも気を使っています。
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稽古ではニヤカムさんの振り付けを覚えるだけではなく、お互いのダンスを見合って、「どこをどうすればもっといいダンスになるか」も話し合います。このことについてニヤカムさんに聞いてみると、

「私は、子どもたちがお互いに鏡のような存在であることが大事だと考えています。
自分で踊っているときは自分自身のことは見えないので、注意される側は他者の視点を信用することを覚えます。発言する側は自分の視点を伝えるために頭を使って話すことが求められますし、大勢の人の前で自分の意見を言うことによって自信もつきます。子どもたちがこのような経験を、スパカンファンの外でも生かしていけることを期待します。」

と答えてくれました。
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子どもたちを大切に思っていて陽気なニヤカムさんの稽古場は、いつも笑顔が絶えません。

8月11日にはそんなニヤカムさんのダンス・ワークショップを開催します。
きっと「ダンスって楽しい!」と思っていただけるような時間になるはずです!

詳細は下記をご参照ください。

そして、公演は今月26日。
成長し続けるスパカンファンの姿をぜひ見に来てください。

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SPAC-ENFANTS
『ANGELS ~空は翼によって測られる~』
8月26日(日)14:00開演 
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS
   池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵
   金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩
   西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
振付アシスタント:太田垣悠
メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦
会場:静岡芸術劇場
詳細はこちら

★★★関連企画★★★★
ニヤカムさんによるワークショップ(要予約)
日 時:8月11日(土)18:30~20:00
会 場:静岡芸術劇場リハーサル室
参加費:一般1,000円、中高生500円
対 象:中学生以上(未経験者可)
定 員:30名
お申し込み:SPACチケットセンター 054-202-3399
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2017年8月29日

ANGELSを見ながら、カメルーンみたいな日本と世界を夢想する(文芸部・横山義志)

先日、8年目のスパカンファン・プロジェクトとなる『ANGELS』の公演が大盛況のうちに終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
あっという間に終わってしまった夏を惜しみながら、メンバーはそれぞれの日常へ、ニヤカムさんはフランスへと帰っていきました。
またすぐに同じ笑顔で会えることを願って・・・!

SPAC文芸部の横山が、過去のブログに加筆する形で、以前と比べて大きく成長した本作品について執筆いたしました。どうぞお読みください。

写真1

写真2

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ANGELSを見ながら、カメルーンみたいな日本と世界を夢想する

SPAC文芸部 横山義志
2017年8月19日

『タカセの夢』につづいて、カメルーン出身の振付家メルラン・ニヤカムさんが静岡の子どもたちと『ANGELS』を作ってくれた。二年前のワーク・イン・プログレス公演とも昨年の公演とも、それどころか二週間前の稽古とも、全然ちがう作品になっていて、驚いた。『タカセの夢』とは、つながっているようで、だいぶちがう世界。ニヤカムさんの舞台を見るたびに、そこにいる子どもたちがうらやましくなる。あまりにかっこよくて、美しくて。こういう美しさというのは、日本であまり見る機会がないような気がする。自分の美しさに確信を持っている美しさ。

『タカセの夢』をはじめるときに、「日本の子どもたちがアフリカの子どもたちみたいにおしりを振ってくれるようになったらいいね」なんて話をしていた。実際に作品づくりがはじまって、ちょっと分かった気がする。踊るアフリカの子どもたちが持つ不思議な魅力はきっと、自分のおしりが、そしてその動きが美しい、ということに確信を持っているところから来ていたんじゃないか。ニヤカムさんは子どもたちに、「朝、鏡に向かって、自分はなんてきれいなんだろう、かっこいいんだろう、って言ってみるといい」という話をしていた。

でも美しさは、だれかが見ないかぎり、存在しない。そして他のだれかと分かちあえば分かちあうほど、美しさは増えていき、強くなっていく。分かちあうものとしての美しさ。そして誰かより美しいのではなく、それ自体としての美しさ。人の美しさを見つけることで、自分の美しさも発見することができる。だけど、それは他の誰かと同じものを見つけるからではなくて、同じ視線で、ちがうものを見つけるからだろう。そもそも体にも動きにも、他の人と同じものなんて一つもない。

動きの美しさに触れることのメリットは、それが伝染することだ。あくびが「うつる」ように、笑顔も「うつる」。どうせなら、笑顔の人を見ていた方がいい。ヒトにはミラーニューロンとか「ものまね細胞」とか呼ばれる神経細胞があって、目の前にいる人の動きを自然と真似してしまうという。踊っている人を見ると体が動いてしまうのも、そのためだ。どうせなら、すてきな動きを見ていたい。同じくらい足が高く上がらなくてもいい。同じ呼吸になるだけでも、その人が見つけた美しさが、体のなかに入ってくるのかも知れない。

2014年に『タカセの夢』のツアーではじめてカメルーンに行ってみて、人も踊りも本当にいろいろで、驚いた。カメルーンには200以上の言語があるという。ちょっと山を越えると、そこには別の民族が住んでいて、別の言葉を話していて、別の踊りがある。首都ヤウンデには、そんないろいろな人たちが国中から集まっていて、街中でもことあるごとに、いろんな踊りを踊っている。言葉が通じないときにも、踊りは大事なコミュニケーションの手段になるらしい。ニヤカムさんは池田町内会の夏祭りでも、すぐに盆踊りの輪に入ってくれた。違っていても、一緒に分かちあって、楽しめるものがあるということ。料理みたいに。

日本列島にはいろいろな歴史の偶然で、今では多くの人が同じような言葉を話すようになった。でも昔も今も、このあたりには、南から北から、西から東から、いろんな人たちが次々とやってきている。もしかしたら、違う歴史の偶然で、日本もカメルーンみたいな国になっていたかも知れない。実際子どもたちの顔を見てみれば、顔の形も肌の色も、カメルーンに負けないくらい、すごくいろいろだ。

近所の子どもたちに習い事を聞いてみると、習字、サッカー、バレエ・・・といった答えが返ってくる。それぞれがやってきたところを地球儀の上にマーキングしてみたら面白いかも知れない。いろんなところで生まれた、すてきな体の動きを、時間をかけて身につけていく。大人だって、Tシャツを着てジーンズをはいて、あるいはワンピースを着て、あるいは背広にネクタイで、お昼はラーメンにしようか、スパゲティーにしようか、カレーにしようか、などと考えている。縦割りの歴史なんか気にせずに、舌の先から足の先まで、みんな毎日、ちがう体のちがう動きを身につけていくのを楽しんでいる。

国ができて、国境ができて、でも国境も少しずつ簡単に越えられるようになってきた。地球が一つになっていく。でもそのときに、言葉も一つでいいんだろうか。言葉には「同じ言葉」がある。「同じ」でないと通じないから、「同じ」ものがあるということにしてしまう。「ちがう」ものがあっては通じないので、困ってしまう。だけど体には、ヒトはみんな大体「同じような」体ではあっても、「同じ」体はない。それでも、笑顔だってあくびだって、同じじゃないけど、通じてしまう。「同じ言葉」ではなくて、「同じような体」を持っていることで結びつくような、「一つになる」別のやり方もあるんじゃないか。そしてそのきっかけになるのは、他の人の美しさを見つけることなんじゃないか。「美しい」という気持ちは、同じだけど、同じじゃない。同じ「美しい」という言葉を使ってみても、そのときどきで、見つかるものも、感じるものも、全然ちがう。だけど、それが大事なもの、うれしいもので、分かち合うほど増えていき、強くなるものだということには変わりがない。そんな美しさが、地球が一つになっていくときに、みんなが話す言葉になっていけば、もっと楽しい世界になるんじゃないだろうか。

この静岡の子どもたちが、そんな世界を作るために、日本平の丘の上でニヤカムさんと夏休みの日々を過ごしているのかと思うと、やっぱりうらやましく思えてくる。

(※2015年8月公演時のブログに加筆)


2017年8月16日

<スパカンブログ vol.3>本番目前!ラストスパート!

2017年のスパカンファン『ANGELS』
7月末のオーディションから始まった稽古もいつの間にか残り少なく、もう公演日が目前となりました…!

みんなの目の色が変わり始め、稽古場はますます集中した空間に。
(毎年、本番が近くなると一気にスイッチが入るのがわかります。)

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そして先日、いよいよ衣裳を身にまとっての通し稽古も始まりました。
新しい要素が加わっただけでなく、2016年バージョンから引き継がれたシーンも、細部にわたってパワーアップしています。なんだか、子どもたちと一緒に作品もどんどん成熟して大人になっていくようです。

そんな新生ANGELSの舞台を、ほんのちょっとお披露目。

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ニヤカムさんも、本番に向けてますますテンションを上げていきます。残されたわずかな時間の中で、溢れるアイデアをどう形にしていくか。毎日、子どもたちが帰ったあともスタッフとディスカッションを続けています。

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そして修正、調整、思いついてしまった(?)アイデアの追加…。稽古場の床には、いつも膝をついて作業するスタッフの姿が。

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ひと夏を経て大きくなった子どもたちと『ANGELS』。
これまでの『ANGELS』をご覧いただいていた方にも、初めての方にも、お楽しみいただけること間違いなしの作品です!

19日、20日ともに残席が少なくなってまいりました。
ご予約をお急ぎください!劇場でお待ちしております!

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SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト
『ANGELS』
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS(スパカンファン)
2017年8月19日(土)・20日(日)各日12時30分開演
会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
*詳細はこちら
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2017年8月7日

<スパカンブログvol.2>稽古は続くよ&夏祭りデビュー!

夏の暑さにも負けず、連日稽古が続いているスパカンファンプロジェクト。
オーディションで選出された新メンバーも、あっという間にスパカンファンの一員として溶け込みました。
みんなそれぞれに部活や学校の行事で忙しい中、少しでも毎日の稽古の密度を高いものにしようと、日々奮闘しています。

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▲ほかのメンバーが稽古を受けている間も、集中して見ることが大事。

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▲制作部で今回アシスタントを務める太田垣(写真左)も、ニヤカムさんのメッセージを正確に伝えるため、努力を重ねています。

前作の『ANGELS』を踏襲しつつ、少しずつその姿を変えている作品。
毎日ニヤカムさんから飛び出す新しいアイディアに、出演者もスタッフも驚かされています。

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ニヤカム写真2
▲ニヤカムさん、本当に楽しそう…。後ろでややあっけにとられるスタッフ。

さて、そんな日々の中、8月5日(日)に、5名のスパカンファンメンバーで、池田島崎公園にて行われた夏祭りでパフォーマンスを行ってきました!
現地に到着すると、すでに太鼓の音が響き、輪になって盆踊りを踊る大勢の人たち…。
幾度もの公演で場慣れしているメンバーも、久しぶりのアウェーでちょっとそわそわ。
リノリウム(舞台で使用される床材)が敷かれた稽古場と違って、公園の地面は砂利そのまま。滑らないように細心の注意を払います。

盆踊りが終わり、お祭りの第一部が終了したところで、スパカンファンの出番。
子どもたちが飛び出して…と思いきや、なんとニヤカムさんの歌唱(!)からスタート。
いかにも日本的な夏祭りの会場に突如として響くアフリカンな響きの歌にお客さんが引き付けられたところで、ニヤカムさんの号令に応えて子どもたちが踊り始めました。

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お客さんの手拍子にのって、『ANGELS』のほんの一部をお披露目。
ところどころで歓声があがり、とても親密な空気の中、パフォーマンスを無事終えました。
驚いたのは、稽古のときとは一味違う、子どもたちの表情。やっぱり人前で踊るのが本当に好きなんだな、と思わせる最高の笑顔でした。

公演でもその笑顔を皆さんにお見せできるように、稽古再開です!

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SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト
『ANGELS』
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS(スパカンファン)
2017年8月19日(土)・20日(日)各日12時30分開演
会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
*詳細はこちら
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2017年7月24日

2017年、『ANGELS』は新しいステージへ!

長らくお待たせいたしました!
いよいよ2017年夏、新しいスパカンファンが始動いたします。
2015年に創作が始まった、スパカンファンプロジェクト二作品めとなる『ANGELS』。
ワークインプログレス、コミュニティダンスフェスティバル、大道芸ワールドカップin静岡などを経て、
昨年夏に本公演を成功させました。
今年はオーディションによって新しいメンバーが加わって、新しくパワーアップした『ANGELS』を再創造します!

オーディションは7月22日、23日の二日間にわたって行われました。
昨年までのおなじみの顔ぶれと、新しい希望者たちが入り交じります。
オーディションとはいっても、机を並べて一人ずつ面接して…といった形ではありません。
自己紹介が終わったら、ウキウキしたニヤカムさんに促されておなじみのウォーミングアップからスタート!
どこか緊張していた面持ちの子どもたちも、すぐにほぐれていきます。
午後には昨年の『ANGELS』の動きをみんなで復習。
きっとこれからは前回の『ANGELS』にはなかったシーンもたくさん生まれることでしょう。

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オーディションには、昨年までアシスタントをつとめてくださった木野彩子さんも駆けつけてくださいました!

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おなじみのメンバーはもちろん大喜び!
8年にわたってスパカンファンを見つめてきた木野さんからのメッセージを胸に、新しいステージへ。
今年からは、制作スタッフの太田垣悠がアシスタントをつとめます。

オーディションの最後には、保護者の皆さんにもお越しいただいて、ニヤカムさんからのお話。オーディションの結果は決して能力で決まるわけではないこと、一人ひとりのかけがえのない個性と才能を伸ばすため、いろいろなことにチャレンジしてほしいこと。「子どもたちは私たちの希望です」という言葉は、プロジェクト開始から8年がたっても、変わりません。

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さっそく明日25日からは新しい顔ぶれでの本格的な稽古が開始。
8月19、20日の公演まで、暑い夏を走り抜けます!

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SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト
『ANGELS』
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS(スパカンファン)
2017年8月19日(土)・20日(日)各日12時30分開演
会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
*詳細はこちら
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