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2020年2月19日

『メナム河の日本人』の魅力⑤ 開幕しました!&衣裳の秘密

『メナム河の日本人』2月15日に開幕しました!!
本作は、キリスト教文学でもよく知られる遠藤周作さんが1973年に発表した戯曲で、江戸時代初め日本を離れアユタヤ(タイ)にわたり活躍した山田長政を主人公とした歴史活劇。
山田長政は静岡出身で、タイと日本を繋いだ歴史上の人物としてタイでも馴染みのある偉人です。公演初日には、在京タイ大使館より、大使のシントン・ラーピセートパン氏と参事官のウィチュリー・チョートベンチャクン氏がご来場くださいました!
 
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★関連記事 2月17日付静岡新聞「タイ駐日大使、SPAC山田長政劇を鑑賞 静岡で俳優らと面会」
 
ほかにも、遠藤周作さんの戯曲ということで観に来てくださる方や、今井朋彦さんの演出が気になって来てくださる方など、この作品の間口の広さがうかがえる客席となりました。
舞台写真とともに、お客様からいただいた感想をいくつかご紹介します!

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「長い上演時間が気にならないくらい濃い時間で、見ごたえ十分でした。」

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「いつものSPACとは雰囲気が違って、これもまた面白かった。生身の人間としての長政がそこにいました。」

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「遠藤周作の死生観や宗教観が感じられ、俳優さんたちのお芝居も素晴らしかったです。」

★関連記事 ステージナタリー
【公演レポート】一緒に作品世界を旅して、今井朋彦演出のSPAC「メナム河の日本人」が開幕(コメントあり)
 
そのほか感想としてたくさんいただいたのが、舞台美術と衣裳の美しさ!
今日のブログでは、衣裳製作の裏側を少しご紹介します。
舞台美術についてご紹介しているブログはこちらから。
 
本作の衣裳デザインを担当したのは、SPAC創作・技術部の駒井友美子。
『メナム河の日本人』では、一人ひとりの衣裳を作り始める前に、舞台美術との調和・登場人物が並んだときのグラデーションを意識したと言います。
発想するきっかけとなったのは、第一期稽古の際の演出・今井さんの「境目がない」「移ろいやすい」という言葉たち。
本作で描かれる、大王亡き後の後継者争いにおける様々な人間模様を、視覚的に表現する衣裳となっています。
 
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▲参考資料を見せてもらいました。このほかにも水墨画などを参考にしたそうです。
 
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▲ずらっと並んだ衣裳たち。色味だけでなく布の質感も調和がとれています。
 
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▲デザイン画
 
山田長政は、王宮に仕える傭兵部隊の隊長であり、日本人町の頭であるため、王宮と日本人町どちらのシーンにも登場します。
そのため特に長政の衣裳は、どちらの風合いにも馴染むようにこだわって作られています。

また今回の衣裳は、既製品を使用せずすべて一から作り上げられています。
大量の布を使った舞台美術の揺れとの相乗効果が生まれるように、衣服用の布だけでなくカーテン用の生地なども使っているそうです。
 
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▲王宮のシーン
 
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▲日本人町のシーン
  
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▲日本人町の登場人物の衣裳。後ろが透けて見えるほど薄い生地でできています。
 
本番が始まってからも、日々の洗濯・ケアだけでなく、少しずつ手直しが行われています。
観劇にいらした際は、一着一着こだわり抜かれた美しい衣裳にもぜひ注目してご覧ください。

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▲見えていない裏地までしっかり作りこまれています
 
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▲王宮の人物たちが身に着けているアクセサリーもすべて衣裳班が製作。王妃のイヤリングのモチーフには象が使われています。
 
『メナム河の日本人』一般公演は残り2月23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、3月1日(日)、7日(土)の5回!
舞台裏をご覧いただける「バックステージツアー」は、後半4日間の公演終了後に開催!
SPAC創作・技術部のスタッフが、舞台美術・照明・音響・衣裳のそれぞれをじっくりご紹介します。
参加は無料です!公演と合わせてぜひお楽しみください♪

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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:林大樹、阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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2020年2月18日

『メナム河の日本人』スタッフインタビュー(舞台監督:山田貴大)

◆中高生鑑賞事業「SPACeSHIPげきとも!」パンフレット連動企画◆
『メナム河の日本人』舞台監督インタビュー

中高生鑑賞事業公演では、あらすじの紹介や作品について考えるヒントが書かれた公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。
『メナム河の日本人』のパンフレットでは舞台監督・山田貴大(SPAC創作・技術部)のインタビューを掲載しています。

このページではインタビューのロングバージョンを掲載しますので、興味がありましたらぜひお読みください!
 
 
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--どのように演劇と出会い、舞台監督になったのですか?

 演劇との出会いは高校生のときでした。1年の終わり頃、仲の良い友だちに、「演劇部の定期公演を観に来てよ」と誘われて観に行きましたが、そこで彼らが自分を出して生き生きと演じているのが格好よくて、何よりも楽しそうに見えたんです。それまで演劇には全然興味が無かったけれども、「ここに入ったら面白いんじゃないか?」と直感的に思い、それまでいた運動部から演劇部に転部しました。
 大学は経済学部に進学しましたが、演劇を学べるコースもあり、学内の劇団の活動も盛んだったので、副専攻で演劇の授業をとったり、学生の自主企画公演に出演したり、演劇を続けました。プロとして第一線で活躍されている先生や、学外の劇場やプロダクションでも活動をしている先輩がいて、とても刺激を受けましたね。大学4年の頃には、スタッフTシャツを作って販売したり、稽古の様子をブログで紹介したりと演劇の制作的な活動もしたのですが、その仕事が面白くなり、卒業後は大学内の劇場の制作スタッフとして3年間働いていたんです。そこでは主に広報誌の編集を担当していました。その大学で生まれている演劇活動の情報を、どのように地域の人やあまり演劇を観たことのない人たちに向けて知らせることができるのかをテーマに仕事をしていました。
 実はSPACに応募したときは制作部志望だったんです(笑)。でも、そのときは制作部に空きがなかったので、創作・技術部に入ることを勧められました。「創作の現場の仕事を経験してから、いずれは制作部に!」と最初は思っていましたが、そのうちに裏方の仕事に面白みを見出し、この仕事を続け今に至っています。
 
--舞台監督はどんなことをするのですか?

 演劇の創作は、美術家が演出の意向を汲んで装置のプランを考えるところから始まることが多いのですが、舞台監督はそこから参加します。提出されたプランを芸術面、技術面、予算面、安全面といった様々な条件と照らし合わせ実現に向けて計画を練ります。図面(劇場に舞台装置を設営するための設計図のようなもの)を描き、各スタッフとの話し合いを経て実施する内容を決め、必要な部材の調達や装置の製作などをします。
 そうした事前の準備、劇場での仕込み(劇場にセットを立てたり、照明や音響が機材を設置したりする作業)やリハーサル、本番初日から千穐楽、バラシ(劇場で設営された装置や機材を撤去する作業)までのスケジュールを組んで、創作現場の始まりから終わりまでの道筋を作ります。
 本番になると、創り出された作品をリハーサルで決めた通りに進行する仕事に集中します。全てではないですが、“キュー出し”と言って、上演開始の合図、装置や仕掛けの操作の合図、照明を暗い場面から明るい場面に変える“きっかけ”を俳優の演技と合わせてリアルタイムで各スタッフに伝えます。万が一アクシデントが起きれば対処する指示を出すことも。舞台監督の仕事は多岐にわたるので説明するのは難しいのですが、創作や上演の現場での中心を担う“扇の要(かなめ)”と言われています。
 
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 舞台監督には様々なタイプがいますが、技術的なことが得意な人は、たとえば舞台の装置や仕掛けなども自分で考えて作ってしまいます。逆に、様々な情報を集約してメンバーに共有することに専念して、技術的な部分については他のメンバーに意見を聞いたり任せたりするタイプの人もいます。もちろん、どちらも大事な仕事で、どちらも担えなくてはいけないのですが、僕はどちらかというと後者の方に強みがあるのかなと思います。劇場で働く人には“プレイヤー”と“マネージャー”というふたつの種類があると思っているのですが、プレイヤーとしてデザイナーや俳優がいる一方で、舞台監督や制作のようなマネージメントをする人がいる。自分はマネージメントの仕事に向いているんだと思います。
 俳優、照明、音響、美術、衣裳など専門能力を持った沢山の人が作品に関わる中で、舞台監督はその人たちの調整役とも言えます。劇場ではその人たちがそれぞれ違った作業をしますが、本番までの時間は限られています。両者の間に入り協議し、何を優先するかを判断して、作品が成り立つまでの筋道を描きます。互いに折り合いがつかない場合もありますが、それらがひとつの形になり、本番を迎えた瞬間、この仕事をやっていて一番嬉しく感じます。
 
--『メナム河の日本人』でのお仕事は?

 この作品では、劇場の機構(舞台の上にあるバトンなど演出効果用の機器)に大量の布を吊り、それを組み合わせて各シーンを作ります。何度も沢山の機構を操作するのでとても危険を伴います。稽古はまずリハーサル室でしてから、劇場の舞台上に移り、そこで初めて機構を使います。事前に「このバトンは設計上こういう操作しかできない」とか、「こう操作をするにはこういう危険がある」といったことを踏まえて、「この場面転換はこういう見せ方ができるんじゃないか」と提案するなど、いろいろな判断を織り交ぜ想像し、実際の操作方法を検討していきます。劇場稽古では、機構の動きを含む場面転換に時間をかけることになりますが、安全性を確保しながら稽古全体を仕切るのが、今回の大きな仕事のひとつになると思います。
 
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--中高生へのメッセージをお願いします。

 僕は、最初から舞台監督がやりたかったわけではないし、中高生の頃には劇場で働くことになるなんて想像もしていませんでした。クラブ活動の部長とか学級委員長とかリーダーシップをとる立場にはならなかったし、どちらかというとそういうものから逃げるタイプだったし、将来何が起こるかはわからないですね。
 自分の場合は、大学の劇場で働いていたときの編集の仕事が、今の舞台監督の仕事に続いていると感じています。あまり関係がないように思われるかもしれませんが、いろいろな人たちから出てくるものを一つにまとめて、全体として成立するように調整していく役割という点では同じだと思っています。
 中高生のみなさんも、自分が好きでやっていることや、これから好きになるものがあったときに、そこにある本質的なものを見つめられるといいですね。例えば、運動部のキャプテンをやっている人は、その競技そのものが好きや得意というだけではなくて、試合全体の状況や、チームメイトのコンディションを把握することが好きだったり得意なのかもしれない。そういうところから将来の進路につながっていく部分もあるのではないかと思います。
 
  
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:林大樹、阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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2020年2月6日

『メナム河の日本人』の魅力④ 舞台美術ができるまで

いよいよ8日より劇場稽古がスタートします!
静岡芸術劇場では、『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』から『メナム河の日本人』へ仕込み替え作業の真っ最中。
今作の舞台美術はとても大がかりなため、SPACのもう一つの拠点・舞台芸術公園の「BOXシアター」で製作されていました。
期間中にインターンシップで来てくれた静岡農業高校2年生3名が書いてくださった見学レポートとともに、製作の様子をご紹介していきます。
 
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▲製作過程の美術を見学する演出・今井さん
 
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▲写真右:本作の美術デザインを手掛ける深沢襟

<M.Eさんレポート>

美術デザインの深沢さんは
「もともと、母の付き添いで劇を見に行って、自分は俳優ではなく裏方の仕事に興味があるということに気づき、この仕事についた。
舞台美術を作るうえで大変なことは、自分が考えているコンセプトと、演出家のプランとのすり合わせ。だけど完成した美術が舞台上に並び、自分の想像以上のものができたとき、喜びややりがいを感じる。」
と仰っていました。
お話を聞いて、普段は俳優さんに目がいってしまいがちだけど、美術さんの思いや意味が込められてはじめてこの作品が完成するのだなと思いました。
 
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▲創作・技術部スタッフと模型を見ながら打ち合わせ
 
<A.Yさんレポート>

今回の舞台美術の製作では、スタッフさんでも数えきれないほど大量の布を使用したそうです。
布は一枚一枚手作業で切られていて、さらに貼ったり、縛ったり、編んだり色々な工夫を組み合わせて表現されていました。
また、布を色染めして暗く見せるなど、色の違いにもこだわっていました。
染めるときには、絵の具のほかにコーヒーなども使っていました。
私たちが劇を観に来たときにはすべて完成しているため、あることが当たり前に思ってしまいますが、今回このような仕事を見て、重要性を改めて知ることができました。
 
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▲ひとつの大きな布から色々な幅に切り出す
 
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▲たくさんの布たち!
 
<R.Tさんレポート>

私は舞台を観るのも好きですが、裏側ではどのようにして支えているかを知りたかったので、とても良い機会でした。
今回の製作は、いかに短い期間でできるかということが肝だったそうです。
そのために編む作業では、難しい編み方や新たに調べたり練習する必要があるものを選ぶのではなく、自分たちが知っていて、なおかつ短い期間でできる編み方を選んでいるそうです。
この作品は、タイ・アユタヤの後継者争いをめぐる物語です。今回見学させてもらった舞台美術を使った背景の変化の工夫は、シンプルだけど場面ごとの迫力をさらに伝えるものになると思います。
ぜひ劇場で、物語だけでなく色々なところに注目しながら見てみたいです。
 
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▲作業風景(撮影:インターン生)
 
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▲編まれた布
 
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▲インターンの3人には稽古も見学してもらいました
 
★SPAC創作・技術部が舞台裏を特別にご案内する人気企画「バックステージツアー」は、一般公演日の後半2月24日(月・休)・29日(土)・3月1日(日)・7日(土)の終演後に開催いたします!
舞台美術をより間近で見てみたい方は、ぜひこの4日間をご予約いただき、この企画にご参加ください♪(所要時間:約30分/参加無料/要予約、定員40名)
また、今回の舞台美術はこのように大がかりなので、お席は全景を見渡せるように中央ブロック・真ん中より少し後ろ側あたりがオススメです。
初日まで10日を切りました。ご希望のお席はぜひお早めに!
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:林大樹、阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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2020年2月1日

『メナム河の日本人』の魅力③ 「おためし劇場」開催レポート

先週1月26日(日)、『メナム河の日本人』の「おためし劇場」を開催しました!
このイベントは、舞台創作の裏側の少しだけのぞくことができる人気企画。
しかも今回は劇場ではなく、普段お客様は入ることのできない「リハーサル室」で稽古を見学していただきました。
 
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「リハーサル室」は、静岡芸術劇場の6階、劇場の舞台の真上にあり、舞台とほぼ同じ広さです。
床面には、バミリ(舞台の壁や美術の位置を示すテープ)がひかれていて、これを参考に演技プランを組み立てていきます。そして壁際には仮の小道具が。

というような説明を、演出・今井朋彦さんがさらっと自己紹介に混ぜてくださり(笑)、稽古見学は和やかにスタート。
とはいえ、俳優たちは稽古の成果をはじめてお客様に見ていただく場ですので、皆すこし緊張の面持ちでした。
この日は全三幕のうち、一幕を冒頭から途中までを通してご覧いただきました。
 
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「リハーサル室」は土足厳禁。裸足派、足袋派、ランニングシューズ派などさまざまです。
また俳優たちは、まだそれぞれ自分の稽古着を着ています。
役を意識した服装の方もいれば、動きやすさ重視でラフなトレーニング着の方も。
「おためし劇場」はこんなところまで見れちゃいます。
 
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演出・今井さんと俳優たちの距離はこんなに近い!!
今井さんの奥には、演出助手、音響、照明担当が座って稽古を見守ります。
 
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見学のお客様と俳優の距離もこんなに近い!!
写っているのは、『メナム河の日本人』主人公の山田長政役・林大樹さん。
 
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冒頭からシーンを止めずに見てもらった後は「ノーツ」へ。
「ノーツ」は、演出家が気になったところを俳優たちにコメントしたり、演技プランを提案すること。
今回は特別に、その様子も見ていただきました。
  
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稽古の一部をご覧いただいた後は、俳優の自己紹介。
出演俳優は全部で14名。今後のブログで詳しく役柄を紹介していきます!

そして、お客様と演出・今井朋彦さんとのQ&Aへ。
『メナム河の日本人』についての質問だけでなく、俳優としての今井さんへの質問もたくさん飛び出しました。
 
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最初から鋭い質問だったので今井さんは少しぎくっとされていましたが、とても柔らかい物腰で答えているのが印象的でした。
質問と答えをいくつかご紹介します!
 
Q:『メナム河の日本人』を読んで感じたことや、この作品で伝えたいことは?
A:この戯曲はスケールが大きいと同時に、人間の機微がきっちり描かれていて、ほんとうにおもしろい。戯曲の力を信じて丁寧に立ち上げていく、というのが実は良い作品を作るための近道ではないかと思って日々稽古しています。遠藤周作さんの戯曲は信仰の問題、自然と人間の対比などとても深いテーマを扱っているので、ここを見せたいと限定するのではなく、なるべくお客様にそのまま差し出すような形で届けたいと考えています。
 
Q:SPACの俳優は強い身体を持っていると思いますが、それをどう活かしたいか、もしくは演出したいか?
A:台詞を喋るということは肉体労働だと思っていて、身体性がある人とない人の台詞はやはり違ってくる、と僕自身は考えています。ですので今作は、ダンスや俳優の動きで魅せるといったシーンは想定していませんが、そういうものがなくてもSPAC俳優の身体性を存分につかった台詞劇になるのではと思います。
 
Q:静岡の印象を教えてください。
A:知り合いの静岡出身の人はお世辞ではなくほんとうにいい方が多くて、出身だと聞くといい人だと思っちゃうほどです。
また、毎日富士山を見て、この街の持っているゆったりしたリズムのなかで生活していると、正直東京へ帰るのがこわいくらい。この環境のなかでクリエーションさせていただいているのはほんとに贅沢なことだなと思います。

 
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途中からはほとんど立ちっぱなしで質問に答えていました。
客席にいるお客様に届ける声のボリュームの調整の仕方など、実際に身体を動かしながらレクチャー!
 
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最後には参加してくれた二人の小学生から、次々に質問が!
質問しても次に気になることができ、、と止まらなかったのですが、「演劇における立ち方(相手/お客様との向き合い方)」「呼吸の仕方」「テレビと演劇での演じ方の違い」などなど、今井さんは一つ一つ丁寧に聞き取り答えていました。
  
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今回の「おためし劇場」はリハーサル室での開催ということで、俳優の身体を台詞をじっくりと見て・聞いていただきました。
ここに衣裳や美術、照明が加わるとより一層作品が立体的になり、深みが増していきます。
次のブログでは気になる舞台美術をご紹介します!お楽しみに。
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、林大樹、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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