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2019年12月26日

【新人ルカのセチュアン・レポート♯8】閉幕しました!

みなさん、こんにちは。

12月22日(日)の公演をもって『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』の全公演が終了いたしました。

私は、第2期稽古開始日に演出・敬彦さんがおっしゃった「僕のせいかもだし、おかげになるかもしれない。何を言いたいのかわからないかもしれないがそれを説明できないような気もするからキツイかもしれない…。わからないまま終わってしまうかもしれない…。僕にとってよいと思える作品をつくる。」という言葉が心に残っていました。

敬彦さんは感性を大事にする演出方法で、俳優・スタッフともに時折敬彦さんが思い描いていることがわからず悪戦苦闘することもありましたが、「今まで見たSPAC作品の中で1番おもしろかった」という感想もいただき、常連のお客様からも、初めてSPACをご観劇くださったお客様からも好評でした。
「僕にとって」ではなく「お客様にとっても」おもしろい作品になったのではないでしょうか。

また、『RITA&RICO』は私が初めて制作担当についたシーズン作品でした。
平日に行われた「中高生鑑賞事業公演SPACeSHIPげきとも」では、上演前と後にSPACや作品の説明をしました。
 
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毎回とても緊張しましたが、どこの学校の生徒さんも真剣に聞いてくださり、嬉しかったです。
他にもたくさんの経験をさせてもらえた作品となりました。

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▲リタ・リコを演じた山本実幸さん
 
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▲水売り・弟を演じた泉陽二さん
 
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▲タバコ屋の前の店主・家主を演じた大内智美さん
 
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▲祖母・神?1・床屋の犬を演じた木内琴子さん
 
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▲床屋・夫・神?2を演じた貴島豪さん
 
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▲飛行機乗り・妻を演じた小長谷勝彦さん
 
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▲洋服屋のばあさん・建具屋・失業者・借金取り・警官・神?3を演じた三島景太さん
 
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▲飛行機乗りの母・洋服屋のじいさん・祖父を演じた吉植荘一郎さん
 
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劇場にお越しくださったみなさま、
応援してくださったみなさま
ありがとうございました。

残念ながら来られなかったみなさまは、
ぜひ「また『RITA&RICO』をやって欲しい!」という声を、お寄せください。
意外と早く再演されるかもしれませんよ!
 
<これまでのブログまとめ>
新人ルカのセチュアン・レポート
#1 俳優じゃないの?演出家なの?渡辺敬彦って?
#2 ブレヒトってだれ?どんな人?
#3 「静岡の善人」を探しました。
#4 リタとは?リコとは?
番外編 スタッフインタビュー 衣裳・清千草(SPAC創作・技術部)
#5 おためし劇場が開催されました!
#6 『RITA&RICO』開幕しました!
#7 関連企画のご紹介!
#8 閉幕しました!

2019年12月20日

【新人ルカのセチュアン・レポート♯7】関連企画のご紹介!

みなさん、こんにちは。

12月14日(土)、15日(日)の一般公演終了後、関連企画が行われました。

14日には俳優・演出家の今井朋彦さんをお招きし、アーティストトークを実施!
SPAC芸術総監督の宮城聰さんが司会を務め、台本・構成・演出を担当した渡辺敬彦さんと、出演俳優の三島景太さんが登壇しました。

★当日のトークの様子はこちらからご覧いただけます。

 
今井さんは、自身が教鞭をとっていた桜美林大学で、2016年に『セチュアンの善人』を演出されています。
実は私は桜美林大学出身で、実際に今井さん演出の『セチュアンの善人』を観ました。
その公演の演出について聞くことができ、その時の舞台のことを思い出しながら話を聞くことができました。
今井さんと敬彦さんには、俳優でありつつ演出もやるという共通点があり、生み出す作品にも通ずるものがあるのでは?というトークが繰り広げられました。
そんなトークの中で私は、今井さんからの感想の「俳優が剥き出しになって、晒されている」という言葉が印象に残りました。

また、『RITA&RICO』の演出・敬彦さんや出演俳優の多くは来年2月15日(土)から上演する今井さん演出のSPAC秋→春のシーズン #5『メナム河の日本人』に出演します。
今井さんは「『RITA&RICO』には、敬彦さんと俳優たちとの今までの関係があってこそ出ている色がある。『メナム』では自分と俳優たちだからつくれる色を出していきたい」と意気込みを語りました。
『メナム河の日本人』も楽しみですね!
 

15日にはバックステージツアーが行われました。
20名ほどのお客様が参加して下さり、初めてSPACに来てくださった方も数名いらっしゃいました。

バックステージツアーでは、『RITA&RICO』の舞台監督を務めている守山真利恵さんによる裏方の仕事説明のほか、参加してくださったお客様に実際に今回使用しているマイクでしゃべってもらったり、スモークマシーンを使用した光に当たってもらったりしました。

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その後は、『RITA&RICO』で使用している舞台装置や衣裳などに触れてもらうことに!
 
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舞台で使用している装置や衣裳を間近で見ることができ、またそれを製作したスタッフからの話も聞くことができ、参加してくださったみなさんにもご満足いただけた様子でした。
 
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▲衣裳担当の清千草さんが説明をしています。後ろでは俳優が舞台で実際に使用している衣裳の試着も。
 
今週末の12月21日(土)、22日(日)の一般公演では、アーティストトークを実施します。
21日のトークゲストは、静岡県民には「コンコルゲン」でおなじみの古舘寛治さん
NHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』にも出演されていました。
SPACでは2016年に『高き彼物』(マキノノゾミ作)を演出され、その時の主演を渡辺敬彦さんが務めています。
 
22日のトークゲストは、「演劇実験室◎万有引力」の主宰であるJ・A・シーザーさん
アングラ演劇を代表する寺山修司の「演劇実験室・天井桟敷」にて音楽・演出を担当されていた方ですが、アニメファンの方なら『少女革命ウテナ』の音楽担当としてご存知の方も多いのではないでしょうか?
敬彦さんはこれまで、シーザーさんの演出作品にも多数出演してきました。

どんなトークが繰り広げられるのか楽しみです!

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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #3
『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』
2019年12月14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
原案:ベルトルト・ブレヒト
構成・演出・台本:渡辺敬彦
台本協力:守山真利恵
出演:山本実幸、泉陽二、大内智美、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、三島景太、吉植荘一郎
★公演詳細はこちら
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2019年12月19日

【新人ルカのセチュアン・レポート#6】『RITA&RICO』開幕しました!

12月5日(木)の掛川市文化会館シオーネで行われた出張公演を皮切りに中高生鑑賞事業公演「SPACeSHIPげきとも!」が始まり、12月14日(土)に一般公演も初日を迎えました。

特に「げきとも!」公演では、生徒さんたちの反応が毎回顕著に違っていて、とても面白いです。
どこの学校の生徒さんも真剣に観てくださり、終演後友達と感想を言い合っている姿も!
観劇した生徒さんには、全員アンケートを書いて送ってもらっているのですが、感想が届くのが楽しみです!
 
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▲掛川でのげきとも出張公演では出演俳優・三島景太さんの筋肉を触る生徒さんがたくさん!
 
14日(土)、15日(日)に行われた一般公演では、既にたくさんの感想をいただきました。
これからその一部をご紹介いたします!
 
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「SPACの公演は初めてでしたがすごく楽しめました。光(照明)の演出がすばらしかったです。もっと演劇のことを勉強したいと思いました。演劇に興味を持てました」(30代・女性)
 
「演出や音楽、役者の表現がとても面白い」(10代・男性)
 
「演出の一つ一つ、役者のささいな動きなどのどこもかしこも洗練されていて、とても面白かったです」(10代・女性)
 
上記3つのご感想は初めてSPACの作品を観劇してくださったお客様からのもの。
SPAC作品を楽しんでいただけたようで嬉しいです。
 
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「おためし劇場に参加してからの観劇でした。作品の興味が湧くのでおためし劇場をたくさんやって欲しいです」(30代・女性)
 
11月30日(土)に実施した「おためし劇場」に参加してくれた方が公演にも来てくださいました!
「おためし劇場」を機に公演にも来てくださる方がいるのは嬉しいです。
★「おためし劇場」開催レポートは、こちらをご覧ください。
  
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「ユーモアもありおもしろかったです」(40代・男性)

「すごくひきつけられてあっという間に終わってしまいました」(50代・女性)
 
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「ブレヒトというと、“難しい”とすぐに思い浮かび、なかなか手が出ない作品でしたが、今回のスタイリッシュな作品はとてもわかりやすくあっという間でした」(50代・女性)
 
確かにブレヒトと聞くと難しいという印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
しかし、『RITA&RICO』はそんなことありません!
難しそうだから行くのやめようかな…と思っている方、諦めてはいけません!
ブレヒトの『セチュアンの善人』を大幅にリライトした本作品は、クスクスッと笑えるような小ネタがたくさんある作品となっております。
上の写真のような「家族」のシーンは、そういった笑えるシーンがいくつかある、私のおすすめのシーンです!

一般公演は残すところ12月21日(土)、22日(日)の2公演のみとなっています。
まだお席ございますので迷っている方はぜひお越しください!
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #3
『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』
2019年12月14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
原案:ベルトルト・ブレヒト
構成・演出・台本:渡辺敬彦
台本協力:守山真利恵
出演:山本実幸、泉陽二、大内智美、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、三島景太、吉植荘一郎
★公演詳細はこちら
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2019年12月6日

【新人ルカのセチュアン・レポート♯5】おためし劇場が開催されました!

みなさん、こんにちは。

11月30日(土)に「おためし劇場」を開催しました。
今回のブログではその様子をお伝えします!

「おためし劇場」とは、「演劇を観に行ってみたいけど敷居が高そう…」などと思われている方々に、まずは気軽に劇場に来てもらい稽古の様子などを見てもらおう!というもの。
この企画も今回で13回目となります。

常連のお客様はもちろん、ちいさいお子さんをお連れのお客様から、初めて静岡芸術劇場に来たというお客様まで様々な方が参加してくださいました!

最初に、舞台稽古を見てもらいました。
「RITA&RICO」では、俳優が客席に降りて演技をするシーンもあるので、実際にお客さんが座っている状態でやったことによって、俳優も普段の稽古場ではわからなかったことが感じられたのではないかと思います。
 
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▲客席で語る泉陽二さん
 
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▲実際に演出が俳優に対して指導をしているのもおためし劇場だからこそ見られる光景です。
 
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▲8人の出演俳優による自己紹介タイム。作品のみどころなどを話してくれました。
 
参加者のみなさんからは、
「想像していたものより、はるかにすばらしかったです!演技に引き寄せられました。」
「とても良かった。続きが気になり本公演を是非みたい。」
「たのしくて、本番がさらにさらに楽しみになりました!」
などの感想をいただきました。
 
その後は演出・渡辺敬彦さん(写真左)、出演俳優・三島景太さん(写真右)が登壇し、質疑応答タイムへ
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渡辺敬彦さんの人柄がわかり、よかったとの声が多く、とても好評でした。
また、三島さんによるこの作品の裏話も聞けました。
登場人物が多いのに出演俳優は8人。
1人何役も演じているからこその苦労があるんですね。
 
最後に、本作品で舞台監督を務めている守山真利恵さんから、技術スタッフの仕事についての紹介がありました。
音響や照明が公演で行っていることを、参加者の方に協力していただいて実際にやってみながら紹介しました。
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▲照明の効果の違いを実際に見てもらいました。
 同じ場所に立っていても光の色や当て方などが違うとまったく違う印象になりますよね。

 
今回、「おためし劇場」に参加してくださった方にも、ご覧いただいていないシーンや仕掛けがたくさんあります!
「おためし劇場」で観た続きが気になる方、
このブログを見てどんな作品なのか気になった方、
ぜひご観劇ください!
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #3
『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』
2019年12月14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
原案:ベルトルト・ブレヒト
構成・演出・台本:渡辺敬彦
台本協力:守山真利恵
出演:山本実幸、泉陽二、大内智美、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、三島景太、吉植荘一郎
★公演詳細はこちら
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2019年12月3日

『RITA&RICO(リタとリコ) ~「セチュアンの善人」より~』スタッフインタビュー

◆中高生鑑賞事業「SPACeSHIPげきとも!」パンフレット連動企画◆

中高生鑑賞事業公演では、中高生向けの公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。パンフレット裏表紙に掲載しているインタビューのロングバージョンを掲載します。
『RITA&RICO』にて衣裳を担当する清千草(SPAC創作・技術部)にSPACで働き始めたきっかけや、衣裳のお仕事内容などを訊いてみました。舞台のお仕事に興味のある方はぜひお読みください!
(インタビューは2019年10月13日に行ったものです)
 
 
――SPACで衣裳の仕事を始めた経緯は?

 小さい頃から服に興味があって、お母さんと一緒に、人形に着せるための小さい服を作っていました。中高時代はソフトテニス部に入っていて部活に励んでいましたが、服には興味を持ち続けていて、ファッション雑誌を読みながら「こんな服を着てみたい」とか「このアイドルにこういう服を着せたら素敵だろうな」とか考えていました。自分で服を作れたら、自分のサイズに合った好みの服を着られると思い、静岡デザイン専門学校のファッションデザイン科に入学しました。

 専門学校1年のときにSPACへ見学にきたのですが、そこで初めて舞台衣裳の魅力を知りました。『真夏の夜の夢』という作品では新聞紙を素材にしていたり、『天守物語』では鯉のぼりを衣裳の一部に使っていたり…。衣裳が舞台美術の一部にもなるという発見がありました。普段なら服として絶対に使わない素材でも、舞台では衣裳として使うことができて、普通の服づくりとは全然ちがう面白さがあると思いました。

ちなみに専門学校では玉結びのやり方やデザイン画の描き方など、衣裳制作の基礎から学びました。自分たちでコンセプトから立ち上げて、布や糸もひとつずつ選んで制作したものを、デパートで売るというところまで体験しましたね。先生の勧めでいろいろなデザイン・コンテストに千本ノックのように応募したり、色彩検定の資格取得に向けて勉強したり…。そういった経験は今の舞台衣裳の制作にも役立っています。

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――舞台衣裳のお仕事はどんなことをするのですか?

大きく分けてデザインとワードローブの2種類の仕事があります。まず、ワードローブというのは担当する作品の衣裳を管理する仕事です。本番中の俳優の着替えを補助したり、衣裳を洗濯したり、直したりもします。公演終了後は、誰がどのタイミングで着替えるかとか、どういう洗い方をするかなどの情報も資料として記録しておきます。

デザインをするときは、稽古中の雰囲気や実際の俳優の動きを観察したり、作品に関する資料を集めたり、様々な情報を集めることが大切ですね。『RITA&RICO』では演出の渡辺敬彦さんからコンセプトとなる具体的な絵画などを提示されたので、そこからデザイン画を描き、何度も話し合いを重ねて決定しました。今回は1人の俳優が複数の役を演じるのですが、たとえば、ジャケットを着るとか、スカーフを巻くとか、簡単な動作で役が変わったことが分かるようにしなければならず、演出家と相談しながら工夫しました。また、舞台美術とのバランスも考えなくてはいけません。今回は木材が多く使われるので、衣裳も綿麻の素材を使うなど少し古めかしい感じにして、舞台全体の色調や雰囲気を整えていくことも重要でした。

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――お仕事の魅力はなんですか?

 一年中、衣裳を作っていられる環境がよいですね。試行錯誤しながらクリエイティブに製作していくことができる。工場のように同じものを何枚もつくるのではなくて、一点物のように作りこむことができるのが魅力です。毎日違うことができるし、新しい発見があって退屈しません。こんなに恵まれた環境は珍しいと思います。SPACには2つの活動場所があるのですが、日本平の山中にある舞台芸術公園で作業するのは、すごく気持ちが良いんですよ!(笑)

また、SPACでは海外の人と仕事をできるのが楽しいです。様々な人との出会いがあって、情報や知識を交換できる。こちらの常識が海外では常識でないこともあるんですよね。先日のニューヨーク公演で現地の衣裳担当者と一緒に作業したときにも、仕事のこだわりポイントが違っていて面白かったです。

これまで韓国、中国、フランス、サウジアラビア、アメリカの5か国へ行きましたが、外国の人と仕事をするときには、単語だけの会話でもだんだんとコミュニケーションがとれるようになっていくので不思議ですね。2017年にSPACで創作した『MOON』という作品では、ドイツの美術デザイナーと一緒に衣裳を作ったのですが、お互い英語がうまく話せないという状態で、それでも目指す場所が一緒だから衣裳は出来上がっていく。そういう体験は新鮮で、大変だったけど楽しかったです。
 
 
――中高生へのメッセージをどうぞ。

 「あの車ってどういうつくりになっているのかな」とか「あの飾りつけはどこの会社がデザインしているのかな」とか、なんでも興味を持ったら調べてみると良いと思います。

アルバイトをしてみるのも、世の中の人がどんな働き方をしているのか知る機会にもなって良いかもしれません。自分も衣裳とは関係のないところでアルバイトをしていましたが、接客をしながら人見知りをしなくなるなどよいこともありましたし、逆にアルバイトをしていたからこそ、「やっぱり自分は服飾の仕事がしたいのだ」と再認識できました。

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――今後の目標はなんですか?

 今回、レギュラーシーズンの公演で初めてデザインから担当させてもらいましたが、与えられたチャンスでしっかりと成果を出して、これからもデザインを任される機会を増やしていくのが目標です。

 でも、ワードローブの仕事もとても好きです。急ぎで俳優の着替えを間に合わせなければならない作品などは、大変だけど達成感を得られるし、自分が上演している作品の一部になれている感じがして楽しいですね。

 実際、ワードローブの仕事もデザインをするうえでとても役に立っています。俳優が衣裳を着ているところを間近で確認できるので、どのような仕組みにすれば舞台の進行上で便利なのか、ということにも気づける。たとえば「ここはマジックテープにすればすぐ着替えられるんだな」とか。これまでの経験や知識の蓄積を活かして、尊敬する先輩に追いつけるように頑張りたいと思っています。
 
 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #3
『RITA&RICO(リタとリコ)~「セチュアンの善人」より~』
2019年12月14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
原案:ベルトルト・ブレヒト
構成・演出・台本:渡辺敬彦
台本協力:守山真利恵
出演:泉陽二、大内智美、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎
★公演詳細はこちら
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