みなさん、こんにちは。
演劇祭で『マミ・ワタと大きな瓢箪』の担当をしていた北堀です。
今回のブログでは、『マミ・ワタと大きな瓢箪』、そして、ニヤカムさんも参加してくれたお茶摘み体験の様子をお伝えします!
『マミ・ワタと大きな瓢箪』は、SPACでは、SPAC-ENFANTS(スパカンファン)の振付でおなじみのメルラン・ニヤカムさんのソロパフォーマンスです。「マミ・ワタ」というのはアフリカに伝わる髪の長い海の女神のこと。昨年の演劇祭ではグランシップの交流ホールで上演しましたが、1回限りの上演、客席数も少なかったため観劇できなかった方も多かったのではないでしょうか?
今年はそんな『マミ・ワタ』を木々に囲まれた舞台芸術公園 野外劇場「有度」で上演しました。
来日前、ニヤカムさんとSPAC創作・技術部の担当者とのオンラインミーティングを実施しました。
マミ・ワタを象徴する長い髪で登場したニヤカムさん。なんと今回、かつらを新調したとのこと。ミーティングの段階からニヤカムさんワールド満載で私たちスタッフを笑わせてくれました。
野外劇場の写真を見せると、「舞台奥の森の中から登場したい!」「影を出したい!」「ろうそくで瓢箪を囲んで儀式のようにみせたい!」など色々な案が生まれました。
ミーティング後、スタッフは実際にどの位置だったら影が出るのか実験しました。
そして4月23日、ニヤカムさんが静岡に到着しました。
長時間のフライト、静岡に到着したのも夜遅くでしたが、この笑顔!
翌24日からは早速稽古が始まりました。
ミーティングで確認した登場シーンを実際の場所を見て確認するなど、まずは空間や装置の位置の確認から始まりました。
そして音楽、暗くなってからは照明含めての稽古を行いました。
▲まずは位置確認(左)、小道具を使って確認(中央)、お気に入りのかつらをつけて(右)
25日にはゲネプロが行われ、SPAC関係者が観劇。
そして26日、27日の公演には、子どもから大人までたくさんのお客様に観劇していただけました。スパカンの卒業生もたくさん来場し、なんだかちょっとした同窓会のよう。みんなに愛されていることが伝わってきました!
ゲネプロを含め3公演とも、ニヤカムさんが瓢箪を頭に乗せながら舞台を降り、客席に入っていくシーンでは大人も子どもも声を出して笑ってくれました。
『マミ・ワタ』は常に進化していく作品とのことで、今回新しいシーンが加わったのですが、
昨年度も観たお客様はわかるでしょうか?
そうです、黒いビニールで口を覆うシーンと、砂袋を担ぎ、円を描くシーンが加わりました。
海の女神であるマミ・ワタがビニールにより呼吸ができず苦しんでいることを表現しているそうです。このお話を聞いた時、私はこの作品はただ神秘的な世界を表現しているだけでなく、環境問題など私たちが考えなくてはいけない社会問題を踊りで表現しているのだなと思いました。
また、円を描くシーンでは床面にある鏡を中心に円を描くことで、鏡を目に見せて、世界の中心、宇宙の中心、世界をそこから見ている…というようなイメージとのことでした。
もちろん、パフォーマンスを観て何を感じるかはその人次第!その時の状態で何を感じるかは人それぞれだと思います。こんな思いでニヤカムさんは踊っていましたが、みなさんは何を感じたでしょうか?
他にも、客席を含め、劇場内の色々なところにろうそくが置いてあるなど野外劇場ならではの演出がありました。
今回の試みとして、小学生以下のお子さんとご同伴者様には前方のお席で鑑賞できる、ファミリー席を設けました。
間近でニヤカムさんのソロパフォーマンスを観て、ペインティングのシーンでは多くのお子さんが参加してくれました。
『ラーマーヤナ物語』に出演していた宮城嶋遥加、渡邊清楓、西出一葉はスパカンファンの卒業生です!
今回、3人の俳優さんにも協力してもらい、ニヤカムさんとSPACの思い出ボードを作成し、てあとろんに設置していました!
3人以外のスパカン卒業生・現在のメンバーのみなさんにも懐かしんで見ていただけたようで嬉しいです。
そして今年は「お茶摘み体験」にニヤカムさんが登場しました!
ニヤカムさん、お茶摘みは初めてとのこと。舞台芸術公園のお茶畑を管理している石井さんに摘み方を教えてもらいました。
現在、舞台芸術公園の茶畑は茶木の植え替えを行っています。ニヤカムさんが宿泊されていた宿舎の前の茶畑も一度伐根したため来日早々ニヤカムさんは茶畑がなくなったことに驚いていました。今年3月に植えた苗が大きくなるのは約3年後!大きくなるのが楽しみですね。
茶畑の中みんなで「茶摘の歌」を歌ったり、エクササイズを行ったりしました。
一緒に歌い、踊ることでより楽しいお茶摘み体験になったのではないかと思います。
さて、ニヤカムさんが振付を担当しているSPAC-ENFANTS-PLUS=スパカンファン-プラスの公演が8月に静岡芸術劇場で実施されます。オーディションで選ばれた静岡の中高生&55歳以上のメンバーによるダンスをぜひご覧ください!