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2020年9月8日

【シアタースクール通信2020】オンラインワークショップ開催レポート

カテゴリー: シアタースクール

毎年、夏に開催している「SPACシアタースクール」
今年度は新型コロナウイルスの影響により、残念ながら発表会を2021年度に延期いたしましたが、8月9日(日)、15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日)に過去シアタースクールに参加してくださった中学2年生~高校2年生を対象にオンラインワークショップを開催いたしました。
今回のブログはワークショップの様子を制作部・北堀がレポートしたいと思います!
 
今回のワークショップには、指導に中野真希、アシスタントに俳優の春日井一平、片岡佐知子、鈴木真理子、ながいさやこが入り、参加者のサポートをしました。
オンラインでの実施ということで、例年のシアタースクールで行っている内容をそのままやることは難しいため、今回は主にストレッチと台本読みを行いました。

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▲仲間やアシスタント俳優と久しぶりに会えて嬉しそうでした。
 
ストレッチは、アシスタント俳優が日替わりで担当。体をほぐすストレッチや自分の身体の状態を知ることができるストレッチを行いました。

画角を気にしながらのトレーニングで大変なこともありましたが、オンラインだからできたものもありました。

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▲春日井によるカメラで遊ぼう!というトレーニングの様子。
 
今回のシアタースクールで取り組んだ作品は、サン=テグジュペリの『星の王子さま』
まずはシーンごとに回し読みを行いました。
参加者の中には「タイトルは知っているけど読んだことがない」という参加者も何人かおり、初めて読んだ参加者からは・・・

・飛行士の小さい時と、王子さまが似ていると思った。つまらない大人にさせられてしまったと感じている飛行士が、小さい頃の自分に対峙しているように思えて面白い。

・2人の会話が夢の中のようで、違う考えの2人だけど、どちらも想像力が豊かだから、すごく楽しい会話になっている。

・歳を重ねるにつれ、日々の小さなことに感動したり刺激を受けたりすることが減っていくと思うけど、王子さまは大人に対してそこをビシッと言って、気づかせてくれたのではないかと思った。

など、初めて読んだとは思えない感想が出てきました。
 
回し読みをして内容をつかんだ後には、シーンごとに役を割り振って読みました。
オンラインでのワークショップは、これまでのように同じ空間でお互いの身体や呼吸を感じることができないため、最初は不安そうな参加者もいましたが、回数を重ねるにつれ慣れてきたようで徐々に読むだけではなく、身振りや手ぶりを入れる参加者も出てきました。
中野からの指導も入り、だんだんセリフの間や強弱なども意識しながら読めるようになっていきました。

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▲羊の絵を自分で書いてくれた参加者も!
 
ワークショップを終え、参加者からは、

・オンラインで演劇をやるのが初めてなので、どうなるのだろうと思ったが、いろいろな役ができたことで、たくさんの役柄を理解することができ楽しかった。

・普段は動きながら演じているけれど、今回は声だけで伝えなくてはいけないのが難しかった。でもそこが面白いところでもあった。

・今回みんなと離れてやると聞いてドキドキしていたのだけれど、いつもと変わらず楽しめた。

などの感想があがりました。
 
オンラインでのワークショップにあたり、参加者自身も初めてのことが多く大変だったこともあるかと思いますが、それぞれがオンラインでの見せ方を考え、楽しんでいただけたようでよかったです。
普段のシアタースクールでは学ぶことのできないオンラインという新しい場での演技の仕方やコミュニケーションの取り方について学ぶことができたのではないでしょうか。

最終日には指導の中野、アシスタント俳優、そして芸術総監督の宮城聰よりメッセージが送られました。


指導・中野真希から参加者へのメッセージ
最初はどうなるかわからなかったですが、想像していたより進みがよく、みんな前向きでうまくいってとても嬉しかったです。周りのセリフをよく聞けていたし、台本も読み込めていて、5回のワークショップでみんな成長したと思います。来年は顔を合わせてできたらいいなと思います。もし来年参加できなくても芸術劇場が再開したら会いに来てください!


芸術総監督・宮城聰から参加者へのメッセージ
僕は若い頃、演劇を始めたおかげで、他の人の気持ちや考えを、より感じられるになりました。
『星の王子さま』に書かれていることの半分ぐらいは、みんなぐらいの年に感じることだと思います。決定的な別れなど悲しみについても書かれていますが、サン=テグジュペリは40歳過ぎてこの作品を書き、若いころの気持ちと、後になってそれを思い出している気持ちとの、両方の視点から物語をつくっています。そして、若いころに感じた気持ちは次第に薄れていくけれど、本当はいつまでも大切なものだと思って書いていると思います。
色々な見方ができるのも演劇のいいところです。その人物になりきると同時に、その人物と離れて上から眺める、それが両方味わえるのが演劇で、そのことにより、他の人の気持ちを学べるのだと思います。


 
また、ネット環境がない参加者向けに、「くものうえ⇅せかい演劇祭」ブロッサム企画としても実施した「でんわdeシアスク」を行いました。参加者は、アシスタントのながいさやこと『星の王子さま』の台本を読んだり、近況について話したりしました。担当したながいは、電話越しではありましたが、久しぶりに参加者の元気そうな声を聴くことができ、とても嬉しかったそうです。

今年度のシアタースクールは、回数も5回に限られ、オンラインワークショップという形での開催でしたが、参加者一人一人の、劇場でのシアタースクールでは見られなかった一面を知ることができました。また、この1年間での参加者のみなさんの成長を、しっかりと感じることができたワークショップとなりました。
今年はオンラインでの開催となりましたが、来年は新しい仲間も加わって、静岡芸術劇場でみなさんとお会いできることを楽しみにしております!
 
関連リンク◆人材育成事業「SPACシアタースクール」紹介ページ

2020年8月27日

妖怪ブログ2020#1 猛暑でも酷暑でも頑張っていきましょ!

 長かった梅雨が明け、夏真っ盛りの8月上旬。『妖怪の国の与太郎』の稽古が始まりました! こちらのブログでは、そんな暑さに負けないパワフルな稽古場の様子をお伝えしていきたいと思います。
 
この作品は2019年2月から3月にかけて初演を行った舞台です。
2019年度公演についてはこちら

 早くも2020年秋に待望の再演! 2020秋→春シーズン一発目、張り切っていきましょう! と言いたいところですが、なかなかそうもいきません。
 新型コロナウィルス感染防止のために飛沫や接触を避けるという観点から、初演時のやりとりやアクションの中には再現が難しいシーンもあり、あちこち新しく創り直す必要が出てきました。また、稽古場の使用に関する制限も多く、通常のような稽古が出来ないのが現状です。

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▲一定の距離を保って稽古をする俳優陣

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▲稽古場、小道具、衣裳等もスタッフチームが徹底して消毒
 
 しかし、俳優達はこういった初めての状況に戸惑いながらも、面白い舞台を作っていこうと、試行錯誤しながら稽古を進めています。
 そして、俳優のみで一週間ほど稽古を重ねた後、演出のジャン・ランベール=ヴィルドさんとロレンゾ・マラゲラさんが稽古に合流しました。

 
 海外在住のお二人は渡航ができないため、今回リモートでの稽古参加となります。

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▲スイス、フランス、日本を繋ぐオンライン稽古の様子

 演出家として稽古場に来られないことで歯痒い思いをしていると思いきや、ジャンさんからは、稽古後「本番、期待出来そう」という感想が。
 それは俳優達が、コロナ禍下の稽古で悪戦苦闘しながらも、悲観的にならずに前向きに稽古に取り組んでいる様子が伝わったからだそうです。
 また、稽古に先立って送られてきたロレンゾさんからのメッセージ「ウィルス禍の制約を逆手にとって、おもしろく活かしてゆくこと」という旨を、きちんと俳優達が汲み取って稽古している様子がわかったからではないかと思います。

 思えば、『妖怪の国の与太郎』という作品はもともとその発想が詰まっています。『妖怪の国の与太郎』の主人公・与太郎は、自身が死んでもなお、落ち込まず、むしろ面白がって自分の魂を探す旅を続けます。「どんな状況でもそれを面白がる」ことを大事にしている『妖怪の国の与太郎』は、とてもエネルギッシュで情熱的な稽古場。今後も稽古の様子をレポートしていきたいと思いますので、ご期待くださいませ。
 
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秋→春のシーズン2020-2021 #1
『妖怪の国の与太郎』

一般公演
2020年11月14日(土) 会場:掛川市生涯学習センター
2020年12月19日(土)・20日(日) 会場:静岡市民文化会館

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子

出演:大内智美◇、大内米治◆、木内琴子、木皮成◇、貴島豪◆、小長谷勝彦◆、本多麻紀◇、三島景太、宮城嶋遥加、森山冬子◆、山崎皓司◇、吉植荘一郎、渡辺敬彦[50音順]

※一部ダブルキャストによる上演となります。
◇ … 11月7日までの出演(中高生鑑賞事業公演のみ)
◆ … 11月12日からの出演(中高生鑑賞事業公演および一般公演)

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2020年8月4日

「でんわde名作劇場」お客様よりご感想をいただきました!

 「くものうえ⇅せかい演劇祭」での実施でご好評をいただき、6月から再開した「でんわde名作劇場」。実施日の2日前までにお申し込みいただくと、電話でSPAC俳優の朗読を楽しむことができるという企画です!お電話では生朗読とあわせて30分以内であれば、俳優との何気ないおしゃべりもお楽しみいただけます。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、2月末からの長期にわたる公演中止。「でんわde名作劇場」は、このかつてない状況の中から、それでも何とかして劇場での公演にかわる方法で、今「演劇」のエッセンスをお客様に届けられないかと生まれた試みです。プロの俳優が自分のために電話で朗読ライブをしてくれる。これは、演劇好きの方にとっても、あまり劇場に来たことがない方にとっても、これまでにない「新たな体験」ではないでしょうか。
ただ、お客様と俳優が電話で一対一でお楽しみいただくものだけに、どのような体験なのかまだピンとこない、いまいちイメージが湧かないという方もいらっしゃるのではないかと思います。そんな中、この度は「でんわde名作劇場」を利用されているお客様・立林学様より、その魅力やお勧めポイントをお聞きしましたので、ご紹介いたします。
 


 
★「でんわde名作劇場」を利用してみていかがでしたか?

朗読を聴くということが、こんなに豊かなものだったのかということを再認識しました。
テレビでも動画視聴でも常に映像と音声がセットですが、それが音声だけになると、代わりに想像力は何倍にもなるようです。
読んでいただいている世界が自分の中で絵になっていく、これは忘れていた感覚でした。だから朗読を聴くときは軽く瞼を閉じています。
視覚はむしろじゃまなのです。
 
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▲目を閉じて朗読の世界に浸る立林さん

そしてその読み手が、話すこと、読むことの特別な練習をずっと積み上げてきたSPACの俳優さんたちなのです。
だからでしょう、心地よく物語がスッと頭に入ってくるのが、わかります。
それは本を読むのともまた違う感覚なのです。
劇場で演劇はまだちょっと先かもしれませんが、俳優さんが一人の観客に物語を届けてくれるという、まぁなんとも贅沢な企画は、演劇をみることができない私の喪失感を和らげるだけでなく、新しい発見へと誘ってくれました。
 
★「でんわde名作劇場」のどんな所がおすすめでしょうか?

かつてラジオで朗読の時間ってものがありました(いまもあるかもですが)。
そのサービスの宅配です。料金は無料で。
Zoomの会議ももちろんいいけど、時間がくると電話のベルが鳴って受話器を取るとはじまる「おはなし劇場」、昭和の人は懐かしい感覚、平成の人は新鮮な感覚です。
そういえば、自分のためにお話を読んでもらうって、小学校の時に母親に読んでもらったのが最後だったか。
コロナ禍がなければなかった企画でしょう、利用しないのはもったいない!
これはきっと「聴く演劇」なのでしょう。
演劇のハードルが高かった人には、むしろ入門編にぴったり。
おうち時間に、コーヒーカップを片手にで大丈夫です!
 
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 立林様、ありがとうございました!

 8月に入りこれから夏休みだけれども、今外に出かけるのはちょっと不安という方も、少なくないのではないでしょうか。そんなときに、お家にいながら、お一人でもご家族でも楽しめる「新たな演劇的体験」。「演劇って気になるけど見たことない!」という方にも、「演劇不足で困っている!」という方にも、ちょっとしたブレイクタイムに気軽お楽しみいただける「朗読」です。ぜひ多くの皆さんに一度お試しいただきたいです!
 
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「でんわde名作劇場」
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▲クリックすると拡大します

8月の朗読作品
・『蜘蛛の糸』芥川龍之介
・『怪談牡丹灯籠』三遊亭圓朝 作/吉植荘一郎 構成
・『あのときの王子くん』(新訳 星の王子さま)サン=テグジュペリ 作/大久保ゆう 訳

◎お申込み
ご希望の日時・演目を2日前までにチケットセンターへご予約ください。
SPAC チケットセンター:054-202-3399
(受付時間 10:00~18:00/休業日8月7日を除く)

詳細はこちら→https://spac.or.jp/2020-6/tele_theater

Twitterで投稿されたお客様の感想まとめはこちら

「でんわde名作劇場」をはじめSPACがはじめた4つの事業をまとめたページは下記バナーをクリック

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2020年7月28日

「SPAC出張ラヂヲ局」が届けているもの~施設実施報告~

 新型コロナウイルスの影響下で劇場を開けることが出来ない現在、SPACとしてはなんとか演劇を求めている人達に演劇を届けることが出来ないかを試行錯誤し、新規事業として「SPACの劇配!~アートがウチにやってくる~」を立ち上げました。
 その中の一つに「SPAC出張ラヂヲ局~電波で演劇とどけます!~」(以下、出張ラヂヲ局)という福祉施設向けの企画があり、おかげさまで好評いただいております。
 
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▲静岡県内での「出張ラヂヲ局」実演の様子

今回は利用を検討されている施設関係者の方に向け、実際にどのようなことを行っているのかを知っていただくため、先日7月7日、静岡市葵区にある介護老人福祉施設で実施した模様をレポートします。
 

【そもそも「SPAC出張ラヂヲ局~電波で演劇とどけます!~」とは?】
↓バナーをクリック

 
「出張ラヂヲ局」で実際に使用するのは、FMトランスミッターという小型電波発信機。この機材を使用して施設の外からFM波を送信し、建物内のラジオで受信して聴いていただきます。
 
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静岡芸術劇場でも建物内で電波を受信出来るか検証を繰り返しました。画像の通り、朗読などを行う俳優と観客の間にはガラス窓があるので接触はありません。また施設側でご準備いただくものは受信用のFMラジオだけで、機材など特別必要なものはありません。
 
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▲場所を取らない簡素な設備で実施可能
 
この日、施設へお伺いした俳優は吉見亮、ながいさやこの二名。
二人共この日が初めての実演でしたが、落ち着いた面持ちで楽器や台本の準備をしていました。もちろん毎回施設を訪問・実演するのはプロの俳優とスタッフで、訪問先が野外であったり居住空間であっても、そこを劇空間にがらりと変えて本番に挑みます。

 まずは吉見の心地よい太鼓の演奏からスタート。太鼓の響きは、雑味なく身体に振動を届け、その単純明快な迫力は聴く人に活力を与えます。
 
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▲迫力のある演奏をする吉見亮
 
 太鼓に続いては俳優二人による、入所者の七夕の願い事を読み上げるコーナー。ながいが願い事の書かれた短冊を読み上げ、吉見がそれにポジティブで前向きになれる言葉を添えるものでした。このコーナーは事前に施設のご担当者と話し合いをし、実施日が七夕に近いということから実現したものです。
 朗読や演奏だけでなく、なにかしら要望などを事前の打ち合わせでお話いただければ、こちらも可能な限り対応し、聴いていただく入所者の方により満足度の高い時間を提供出来るよう努めています。

 最後はながいの朗読。この日の朗読の演目は宮沢賢治の『よだかの星』でした。決して簡単な話ではありませんが、じっくりと聴かせる朗読で作品の魅力を伝え、入所者の方たちは作品の世界に浸ってくださったようでした。
 
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▲しっとりと読み上げ、作品を届ける ながいさやこ
 
 終了直後、実演前には居なかった各階の入所者の方たちが、窓越しに様子を見に集まってきてくださいました。皆さん生き生きとした笑顔を見せ、温かい拍手を俳優たちに送っていました。職員の方も「非日常が飛び込んできたような感じがした」と終了後に仰り、「また来て欲しい」との言葉を頂きました。

 コロナ禍の渦中、日常を制限されている中で、私たちSPACはこういった活動をしています。まだ劇場にお越しいただくことはできませんが、演劇を必要としている方がいることを実感でき、私たちスタッフにとっても励みになっています。
 もしもこの文章を読んで、少しでも興味が湧いたという福祉施設関係の方がいらっしゃいましたら、気軽にご連絡頂ければと思っております。

SPAC制作部
鈴木達巳

【お問い合わせ・お申し込み先】 ☆実施施設募集中☆
SPAC-静岡県舞台芸術センター
担当:芸術局 制作部 「SPAC出張ラヂヲ局」 制作・中尾、雪岡、鈴木
〒422-8019 静岡市駿河区東静岡2丁目3-1
電話:054-203-5730 FAX:054-203-5732
E-mail:nakao@spac.or.jp

 
<関連リンク>
◆2020年6月28日 SPAC制作部新人「はじめまして」のご挨拶ブログ
 つまずけど、あゆむ/SPAC制作部 鈴木達巳

◆「SPACの劇配!~アートがウチにやってくる~」まとめページ

2020年7月17日

リズムであそぼう!~SPAC出前劇場『音芝居』より~動画公開中

小学校・児童クラブにお届けしているアウトリーチ作品SPAC出前劇場『音芝居』より「リズムであそぼう」という動画を製作しました!

SPACの舞台音楽家・棚川寛子と俳優による、 小学生を対象とした、楽しみながらリズム感を育てる動画です。実際に訪問して上演することが叶わない小学校や児童クラブ、またご家庭にて楽しんでいただければと思います。

もちろんSPACファンの大きなおともだちの皆様も楽しんでいただける内容ですので、ぜひご覧ください。

~小学生のおともだちへ~
音楽と楽器が大好きな女王さまや家来(けらい)たちと いっしょに 楽しくリズムで遊んでみよう!
手と足をつかって音楽にあわせて参加(さんか)してみてね♪

~学校・児童クラブ等関係者の皆様へ~
ご希望の学校・施設にはDVD等で動画を提供いたします。
詳しくはSPACアウトリーチ班までお問合せください。

★アンケートご協力のお願い
ご活用いただいた際には、アンケートにご協力いただきますようお願いいたします。
実施日より1週間以内を目途に、ご記入の上、下記の宛先までFAXまたは郵送でお送りください。
◎アンケート用紙はこちらよりダウンロードいただけます。

【お問い合わせ】
SPAC-静岡県舞台芸術センター 制作部
SPACアウトリーチ班
〒422-8019 静岡市駿河区東静岡 2 丁目 3-1
電話:054-203-5730 FAX:054-203-5732
メールアドレス:recafe@spac.or.jp

<関連ブログ>
2020年6月24日 今年度初のアウトリーチで学校訪問!ウィズコロナ仕様の『音芝居』

2020年6月30日

社会人3ヶ月日記/SPAC制作部 川口海音

今年4月から制作部に加わった新メンバーが、未だかつてない状況のなかでどのような日々を過ごし、何を感じていたのかを自身の言葉で綴ってくれました。
まだ劇場でお会いすることはできませんが、いつもSPACの活動を支えてくださる皆様へ「はじめまして」のご挨拶ブログです。
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みなさま、こんにちは。
SPAC制作部の新人 川口海音(みお)と申します。皆様いかがお過ごしでしょうか?
新型コロナウイルスの影響で生活様式や常識自体が大きく変わりつつある日々の激流に、新社会人の私は息継ぎもままならぬ様な思いで過ごしています。
しかし、そんな状況下であったからこそ体験できたこともありました。
今回は私の視点から、出勤初日から現在までの出来事を日記形式でご紹介したいと思います。
どうぞお付き合い下さい。

 

四月一日
本来なら初出勤の予定が、コロナウイルスの影響で劇場へ行くのは2週間後に延期に。顔合わせはZoom(テレビ会議アプリケーション)上にて行うことになりました。
前日までZoomのズの字も知らない私は、なんとかタブレットにアプリを入れたものの、開始時間の30分以上前から半ベソ状態。
しかし、いつまでも弱気ではいられません。応援してくれる学友や両親の顔を思い浮かべ、必死に食らいついて頑張って行こう!と決意したのですが……緊張のボルテージがMAXだった私は、終わった際には顔合わせの記憶が全くなく、ただ手元のメモに震える字で制作部スタッフのみなさんの名前と、特徴を覚えるための似顔絵が描いてあるばかりでした。

四月十日
制作部各セクションのチーフの方からZoomでブリーフィングをしてもらいながら1週間とちょっとが経ちました。「営業」「広報」といったような一般企業にもありそうなチームから、「チケット」「アウトリーチ」といった劇団らしい名前のチームまで様々なチームの役割について教えていただきました。
また数日に及ぶブリーフィングの合間に「くものうえ⇅せかい演劇祭」用の『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』デザイナー・インタビュー《舞台美術編・カミイケタクヤ》の一部分を文字起こししました。送ってもらった映像を見ながら、カミイケタクヤさんの言葉を書き起こします。何度も何度も映像を見て、止めて、書いてを繰り返していくうちに「舞台装置にこんなこだわりがあったんだ」「奥に見えた扉は厠だったのか!」とお客さんの目線で楽しんでしまいました。
午後からは『おちょこ』の衣裳デザインを担当している駒井さんインタビューの文字起こしをしました。既にご覧になった方も、もう一度見ると新たな発見があるかもしれません……!

五月七日
劇場に行ったり在宅勤務をしたりの日々。毎朝行われるZoomでの朝礼にも、少しずつ慣れてきました。五月から「一言看板(劇場前にある、偉人の一言を紹介する看板)」を任せて頂き、毎回張り切って調べています。(もし劇場に来ていただく機会があれば、感想など頂けると大変嬉しいです)
 

 

演劇祭期間中は、まず駅や劇場前に飾る「くものうえ⇅せかい演劇祭」のポスターやチラシの印刷などからスタートしました。先輩に教えていただきながら、印刷したポスターを劇場周りに貼り終わったときは、なんとも言えない達成感を感じました。また、数回だけでしたが「でんわde名作劇場」のご予約の電話対応をしました。
まだまだ慣れない電話対応におっかなびっくりしてしまうのですが、6月6日から「でんわde名作劇場」が再開したので、完璧な予約の受け答えができるようになりたいです。

「でんわde名作劇場」は、劇場に来ていただけない今だからこそ味わえる格別な企画だと考えています。
私は舞台を観るとき、俳優の声も聞きますが、それよりも視覚の影響が大きく「セリフ」自体が持つ言葉の意味やエネルギーを聞き逃してしまう事があります。しかし、「でんわde名作劇場」は文字通り「電話」から俳優の声を直接耳に入れる事で、言葉に込められた感情や意味、何より強いエネルギーを感じる事ができると思っています。
また読書の延長線上のようなイメージで「言葉のシャワーを浴びる」「言語の海に潜り込む」といった感覚に近いものがあるのかな、と考えています。
「聞く」という行動は人に会っていないと衰えてしまうものですし、日常生活でも役立つのでこの機会に「聞く力」を鍛えてみてはいかがでしょうか。
ただ、中には「俳優さんと電話で一対一!?緊張しちゃうよ〜」という方も、いらっしゃると思います。しかし「お話をする」という感覚よりは、「その場で思った事も言える朗読CD」を聞くというイメージをもっていただけると気楽に聞けるかなと思います。
八月三十一日まで、電話の前でワクワクどきどきご予約お待ちしております。

話がだいぶ逸れましたが、五月十一日
YouTubeにアップされた「くものうえ⇅せかい演劇祭」の対談動画の字幕入れも担当しました。
YouTubeやプレミアエレメンツなどの作業に慣れておらず、先輩に何度も何度もご迷惑おかけしながら作業を進めました。Excelに書いてある訳と原文と睨めっこしながら、延々とパソコンに字幕とそれが表示される秒数を打ち込む、そんな日々でした。だんだんとコツを掴んだ今は、そんなに苦労しないのですが、始めてすぐは丸二日かけて打ち込んだりしていました……(コピー&ペーストの存在に気づくまでチマチマ作業をしていました…)

そんな中、オリヴィエ・ピイさんが宮城さんとの対談でおっしゃった忘れられない言葉があります。新型コロナウイルスによる自粛の真っ最中で、劇場や演劇の再開の目処が立たない中でも「続けることだけが勝利なのだと思います」という言葉です。
作業中にもかかわらず、私は「なんて力強く、素敵なのだろう」と涙が滲みました。
私は四月の初めての出勤日から、誰もいない舞台を見ては寂しい思いをしていました。
普段なら大勢のお客さんやスタッフ、シアタークルーの方々で賑わうであろう劇場が、しいんと静まり返る様子は、本当に劇場という文化が消えてしまうんじゃないかと何度も不安になりました。
「続ける」ということは容易なことではありませんが、少しでも多くの方に、劇場に来て楽しんでいただける機会を作り出せるように精進したいな。と考えました。(ここに記録し何時でも気持ちを思い出せる様にしたいと思います)


▲制作室のみに灯りがつく、静かな芸術劇場

五月二十三日、二十四日
二日間、「くものうえdeこども大会」を拝見しました。涙腺が壊れているのかと思うほど、最初から号泣してしまい、二日でティッシュボックスを一箱開けてしまいました。休校が続き活動を制限され、大人でも参ってしまうような日々の中で、何かを表現するというエネルギーを持ち続ける子どもたちの姿にとても胸を打たれました。

そして、六月現在
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
現在は、データの整理やクルーの皆さんへ送る記念缶バッチの封入作業など、出来ることから少しづつ仕事を覚えいっています。
一刻一刻と状況が変わるような未曾有の事態の中で、私は日々「今、演劇は何ができるだろうか」「私がSPACで役立てることはどんな事だろう」と考えるようになりました。その答えは、まだまだ見つかりそうにありませんが、お客様を劇場でお迎えし、舞台を楽しんでいただく日がまた来るまで、コツコツできることから続けて行けたらと考えています。

川口海音

2020年6月28日

つまずけど、あゆむ/SPAC制作部 鈴木達巳

今年4月から制作部に加わった新メンバーが、未だかつてない状況のなかでどのような日々を過ごし、何を感じていたのかを自身の言葉で綴ってくれました。
まだ劇場でお会いすることはできませんが、いつもSPACの活動を支えてくださる皆様へ「はじめまして」のご挨拶ブログです。
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 「なぜ二日連続で駅へと向かっているのか?」そんな疑問が私の頭の上を旋回していました。
 通勤のためではありません。むしろ通勤しないために私は駅に向かっていたのです。目的は前日に購入した定期券の払い戻し、理由は電車に乗らなくなってしまったから。

 私、鈴木達巳はSPAC制作部の新人として、4月1日より東静岡にある静岡芸術劇場に勤務する予定でした。
 しかし、勢い勇んで通勤をしようとする私の出鼻を挫く、二週間の在宅勤務。4月の新型コロナウィルスの状況を考えれば当然の処置ではありますが、それでも在宅勤務の報は青天の霹靂のように感じました。それは私が今回のコロナ禍の当事者としての自覚が少し薄かったからではないかと思います。
 駅に定期券を購入し、「よし、やるぞ!」という気持ちでいた帰り道と、定期券の払戻しをしに行った駅からの帰り道とでは景色は違って見え、商店街のアーチを抜けて見た夕日は、大袈裟ではなく夕日に似たなにか別のものを見たような感触を私に与えました。

 

 4月1日より始まったリモートワークによる研修。ただでさえSPACの新しい仕事に困惑する中、初めてのリモートでの研修で、困惑は二乗になります。
 特に会社や団体といった各組織が持つ独自の雰囲気を嗅ぎ取れないことが個人的には心苦しく感じました。なんらかの組織に属するのであれば、その組織の色に自然と、時に自ら染まっていく部分があるかと思いますが、その浸食の進行度合いが牛歩の様で、居心地の悪さを感じました。これは普段職場に勤務している方々が、リモートワークに切り替えたことで生じた、調子が狂うとは違う悩みだったような気がします。

 

 それでも徐々にSPACの一員としての自覚が芽生え始めた新緑の4月末、「くものうえ⇅せかい演劇祭」が開幕します。しかしここで困惑は三乗に。初参加の演劇祭が初のオンライン開催、「初」の重なりによって生まれた困惑の液体は、私の許容範囲をゆうに超えていたかと思います。


▲「くものうえ⇅せかい演劇祭」開幕メッセージより


▲コア企画の初日に配信された、ワジディ・ムアワッドと宮城聰の対談

 私はこの「くものうえ⇅せかい演劇祭」の期間中、空中ブランコを同じサーカスの団員として見上げているような、そんなかたちで参加していたように思います。
 この新型コロナウイルスの状況下で、どうやって演劇祭を実施するか、オンラインでどのようなかたちで観客を楽しませるか、滞りのない運営とはなにか、ということにSPAC一同、限られた時間の中で葛藤し苦心し成立へと導いていく姿はとても躍動的で輝かしいものがあり、それを観客という全くの第三者ではなく、SPACの人間として内側のアングルで捉えていた自分は演劇祭の期間中、制作の仕事をしつつも、どこかプレイヤーにはなり切れず、見上げるようなかたちでお祭りに参加しており、私は寂しさと歯痒さがモザイク状に広がっていく心境で閉幕式の映像を見届けました。


▲「くものうえ⇅せかい演劇祭」閉幕メッセージのエンドロールより

 

 6月現在、演劇祭閉幕後もSPACは走り続けています。「でんわde名作劇場」「教科書朗読」など、この新型コロナウイルスの状況下で演劇をどうやって届けていくのか? を課題に、新規事業が複数動いており、私もいくつかのプロジェクトに参加しています。
 複数のプロジェクトに参加している現在、演劇を届けるという目的は同じでも、ターゲットや理由によって手段や方法がそれぞれ違い、届けるということの難しさに実感しつつ、同時にやりがいも感じております。
 ただ私は、どの新規事業に取り組むにしても共通して、「演劇とはなにか?」ということを折りに触れ考えることが多くなりました、とても難しい問いであり、勿論答えは未だに出ていません。
 しかしSPACに所属するとなった時、初めての課題としては最適だとも思います。原点であり根幹の問いでありながら、どこかで答えを既に自分は知っているような気がするからです。自分自身この状況下で演劇を欲しているから、その答えは見つけられるはず、漠然とそんな想いを抱いています。
 今回の騒乱が沈静化し、劇場でお客様をお迎えする日までに、この答えは見つけられたらいいなと思い、そのために今は前を向いて仕事に精進していけたらと思います。

鈴木達巳

2020年6月24日

今年度初のアウトリーチで学校訪問!ウィズコロナ仕様の『音芝居』

今年度初のアウトリーチ!浜松市立熊小学校で出前劇場『音芝居』を上演しました。
天竜の山間部にある全校生徒12人の小学校です。
校庭に素敵なステージがあり、天気も良かったので、お外で上演させていただきました!

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「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」学校訪問プロジェクトの一環で実施しましたが、
新型コロナウイルス感染症予防対策のために、当初考えていた作品から、大きく演出や形式を変更して新しい作品を創りました!
衣裳にフェイスシールドが組み込まれ、2名の出演者が全く台詞を交わさず、代わりに音や楽器をふんだんに使って表現する音芝居です!
観ている児童の皆さんは、役者のコミカルな動きに笑ったり、ツッコミを入れたり、リズム遊びで一緒に手を叩いて参加したり、
とてもとても楽しんでくれました。

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観劇のあとは、子どもたちが楽器に触れる時間も。「スプリングドラムはどんな仕組みで雷の音が出るのか?」、「カホンはどこの国の楽器なのか?」等々、 いろいろな楽器に子どもたちも興味深々で説明を聞いてくれました。

校長先生からは、「今日は子どもたちが伸び伸びと劇を楽しんでいて、とても良かった」とのお言葉をいただきました。

 
綺麗な緑の山を背景に、子どもたちのキラキラとした目の前で、
久しぶりに生でパフォーマンスをすることができ、私たちも本当に幸せでした。

この作品は夏休みの期間に静岡県内の児童クラブにて上演を予定しています。
たくさんの子どもたちに届けられることを願っています。
 
SPAC出前劇場『音芝居』
演出:棚川寛子
出演:加藤幸夫、貴島豪 
声の出演:本多麻紀
衣裳:駒井友美子 
制作:仲村悠希

SPAC学校訪問プロジェクト「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」についての詳細はこちらをご覧ください。(※今年度の募集は終了しています。)

<関連ブログ>
2020年7月17日 リズムであそぼう!~SPAC出前劇場『音芝居』より~動画公開中

2020年6月9日

「くものうえdeこども大会」開催レポート

2020年5月23日(土)24日(日)に開催延期を予定していた「第21回すぱっくこども大会」は、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、残念ながら中止いたしました。

しかし、外にも出ることができず劇場にも来られない、お友達とも集まれない、
おうちの中にいなくてはいけない状況下でも何かできるのではないかと考え、オンラインで「くものうえdeこども大会」を開催いたしました。
 
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出演予定だった子どもたちに「おうちで」「お一人で(兄弟姉妹の場合は2人でも可)」(その後の緊急事態宣言解除にともない、室外での撮影も可としました)パフォーマンスした動画を事前にお送りいただき、
SPACの俳優やスタッフが番組を生配信する形で、その動画を紹介しました。
2日間で11組25名の子どもたちが出演し、外出できない期間にお家でためていたパワーを思う存分に発揮していただきました。

こちらは一般には非公開で開催いたしましたが、このブログではその内容を制作担当の入江がお伝えしていきたいと思います。
 


 
番組は、5月23日(土)24日(日)の14:00からZoomのウェビナーを使って配信しました。


▲今回のために創作・技術部が撮影したオープニングムービー。誰もいないステージを照明と音楽で彩りました。

司会は、俳優のながいさやこさん、創作・技術部舞台班の山﨑馨さんの明るく元気で楽しい2人です。
 
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▲左:山﨑馨さん、右:ながいさやこさん
 
そしてコメンテーターにはSPAC俳優から、丁寧で的確な解説をしてくれた寺内亜矢子さんと
明るく盛り上げてくれた”ちょんまげくん”こと牧山祐大さんが登場しました。
 
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▲右上:牧山祐大さん、左下:寺内亜矢子さん
なごませ担当のSPAC公式キャラクター・すぱっくんも登場

 
芸術局長の成島洋子による挨拶の後、いよいよパフォーマンス動画の紹介へ。
司会による出演者の紹介→動画の紹介→コメンテーターによるコメントという流れで進行してゆきます。

また、一部の出演者の方には生出演してもらいました。「すぱっくこども大会」の特性でもある「俳優と出演者の交流」も忘れません。
 
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▲こども大会常連でヒップホップダンスを見せてくれた大竹輝歩くん(2段目右)と5年間チューターとして見守ってきた俳優の舘野百代さん(3段目)
 
23日(土)は、5組10名のこども達が出演。
演目は、①ピアノで弾き歌いと手話 ②モダンバレエ ③英語の歌とダンス ④英語の歌とダンス ⑤ヒップホップダンス。

24日(日)は、6組15名のこども達が出演。
演目は、①ピアノと朗読 ②英語の歌 ③劇 ④ピアノとヴァイオリン ⑤英語の歌 ⑥クラシックバレエ。
 
送っていただいた動画は、希望に応じてSPAC創作・技術部の手によって編集させていただきました。
2人組、3人組で出演したいという方にはそれぞれ個々で撮影した動画を送っていただいて、
まるで一緒にパフォーマンスをしているように見えるようスタッフが合成しました。

また、背景をバーチャルにしたいという方には、SPACで用意した「グリーンバック」と呼ばれる緑の布を
背景に設置して撮影していただき、スタッフが背景イメージを合成しました。

しばらく外出することができず、お友達や先生、離れて暮らす親戚にも会えない大変な状況でしたが、
それでも出演してくれたこどもたちは、一生懸命パフォーマンスをしてくれました。
そのような姿に見ていた大人たちも心を打たれたのではないでしょうか。
 
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▲2段目右:芸術総監督 宮城聰、3段目:芸術局長 成島洋子
 
静岡芸術劇場のステージに立っていただくことはできませんでしたが、オンラインだからこそ画面越しでも見る人に伝わる表現があることを発見できたり、遠くにいる家族やお友達にも見てもらえるという利点もあったのではないでしょうか。

閉会の言葉で、SPAC芸術総監督の宮城聰は、
「表現をすること、人に見てもらうことの素晴らしさ、その初心を思い出しました。この先つらいことがあっても、全力を出していれば必ずどこかで誰かが応援してくれるということを信じてほしいです。こども大会を見ているとそれが本当に信じられる気がしてきます。

オンラインでも感動したのは、カメラなどの小さい世界ではなく、自覚していないかもしれないですが、そのさきの大きなもの、もしかしたら天とか地球などに向かって表現しているからであり、芸術や表現が生まれる前の大昔の人たちが神様や自然に対して行っていたように今やれているからなんだと思いました。」と述べました。
 
保護者の方からも「残念ながら劇場での開催はできませんでしたが、配信という形でも披露出来る場を作っていただきありがとうございました。」
というようなお言葉をいただき、私たちも非常に励まされました。
 
今回はオンラインの開催となりましたが、次回の「すぱっくこども大会」は静岡芸術劇場で開催できることを心より願っております。
 

▲エンディングムービー

〈クレジット〉
司会:ながいさやこ、山﨑馨
コメンテーター:寺内亜矢子、牧山祐大

Zoom操作:中野真希、杉山悠里
映像編集:小川哲郎、小早川洋也、森部璃音、大朏実莉
照明デザイン:花輪有紀
ロゴデザイン:吉田裕梨

演出部:秡川幸雄
音響:澤田百希乃
衣裳班:駒井友美子、清千草、山本佳奈、牧野紗歩
技術監督:村松厚志
制作:久我晴子、梶谷智、入江恭平

成島洋子(SPAC芸術局長)
宮城聰(SPAC芸術総監督)

主催:SPAC-静岡県舞台芸術センター‪

2020年5月4日

キリル・セレブレンニコフ:ロシアで生きること

上田洋子
(『The Student』日本語字幕翻訳)

 
 ロシアの演出家キリル・セレブレンニコフは、2017年8月から2019年4月まで、国家予算横領の罪を問われて自宅軟禁状態にあった。現在も国外に出ることが禁じられているはずだ。演劇人をはじめ多くの人々が、逮捕が不当であることを主張し、彼の釈放を求めた。
 この事件は「第七スタジオ事件」と呼ばれている。セレブレンニコフの劇団「第七スタジオ」において、国家予算を得たのに実施されず、予算の使途が不透明なプロジェクトがあるとされたのだ。この事件で、実際に実施されていたプロジェクトや、上演されていた作品が、「行われなかった」「上演されなかった」と断罪されるという不条理を目の当たりにすることになった。証言などを見るに、経理関係の書類に不備はあったのかもしれないが、横領があったかどうかは定かではない。この事件は2020年5月時点で今後も裁判が継続されることが決まっており、まだ完全な解決には至っていない。

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▲キリル・セレブレンニコフ

 
 では、セレブレンニコフはどういう演出家なのか。簡単に紹介したい。
 1968年生まれのセレブレンニコフは、ロシアの演出家としてはたいへん珍しいことに、演劇大学を出ていない。ロストフ大学物理学部出身で、大学生の頃からロシア南部の都市ロストフ・ナ・ドヌーのアマチュア劇団に所属し、1994年からは同市の劇場で演出を行っていた。2000年にモスクワに居を移し、同年、若手の新しい劇作とその上演を推進していたカザンツェフ・ローシン劇作演出センターで『粘土』を上演。1977年生まれで当時23歳の劇作家ワシーリイ・シガリョフと、29歳のセレブレンニコフのコンビによるこの作品は、大きな反響を呼んだ。そして2年後の2002年には、セレブレンニコフはモスクワ芸術座で演出を行うようになる。
 ソ連が崩壊して10年が経過したこの頃、現実を暴力や欲望を通して描く過激な戯曲が多く書かれ、評価を得ていた。この潮流は「ノーヴァヤ・ドラマ」(新しい戯曲)と呼ばれるが、『粘土』もそうした作品のひとつだった。セレブレンニコフはこれらノーヴァヤ・ドラマの演出で頭角を表した。わたしはモスクワ芸術座での彼の第1作、プレスニャコフ兄弟の『テロリズム』を見ている。もちろんノーヴァヤ・ドラマだ。芝居終了までの時間がタイムコードで示されながらも、速いテンポで暴力や性の場面が切り替わり、人生の耐え難さを押し付けられるような、辛く、しかし強く印象に残る体験だった。日本だとポツドール『夢の城』の鑑賞体験と似ているかもしれない。
 セレブレンニコフの型破りな演出はロシアの演劇界を驚かせ、彼は実力・人気ともに1、2を争う時代の寵児になっていく。モスクワ芸術座のほか、ボリショイ劇場でのオペラやバレエの演出も手がけ、さらに映画監督としても活躍する。2012年にはモスクワ市立ゴーゴリ劇場の芸術監督に任命された。当時いささか時代遅れだったこの劇場は、セレブレンニコフのもとで「ゴーゴリ・センター」として生まれ変わり、演劇だけでなく、映画やコンサート、パフォーマンスも行われるマルチな文化の拠点となった。さらに、最近ではハンブルク・オペラの『ナブッコ』(2019年)など、国外での活動も多い。
 
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▲「ふじのくに⇄せかい演劇祭2020」にて上演予定だったキリル・セレブレンニコフ演出作品『OUTSIDE―レン・ハンの詩に基づく』
 
 2000年代半ば頃から、セレブレンニコフはオストロフスキー、ゴーリキー、ブルガーコフらロシアの古典を現代的に解釈し、風刺劇として上演するようになった。2011年にボリショイ劇場で演出したオペラ『金鶏』では、ロシアの国章である双頭の鷲が双頭の鶏としてパロディ化されるなど、歴史的シンボルや暗示が多用され、ロシアの政治や権力構造が風刺された。作家のウラジーミル・ソローキンにも見られるようなあからさまな政治風刺は当時の流行でもあり、作品は話題を呼んだが、他方、保守層からの反感も招いた。2017年のセレブレンニコフの逮捕は、こうした反感とも結び付けられて受け止められている。
 2012年のプーチン大統領再選以降、ロシアでは社会がいっきに保守化する。同年2月、女性アーティストグループ「プッシー・ライオット」がロシア正教の総本山・救世主ハリストス教会で反プーチン・反教会ソングを歌い、その後逮捕され、公開裁判を経て矯正労働収容所に送られる事件があり、社会は擁護派と反対派に分断された。今回上映される『The Student』に登場する「宗教的感情の侮辱」という表現を、一般の人々が広く用いるようになったのは、この事件の頃ではないだろうか。
 
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▲映画『The Student』より

 『The Student』で、自分の言葉ではなく聖書の言葉を語り、聖書の価値観を振りかざす主人公ヴェーニャは、まるで独裁者のようだ。彼の論理はときに破綻し、聖書の言葉は都合よく歪められるが、周りの大人たちはなぜか彼に言いくるめられてしまう。他方、ヴェーニャと対立する理性的でリベラルな生物教師は、正論を言えば言うほど信頼を失い、どんどん立場を悪くする。この対立にはもちろん社会の対立が反映されているだろう。しかし、この作品では、こうした対立が、若さの持つ残酷さと弱さ、人間の愚かさと結びつく。緊張感に溢れる物語の中に、笑いや美、それに愛のテーマもどこからか顔を覗かせる。理解し合えない人々からなる社会の中で、人間の生とは何なのか、そんな問いに向き合わざる得なくなる作品である。

【筆者プロフィール】
上田洋子(うえだ・ようこ)
ロシア文学者、博士(文学)。株式会社ゲンロン代表。共編著に『歌舞伎と革命ロシア』(森話社)、監修に『プッシー・ライオットの革命』(DU BOOKS)、共訳書に『瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集』(松籟社)など。

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くものうえ⇅せかい演劇祭2020
https://spac.or.jp/festival_on_the_cloud2020

◆『The Student』
 5月5日(火・祝)13:00/22:00、5月6日(水・休)13:00配信予定

◆トーク企画「くものうえでも出会っちゃえ」
 キリル・セレブレンニコフ×宮城聰
 5月6日(水・休)15:30配信開始予定

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