ブログ

2025年7月6日

『鏡の中の鏡』稽古場ブログ【Vol.1】

SPACは、ほかの地域の公立劇場と相互に知見を交換しながら舞台作品の創造・発信をすることで、創造性の高い舞台芸術が広がる仕組みづくりに取り組むべく、KAAT神奈川芸術劇場との連携をスタートします。

その第一歩として、「宝探し」をテーマに、KAATとSPACがそれぞれキッズ向けの演劇作品を創作。

SPACは、演劇を通し多くの知見を得て磨きあげられた人材を“宝”と捉え、近年は演出家としても活躍目覚ましい寺内亜矢子を起用。世界の舞台を経験した俳優たちとともに、日本にもファンの多いミヒャエル・エンデ原作の『鏡の中の鏡』に挑みます。

このブログでは、『鏡の中の鏡』の稽古場の様子を、制作部スタッフ目線でレポートいたします。
 


 
稽古初日は、まず「顔合わせ」と呼ばれる『鏡の中の鏡』の創作をともにするメンバーの紹介をしたあと、演出の寺内よりエンデの『鏡のなかの鏡−迷宮−』を選んだ理由や、作品の構想などが共有されました。
それから、美術・衣裳の各デザイナーよりプランについて、また舞台監督よりKAAT大スタジオとグランシップ中ホール、両会場についての説明がありました。


 
少し休憩をはさみ気分転換をしてから、さっそく台本を声に出してみます。
エンデ特有の哲学的なテキストが、俳優の身体を通したセリフとなっただけで、クスッと笑えたり、ときにグサリと心に刺さったり、お芝居の土台が立ち上がったような気がしました。

台本を読んでみた印象について、少し意見交換をしてから、最初のシーンから取り掛かっていきます。


 
寺内からイメージや方向性が伝えられると、それをもとに「こんな感じ?」「こっちのほうがいい?」とリラックスした雰囲気のなか意見が飛び交い、みるみるうちにシーンが組み立てられていきます。

まさに、これまで多くの作品をともに創りあげてきた間柄だからこそ成せる技!
お互いのことを熟知しているので、コミュニケーションも非常にスムーズに進んでいます。

制作部・計見葵

 


 
SPAC新作『鏡の中の鏡』は、神奈川では「KAATキッズ・プログラム2025」の一環として、静岡では「グランシップ世界のこども劇場2025」との連携事業として、KAATの『わたしたちをつなぐたび』と同日上演いたします。

2つの劇場から生まれる、きらめくような2つの冒険。
私たちと一緒に、劇場で“宝物”をさがしませんか?

『鏡の中の鏡』
原作: ミヒャエル・エンデ「鏡のなかの鏡−迷宮−」 訳:田村都志夫
構成・演出:寺内亜矢子
出演:大高浩一、榊原有美、杉山賢、舘野百代

『わたしたちをつなぐたび』
原作:イリーナ・ブリヌル 訳:三辺律子
上演台本・演出:大池容子 音楽:小林顕作
出演:藤戸野絵、少路勇介、下司尚実、山田茉琳、岩永丞威

【神奈川公演】
KAATキッズ・プログラム
7月26日(土)・27日(日)
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

【静岡公演】
グランシップ世界のこども劇場2025 連携事業
8月2日(土)・3日(日)
グランシップ 中ホール・大地