皆さん、こんにちは。劇作家の石神夏希です。
『うなぎの回遊 Eel Migration』(仮題)では台本・演出兼プロジェクトリーダーをつとめます。
超ざっくりした企画書を作ったのが、約一年前。
それ以来ゆるやかにリサーチを続け、2025年2月にSPAC内のプロジェクトチームが立ち上がりました。それからブラジルにルーツを持つ県民の方たちに向けた出演募集をし、応募してきてくれた人とお一人ずつ会ってお話をして…。
このブログを書いているのは「SHIZUOKAせかい演劇祭」開幕を目前にした2025年4月。ついに来週、SPAC俳優・スタッフに、県民出演者(暫定的な呼び方ですが…)の皆さんが合流します。
今年の演劇祭期間中、私たちは日本平にある「舞台芸術公園」で初めて集まり、キックオフ合宿を行います。そして4月29日(火祝)と5月5日(月祝)に「オープンスタジオ」と題して、ワークショップを通じて創作する小さなパフォーマンスを上演する予定です。
というのも県民出演者の皆さんは全員、浜松など県西部にお住まいです。演劇を職業に選んでいるわけではなく、日々、別のお仕事に育児にと奮闘している人たちがほとんど。「演劇に挑戦するのは初めて」という人もいます。
普段はSPACチームが浜松に通っているのですが、今回は静岡市にある舞台芸術公園に集まることにしました。なぜなら2026年に、SHIZUOKAせかい演劇祭での本公演を目指しているからです。
限られた時間と遠距離を超え、これから約1年間をかけて濃い関係を紡いでいくことになる私たち。だからこそお互いを知る第一歩として、そしてこれから作り上げていく作品のエッセンスや目的地を共有するために、短期間で集中して創作に取り組みます。
ただ今回の「オープンスタジオ」、残念ながら一般公開はしません。リサーチや企画に協力してくださった方々や、演劇祭を支援してくださる方など関係者を中心とした招待制となっています。
「オープンスタジオ」は、この作品にとって誕生日。ウナギに例えれば、これまでずっとお腹の中で温めてきた卵が放出され、受精し、孵化する日!
(ウナギの産卵ではメスが放出した卵とオスが放出した精子が出会い、受精から約1日半〜2日ほどで孵化するとされています)
ですからオープンスタジオに参加する皆さんには、その孵化に立ち会い、これからの成長を見守っていただきたい。もしも興味を持っていただけたら、応援してくれたり、一緒に旅してくれる仲間になっていただけたら最高だなあ…と思っています。
本当は、どなたでもウェルカムです!と言いたいのですが、そんなわけで今回は限定公開となること、どうぞお許しください。
今後ワークショップをはじめ創作プロセスをひらく機会を作っていきたいと思っているので、ぜひ遊びに来てくださいね。
【2026年度初演予定|SPAC新作】
『うなぎの回遊 Eel Migration』(仮題)
出演:
赤松直美、貴島豪、森山冬子、吉見亮(以上SPAC)
台本・演出:石神夏希
音楽:棚川寛子
舞台美術デザイン:佐々木文美
音響デザイン:和田匡史
舞台監督:下田寛典
技術監督:村松厚志
写真:鈴木竜一朗
制作:坂中季樹、佐藤飛子
【創作スケジュール(予定)】
2024年6月~ リサーチ開始
2025年2月~ クリエーション開始
2026年2月浜松にて ワーク・イン・プログレス発表