こんにちは。インターンのOです。
今回はSPAC演劇アカデミー5期生の最終週の様子をお伝えします!
アカデミー生による『邯鄲』が無事終幕いたしました!本当におめでとうございます~
ということで、今回はその公演と稽古の様子をお伝えしようと思います。
今回上演したのは三島由紀夫の近代能楽集より『邯鄲』。
演出は寺内亜矢子さんが手掛けました。
『邯鄲』のあらすじは───
10年ぶりに再会した次郎と菊。菊が持っている枕には不思議な力があるという。その夜、次郎がその枕を使って眠りにつき、夢を見る。そんな物語です。
登場人物には、次郎、菊、美女、踊子、紳士、秘書、老国手、医師がいます。今回はアカデミー生15人で『邯鄲』をつくる上で、3人の次郎、3人の菊といったように複数人で役を演じました。
アカデミー生の皆さんは、普段は毎週日曜日に舞台芸術公園にある楕円堂で稽古をしているのですが、今回の成果発表会に向けては、3月17日(火)から本番の22日(日)までの6日間、場所を静岡芸術劇場に移して稽古と本番を行いました。

芸術劇場での稽古は午前10時半に集合し、全体稽古が終わるのは18時。その後、自主稽古は19時まで続くというハードなスケジュールを皆さんこなしていました。中には何時間もかけて劇場まで通っている人もいましたが、ギリギリの時間まで自身の演技を高めるために練習に励んでいました。
午前中はウォーミングアップやストレッチ、昼休憩を挟んで、午後は『邯鄲』の稽古という時間割。昼休憩では楽しそうに談笑する姿もあれば、個人でストレッチや練習をしている姿もありました。また布施安寿香さんが教えてくださった新聞破りのトレーニングが好評で、休憩中にもチャレンジする姿がたくさんありました。

続いて成果発表会&修了式の日の様子です。
本番の幕開けはトレーニング実演から行いました。15人のアカデミー生たちが、素早い足取りで現れます。一定のスピードで膝を曲げてしゃがみ、また同じスピードで元に戻る「テンカウントダウン」など、アカデミーで学んできた身体の使い方が披露され、劇場は静謐な空気に包まれました。

撮影:平尾正志
『邯鄲』は今までの稽古とは異なり観客のいる舞台での本番でした。私は客席から観劇させていただいたのですが、笑い声であったり拍手であったりとパフォーマンスに観客の目とレスポンスが加わって本番ならではの空気感であったと思います。
終演後の修了式では、ご指導くださった先生方からお言葉をいただき、一人一人が修了証書を受け取りました。
今日来てくださった方やずっと支えてくれた周囲の人々への感謝。アカデミーを通して得たもの、変わった価値観や1年間共に励んだ仲間への想いなどをそれぞれの言葉で時に笑い、時に涙しながら語る姿に、1年間ともに歩んできた人たちの絆を感じました。

撮影:平尾正志
修了式の後はロビーで写真撮影をし、そして今日来てくださった方々と歓談されていました。拍手が聞こえたりハイタッチを交わす姿があったりと楽しそうな様子が伝わってきました。
静岡芸術劇場での稽古は17日から22日までのわずか6日間でしたが、皆さんの上達には目を見張るものがありました。演出の寺内さんがおっしゃっていましたが、今年は例年に比べて稽古期間が非常に短く、ドキドキしながら見守っていたそうです。
しかし、そんな不安を跳ね除けるような堂々とした舞台でした。通し稽古ができたのは本番のわずか2日前。それなのに、初めての通しとは思えないクオリティを叩き出し、そこから日ごとに見違えるような演技を見せてくれました。本番は皆さんの技術の集大成といえる観客を魅了する立派な『邯鄲』でした。
さて、ここでインターンとしてたくさん観劇させていただいた中で『邯鄲』の超!個人的に好きなシーンを紹介します!
次郎と菊は複数人で演じるからこその良さを感じる「およしあそばせ」と菊が菊を庇うように出てくるところがめっちゃ好きです!また2組の次郎と菊が台詞を喋り、上手で一組の次郎と菊が身体を使って表現する、という演出とそれを噛み合わせているところが好きです。

撮影:平尾正志
美女のシーンは夢の唐突さを語る上で重要なのですが、インパクトが大きかったです。美女の次郎への対応と、赤ちゃんが生まれてからの「ぶぶぶぶぶ。ばーあ、チュルチュルチュル……」のギャップ、そして赤ちゃんが死んでからの美女の次郎への従順っぷりのギャップが素晴らしいです。

撮影:猪熊康夫
ヒップホッパーな踊子達。次郎と美女の不思議だけどとても迫力のあるシーンの後に、チャラい3人組が出てくる。この直前のギャップと「枕に咎はあらじ〜♪」の不意打ちが観客の笑いを誘っていました。

撮影:猪熊康夫
秘書のシーンはとにかく秘書のシルエットが美しいです!「こういうものでございます。」や「ぼり放題で、どうも」と名刺を渡すシーンのポーズが印象深いです。また次郎が電話に出ている最中の秘書のわちゃわちゃの動作が楽しくて好きでした。

撮影:平尾正志

撮影:平尾正志
紳士の2人が出てくる場面。「どんでん返しだ。」「まったくね。」という言葉と共に青い照明に照らされシルエットがバッと浮かび上がる。スーツとスコップ、毒薬の缶のシルエットがとてもきれいに映って動きの一つひとつが目立つ状態できれいなポージングを保ちながら動き、止まることの繰り返しをしていてすごかったです。

撮影:猪熊康夫

撮影:猪熊康夫
ラストのシーンはもう、迫力があるとしか言いようがありません!個人的には「わしらは邯鄲の里の精霊だ」と全員で言った後、各々が台詞を言っていくシーンは集団の声の圧と各々の声のターンに変わるどちらの良さもあって好きです。大勢で中心に集まってバッと散るシーンや、各々が美しい花になっているシーンは各々の技術がある上での集団性の美しさが如実に表れています!ラストは静と動、集団の迫力などで観客を魅了しています。花としての静止状態から解放され、みんなでわちゃわちゃと楽しそうにするシーンはこちらまで楽しい気分になって、この物語を観劇してよかったという気分になりました!

撮影:平尾正志

撮影:平尾正志

撮影:猪熊康夫
アカデミー生の皆さんは演劇に一生懸命で、なにより優しい素晴らしい人たちでした。濃密な1年間糧に進んでいく皆さんのこれからの学校生活、社会生活がとても楽しみです。
改めまして、SPAC演劇アカデミー5期生の皆さん、1年間本当にお疲れ様でした!
そして最高に良い舞台をありがとうございました。
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「世界にはばたけ、Shizuoka youth! SPAC演劇アカデミー」は、2021年度に開校した<世界で活躍できる演劇人>を目指す若者の感性を育むことを目的とした高校生対象の1年制の演劇塾です。劇場に通いながら、SPACの創作現場の“熱”をじかに感じられる環境の中で、少数精鋭の高校生たちが切磋琢磨する--そんな場をつくります。2024年度より23歳以下のオーバーエイジ枠を設置。SPACの俳優・スタッフらによる指導のもとで演劇を学び、名作戯曲の上演に向けての稽古に取り組むと同時に、教養、ライティング、英語の学習にも力を入れ、思考力・対話力を身につけていきます。詳しくはこちら
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